キムチョヨプのレビュー一覧

  • 地球の果ての温室で

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    デビュー作でもある前作の短編集から一気に大ファンになった作家さん。
    待ちに待った新刊でウキウキしてあらすじを見るとどうやら今回は長編とのこと。
    それもあってか前作よりも展開はゆったりとした流れ。
    それでも中盤から終盤にかけて過去と現在が交差し運命が紐解かれていく様は圧巻だった。
    終末という救いようのない世界を描きながら、まるで陽だまりの中に包まれるような安堵感を覚えるのは、やはり作者の優しい眼差し故なのかな。

    前作から共通する、好奇心が揺さぶられるSF設定の楽しさと「あなたを知りたい」という人間的な願いの尊さが、引き続き素晴らしかった。
    早くも次作が待ち遠しい。

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    2023年04月03日
  • 地球の果ての温室で

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    短編集「わたしたちが光の速さで進めないなら」が印象的だった、韓国の新鋭SF作家さんの長編作。品のある文体というか、静かで丁寧な文章は読んでてとても心地よい。途中それだけに短編集では感じなかった会話や描写が冗長に感じる場面もなくはなかったが、構成がしっかりしているので着実に読み進めることができた。ちょっとあの日本で有名なアニメの設定を連想させなくはないが、そこは気にせず読むのがよいでしょう。

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    2023年03月21日
  • 惑星語書店

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    ネタバレ

    『サボテンを抱く』『惑星語書店』『外から来た居住者たち』が特に好き。

    『サボテンを抱く』
    胸が痛んだ。パピラの「もういない」という言葉がとても苦しいし寂しい。

    『惑星語書店』惑星語って文字は、音韻はどんなのだろう。異国の地にて母国語で話しかけられたために心を開く人というのを動画でよく見かけるが、その時のまるで友人に再会した時のような嬉しそうな顔が頭をよぎった。

    『外から来た居住者たち』おいしいと感じられない、という感覚の理由が地球外星人だからという設定が面白い。ダヒョンと店長が美味しさを分かち合えた瞬間をこうやって見せてもらえて嬉しい。

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    2026年04月12日
  • 惑星語書店

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    「私たちが光の速さで進めないなら」で話題のキムチョヨプの短編集。不思議な話。SFと呼ばれる類いの本を読んだのは久しぶりだなぁ。やっぱり翻訳文学特有の読みにくさはあった。でも薄いから1日で読み終えた。「派遣者たち」も楽しみ!

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    2026年04月12日
  • わたしたちが光の速さで進めないなら

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    なんだか懐かしい感じさえするのはなぜ?大好きな70年代日本SFの匂いがするからかなー。全体的に静かなトーンが好き。

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    2026年04月11日
  • 惑星語書店

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    よくわからない話も多かったけど、
    「メロン売りとバイオリン弾き」
    「惑星語書店」
    「切ないラブソングはそれぐらいに」
    「みんなのココ」
    「外から来た居住者たち」
    がよかった。

    装丁がとてもオシャレ。

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    2026年03月28日
  • この世界からは出ていくけれど

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    ネタバレ

    韓国SFの新星、というよりも代表格と言って差し支えないぐらいの貫禄が出てきたキム・チョヨプ氏の本邦第二短編集。
    一読しての印象は、第一短編集「わたしたちが光の速さで歩めないなら」と同様の、淡々としながらもしっかりとそこにある切なさ、それを乗り越えようとするほんの少しの勇気です。本短編集は、タイトルでも端的に表現されている通り、”この世界”に対するちょっとした疎外感と、そこから抜け出そうとする女性たちの姿を描いている作品が収められています。

    この、「女性性と社会との関係性」というテーマに触れて、鴨がふと想起したのは、ジェイムズ・ティプトリー・Jr。本名アリス・シェルドンという、聡明で社会的にも

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    2026年03月25日
  • わたしたちが光の速さで進めないなら

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    ネタバレ

    SFの中では読みやすく、フェミニズムな要素もあり、韓国文学って感じだった。けどやっぱりSFは得意じゃないなぁ。完全なる好みの問題。

    巡礼者たちはなぜ帰らない
    成年の儀式にまつわる謎について。
    話は分かったけど、別にわざわざ周りに迷惑かけて一人で先に旅立つ必要なくない…?みんなと一緒に行ったらダメなの…?と思ってしまった。情緒のなさ。

    スペクトラム
    言葉の通じない見えている世界も違う地球外知的生命体との交流の話。生命体に情が芽生えていく過程がすてきだった。

    共生仮説
    ニューロンパターンの解析により被験者が考えていることを解析する研究が進んでいる世界。大人やペットなどでは解析の精度が上がって

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    2026年03月09日
  • 惑星語書店

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    2026 03/06
    掌編小説。初めての韓国文学。『沼地の少年』『汚染区域』『最果ての向こうに』が好み。地球外植物に汚染されていく地球。人類なんて儚くて頼りない存在だな、としみじみ思う。植物の逞しさにはとうてい敵わない。なすすべもなく滅んでしまうのだろうか。
    『みんなのココ』は一見無害そうに見える地球外植物ココに人類が魅了される。全人類が愛してやまない伴侶種ココ。静かな侵略って感じで恐い。

    物悲しさと切なさに彩られた世界観に入り込みました。ノスタルジックな気持ちが湧き上がってくる話もあり、軽やかな文章とSFがとても相性が良いと思いました。
    この著者の他の作品も読んでみたくなりました。

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    2026年03月06日
  • 惑星語書店

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    地球外生物に侵されつつある地球が舞台。切なさもありながら、ふんわりと優しいSFショートショート。
    1話ずつが短いから最初のあたりはあまり入り込めなかったけど、終盤には世界観に没入できた。

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    2026年03月04日
  • わたしたちが光の速さで進めないなら

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    宇宙の話もあれば、今の人間の生活の延長線上の話もある読みやすいSF短編集だった。

    テクノロジーが進歩しても幸せへの距離は縮まらず、相変わらず人間は同じような悩みや葛藤を抱えてる。

    この物語はフィクションだけど、きっと現実もこうなるんだろうな。

    著者のデビューのきっかけになった『館内紛失』という一編が、未来を生きる母娘の確執の物語で、SFなんだけど情緒的で、でも結末は感傷的になり過ぎず締め括られていて美しかった。

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    2026年02月20日
  • 本と偶然

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    チョヨプさんのSFが好きなので、いつもどんなふうに物語を書いているのか、どういう過程で書くことになったのか、などを知れて面白かった。
    ただ難しい言葉が続いたりして読むのが大変な部分もあった。

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    2026年02月10日
  • この世界からは出ていくけれど

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    続いて韓国SFを。カバーがかわいい。どれも読みやすく、心の機微が繊細に描かれていたのが良かった!色んなテイストのSFがあるんですね。

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    2026年02月04日
  • 本と偶然

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    彼女が、どうして小説家になったのか。そしてどのように小説を書きつづけているか。色んな本との出会いにより自分自身に気づき、書くことを選ぶ姿が眩しい。SFというジャンルの中でも新鮮な手触りの彼女の作品の所以が垣間見えた。

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    2026年01月14日
  • 派遣者たち

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    なんだろな、面白いとはそんな思わなかったんだけど後半になるにつれて現在の世界を一緒に想像して考えちゃうあたりが著者らしい作品だったなあと。もうちょい狂気、いや違うな、歪な愛情かな、それを早く感じとってられたらもっとあの辺楽しめただろうなあっていう。まあこれは睡魔と何度も闘いながら私が読んでしまったせいなんだが。

    私だったら理解してる風を上辺だけ装ったり言い聞かせて本心は好きにすればって冷めた目で送り出すかもしれないなって思っちゃった・・自分には出来ない選択をした人たちを羨んで嫉妬して・・

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    2026年01月06日
  • 惑星語書店

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    色んなテイストのお話がたくさんで楽しかった!!

    後味・・ってなるのとかクレーム処理どうなったんって気になるのとか二度三度読み直しても何が言いたいのかよくわからないのもあったけど٩( 'ω' )و
    表題作、メロンとバイオリン、シモンを〜が好きかな。シモンの仮面はニアレプの仮面の街を思い浮かべながら読んじゃったw

    『派遣者たち』の元になった話も興味深かったのでもっかいこれと『地球の果ての温室で』を読みたい気にもなったねえ。

    はーーーしかしこの後ろ髪引かれる読後感、やっぱり佳い( *´艸`)

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    2026年01月06日
  • わたしたちが光の速さで進めないなら

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    ネタバレ

    何が言いたいのかよくわからない、的な作品もありつつ、全体的には技術と心の摩擦にクローズアップされていて、そこは面白かった。特に『共生仮説』の未知の生命体が赤ん坊に入り込むことによって人間の赤ん坊は他者性を獲得する、みたいなのはSFらしい斬新さがあって面白かった

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    2026年01月03日
  • この世界からは出ていくけれど

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    ネタバレ

    視覚の認知体系に異常をもつ人がなぜダンスに興味を示したのか?を描いた「マリのダンス」、空気中の「粒子」から意味を見出す人種と、それらを香りとしてしか認識できない人種の断絶と交流を描いた「ブレスシャドー」、短い寿命しか保てない星に生きる人たちの宗教観を描いた「古の協約」が特に印象的だった。キム・チョヨプの「障害」と「認知」「断絶」というものへの視線を強く感じる短編集。

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    2025年12月30日
  • 惑星語書店

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    本格SFとは一線を画し、未来や異世界の中でも日常的な時間が流れている点が特徴。
    惑星間戦争、政治、遺伝子操作、AI社会など、いわゆるザ・ SF的な設定は存在しない。
    その代わり、人とロボットの関わりや希少な出会いなど、心が温まる交流が描かれる。

    まるで14の世界を巡る短期滞在型の未来旅行のようだと感じる。
    全体を通せば、時空を飛び越えた永遠の旅をしているようで、どれもが新しい発見に満ちていた。

    また、言葉を削ぎ落とし洗練された美しい表現を用いて、読み手の想像力を膨らませる魅力もある。
    SF初心者におすすめの一冊。

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    2025年12月27日
  • 惑星語書店

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    タイトルに惹かれて手に取ったSFショートショート14篇
    限られた紙幅で世界観をしっかり掴ませつつも、決して語りすぎない絶妙な文量と端正な筆致が良い

    総じて、他者との繋がり方、関わり方についてのお話が多い気がした
    たとえ深宇宙にまで進出したとしても、誰かと触れ合いたい、誰かと語りたい、誰かを分かりたいという人間の願いは、ちっぽけな地球に押し込められていた頃からまるで変わっちゃいない
    ラストの『最果ての向こうに』を読みながら、そんなことを考えていた

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    2025年09月25日