キムチョヨプのレビュー一覧

  • 地球の果ての温室で

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    SF特有のマッチョな感じがなく、その時代、その環境にサラリと飛び込めるような文章や登場人物の設定が好き。SFらしくなく、しかしSFじゃないと書き得ない物語。描かれているものは普遍の苦さや焦がれる想い。

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    2024年05月27日
  • サイボーグになる テクノロジーと障害,わたしたちの不完全さについて

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    障害当事者の2人が語る話はとても読み応えのあるもので、今まで気付いていなかった様々なことに気付かせてくれた。「完全」って何だろう、「欠如」って何だろう、どの目線で考えればいいんだろう。まあ、深いとても深い作品だった。

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    2023年08月14日
  • 地球の果ての温室で

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    ダストフォールという地球規模での災害が発生した後の世界。ドームに逃げ込むことができた人と、耐性を持っていた人が生き残って、世界を再建した。ダストの時期に、地球を覆っていた植物、モスバナが、今頃になって再発生したことから始まった調査だが、主人公アヨンの思い出につながる点があり詳しく調べていく中で、ダスト時代の人々の行動が明らかになっていく。
    序文で作者本人が書いているのだが、この本の執筆時期がCOVID-19が最も深刻だった時期に重なっていたとのこと。小説の中のダストフォールが、現実のパンデミックと重なる部分もある。
    とても面白かった。おすすめです。

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    2023年06月14日
  • サイボーグになる テクノロジーと障害,わたしたちの不完全さについて

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    障害に対する社会的スティグマのせいで、わたしたちは「充分に障害者になる」ことをためらった。

    健常者が、作り出した「こうだろう」という枠にハマりたくないという抗い。ありのままの自分として「障害者になる」ことをしたいのに、できない。

    わたしたち健常者は、知らずに障害者の「ありのままで、在りたい」という真っ当な望みを阻害しているのか。

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    2023年02月18日
  • サイボーグになる テクノロジーと障害,わたしたちの不完全さについて

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    伊藤亜紗さんが絶賛するTweetから検索してみると「世界が注目するSF作家キム・チョヨプと作家・弁護士・パフォーマーでもあるキム・ウォニョン」の共著とあり、おふたりそれぞれ「障害当事者」であるとの紹介文にも興味をそそられ読み始めた本書。
    2019年韓国の週刊誌連載(加筆修正したもの)と対談、日本語版の序文や参考文献もふんだんにあって読み応えのある一冊。

    「わたしたちは他人の生はそれぞれ極めて固有なものであるという事実を、知っているのにすぐ忘れてしまう。」

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    2023年01月20日
  • 惑星語書店

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    普段SFと呼ばれるものはあまり読まないのだけれど、キム・チョヨプさんの本はよく手に取る。表紙の絵と、余韻を残すタイトルがたまらなくて。
    この「惑星語書店」という短編集は、スカッとした読後感があるわけではなく、仄かに物寂しいような気持ちになる。
    多分、普段は「面白い動画を」「もっと効率よく」「もっと有益な情報を」というモードなので、それと対極の寂しい、静かな感じが良いのではないかな。

    「互いに触れないよう気をつけながら」と「ほかの生き方もあることを」という二つのセクションに、8編と6編の掌編小説。

    前者は、「痛みを与えないことが愛なのか、はたまた痛みに耐えることが愛なのか」というフレーズに導

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    2026年06月02日
  • 惑星語書店

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    読み始め数篇は、設定を理解して世界観に入ったと思ったらすぐ出なくてはいけない短さに困惑ともったいなさを感じたけれど、徐々に慣れてきた。とりあえず受け入れて眺めて心にしまったり手放したり。
    いちばん心に残ったのは「沼地の少年」かな。関連して「汚染区域」もよかった。表題の「惑星語書店」や「シモンをあとにしながら」も素敵でした。

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    2026年06月02日
  • わたしたちが光の速さで進めないなら

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    すごく優しいSF短編集で読みやすかった。
    何回か繰り返し読みたいそんな本でした。しばらくしたらまた読み返そう。

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    2026年05月25日
  • この世界からは出ていくけれど

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    同著者の作品は2作目。今回もとても良かった。中でも古の協約がすきだったな。SFに限らずこれまであまり短編は読んでこなかったのだけれど、難しいことは分からなくても国籍が違っても人が人に感じる想いは変わらないんだなぁ。清水玲子のMAGICのような、銀河鉄道999のような切なさの余韻に浸ってしまう。翻訳も読みやすい。またこの作者の文庫が出たら買うと思う。

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    2026年05月19日
  • わたしたちが光の速さで進めないなら

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    ネタバレ

    SFの短編集で設定もライトで読みやすかった。
    何よりSFでありながらも、誰かを待つ、誰かの過去を知ろうとする主人公達の探究心がとても面白かった。特にスペクトラムと館内紛失の話が優しくて私は好きだった。

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    2026年05月05日
  • この世界からは出ていくけれど

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    SF?かな何やら難しい文章だったところもありました。読めない漢字や理解出来ないところもありましたが全体的には面白かった。私としては7日間で読み終わったのは早い方で、
    すなわち面白かったと言う事です。
    探してこの人の本をまた読んでみたくなりました。
    翻訳がもう少し上手ければ良かったと思う。

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    2026年04月12日
  • わたしたちが光の速さで進めないなら

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    ネタバレ

    『この世界からは出ていくけれど』に次いで著者を読んだのは2冊目かな。
    この本がデビュー作なので、順番としては逆転してしまったけど、テーマを考えると『この世界からは出ていくけれど』から読むのもそんなに間違ってなかったのかな、とか思ったり。

    『この世界からは出ていくけれど』は、他者との間にあるどうしようもない断絶を(どちらかと言えば)悲劇的に書かれていることが多かった印象。
    対して『わたしたちが光の速さで進めないなら』は、この理解できない他者がそれでも「愛すべき誰か」であった、という部分に善性が感じられて非常に良い。
    時が変わっても場所が変わっても、何かを愛する人間性というものは共通しているはず

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    2026年04月02日
  • わたしたちが光の速さで進めないなら

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    透明感のあるSF小説であった。
    ワクワクしながら、自分の中の歴史の中の既視感を撫でられる、そんな物語たちであった。

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    2026年03月24日
  • わたしたちが光の速さで進めないなら

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    不思議な世界観で入り込むのに若干時間かかったけど描いているのは現実世界に通ずるものが多いから少しは共感できる。

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    2026年03月19日
  • 本と偶然

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    アイデアはランダムな行動から湧いてくるものだ、というようなことを森博嗣が書いていたのを思い出した。
    無数の本に触れられることがいかに心強いか。これからも自由に読んでいこうと思う。

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    2026年03月16日
  • 本と偶然

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    SFだとか、ホラーだとかにどこかずっと偏見があったように思う。読者をびっくりさせることで読ませようとする感じが、インパクトのあるサムネで再生数を稼ごうとするYouTuberのように思えていたのかもしれない。それすらも偏見なのかもしれないが。

    著者のSF作家としての生き残りをかけた奮闘記のようなものだと思って読み始めた本書だが、最初の数ページでそのイメージは覆された。非人間に真摯な向き合うこと、それがSFというジャンルと合わさったときに、面白かったで終わらない、とてつもないエンタメが生まれるのかもしれない。
    「SFは人間中心主義という長きにわたる天動説を覆すものなのかもしれない」これはもしかし

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    2026年03月16日
  • わたしたちが光の速さで進めないなら

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    しっかりと練られたSF世界が舞台でいながら、そこに暮らす人々への眼差しは公平で優しい
    作者の作品は2冊目だけれど、人間の弱さを静かに愛おしむ姿勢がとても好き
    どちらも短編集だったので、今度は長編も読んでみたい

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    2026年03月14日
  • この世界からは出ていくけれど

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    ネタバレ

    新しい技術、進化した人類、でもいまだ埋まらぬ他者との溝。

    相手を理解しようとしてもうまくいかない時もある。
    それでも歩み寄る努力、相手のことを思う時間は、相手への愛情の深さだと。

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    2026年03月14日
  • この世界からは出ていくけれど

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    初めて読んだ著者の作品は『私たちが光の速さで進めないなら』でした。それも良かったけど、本著もとてもよかった……俺の大好きな悲壮感溢れててなんか好きなんですよね。なんというか、「同じ場所では生きられないけど、それでも互いを想っているのは同じだよね」と言っているみたいな感じというか。

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    2026年03月10日
  • この世界からは出ていくけれど

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    前作『わたしたちが光の速さで進めないなら』が大変良かったのでこちらも。旅立つ者と、見送る者の7つの短編集。

    広大な宇宙にある無数の星々、多様な外見、テクノロジー、死生観、多数派と少数派…それぞれの理解と無理解。家族であれ恋人であれ友人であれ、お互い譲らない(譲れない)一線があり、愛していても理解、許容できないこともある。
    互いに分かり合えなくても相手を愛すること、相手を思いやることはできる。

    どの話も良いのだけど個人的なお気に入りは「キャビン方程式」
    文字を追いながら静かに揺さぶられるような感覚。繊細な翻訳も素晴らしい。
    寂しさの中に一滴の優しさがふわりと溶け込んだような読後感の一冊。

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    2026年02月27日