キムチョヨプのレビュー一覧

  • この世界からは出ていくけれど

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    「わたしたちが光の速さで進めないなら」がとても刺さったので本作も読んだ。
    ここではない遠い星のどこかの話なのに、この世界で起きている出来事かのように感じられる、不思議で優しくて切ない短編集だった。
    異なる生き物同士の、相互理解ではない形の寄り添い方について考えさせられた。

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    2026年06月24日
  • 惑星語書店

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    SFじゃないと成り立たない設定で感動しつつ、でも"気持ち"の部分は現実の世界でも想像できる切なさを見せてもらう。

    便利になりすぎることでむしろ何が大事なのか明確になる感じが、いいなぁと思った。人間のことを好きになれる、とでもいうのでしょうか…。
    人間って正しいとわかっていても真逆の選択を選んでしまったり、よくわからない行動に出てしまったり。
    でもそれは無くさなくていいのではないか。
    戻れなくなってからでは手遅れなのでは…。
    はじめてSFを読んだ日の解釈としてここに書いておく

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    2026年06月02日
  • 地球の果ての温室で

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    ネタバレ

    「ダストフォール」という世界的災害以後の荒廃した世界を生き抜いているナオミと、その数十年後に文明が復活した社会で植物学者をしているアヨンの視点で描かれる物語。謎を調査するといく建付けの話ではあるが、メインは人々の心の交流を描いた話。
    ナオミは姉のアマラと共にブリムビレッジと呼ばれる村にたどり着く。そこは人々が僅かな食料を巡って争い続けるの他の集落とは違い、人々が穏やかに、作物を育てながら生きていた。
    一方、アヨンはモスバナという植物の異常増殖という件を調査することになる。そこで青い光の話を聞き、幼い頃に見たことがある事に気付く。それはヒスと呼ばれる変わり者の女性の庭でのことだった。
    フリムビレ

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    2026年05月10日
  • わたしたちが光の速さで進めないなら

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    すごく心地良い小説でした。
    こんなに静かで温かくて穏やかで、純文学チックなSFがあるんだなあ。
    今まであまりSF作品に惹かれてこなかったけど、このテイストならこれからも積極的に読みたくなりそう。

    「確かにそれって不思議だよな…」という、現実からそう遠くない事象を起点にSFの世界が膨らんでいったり、宇宙規模だろうと変わらないかけがえのないものが描かれていたりのおかげで、すっとはいってきた。
    フェミニズムとかマイノリティに関わる要素を含んではいるけど、作品の世界観を超えて作者の声で主張するような、ノイズ的メッセージがなくて上品なのも好み。
    あくまで自然に、作品の世界を楽しめた。

    現実世界を通す

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    2026年05月01日
  • わたしたちが光の速さで進めないなら

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    ネタバレ

    7篇のSF短編集
    韓国の作家さんを初めて読んだ
    スペクトラムが1番好きだった
    じわじわと心があったかくなるし寂しくなる
    言語もなにも理解できないところから、少しずつ相手のことを知ろうとする
    ルイが死ぬと次のルイがまた世話をしてくれる
    記憶を受け継いでいく中で、守り続けようという意思が、途切れることなく続いていくのが素敵だった
    相手のみている世界を、同じようにみることはできないけど、おもい続けていれば、わずかながらに想像できる日がくる

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    2026年04月09日
  • 派遣者たち

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    ネタバレ

    エピローグにて、ある人とある人の別れが、生と死という概念では説明できない繋がりによって再び繋がる描写がある。

    今、生きて存在してる私・私の大切な人たち、過去に亡くなってしまった大切な人たちが、私たちの今の生が終わった後にこうしてまた会えるといいなと思う。

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    2026年03月30日
  • この世界からは出ていくけれど

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    ネタバレ

    相互理解って、どれほど難しいことなのか。それをしようとすること自体の尊さと、欺瞞と、そして結局のところ不可能かもしれないということ。
    けれども理解しようとする、もしかしたらそれは酷いことかもしれないけど、理解しようとすることが大切なんだと私は思う。思うことにしました。

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    2026年03月29日
  • わたしたちが光の速さで進めないなら

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    どれだけ技術が進歩しても、人と人との繋がりは大事だと改めて思いました。
    「感情の物性」が個人的に一番興味深い内容でした。

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    2026年03月26日
  • わたしたちが光の速さで進めないなら

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    めちゃくちゃ面白かった。

    SF短編集なのですが、個人的には「館内紛失」が一番すき。
    母娘関係を題材するとどうしても暗くて重たくなるんですよね。なぜなら、してもらえなかったことに言及せざるを得ないから。
    それをここまでやさしく汲み上げたのはすごいなと思った。

    どの作品もあたたかな読後感が素敵。

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    2026年03月18日
  • この世界からは出ていくけれど

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    ネタバレ

    SFというジャンルではあるものの、本質は他者との分かりあえなさについて描かれた小説だと感じた。

    著者が「感覚バブル」という言葉を使って説明している、一人ひとりが知覚している世界の違いとそのすれ違いについて思いを馳せることができて面白かった。

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    2026年03月15日
  • わたしたちが光の速さで進めないなら

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    とっても面白かった!
    キムチョヨプさんの小説は前から気になっていて、やっと読むタイミングをつくれました。

    どれもこれからの未来、実現できたらわくわくするだろうと感じる科学の進化な反面、現代におけるそれぞれの問題提起の主題を孕んでいて考えさせられる展開。どんどん引き込まれた、、!

    共生仮説と館内紛失がすき。
    心の機微に寄り添える感性があるからここまでの描写ができるのだなと思うし、キムチョヨプさんの他の書籍も絶対に読むぞと心に決めました。

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    2026年03月14日
  • 惑星語書店

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    SF掌編集。
    最初の「サボテンを抱く」で心を鷲掴みにされた…!ここではないどこかの世界の話でありながら、この世界で生きるために大切な優しさを教えてくれる、不思議な物語ばかりだった。

    予備知識なしでふと手にとった本が自分好みだったとき、なんだか運命を感じる。

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    2026年03月08日
  • わたしたちが光の速さで進めないなら

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    SF短編集。どれも読みやすく、面白かった。人間性の獲得の話など、発想力に感服。タイトルのセンスが逸脱している。

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    2026年02月25日
  • 惑星語書店

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    読みたい読みたいと思っていたキム・チョヨプさんを初めて読んだ

    面白い!好き!!
    地球外生命体として植物に侵食されつつある地球が主な舞台
    共生か侵略か寄生か、そもそも地球の人類がそれを選べるような状況なのかも分からない

    絶滅って劇的じゃ無くてこんなふうに緩慢にすすんでいくものなのかもとゾワゾワしながらも、ちょっと違うように思える隣人を受け止めたり理解してみようと思う視線の暖かさが絶妙

    表題作の惑星語書店も、設定はSFなのに出てくる人達の気持ちは私たちと同じでノスタルジーに悶えた

    『サボテンを抱く』には泣かされて、最初からこんな完成度でこの後どうなっちゃうのと思ったけど、総じて大満足読書で

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    2026年02月23日
  • わたしたちが光の速さで進めないなら

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    久々にいい本に出会った。
    SFの題材になるような派手な出来事の中にも日常はあるんだな、としみじみ。
    そして生きて出逢って愛して死んで、、そんな人間の時間とじっくり向き合う不思議な物語たち。

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    2026年02月13日
  • この世界からは出ていくけれど

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    汎ゆる世界から旅立つ者達の
    7つの短編集
    元タイトルは
    『さっき去ってきた世界』
    序文で日本の読者への
    メッセージが書かれていて、
    その丁寧さに心打たれた

    SFは翻訳者の技量も
    特段問われる分野だと思うが、
    物語自体の内容も
    プロットもしっかりしてて、
    凄く読みやすく、儚い世界観も好み

    本の装丁もかわいいし、
    著者の別の本も手に入れたいと思った
    装画は最終話のキャビン方程式からかな?
    読み終えてからの装画の良さが増すね〜

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    2026年02月01日
  • この世界からは出ていくけれど

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    ネタバレ

    最近ちょくちょく韓国発の作品が増えてきて、早川書房やるな…!という感じ。
    早川書房は安定して面白い作品を邦訳してくれるから助かるぜ。

    短編集なのに、全体としての主題が全くブレないのは凄かったな。あとがきで語っていたように、ずっと同じことを考え続けてきたのだろうな、というのがしっかりと伝わってきた。

    ある社会形態と個人の生態が矛盾するとき、その個人は時に異物とされることがある。
    奈須きのこに言わせれば「怪物」なんだけど、社会形態に慣れている私たちにとって「怪物」と一緒に暮らし続けることはできない。もしそれを可能とするのなら、私たちが「怪物」になるか、「怪物」が「怪物」であることをやめるかしか

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    2025年11月23日
  • この世界からは出ていくけれど

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    前作から好きだったが、今作でさらに好きな作家さんになった。

    日常では当たり前すぎて意識しない人間の機能や感覚を、SFの世界を通して際立たせることで、改めてその尊さに気付かされるようだった。

    前作もそうだが、翻訳者の方がとても上手で、国外の作品であるというフィルターを全く感じることなく読むことができた。

    ブレスシャドー、認知空間、キャビン方程式が特に好きだった

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    2025年11月01日
  • この世界からは出ていくけれど

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    ネタバレ

    自分がSFというジャンル自体をあまり読んでこなかったこともあるかもしれないが、概念や設定が完全には理解できない中で感情が動かされるという、不思議な読書体験ができた。
    理解や共感が完全には及ばなくても他者を愛することができる、というような話も出てきたが(「ローラ」)、それが全話に共通するテーマの一つにもなっていると感じた。
    「最後のライオニ」の、主人公自身の弱点だと思っていた特性が任務遂行に不可欠であったと気付く場面には、かなり励まされた。
    上記のように要約しようとすると教訓めいた表現になってしまうのが惜しい…。
    各話とも、その舞台となる場所の秘密が徐々に明らかになり、引き込まれながら楽しく読み

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    2025年10月31日
  • この世界からは出ていくけれど

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    ネタバレ

    どの作品も心に残る作品でしたが、その中でも
    最後のライオニ
    ブレスシャドー
    キャビン方程式
    が好きでした。

    相容れない者たちが時に反発し、時に惹かれあう姿が
    とてもやさしい視点で描かれていました。

    ○最後のライオニ
    他の人とは違うと思っていた主人公がほかの星に行くことで
    他者とのつながりを知ってアイデンティティを確立していく姿が泣けました。

    ○ブレスシャドー
    言語体系が全く異なる二人の友情と別れ。
    リアルで蔓延している排外主義に重ねてしまいました。
    「砂漠の隅っこで帽子をかぶっている靴下が見つかった……」
    という言い回しが天才だと思います。

    ○キャビン方程式
    物理学的な部分は宇宙猫状態

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    2025年10月22日