キムチョヨプのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
読みたい読みたいと思っていたキム・チョヨプさんを初めて読んだ
面白い!好き!!
地球外生命体として植物に侵食されつつある地球が主な舞台
共生か侵略か寄生か、そもそも地球の人類がそれを選べるような状況なのかも分からない
絶滅って劇的じゃ無くてこんなふうに緩慢にすすんでいくものなのかもとゾワゾワしながらも、ちょっと違うように思える隣人を受け止めたり理解してみようと思う視線の暖かさが絶妙
表題作の惑星語書店も、設定はSFなのに出てくる人達の気持ちは私たちと同じでノスタルジーに悶えた
『サボテンを抱く』には泣かされて、最初からこんな完成度でこの後どうなっちゃうのと思ったけど、総じて大満足読書で -
Posted by ブクログ
ネタバレSFでありながら、読み終えた後に胸に残ったのは不思議な「ノスタルジー」だった。
技術が光の速さで発展しても、誰かを思う人間心理や、ままならない人間関係そのものは変わらない。著者のその丁寧な眼差しが、未来の物語に温かさを与えているのだと感じた。
特に印象に残ったのは、表題作『わたしたちが光の速さで進めないなら』。
新しい技術の発見によって、家族との関係が引き裂かれてしまう理不尽さ。それが宇宙レベルにまで広がる「怖さ」と、それでもそこで待ち続ける「静けさ」に胸を打たれた。
また『スペクトラム』では、色彩言語や個体の入れ替わりといった、自分の想像の範疇にはない異星人の生態に最初は不気味さすら感じ -
Posted by ブクログ
ネタバレ最近ちょくちょく韓国発の作品が増えてきて、早川書房やるな…!という感じ。
早川書房は安定して面白い作品を邦訳してくれるから助かるぜ。
短編集なのに、全体としての主題が全くブレないのは凄かったな。あとがきで語っていたように、ずっと同じことを考え続けてきたのだろうな、というのがしっかりと伝わってきた。
ある社会形態と個人の生態が矛盾するとき、その個人は時に異物とされることがある。
奈須きのこに言わせれば「怪物」なんだけど、社会形態に慣れている私たちにとって「怪物」と一緒に暮らし続けることはできない。もしそれを可能とするのなら、私たちが「怪物」になるか、「怪物」が「怪物」であることをやめるかしか -
Posted by ブクログ
ネタバレ自分がSFというジャンル自体をあまり読んでこなかったこともあるかもしれないが、概念や設定が完全には理解できない中で感情が動かされるという、不思議な読書体験ができた。
理解や共感が完全には及ばなくても他者を愛することができる、というような話も出てきたが(「ローラ」)、それが全話に共通するテーマの一つにもなっていると感じた。
「最後のライオニ」の、主人公自身の弱点だと思っていた特性が任務遂行に不可欠であったと気付く場面には、かなり励まされた。
上記のように要約しようとすると教訓めいた表現になってしまうのが惜しい…。
各話とも、その舞台となる場所の秘密が徐々に明らかになり、引き込まれながら楽しく読み -
Posted by ブクログ
ネタバレどの作品も心に残る作品でしたが、その中でも
最後のライオニ
ブレスシャドー
キャビン方程式
が好きでした。
相容れない者たちが時に反発し、時に惹かれあう姿が
とてもやさしい視点で描かれていました。
○最後のライオニ
他の人とは違うと思っていた主人公がほかの星に行くことで
他者とのつながりを知ってアイデンティティを確立していく姿が泣けました。
○ブレスシャドー
言語体系が全く異なる二人の友情と別れ。
リアルで蔓延している排外主義に重ねてしまいました。
「砂漠の隅っこで帽子をかぶっている靴下が見つかった……」
という言い回しが天才だと思います。
○キャビン方程式
物理学的な部分は宇宙猫状態 -
Posted by ブクログ
〜あらすじ〜
正体不明の菌類『氾濫体』に地上は汚染され、地下都市に追いやられ、『氾濫体』による『錯乱症』怯えながら暮らす人類。
地上奪還のため氾濫体の調査・研究を行うため、地上へ出ることを唯一許されている『派遣者』になることを夢見る地下都市ラブバワに住む少女テリンは、師匠である派遣者のイゼフに憧れながら、派遣者の資格試験に挑み続ける。
美しい地上を夢見るテリンを中心に展開するSF。
〜感想〜
あらすじから住処を奪われた人類と氾濫体との戦いを巡るディストピアかと思い読み始めると、冒頭から三分の一くらいまでは地下都市ラブバワでのテリンの日々を淡々と描いていたのに、中盤から突然、個について、意識や