キムチョヨプのレビュー一覧

  • 地球の果ての温室で

    Posted by ブクログ

    ダストフォールにより滅亡に瀕した地球の生命たち。救ったのはとある植物と、その植物を作出し、広げた二人のシスターフッド。
    ------------------
    韓国のSF作家、キム・チョヨプさんの初の長編です。
    これはとても良かったです。構成も手が込んでいて、割とハードめですが、人と人のつながりが切なく深く描かれていて胸に迫りました。
    また、科学者目線のお話ということもあって、植物の分化や生態、遺伝子工学、進化生物学などをしっかり踏襲している点も読み応えを支えているな、と思います。読み終わってしまうのがもったいなくて最後は数ページずつちびちび読みました。たくさんこんな長編書いてほしいなあ。

    0
    2026年10月07日
  • わたしたちが光の速さで進めないなら

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    様々なテーマで人の心の揺れ動きを描いたSF短編集。
    絵描きの異星人との交流を描いた「スペクトラム」
    一目見る誰もが涙を流すリュミドラの絵の秘密を描いた「共生仮説」
    が特に好きだが、全ての短編が面白かった。

    0
    2026年10月04日
  • わたしたちが光の速さで進めないなら

    Posted by ブクログ


    韓国のSFははじめてか、、?
    キムチョヨプさんのSFが面白いって話題になってるので。

    宇宙のまだ見ぬ謎や宇宙人の住む星なんかがたくさん短編で出てきてワクワクが止まらない。
    言葉が通じないのに意思疎通できた喜びや、亡くなった母の意識と接続できる未来が羨ましい。嘘でも良いからその存在に会いたい。

    宇宙を意識すると今目の前にあるものや悩みはなんてちっぽけで、なんて愛おしい存在なんだろうって泣きたくなった。

    0
    2026年09月30日
  • わたしたちが光の速さで進めないなら

    Posted by ブクログ

    とても好きな本だった。綺麗なSF、切ないけれどなんだか心が暖かくなるお話が多かった。「スペクトラム」が印象に残った。

    0
    2026年09月10日
  • サイボーグになる テクノロジーと障害,わたしたちの不完全さについて

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    キムチョヨプさんの作品が好きで前から気になってはいたもののSF小説ではなかったので読むのを躊躇っていました。

    耳が聞こえ難い事は何かの情報で読んだ記憶があり知っていましたが、具体的に音楽のEQで例えてくれたので深く理解する事が出来ました。とはいえbass音が突いて聴こえるのは確かにチョヨプさんの仰る通り気持ち良いでしょうが、日によってはキツイなぁと感じました。

    この作品を読んで、あぁ!だからこういう内容になったのか‼️と色々なお話と繋がってもう一度チョヨプさんのSFを読み返したい気持ちになりました。

    0
    2026年08月23日
  • わたしたちが光の速さで進めないなら

    Posted by ブクログ

    なんて静かで、壮大で静謐な物語たち。SFというジャンルだけど、ただ、私の生きてる世界が狭いだけで、こんな世界がきっとどこかにあって生きてる人たちがいるんだろうなと思いながら読んだ。

    0
    2026年08月13日
  • わたしたちが光の速さで進めないなら

    Posted by ブクログ

    凄く静かなのに綺麗な風景が見れるようなSF集。設定も面白いものが多いのに人間の心の動き的な身近なテーマにも寄り添っていてとても優しい。特に「共生仮説」が好きだった。

    0
    2026年08月08日
  • 派遣者たち

    Posted by ブクログ

    未知の菌類、「氾濫体」に汚染された地上から、地下に逃げてきた人類。
    主人公のテリンは氾濫体から地上を奪還する派遣隊を志願する少女だが、幻聴を聞くようになり…

    「自然との共生」を考えさせられる今の時代に一石を投じる小説。地球を支配しているように思える人類も、昨今のパンデミックや環境問題を経験してからは見え方が変わってきた気がする。この物語では人類と人類以外の共生とはどうあるべきなのか、どういうことなのか、暗い部分も光を当ててリアルに描かれている。

    そんな興味深いテーマに加えて、人間同士の結びつき、他人を想う気持ちが大きな柱となっていてさらに面白い。登場人物たちのそれぞれの結末が気になりすぎて、どんどん読んでしまう(でも丁寧に読みたい)。

    著者はこの若さでなんでここまで完成度の高い小説を何冊も出せるのだろう?間違いなく、今一番好きな作家!
    翻訳も丁寧で読みやすく、SF初心者にとてもおすすめ。ここから沼にハマってほしい。

    0
    2026年08月06日
  • 派遣者たち

    Posted by ブクログ

    キム・チョヨプの長編。めちゃくちゃ面白かった。
    氾濫体と呼ばれる未知の菌類から地上を取り戻さんとする派遣者たちの話。

    前半はどうやって派遣者になるかで、後半は世界の秘密を紐解いていく感じ。間に主人公のテリンの秘密と彼女を育てたイゼフの視点が挟まっている。

    個としての自分を捨てれば、死ぬことはない。
    溶け合い混じり合い永遠になっていく。
    けれど、それは本当に自分だと言えるだろうか。
    そもそも自分とは一体なんなのだろう。

    世界の認識の仕方は様々で一元的には決められない。
    テリンの葛藤が非常にSF的で好き。イゼフとの関係は母娘関係にも似て濃い。

    0
    2026年08月06日
  • わたしたちが光の速さで進めないなら

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    切なさ溢れる素晴らしい作品でした。人間がどこかに忘れてきてしまったものが、繊細に描かれていて虜になった。「巡礼者たち〜」の語り口がとても好き。

    0
    2026年07月18日
  • 本と偶然

    Posted by ブクログ

    SF作家キム・チョヨプの読むことと書くことを巡るエッセイ。

    既存の作品に影響を受けていない作家なんて存在しないわけなんですが、どの作品からどんな影響を受けてどういうことを考えて自分の中で昇華させて、新しい作品を書いたかをここまで言語化できる作家もいないと思う。

    作風も非常に丁寧で論理的ですが、元々の人格が真面目で勉強熱心な人なんだろうなと思う。
    新しい作品を書きたいと思ったらとりあえずその分野の本を10冊読むとか、とても学ぶことに貪欲で刺激を受けた。挙げられているSFの本もどれも読んでみたくなる。

    0
    2026年07月12日
  • わたしたちが光の速さで進めないなら

    Posted by ブクログ

    大好きすぎる。優しくてあたたかくてドキドキワクワクして、、私は夏のドラえもん映画を観るのが好きだけれど、劇場で観ている時とおんなじ気持ちになった。未来だったり、別の星のお話だったりで現実離れしているのにそこにあるテーマが愛ややさしさだからすごくどの話も身近に感じて不思議な気分。それを一番感じたのが「スペクトラム」だった。ルイ、、、。
    表題作の「わたしたちが光の速さで進めないなら」もすごく良くて、好きな言葉がたくさんあった。世界が広がるということは、同時に孤独が増える可能性もあるわけで、、数百年後にはほんとうにそういう悩みを抱えるだろうな。
    韓国SF、すごい。キムチョヨプ全部読破しよう

    0
    2026年07月09日
  • 惑星語書店

    Posted by ブクログ

    短編集が面白かったのでこちらも。こちらは掌編集。分量を短くしたら逆に自由になったと序文で作者様がおっしゃってたのが興味深かった。個人的には
    「サボテンを抱く」「とらえられない風景」「沼地の少年」
    がすき。どの作品も視点があたたかい。

    0
    2026年07月06日
  • わたしたちが光の速さで進めないなら

    Posted by ブクログ

    久しぶりに全編面白い短編集。
    特に気に入ったのはこの4編
    巡礼者たちはなぜ帰らない
    スペクトラム
    館内消失
    わたしのスペースヒーローについて

    0
    2026年07月04日
  • この世界からは出ていくけれど

    Posted by ブクログ

    「わたしたちが光の速さで進めないなら」が好きだったので2作目!
    特に「ブレスシャドー」が好き。映画を見終わったような読後感だった。

    0
    2026年07月04日
  • この世界からは出ていくけれど

    Posted by ブクログ

    「わたしたちが光の速さで進めないなら」がとても刺さったので本作も読んだ。
    ここではない遠い星のどこかの話なのに、この世界で起きている出来事かのように感じられる、不思議で優しくて切ない短編集だった。
    異なる生き物同士の、相互理解ではない形の寄り添い方について考えさせられた。

    0
    2026年06月24日
  • 惑星語書店

    Posted by ブクログ

    SFじゃないと成り立たない設定で感動しつつ、でも"気持ち"の部分は現実の世界でも想像できる切なさを見せてもらう。

    便利になりすぎることでむしろ何が大事なのか明確になる感じが、いいなぁと思った。人間のことを好きになれる、とでもいうのでしょうか…。
    人間って正しいとわかっていても真逆の選択を選んでしまったり、よくわからない行動に出てしまったり。
    でもそれは無くさなくていいのではないか。
    戻れなくなってからでは手遅れなのでは…。
    はじめてSFを読んだ日の解釈としてここに書いておく

    0
    2026年06月02日
  • 地球の果ての温室で

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    「ダストフォール」という世界的災害以後の荒廃した世界を生き抜いているナオミと、その数十年後に文明が復活した社会で植物学者をしているアヨンの視点で描かれる物語。謎を調査するといく建付けの話ではあるが、メインは人々の心の交流を描いた話。
    ナオミは姉のアマラと共にブリムビレッジと呼ばれる村にたどり着く。そこは人々が僅かな食料を巡って争い続けるの他の集落とは違い、人々が穏やかに、作物を育てながら生きていた。
    一方、アヨンはモスバナという植物の異常増殖という件を調査することになる。そこで青い光の話を聞き、幼い頃に見たことがある事に気付く。それはヒスと呼ばれる変わり者の女性の庭でのことだった。
    フリムビレッジの来歴、ヒスの生涯、モスバナは一体何なのか、ということが一気にわかる最後が圧巻。過酷な環境で必死に生き抜いた女性たちのシスターフッド的な関係も心地よい。ジスとレイチェルの出会いと再会、徐々に心惹かれて行く様子、レイチェルの感情を操作する(してしまった)ジスと、それを知ったレイチェルの激怒、モスバナを巡る駆け引き。それがナオミの視点では語られなかったフリムビレッジの終焉とその後のナオミの生活にも影響を及ぼしていく。ひたむきに調査するアヨンが辿り着いた真実が優しくて悲しくて、でも読後感は爽やかだった。極限状態だからこその友情という側面はあるが、不器用ながら互いを思う気持ちは胸打たれるものがあった。

    0
    2026年05月10日
  • わたしたちが光の速さで進めないなら

    Posted by ブクログ

    すごく心地良い小説でした。
    こんなに静かで温かくて穏やかで、純文学チックなSFがあるんだなあ。
    今まであまりSF作品に惹かれてこなかったけど、このテイストならこれからも積極的に読みたくなりそう。

    「確かにそれって不思議だよな…」という、現実からそう遠くない事象を起点にSFの世界が膨らんでいったり、宇宙規模だろうと変わらないかけがえのないものが描かれていたりのおかげで、すっとはいってきた。
    フェミニズムとかマイノリティに関わる要素を含んではいるけど、作品の世界観を超えて作者の声で主張するような、ノイズ的メッセージがなくて上品なのも好み。
    あくまで自然に、作品の世界を楽しめた。

    現実世界を通すような直接的なアプローチではなく現実的世界を通して、穏やかな気持ちのまま大切なものを確かめたい時にまた読みたい。

    0
    2026年05月01日
  • 派遣者たち

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    エピローグにて、ある人とある人の別れが、生と死という概念では説明できない繋がりによって再び繋がる描写がある。

    今、生きて存在してる私・私の大切な人たち、過去に亡くなってしまった大切な人たちが、私たちの今の生が終わった後にこうしてまた会えるといいなと思う。

    0
    2026年03月30日