蝉谷めぐ実のレビュー一覧

  • 作家と編集者

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    一般的なアンソロジーはテーマがあるもののラフな軽い感じのものが多いがこれはちょっと違う。
    4つの中編が全く異なる視点からテーマに向かっている。

    乗代さん以外、初読みの作家さんだったが、今まで書いた本の背景もちょっと想像することができる初めての体験でもあった。

    最後の「金城(きんじょう)氏」
    表題の金城氏はなかなか登場せず、翻訳の妙に感心していたが、唐突に意表を突くエンディングを迎えるのだ。

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    2026年09月23日
  • おんなの女房

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    ネタバレ

    歌舞伎の女方の妻に迎えられた主人公。私生活でもその時々の役に合わせた女のような夫。お互いに惹かれあって、夫が男らしくなるのまでの展開は面白く読みました。
    ただ夫が歌舞伎の女方として生きるか、自分(主人公とともに)を生きるかで岐路に立ち歌舞伎を選んでしまってからは悲しい…主人公も夫の歌舞伎に魅せられてるから有害なおしろいを使うのを止めない。
    相思相愛の愛の話ではありますが、オチが好みではなかったのでこの評価です。。

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    2026年09月11日
  • 見えるか保己一

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    『群書類従』も塙保己一も
    ただ名前だけは知っていたけれど
    その偉業を知ったのは、これがはじめて!

    この物語の保己一は
    当時多くの盲人が職とした
    鍼の技術が上手くならない人だった。
    そのかわり、人の声や身動きの音
    雰囲気から感じ取る力や
    書物の内容を覚える力がすごかった。

    貪欲な知識欲を埋めるのに
    目の見えない彼は「耳」に頼らざるを得ず
    そうするとどうしたって
    他者の介在を必要としなくてはならない。

    でも、対人関係はうまくないんだよなぁ。
    2番目の奥さんが、唯一といっていいほど
    保己一の特性をわかってたような気がする。

    国文学の研究でもしないかぎり
    今後も実際に『群書類従』を手に取ることは
    ないと思うのですが(^◇^;)
    後世の人間にとっては
    よくやってくれた!って感謝しかないね。

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    2026年08月30日
  • 化け者心中

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    大変評判の良い作品だが、私にはあまり合わなかった。鬼が誰に化けているのかというミステリ的な仕掛けに加え、芝居の世界に生きる登場人物たちが皆どこか「人に非ず」の生き方をしている点に、本作の魅力があるのだろう。人間と化け物の境界を曖昧にしながら、人の執着や欲望を描こうとする試みは興味深い。が、私にはこの流れと結末がやや予定調和に感じられ、意外性に乏しかった。また、登場人物の造形があえて曖昧に描かれていることも、作品への没入を妨げる要因となった。解説でも触れられているように、幻想と現実が緩やかに溶け合う作風を好む、森見登美彦作品の愛読者には響く作品かもしれない。

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    2026年06月21日
  • おんなの女房

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    タイトルと設定に興味を引かれ購入。
    思った以上に骨のある本。
    個人的には読み始めが辛かった。

    この作家さん、他の作品も読んでみたい。

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    2025年08月22日
  • おんなの女房

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    ネタバレ

    歪な愛。苦しい時間が長すぎてせめて結幕はと思わずにいられなかったが、坂道を転がり落ちる様に終幕。
    清姫、時姫などの演目を知っていたため、芝居の口上はより楽しく読む事ができたが、どうしても主人公の志乃の心に寄り添う事ができなかった。 
    決して嫌いな人柄ではないのだが、こうあって欲しいと思ってしまうのは読み手側のエゴなんだろうと思い知らされた感もある。
    文政の時の命のあっけなさもしれっと書かれていて、良かったとは言わないまでも納得はできた。

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    2025年08月13日
  • おんなの女房

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    202501/文章と自分の相性があわず、読みにくいというか時間かかったけど、面白かった。けど切ないというかつらい…。文庫表紙絵もいい。コミカライズするならおかざき真理先生がいいな。

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    2025年05月15日
  • 歴屍物語集成 畏怖

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    ネタバレ

    【収録作品】
    序章 天野純希
    「有我」矢野 隆
    「死霊の山」天野純希
    「土筆の指」西條奈加
    「肉当て京伝」蝉谷めぐ実
    「ねむり猫」澤田瞳子
    終章 天野純希

    ゾンビテーマの時代小説アンソロジー

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    2024年08月23日
  • 化け者心中

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    気の狂った贔屓に足を切られ舞台に立てなくなった元人気女形魚之助が、ひょんなことから知り合いになった鳥屋の藤九郎と共に、芝居小屋に現れた鬼探しをすることに。
    その鬼は本読みの最中に演者の誰かを喰らい、その演者になり替わっているという。

    誰よりも人気が出たい。
    誰よりも上手くなりたい。
    芸のためなら人を陥れることも、殺めることもいとわない。

    そんな鬼よりも恐ろしい心玉を持った役者たち。
    本当に鬼がいたんだろうか?

    そんな疑念が浮かびつつ読み進む。

    やっぱり鬼はいたんだな。
    でも、その鬼は悲しい。
    鬼よりも人間のほうが恐ろしいのかもしれない。

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    2024年02月24日
  • 化け者心中

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    足を失ったため、失意の中で、舞台から遠ざかった女形。それでも、女の装いと振る舞いを続ける。
    男と女との間で揺れる女形が、芝居小屋に潜んだ鬼を探る中で、芝居に対する血のにじむ努力、才能に対する葛藤が露わになる。
    男と女、人と鬼、善と悪、嘘と真の境界が揺れ動く。見る角度で境界が変わる。本当は、境界など無いのかもしれない。
    現実世界でも、二元論ではなく、多様な見方を意識していたい。

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    2024年02月18日
  • 化け者心中

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    ネタバレ

    生きている人のほうが怖い。
    役をいきるとは、その場面になんとしてでも演れるということ。
    自分にはやれんなぁと思ったことを思い出した。

    文体が途中でなれなくて、読むのが辛かった。
    後書に擬音語、擬態語が多いと書かれてて、なるほどと思った。
    好みの話だが。

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    2023年08月28日
  • 妖異幻怪 陰陽師・安倍晴明トリビュート

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    タイトルの通り、「陰陽師(夢枕獏著)」の基軸に、夢枕先生をはじめとするさまざまな作家の短編がまとまったトリビュート小説集。
    過去作もありつつも、話や時系列が整っていて、初めて「陰陽師」の世界を読む人でも入りやすい内容になっている。

    各作家の作品が、平安時代を飛び出したり、メインの晴明や博雅が出つつも、第三者の視点であったり、出なかったりと、意外な新鮮さがあって面白かった。

    5作家・6作品の中では「遠輪廻(武川佑著)」が印象的かつ好きな内容だった。
    「陰陽師」の世界の時間軸より時を経た舞台であるにもかかわらず、「陰陽師」の世界としっかり結びついており、作品内の美しい儚い描写に読み入ってしまうものがあった。
    歌や桜で結びつく縁というところも良いし、鬼を退治することを目的としない対峙の仕方も興味深かった。

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    2023年07月29日