蝉谷めぐ実のレビュー一覧

  • 化け者心中

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    気の狂った贔屓に足を切られ舞台に立てなくなった元人気女形魚之助が、ひょんなことから知り合いになった鳥屋の藤九郎と共に、芝居小屋に現れた鬼探しをすることに。
    その鬼は本読みの最中に演者の誰かを喰らい、その演者になり替わっているという。

    誰よりも人気が出たい。
    誰よりも上手くなりたい。
    芸のためなら人を陥れることも、殺めることもいとわない。

    そんな鬼よりも恐ろしい心玉を持った役者たち。
    本当に鬼がいたんだろうか?

    そんな疑念が浮かびつつ読み進む。

    やっぱり鬼はいたんだな。
    でも、その鬼は悲しい。
    鬼よりも人間のほうが恐ろしいのかもしれない。

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    2024年02月24日
  • 化け者心中

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    足を失ったため、失意の中で、舞台から遠ざかった女形。それでも、女の装いと振る舞いを続ける。
    男と女との間で揺れる女形が、芝居小屋に潜んだ鬼を探る中で、芝居に対する血のにじむ努力、才能に対する葛藤が露わになる。
    男と女、人と鬼、善と悪、嘘と真の境界が揺れ動く。見る角度で境界が変わる。本当は、境界など無いのかもしれない。
    現実世界でも、二元論ではなく、多様な見方を意識していたい。

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    2024年02月18日
  • 化け者手本

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    とてもリズムがあって心地良かった。演者の名前やら役名やら実名やら屋号やらがややこしかったけど後半迫力を感じて引き込まれました

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    2023年11月19日
  • 化け者手本

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    まず、引き続き、紗久楽さわ氏の絵。本当に本の世界感を丁度良く表してるし、引き込まれる。読む前に10分以上見てた。

    相変わらず女形な世界観は素晴らしい。
    OBが現役フルボッコ。

    ただ、やはり廓詞っていうか、文体が2作目でも慣れてないのか、恋愛物が苦手だから全編それが漂ってる事に拒否反応あるのかわからないけど自分には…

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    2023年10月25日
  • 化け者手本

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    ネタバレ

    魚之助・藤九郎コンビシリーズ第二作。
    続編が出たのは嬉しいが、今作は少し切なく苦かった。

    前作同様、芝居に現れる妖し探しが本筋だが、役者の業、恋に溺れる者の業が描かれる。
    魚之助は最初こそ前作同様の高飛車人間だが、途中から変化が出てくる。
    中村座のライバル市村座で立女形を務める円蝶の痛烈な皮肉、藤九郎との交流のなかで変わっていく自分、老いていくことへの不安…様々な葛藤が魚之助を襲う。

    一方の藤九郎はより魚之助を知ろう、寄り添おうと芝居の世界に浸かり魚之助の友人・花魁の蜥蜴に会いに吉原にも向かう。

    化け者になる恐ろしさ、化け者でなくなる怖さ、化け者に取り込まれる恐ろしさ、化け者にすらなろう

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    2023年09月30日
  • 化け者手本

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    『化け者心中』の続編

    鳥屋の藤九郎と、稀代の女形だった魚之助のコンビ再び。
    人の命さえも手段にしてまでも芸道を突き詰めたいと思ってしまう「化け物」たち。
    芸に生きる人たちも怖いが、恋に目がくらんだ娘たちが一番怖かった。

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    2023年09月04日
  • 化け者心中

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    ネタバレ

    生きている人のほうが怖い。
    役をいきるとは、その場面になんとしてでも演れるということ。
    自分にはやれんなぁと思ったことを思い出した。

    文体が途中でなれなくて、読むのが辛かった。
    後書に擬音語、擬態語が多いと書かれてて、なるほどと思った。
    好みの話だが。

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    2023年08月28日
  • 妖異幻怪 陰陽師・安倍晴明トリビュート

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    タイトルの通り、「陰陽師(夢枕獏著)」の基軸に、夢枕先生をはじめとするさまざまな作家の短編がまとまったトリビュート小説集。
    過去作もありつつも、話や時系列が整っていて、初めて「陰陽師」の世界を読む人でも入りやすい内容になっている。

    各作家の作品が、平安時代を飛び出したり、メインの晴明や博雅が出つつも、第三者の視点であったり、出なかったりと、意外な新鮮さがあって面白かった。

    5作家・6作品の中では「遠輪廻(武川佑著)」が印象的かつ好きな内容だった。
    「陰陽師」の世界の時間軸より時を経た舞台であるにもかかわらず、「陰陽師」の世界としっかり結びついており、作品内の美しい儚い描写に読み入ってしまう

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    2023年07月29日