蝉谷めぐ実のレビュー一覧
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ネタバレ晴明様特集をしていた『オール讀物』2022年8月号を既読だったので、純粋に初読だった作品は『哪吒太子』くらいだったかもしれない。
他も上記のものを読んでいると既視感のある作品だったし。
それでも、一冊で様々な方の晴明様、もしくは陰陽師話が読めるのはお得である。
そして、改めて夢枕獏先生の晴明様と博雅様の抜群の安心感と安定感が身に染みるという。
個人的にはやはりこの二人を見たいと思ってしまうので、他の作家さんが書かれた話でも二人が出てくるとつい思い入れが。
ゆえに『耳虫の穴』と『博雅、鳥辺野で葉二を奏でること』は特にお気に入りである。
第三者視点から見るとあの二人はああ見えるのかと思えたのもよ -
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『群書類従』も塙保己一も
ただ名前だけは知っていたけれど
その偉業を知ったのは、これがはじめて!
この物語の保己一は
当時多くの盲人が職とした
鍼の技術が上手くならない人だった。
そのかわり、人の声や身動きの音
雰囲気から感じ取る力や
書物の内容を覚える力がすごかった。
貪欲な知識欲を埋めるのに
目の見えない彼は「耳」に頼らざるを得ず
そうするとどうしたって
他者の介在を必要としなくてはならない。
でも、対人関係はうまくないんだよなぁ。
2番目の奥さんが、唯一といっていいほど
保己一の特性をわかってたような気がする。
国文学の研究でもしないかぎり
今後も実際に『群書類従』を手に取ること -
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群書類従を編纂した塙保己一の生涯を追いながら盲と目明きの視点で「見える」を描く。
うーん。ストーリーは面白いものであったと思うものの、独特の文体がどうも私には合わず。意図のわからない説明が最後の方で何を言わんとしてたか分かる、という構成が各章にあり、最終章がそれら全部をつなげるテーマになるような感じと思いましたが、各章それぞれずっと「それで、なんなの?」と思いながら読むことになり、そんなにストーリーに引き込まれませんでした。
そういう構成なのもあり、この章では娘の話、この章では妻の話、この章では、とそれぞれのエピソードはその時点ではさほどつながったものでもなく、あとから「ああ、あれが」 -
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大変評判の良い作品だが、私にはあまり合わなかった。鬼が誰に化けているのかというミステリ的な仕掛けに加え、芝居の世界に生きる登場人物たちが皆どこか「人に非ず」の生き方をしている点に、本作の魅力があるのだろう。人間と化け物の境界を曖昧にしながら、人の執着や欲望を描こうとする試みは興味深い。が、私にはこの流れと結末がやや予定調和に感じられ、意外性に乏しかった。また、登場人物の造形があえて曖昧に描かれていることも、作品への没入を妨げる要因となった。解説でも触れられているように、幻想と現実が緩やかに溶け合う作風を好む、森見登美彦作品の愛読者には響く作品かもしれない。
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江戸歌舞伎の世界がお得意の作家さんの作品、たぶん読むのは三作目。
森田座・名題役者の今村扇五郎を巡っての不穏な事件の数々。
第一話は扇五郎の大ファンを通り越して扇五郎の妻になるという野望を持つ大店のお嬢様、お春。
扇五郎の妻と芝居の客席で知り合い、見窄らしい妻お栄から扇五郎を奪うつもりで近付くが…。
芝居のためなら何でもやる夫婦の姿はホラー。お春にも危険が及ぶのかとハラハラした。
第二話は芝居客に饅頭を売っている茂吉。
細々した商売だったのが、あるきっかけで饅頭が爆発的ヒットに。だが一方で茂吉の心に異変が…。
第三話は衣装の仕立て職人の女弟子お辰。
彼女のアイデアは誰かの真似でしかないた -
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江戸の歌舞伎創成期。人気歌舞伎者の舞台裏から始まる物語は、人に潜む妬みや恨みによって殺害事件へと発展し、下手人を暴いていく筋へと展開する。だが最後には、人気役者が名を残す芝居をもって物語は締めくくられる。
人気の陰に潜む人間関係を巧みに描きながら、歌舞伎役者は最後まで「歌舞伎魂」を守り抜こうと舞台に立つ。己の過ちによって死に至ってもなお、芝居を貫くその生き様は圧巻である。
上方言葉や江戸訛りを交え、当時の華やかな雰囲気を余すところなく描いた作品であるが、やや読みづらさを覚える部分もある。しかし、職人気質を貫き、誇りを持って日々精進する江戸の職人の姿勢には強く心を打たれる。現代の転職時代とは、ま -
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気の狂った贔屓に足を切られ舞台に立てなくなった元人気女形魚之助が、ひょんなことから知り合いになった鳥屋の藤九郎と共に、芝居小屋に現れた鬼探しをすることに。
その鬼は本読みの最中に演者の誰かを喰らい、その演者になり替わっているという。
誰よりも人気が出たい。
誰よりも上手くなりたい。
芸のためなら人を陥れることも、殺めることもいとわない。
そんな鬼よりも恐ろしい心玉を持った役者たち。
本当に鬼がいたんだろうか?
そんな疑念が浮かびつつ読み進む。
やっぱり鬼はいたんだな。
でも、その鬼は悲しい。
鬼よりも人間のほうが恐ろしいのかもしれない。