ラーシュ・ケプレルのレビュー一覧
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ネタバレ最高…
館シリーズを順番に追った時、京極堂シリーズを数冊読み終えた時と同じカタルシス、といったらいいのかなー
こう、ある程度作者の世界に身を投じたからこそ初めて得られる、計算し尽くされたパズルを解き終えた感とでもいいましょうか…
最初からフルスロットルでぶち込まれる殺人に、わずかな救いさえ砕く、あまりに無情なエンディング。
夫婦でどちらかが、いや、ここはこの子は助けようとは主張しなかったんですかね…3人娘さんがいて、この結論出しましたかへええ…と。
ただ、この最悪な犯人像を生み出す頭脳の持ち主が作者な訳で、決して無駄を作らない以上おそらくは、その死の理由もあるんだろうと思う。死を必然とす -
購入済み
砂男
続きが気になって、上下巻一気読みでした。
北欧の地理がわからないので、通りの名前や地名もピンとこないけど、なにしろ、主人公の2人の警部が恐ろしくタフなので、どんどん読み進められました。
最後、気になる〜、次回作期待します! -
購入済み
ヨーナ・リンナシリーズはどれを取っても最高なのですが、私には「鏡の男」は群を抜いての傑作でした。
横道に逸れる事なく一直線に、スピーディーに緊張感ある筋が展開され、これがどこまで続くのだろうという、怖いような、ゾクゾクするようなとてつもない大きなパワーがありました。後半からラストの臨場感はすごかったです。
犯人は誰か。わかってしまうと筆者らしい展開ですが、そこにたどり着くまでの経緯がすさまじい。
精神医学の深みも考えさせられます。
終わりかたにもゾクリとさせられました。いつもいつも読み手をうならせる上手な終わりかたで、さらにヨーナシリーズにやみつきになります。
サーガ、生きててよかった。 -
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スプラッタ・ホラー? サイコ・スリラー? 警察小説? 否、それらのジャンルをブレンドさせ、娯楽作品に徹したツイストを仕掛けに仕掛けた、びっくり箱のような作品である。前作までで、連続殺人犯ユレック・ヴァルテルとの対決構造は終焉を迎えたはずなのだが、はてさて。
いつも仕掛けと残酷さと怖さとでこのシリーズに着いてゆけなくなる一歩前まで行くのだが、本作は久々のアイディアにやられてしまったかもしれない。夫婦作家共作のシリーズ向けペンネームで書かれたスウェーデン・ミステリーでありながら、甘いところは一切見られない、どぎついまでの暴力とサイコな駆け引きに満ちたシリーズを、図太い線で駆け抜けるのはお馴染 -
Posted by ブクログ
スプラッタ・ホラー? サイコ・スリラー? 警察小説? 否、それらのジャンルをブレンドさせ、娯楽作品に徹したツイストを仕掛けに仕掛けた、びっくり箱のような作品である。前作までで、連続殺人犯ユレック・ヴァルテルとの対決構造は終焉を迎えたはずなのだが、はてさて。
いつも仕掛けと残酷さと怖さとでこのシリーズに着いてゆけなくなる一歩前まで行くのだが、本作は久々のアイディアにやられてしまったかもしれない。夫婦作家共作のシリーズ向けペンネームで書かれたスウェーデン・ミステリーでありながら、甘いところは一切見られない、どぎついまでの暴力とサイコな駆け引きに満ちたシリーズを、図太い線で駆け抜けるのはお馴染 -
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ラーシュ・ケプレル『鏡の男 (下)』扶桑社ミステリー。
ヨーナ・リンナ・シリーズ。
悪意に満ちた連続少女誘拐殺人事件の闇。これ以上の犠牲者を食い止めようと奮闘するヨーナ・リンナ。この奇怪で凄惨な事件の真相は……
非常にリーダビリティの高い北欧ミステリー。特に終盤のシエサルとヨーナの対決にはスリルを感じた。
そして、再びシリアル・キラーのユレックがヨーナに暗い影を落とす。
パメラの精神病の夫マルティンに催眠術施したところヤンヌ殺害の現場を目撃したことが明らかになり、拉致監禁殺害犯はパメラを脅迫状を送り、パメラが養女として迎えようとしていたミアを拉致する。
拉致されたミアはヤンヌと同様 -
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ラーシュ・ケプレル『鏡の男 (上)』扶桑社ミステリー。
ヨーナ・リンナ・シリーズ。ここ最近、扶桑社ミステリーが全盛期に戻ったかの如く面白い作品を続々と刊行している。この作品を含めて、月に3冊も扶桑社ミステリーを購入するなど何十年ぶりだろうか。
少女連続誘拐殺人犯にヨーナ・リンナが挑む。全く見えて来ない犯人の正体とその動機。上巻の終盤に訪れる予想外の惨劇。この事件は一体どうなるんだ。
5年前、女子高生のヤンヌ・リンドが何者かに拉致され、監禁される。監禁場所にはもう一人の少女が居たのだが、監視役の老婆に両足を切断され、瀕死の状態に陥る。少女の死を確信し、決死の覚悟で脱出を試みたヤンヌ……
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購入済み
今回サーガが、大丈夫かな、勇み足じゃないかなとハラハラした場面が多かったのですが、、、、。
訳者の方のあとがきで、、、「こんなこと、あんなことが起こり」
リンナシリーズ最後の次巻、8巻では、そんな「この人、あの人」に何が起こるのかと書いていましたが、本当にそうです。
沢山の事が起こりすぎたこの7巻でしたが、出来映えも圧巻でした。
訳者の方はユレックの特殊性について「ハンニバル」のレクター博士の事も書かれていました。
こちらも同感です。
キングの、ホッジスとブレイディの対決もふと思い出しましたが、キング作品特有の、ところどころに抽出される柔らかな情緒はなく、リンナシリーズ -
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ラーシュ・ケプレル『墓から蘇った男(下)』扶桑社ミステリー。
ヨーナ・リンナ・シリーズ第7作の下巻。
息をも吐かせぬ怒濤の展開。悪魔のような狡猾さを持つユレックに翻弄されるヨーナとサーガ。ヨーナの恋人ヴァレリアとサーガの父親の運命や如何に。
最悪の結末に愕然。ここまで登場人物の命が次々と失われていく小説もなかなか無い。そして、前作に続いて、シリーズの継続を予感させるエピローグ。そうだった彼奴はまだ生きていたのだ……
自分の身代わりの死体を準備し、自らの片腕と共に遺棄し、自分が死んだと思わせることに成功したユレック。さらには凶悪犯罪者の中から自分の手下を選抜し、思いのままに操る狡猾さ。
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Posted by ブクログ
ラーシュ・ケプレル『墓から蘇った男(上)』扶桑社ミステリー。
ヨーナ・リンナ・シリーズ第7作。
毎度、毎度の同じような表現で申し訳ないのだが、シリーズ最高のスリリングな展開にページを捲る手が止まらない。何しろ、かつてヨーナ・リンナを追い込み、サーガ・パウエルが銃弾3発を浴びせ、地獄に突き落としたはずのあのユレック・ヴァルテルが蘇って来たのだ。再び、ヨーナとサーガに迫る最凶最悪の悪魔の姿……
オスロの集合住宅で発見された腐敗死体。死んだ男の冷蔵庫からは夥しい切断された人体のパーツが発見され、その中にはヨーナの癌で亡くなった妻スンナの頭蓋骨もあった。さらにはヨーロッパ各地で極悪非道の犯罪者が