あらすじ
止められぬ連続殺人。絶望のなかで捜査するヨーナ。
その脳裏にユレック・ヴァルテルの囁きが響く……
サーガ宛にひとつまたひとつと届く、犯行を予告するフィギュア入りの小包。謎かけを必死に解く刑事たちを嘲笑うかのごとく、〈捕食者〉による殺人は着実に遂行されていた。サーガと共同捜査を進めるヨーナは、事件をユレック・ヴァルテルの信奉者による犯行と疑い、かつてサーガがユレックへ接近するため潜入した閉鎖病棟の関係者を追う。だが殺人鬼の魔手はヨーナの背後にも迫っていて……計画の最終目的、そして追いつめられたサーガを待ち受ける運命とは──北欧が誇るクライム・シリーズ最新作。
感情タグBEST3
後編は予想とは異なる展開でしたが、とにかく緊迫感が途切れることなく最後まで続き、全力疾走しているかのような作品でした。
読んだあとも興奮覚めやらず、今回は本当にサーガが壮絶、すごすぎ。
特に最後の最後の一文には思わず鳥肌がたちました。
訳者のあとがきにも書いてあったのですが、ユレック亡きあと、緩めの作品になるのではと想像していたら全くの大違いで、冒頭からガツンと来る威力増し増しな鋭く深いストーリー。
これからもシリーズが続き、翻訳されることを祈ります。
Posted by ブクログ
ヨーナシリーズ。
警察高官がどんどん殺される。しかも残虐極まりないやり方で。ユレックの洗脳を受けた者の仕業か、それにしてもサーガの無謀さに最後迄ハラハラさせられた。凄く疲れて読み終えた。
Posted by ブクログ
ラーシュ・ケプレル『蜘蛛の巣の罠 下』扶桑社ミステリー。
ヨーナ・リンナ警部シリーズ。ハヤカワから扶桑社に刊行元が変わったが、扶桑社ミステリーが月に3、4作を刊行していた全盛期の頃を思い出すようなテイストのシリーズである。
前作『鏡の男』の衝撃のラストからの続き。ヨーナ・リンナによりとどめを刺されたユレック・ヴァルテルで物語を引っ張り続ける感が強い。
連続殺人犯のユレックに関わったことで精神を歪められたマーラ・マカロフによる残忍な犯行は止まらないという恐ろしい設定。犯人のマーラ・マカロフの犯行動機と超人的な肉体能力が最後まで腑に落ちなかった。
ヨーナたち警察が追う連続殺人犯『捕食者』はユレック・ヴァルテルの信奉者でスパイダーと呼ばれるマーラ・マカロフの可能性があると思われた。
そんな中、サーガの関係者ばかりが犠牲者になっていること、サーガの推理が全て的を得ていることからサーガは仲間から疑われ、停職処分を受ける。そして、一連の事件現場で見付かった痕跡はサーガが犯人である可能性を示し、ついにサーガ・パウエルがマーラの犯行に協力している疑いが濃厚となり、第一容疑者として手配される。
次々と犠牲になるサーガの関係者。最後の9番目に狙われたヨーナを救えるのはサーガだけだった。
ラストではサーガ・パウエルに迫る新たな闇が予告される。
定価1,320円
★★★★