横山秀夫のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレまるで現代版自然主義文学のよう。
現状に不満を抱いていたり、窮地に追い込まれた人間の必死さや、赤裸々な狡猾さや悪あがきが綴られる。
しかし、最後は小さなどんでん返しのような、それでいて良い意味での人間くさい温かみにも触れられる短編集。
よく出来ていて面白かった。
⚫︎刑事になれず留置所看守として勤め、未解決事件
を一人追う男と、彼の社報手記を得るために追い
回す若手女性警察事務員
⚫︎老いた大手企業社長の自叙伝執筆を請け負うフリ
ーライター
⚫︎家庭裁判所調査員として勤め、思いがけず過去に
苦しめられた人物の担当になってしまう主婦
⚫︎県警ホームページを担当し、クラッカーに攻撃さ
れてしまう警察官
⚫︎地方新聞社整理部(紙面の構成・作製)に勤め、
ミスをしてしまう元記者
⚫︎県知事の秘書として信頼を勝ち得てきたが、
上司である県知事に『嫌われてしまったかもしれ
ない』と不安に飲み込まれる県職員 -
Posted by ブクログ
短編ミステリー6作
横山さんの短編は、短編なのに人間の奥深いところまでをえぐる描写で、その奥深いところのさまざまな心理、感情を描き出すところがすごい!
また主人公も警察関連だけでなく、いわば平凡な人たちがメインで、その暮らしの中から奥深い感情があぶりだされてきます。
収められている物語は
看守眼
自伝
口癖
午前五時の侵入者
静かな家
秘書課の男
の6編です
・看守眼
刑事になれなかった看守の物語
短編ながらストーリがすばらしい
主婦とその不倫相手の男からなる事件の真相を看守の眼から明らかにします。
主婦の失踪に対して、不倫相手の男が殺害容疑で逮捕されるも証拠不十分で、不起訴。
釈放されたその現場で、怒った夫が、復讐するために不倫相手の男を殺害しようと襲い掛かるが、逆に返り討ちにあってしまい、殺されてしまった事件。
その不倫相手の男の拘留期間中の行動を見ていた看守が、この事件の真相を探るというストーリです。
最後に明らかになる真相もすごいですが、さらにそれに続く女の強かさも深い。
・自伝
自叙伝の執筆を請け負ったライターの物語
自伝を独白する大企業の会長は「30年近く前に愛する女を手にかけた」と自白。
その言葉の真意は?そしてライターの生い立ちと合わせて、ライターが出した答え。
そして悲哀..
・口癖
家裁調停委員を務める主婦の物語
離婚調停にきた女は、高校時代の娘の同級生。高校時代に娘が不登校になった原因と思われる女。その女の離婚への内情を察し、優越感に浸っていたところから急転直下の展開に。
「それしきのこと」が口癖から暴かれる娘の過去..
悲しく、苦い話でした
・午前五時の侵入者
県警のホームページを管理する警部の物語。
午前五時に県警のホームページが何者かに改ざん。担当の警部はその隠蔽を画策して、対応に追われる。そして、ページを改ざんした犯人に突き止めるという展開。
・静かな家
地方紙の整理部に身をおく元記者の物語
個展の終了日を過ぎて掲載してしまったその個展の案内記事をめぐって、巻き込まれた殺人事件のアリバイ。
さらに、自分の失態を隠すべくとってしまった行動が傷つけてしまった女性などなど。
サラリーマンの悲哀が感じられてしまう物語
・秘書課の男
県知事の秘書の物語
県知事が自分に対して冷たくなったと感じ始めた主人公。
自分自身の問題行動を県知事に知らしめたのは誰か?
若手のスタッフなのか?
疑心暗鬼になりながら、明らかになった、真実は..
男の嫉妬、そして女の嫉妬がキーとなる物語ですが、最後は逆にさわやかになりました。
ありがとうは赦しを請う言葉
っとどれもこれもとてもよい物語でした。
やっぱり横山秀夫は短編ながらもすごい
お勧め! -
Posted by ブクログ
阪神淡路大震災が起きた日、そこから600km以上離れた
N県警察本部では警務課長・不破が姿を消してしまっていた。
不破は一体どこへ消えたのか?警察幹部達の保身や
見栄・派閥など思惑が錯綜する中、事件の核心に迫っていく。
6人の主要幹部とその奥様達。と登場人物は少なくないですが
それぞれの人物描写がしっかりしているので、それほど
混乱することなく、とにかく先が気になって一気に読めました。
ラストは拍子抜け感はあるものの、その分実際に起きた震災を
話に絡ませた意図が分かった気がします。
悲しくなるよ、ほんとに(でも最後はちょっと救いが見える)
男も女も人間臭いにも程がある。
実際の警察はここまで腐ってないよね・・・・と思ってるよ!