糸柳寿昭のレビュー一覧
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家や土地にまつわるホラーアンソロジー。
事故物件だけでなく住民そのものが怖いヒトコワものまで豪華11話収録。
糸柳寿昭氏『やなぎっ記』軽い雰囲気の日記だと思っていたら最後のメールで鳥肌立っちゃうやつ。
澤村伊智氏『笛を吹く家』この方の描く歪んだ家族っていつも気味が悪いし悲惨…本当にいそうなのがまた怖い。
芦花公園氏『終の棲家』宗教が関わるホラーではやっぱりこの方。得体が知れない信仰の気持ち悪さと逃げられない絶望感。
平山夢明氏『ろろるいの家』ホラー描写が本書で一番怖かったかもしれない。不気味な現象に徐々に侵食されていく感じがゾクゾクした。 -
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物件ホラーが好きなのと芦花公園先生の短編が入っているので手に取った。他の参加メンツも豪華すぎる、、、バラエティに富んだ様々な物件の嫌な話が入っていて満足度が高い。
福澤先生の話読んだことある、、、?って思ったけど「怪を訊く日々」のエピソードと若干重複してた。「忌み地」のシリーズも好きなので糸柳さんの日記っぽいやつも好き。晩御飯の献立書いてあるのかわいい。
郷内心瞳は拝み屋怪談しか読んだことなかったのでカニバリズム百合姉妹ホラーみたいなのお出しされて新鮮だった。よかった。
芦花公園先生のやつもかなり邪悪だったけどそれに続く最後の平山夢明先生のやつがあまりにも凶悪すぎて最高だった。何この流れ。助か -
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ネタバレテーマに惹かれたのと、澤村作品目当てと、ホラー作家を発掘したくて手に取った。
イマイチなものもあったが、いくつか好きな話が読めたのでトータルでは良かった。
芦花公園先生の「終の棲家」がとても良かった。この人の作品は他にも読んでみようと思った。
①氷室
家のつくりはワクワクしたが、主人公の罪は余計だった気がする。地域活性化おばちゃん大暴走のサスペンス仕立てで最後に元住人に殺されるの方が良かった。途中からカラクリが見えてしまったし、おじいちゃんが普通に話し始めた時点でちょっと冷めちゃった(笑)
②倒福
軽い読み物としてはギリギリ許せるけど、詮の文字を小さくしてほしかった。読むのに邪魔過ぎた。 -
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現地取材にて蒐集した怪談実録の第二弾。
コロナ禍に入ってからの時期の取材ということで、現地取材では苦労をしたのだろうことが窺えます。前作は土地や地域にまつわる話が多かった印象ですが、今作では土地や地域以外の不思議な出来事なども含めた怪談が収録されています。
私はオーディブル視聴でこちらを読んでいますが、ナレーターの方の淡々とした語り口もあって、さらりと読むことができます。特別に怖がらせようとする演出をせず、取材をした編集部の二人と、現地でそれを語ってくれた方の会話を聞いているようで、何かをしながらでも聴きやすいです。
特に興味深いのは沖縄の話。現代でも「ユタ」の方がごく当たり前に頼 -
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コロナ禍真っ只中で書かれた二巻目。
一巻のような取材調査による局所的怪談、芋づる式に見つかるご当地怪談は多くないが、やはりどれも独特な話ばかり。
一話だけだが、福澤氏の実話怪談で何度か登場しているS霊園近隣の話もある。 S霊園はやはりそういうものが集まる「忌み地」のようだ。
ただ、その忌み地というのはホラー映画やマンガのようにわかりやすいものではない。一巻二巻を読むと、何かがある・何かがおかしい・変なことが多発する・何かつながりのありそうな出来事があるという、極めてうすぼんやりしたもののようだ。
自分ももしかしたら、そのうすぼんやりした磁場のなかに暮らしているのかも…と思ってしまう。 -
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「怪奇小説好きは、結局怪奇実話に落ち着く」とも言われる。言い換えれば「ホラー好きは怪談実話にたどりつく」というところか。
怪談師の大家・I川御大は「創作している」ことを公言しているが、確かに聞くと小泉八雲や小川未明が元ネタだというものがわかる。実話怪談と名がついていても、読むとどこかで聞いたパターンというのも少なくない。
しかし、怪談社や彼らが出演する番組で語られる実話怪談は独特なものがかなり多い。
この本も水辺の幽霊・井戸は恐ろしい・事故物件の怪という怪談の定石もありながら、「発想が鋭すぎる」、特異な実話怪談がメイン。
取材で得た話、伝聞のため、はっきり怪異が描かれないことも多いし、何があ -
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