浄土るるのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ジャンルは宮崎夏次系とか阿部共実に近い。胸糞だけど性描写がないのと絵がポップなので物理的なグロさはなく読みやすい。
猫殴りと神の沈黙で書かれているような「絶対的な存在」があったとしてあなたはそれをなんの疑問もなく信じるかというテーマと、善がほとんどの場合ひとりよがりな偽善をはらんでいて完全なる善などはないというテーマを繰り返し描写している。世界は自分の手ではどうにもならないし、どうにかなったとして良くはならないだろうみたいな諦めの空気を終始吸わされている感覚。結構好きだなぁ。
擬音が画面にうるさく描写されていて、その感覚的な描き方がなかなか好き。これはまた読み返すかもしれない。 -
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ネタバレ 購入済み
大天国はない
「鬼」をたまたまツイッターで読んで震えて以来気になっていた作家。本屋で収録作品を見つけたので電子で買ったら大当たり。他の話も凄まじい。「神の~」で、越ちゃんがおにぎりだけは食べたんだろうなというのが(荷物はあるけどおにぎりは見当たらないので)救い。結局洗脳から逃れられなかった結末がショックだったけど、後に死を選ばざるを得なかったとしてもあの時だけは友達のために神を裏切る選択を越ちゃん自らしたことに切なくもじんとした。
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購入済み
雑誌ならではの楽しみ
水谷緑先生の『こころのナース夜野さん』の単行本を持っており、こちらの作品を追いかけたくてはじめてスピリッツを買いましたが、他の連載作品もとても面白かったです。特にお仕事や研究を題材にした作品は、一話を作り上げるのにどれほどの取材をされたのだろうという読みごたえで、通読してみたくなりました。
単行本派で普段はほとんど雑誌を買わないのですが、自分が知ろうとも思わなかった分野に、お話しの展開の面白さや情動を誘う作画で連れていってもらえるは、雑誌を読むからこそ味わえる楽しみなのかなと思いました。