パーソル総合研究所のレビュー一覧
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これまでの社会人の経験を振り返るための手がかりとして、本書を再読した。以下は気づいた点のメモ。
本書は、日本社会における転職を、感情的判断や偶発的出来事としてではなく、データと行動科学に基づいた体系的な現象として捉え直す試みである。その出発点として、著者らは日本の転職観に潜む「隠れた前提」に着目する。すなわち、本人が自分の志向や能力を正確に理解していること、その自己像が短期間では変化しないこと、企業や仕事の実態を求職者が十分に理解していること、企業と仕事が安定的に維持されること、そして両者が変化せずに相互に適合する機会を得られるという前提である(p.40)。しかし現実には、人も組織も常に変化 -
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「ジョブ型雇用」という言葉は、2020年頃(もう少し前かな?)から、人事労務「界隈」では、バズワードとなっている。2023年の岸田政権下での、「新しい資本主義実現会議」の提言書、あるいは、政権による「骨太方針」には、「三位一体の労働市場改革」が謳われ、個別企業でのジョブ型人事制度の導入は、その柱の一つとして位置づけられている。また、それよりも遡ること数年、2020年の経団連「経営労働政策特別委員会報告」にも、「ジョブ型人事制度の導入」が日本企業にとっての大きな課題であるとの主張がなされている。
「ジョブ型」は「メンバーシップ型」と対比して語られることが多い、これは、もともとは、2009年に濱口 -
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自分も何度か転職を経験して、いまもまた転職したい気になっている。いつも思うのが、現状逃避のような気持ちが根っこにあるんじゃないかなというところなんだけど、とにかくこの本は知識の面でもマインドの面でも学ぶところが多かった。
海外のキャリアアップ型の転職に比べ、日本の転職は条件が悪くなることが多い。それでも転職するのは、もとの職場の人間関係や働き方への不満からくる、いってみればネガティブ型の転職ということになる。
そして転職で「天職」にめぐり合うことを期待してしまうけれど、それもなかなか難しい。なぜなら――
「世の中に『完全転職』はありえない」というものです。
オリエンテーションでも述べたとお -
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■うざすぎる残業武勇伝
・人はそれぞれの「残業観」を持っている。毎日のように残業をして出世した人は「残業=良きもの」とし、家計を支える人は「残業=お金」と考える
・残業に対する見方は多様
■残業が個人にもたらすリスク
①健康リスク
・「長期間働き続ける」ためには「長時間働き続けない」ようにしなくてはならない
⓶学びのリスク
・今起きていることは「キャリアのマルチステージ化」。長期間働き続けるためには常に新しいことを学び続ける必要がある。(残業によって)学ぶ時間が持てなくなる
■残業が企業にもたらすリスク
①採用に関わるリスク
・ブラック企業として敬遠される
⓶人材育成・早期離職のリスク
・これ -
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ネタバレ<どんな本?一言で紹介>
国会などでは語られない!
膨大なデータから「残業」を減らす施策本。
<どんな人におすすめ?>
残業を減らしたい会社員。
残業が多くて、達成感がある会社員。
社内の「働き方改革」を担当している人。
<読んだら、どんなことが分かるの?>
どうして日本人は残業するのか。
どうしたら、残業を減らせるのか。
・人口減ってるのに「長時間労働ができない人」が働けない現状はおかしい。
・働く人にとっての「長時間労働」によるリスク2つ
・企業にとっての「長時間労働」によるリスク4つ
・日本で残業文化が根付いたのは「仕事と時間の無限性」のせい
・「残業麻痺」に陥る2つの要因
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Posted by ブクログ
働き方改革が、号令をかけるだけで、実態が伴わない。
何故、働き方改革が進まないか。
長時間残業がなぜ起こるか、から読み解く。
なんとなく感じていたことを、客観的に言語化して説明してくれる、気づきにあふれる本。
残業は、長年日本の会社が組織学習してきた、強固な仕組だということ。
チームで一致団結して解決する風土がある職場で長時間残業が発生しやすいというのも、言われてみれば確かに。
本来は、生産性向上のために、そのような職場を作ろうと皆気を配っていると思うのだけど、逆に個人の裁量がなくなり、付き合い残業や、残業麻痺した幸福感を醸成しているのだなと、目からウロコでした。
皆で協力していれ