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超高齢化社会を迎え、あらゆる仕組みをアップデートする必要に迫られている日本。多様な人々の力が鍵となる中、それを拒む障壁が、日本独特の働き方「残業」。政府も企業も「働き方改革」を叫ぶ今、必要なのはそれぞれの「持論」ではなく、データを基にした「ガチ」な対話。一体なぜ、日本人は長時間労働をしているのか? 歴史、習慣、システム、働く人の思い――二万人を超える調査データを分析し、徹底的に残業の実態を解明。
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Posted by ブクログ
麻痺 何かに集中していて、意識が回らなくなる 集中 できる人に仕事が集中する 感染 空気を読んだり、仕事を増やされないように、残業する 遺伝 そういう教育を受けて、それが染み付いて、下の人間にも同じことを求める 個人に「早くこなして、早く帰れ」と言っても解決できない、根の深い問題だと分かった...続きを読む。
残業削減で、上手くいっている企業は 削減分を原資に別の手当にあてる のがベターのようだ。 この手のものは 強引な制度は サービス残業を生み出す要因になる。 何が原因で多いのか? 個別に聞いて回るのがよさそうだ。ただ、聞いてみると本人も なぜ増えたのかわかっていない節がある。 自分の役割を理解し...続きを読むていない。早く帰る動機がないのが原因か?
■うざすぎる残業武勇伝 ・人はそれぞれの「残業観」を持っている。毎日のように残業をして出世した人は「残業=良きもの」とし、家計を支える人は「残業=お金」と考える ・残業に対する見方は多様 ■残業が個人にもたらすリスク ①健康リスク ・「長期間働き続ける」ためには「長時間働き続けない」ようにしなくては...続きを読むならない ⓶学びのリスク ・今起きていることは「キャリアのマルチステージ化」。長期間働き続けるためには常に新しいことを学び続ける必要がある。(残業によって)学ぶ時間が持てなくなる ■残業が企業にもたらすリスク ①採用に関わるリスク ・ブラック企業として敬遠される ⓶人材育成・早期離職のリスク ・これからの時代は育成方法を再考して離職を防ぎリテンション(優秀な人材を自社に確保しておくための施策)を行ず必要がある。そのコツを一言でいえば「時間ではなく人材開発の質で個人の成長を支援する」こと ③イノベーションリスク ・競争優位を生み出すイノベーションは職場における「「労働投下量=かけた時間」とは比例しない ・イノベーションの源泉は新しいアイデアや知見を生み出すことであるが多くの場合「既存の要素の組み合わせ」から生まれる(イノベーションの本質を「新結合」と表現〔シュンペーター〕) ・異なる領域にある様々な物事やサービスを「かけあわせること」が必要。そのために必要なのは「異質なもの」との出会い ④コンプライアンスリスク ・厚労省によると2017年度労基法違反で労働基準監督署が是正指導を行った企業数は前年から4割増しの1870社で過去最高 ■日本の職場特有の「二つの無限」 ①「時間の無限性」 ・その原因は「法規制の実効性の乏しさ」 ・法定労働時間は1日8時間、週40時間と定められているが第36条協定を結びさえすれば時間外労働は認められる。しかも繁忙期などは「特別条項付の36協定届」を届ければ残業時間の基準を超えて働かせられるため実質青天井 ⓶「仕事の無限性」 ・日本の職場は「どこまでが誰の仕事か」という区切りが付けにくい「仕事の相互依存性」 ・日本以外の多くの国では「ジョブ型」という雇用システムがとられる ・(「ジョブ型」とは雇用契約時に結ぶ「職務記述書(ジョブ・ディスクリプション)」という書類により一人一人明確に仕事の範囲が規定される仕組み ・日本型の雇用システムは「メンバーシップ型」で先に「人」を採用してから「仕事」を割り振る。その結果「必要な仕事に人が付く」のではなく職場に人が付きそれを皆でこなす」形になるため「仕事の相互依存度」も高くなる ■経済成長期の「残業文化」にはメリットがあった。 ・当時の産業構造は製造業中心の大量生産・大量消費時代で「残業した分だけ物が作れ、売れる」状況であり企業にとって残業のメリットは大きかった ・その後の内需拡大により日本経済は大きく成長し欧米諸国が長期間かけて経験してきた産業構造と人口動態の変化を数十年で一気に経験した。その間に起きた急激な組織成長と変化に対応すべく、日本企業は独自の「日本型雇用システム=メンバーシップ型雇用慣行」を発達させた ・日本の雇用慣行の特徴は組織内部に労働市場を持っている ・内部労働市場と外部労働市場の特徴 就業期間(日本:終身雇用が前提/欧米:就業期間は短め) 解雇(簡単には行われない/比較的容易に行われる) 育成方法(異動・転勤等を通じた内部育成/組織外部での能力・スキル調達) 給与(年功序列型/職務給与の紐づけ、報酬上昇にはより高度な職務遂行を要す) 人材流動性(低い/高い) 失業率(低い/高い) ■日本型雇用(メンバーシップ型)は人をなるべく長期に雇用するが、景気の浮き沈みで早急に人を入れ替えられない(人件費を下げることができない)。 ・日本企業は景気が悪くなった時、人を切るのではなく労働時間を減らして対応する。つまり「景気が良い時は残業し、悪い時は残業を減らす」形で人員の代わりに残業時間を調整用のバッファとして活用することで外部状況の変化に対応してきた ■従業員が雇用主や企業に寄せる期待を「心理的契約」という。心理的契約は言わば労使双方の「暗黙の了解」で明文化されたものではない。 ■「多元的無知」とは「自分はAだと思っているが自分以外の人は皆Bだと思っている」と予期することで結果的にその予期された「集団的な思い」ここでは「B」の方に自分の行動を合わせてしまうこと。 ・「そう思っているのは自分だけ」と「皆」が思い込むことによって結果的に「皆」がその意思とは逆の行動をとってしまう ・「自分は残業したくない指導料が先に帰っても嫌じゃない」と思っていても、自分以外の人が「先に帰ることなんて許せん」と思っているんじゃないかと考え、皆が残業に勤しんでしまう(残業の「感染」) ■「若い頃に長時間残業をしていた経験がある上司」の下で働く部下は残業時間が長くなる傾向にある。 ・「帰りにくい雰囲気」が上下関係や階層関係によって強化される(残業の「遺伝」) ■長時間残業を経験していた上司のマネジメント行動の特徴 ・自分の仕事が終わっても職場に残る ・時間をかけて仕事をする部下を評価する ・優秀な部下に優先して仕事を割り振る ・これまでの慣習ややり方に固執する ■必要なのは「学習棄却」 ■残業習慣は新卒時の残業経験に大きく影響される ・残業習慣は世代や組織をも越えて受け継がれていくため、更なる「遺伝」を断ち切るには新卒入社時に時間と効率を意識する習慣を身につけさせることが鍵となる ■個人レベルで長時間残業を強化するのが「残業代依存」と「麻痺」 ・勤務時間内にはこなせない量の業務があり、そのために残業をするがいくらやっても終わらず日々残業を繰り返すうちそれが当たり前になる。残業が習慣化し残業代が支払われることが当然になってくると「残業代を前提として家系を組み立て」始め生活給の一部となる。そうなると残業代が支払われなくなることは大きな「損失」「デメリット」と感じられるようになる ・残業によって生み出された成果が組織内で評価されると人によっては過剰な長時間残業を続けていながら幸福感が高まる「麻痺」の状態になり更に残業習慣を強めていく ■組織レベルで長時間残業を強化するのが「集中」と「感染」 ・習慣的な残業によって多くの業務をこなしている人は組織内で「できる人」とみなされ、「できる部下に仕事を振る」マネジメントにより、更に多くの業務を任されその人に業務が集中する ・その職場に「周りの人がまだ働いていると帰りにくい雰囲気」があると長時間残業は職場全体に「感染」する ・職場全体に残業習慣が広がり不文律となっていく ・長時間残業をしているのは上司や活躍している先輩であるため若い世代はその顔色を窺って残業するようになる。特に新人時代はこうした上司や先輩からの影響を受けやすく残業習慣が世代間で伝わる「遺伝」現象につながっていく ・これらのメカニズムのポイントは「互いが互いを強化する」方向に作用すること。残業の「集中」が進めばその職場への「感染」力は増し、そのために残業時間が増えれば「麻痺」や「残業代依存」が起こりやすくなり若い頃にそうした環境に染まれば「遺伝」を引き起こす ■ある仕事のやり方、ルーティン(仕事の定型)が組織内に「定着」し、いわば「制度」のように機能していくことを「組織学習」という。 ・「長時間残業」のメカニズムもこの「組織学習」によって説明できる ・個人レベルでは「麻痺」「残業代依存」が起こり個人の「習慣」として定着する(個の学習) ・組織レベルでは「集中」「感染」が起こり組織内の非公式な「制度」として定着する(ヨコの学習) ・これらの異なるレイヤーのメカニズムが互いに強化し合い単なる「個人の意識」レベルを越えて残業習慣を「組織全体」に根付かせる「負の組織学習」が起きる。さらにその学習効果は「遺伝」というプロセスで世代間に継承される(タテの学習)。ここに生活費を残業代に依存する「家庭」という要素も加わる。残業代を家計に組み込んだ生活を続けてきたことで家庭という組織内でも「負の組織学習」が起きる ■数十年変わらない長時間労働習慣は長い年月にわたって日本企業全体で行われた「組織学習」の「成果の蓄積」と捉えられる ・長時間残業は個人がひとりで解決できる問題ではなく組織ぐるみで解決しなければならない問題 ・今、蓄積されてきた「負の組織学習効果」に対して人手不足、産業構造の変化、労務管理のリスク、新たな価値観といった変化に対する外部環境とのコンフリクト(考えや利害の衝突)が起きている ■全社的に強制力の強い残業施策が実施され残業時間が削減された分の「残業代還元」がなければ従業員にとっては実質的に給与の不利益変更でしかない ・調査では全体の60.8%が「基本給だけでは生活に足りない」と答えている ・「残業代還元」がない限り「残業施策」へのコミットメントを高めることは難しい ■「希望のマネジメント」(残業少+パフォーマンス高)に必要な3つの力 ①ジャッジ力:不確実な状況でも一貫した軸をもって迅速に状況判断・支持する能力 ⓶グリップ力:現場の状況や進捗を把握する能力 ③チーム・アップ力:オープンで風通しよく活発にコミュニケーションをする能力 ・これらをバラバラに意識する必要はない。3つの力は密接に関連している ・3つのうちのどれか一つでも欠けると「負のスパイラル」に陥る危険性もある ・絶望のマネジメントはジャッジ力、グリップ力、チームパップ力のいずれも低い ・「グリップ力」の低いマネジャーは上層部からの指示を丸呑みして部に伝達するだけ ・「チーム・アップ力」が低いマネジャーは部下と上司、あるいは部下同士での情報連携、フォロー体制の構築ができない ■残業の組織学習を解除する「3つの透明性」 ①業務の透明性 ・残業の「感染」「集中」は「誰が・何を・どんなふうに行うか」といった業務の透明性に関わるもの ⓶コミュニケーションの透明性 ・コミュニケーションの透明性が低い組織では残業が感染しやすい。「先に帰りにくい」という同調圧力が強くなる ③時間の透明性 ■「成果」の定義を変える─「努力+成果」から「時間当たり成果」へ ■「成長」の定義を変える─「経験の量」から「経験の質」へ
タイトルからして面白く、中身も面白かった。一昔前に味わった残業感覚・文化にデータも踏まえて納得。最終講の、定義を変えるがよくまとまってた。努力+成果、から時間あたり成果へ。経験の量から経験の質へ。ムラからチームへ。仕事との対立から仕事との共存へ。
耳の痛いことがたくさん書かれている。自分の身近に置いておいてバイブルとしたいと思った。残業を是と認めがちで、比較的残業の多い人は固定観念を身にまとう前に読むべき本だ。私はどちらにも該当し、この本を読んで少し頭を抱えてしまった…。
「残業」について分析・探求し、そのメカニズムや改善策を語った「残業学」講義の一冊。データ等基づき、具体的な解決策の提案もあり、大変参考になる。残業は「集中」し、「感染」し「遺伝」すること。「成果」「成長」「会社」「ライフ」の定義を変えて、働く人生に「希望」を持つこと。「残業」をキーワードにした組織論...続きを読む、仕事論は「働き方改革」が叫ばれる中、多くのことを考えさせられる。
働き方改革が、号令をかけるだけで、実態が伴わない。 何故、働き方改革が進まないか。 長時間残業がなぜ起こるか、から読み解く。 なんとなく感じていたことを、客観的に言語化して説明してくれる、気づきにあふれる本。 残業は、長年日本の会社が組織学習してきた、強固な仕組だということ。 チームで一致団...続きを読む結して解決する風土がある職場で長時間残業が発生しやすいというのも、言われてみれば確かに。 本来は、生産性向上のために、そのような職場を作ろうと皆気を配っていると思うのだけど、逆に個人の裁量がなくなり、付き合い残業や、残業麻痺した幸福感を醸成しているのだなと、目からウロコでした。 皆で協力していればその努力が報われ、自然に出世が約束されていた社会では、頑張ることが重要で、モーレツに仕事に奉仕することへ見返りがあった。 現在は、先が見えなく、役職ポストも不足、その上、会社が安泰かすらわからない状況、会社に見切りをつけた者は、条件の良い会社へ転職していく。 社会の状況が変わってきている今、長時間残業を良しとするのは時代遅れなのだなと感じた。 第四章のタイトル『残業は、「集中」し、「感染」し、「遺伝」する』 というのが、残業の仕組みを端的に表している。 ・能力の高いメンバへ仕事が「集中」する。 ・能力の高いメンバが長時間残業する姿を見た他のメンバは ①あこがれ、自分も長時間残業へ ②自分の能力がないと思われたくないのでフェイク残業へ ・そのような職場で育った人物が、残業を良しとする。 残業をすることでフロー状態(完全に集中、浸っている状態)に入り、幸福感が増す「残業麻痺」が起こる。残業は心身に影響を及ぼしているが、本人は気づかない。 というのも実感伴って理解できる。
本書で挙げられている残業体質の会社の特徴は、まるで自分の会社のことを言われているようでした。きっと、多くの日本企業が同じような問題点を抱えているのでしょう。 しっかりと統計をとって、問題を提起するだけでなく、具体的な対策も書かれているので、多くの人に参考になると思います。上層部の人にこそ読んでほしい...続きを読む職場の実態がここにあります。
audiobookで聞いた。 データに基づく意見は説得力があり、講義形式の進め方も面白い。 以外によかったので聞き直している。
残業を学問的に分解分析していて面白かった。残業は集中、感染、遺伝する。など。これみんなが読めばそれだけで前に進みそう。内容すごくわかりやすく、こういう本書ける人は信頼できるよなあと。
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中原淳
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