スコット・ギャロウェイのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
「コロナ後の世界」というタイトルですが、あとがきによれば、本書はもともと2019年から進められていたインタビュー企画に、今回のコロナ禍を組み合わせて内容を深めたようです。まず中身以前に、この6人をよく選んだなという意味で強いユニークさを感じました。たとえていうなら、服のセレクションショップで、「思いもよらないセレクションで面白いなあ」と感じる感覚でしょうか(これは選んだ服自体が良い/悪い、を超越した感覚です)。「銃・病原菌・鉄」などの著者であるジャレド・ダイヤモンドを先鋒に(なんて贅沢な!)、次鋒は人工知能の研究者で「LIFE3.0」などの著者であるマックス・テグマーク、そして人生100年時代のリンダ・グラットンが続き、「暴力の人類史」「21世紀の啓蒙」の著者であるスティーブン・ピンカー、そしてビジネス界から「GAFA」の著者、スコット・ギャロウェイが続き、最後にノーベル経済学賞受賞者であるポール・クルーグマンとくるわけです。このラインナップはかなりユニークで面白いと感じました。
肝心の中身についてですが、おそらく読者の関心事によってもどのパートが面白いかは違ってくると思います。私はテグマークの「AIで人類はレジリエントになれる」と、スコット・ギャロウェイの「新型コロナで強力になったGAFA」を興味深く読みましたが、ほかのパートはまあこんなものだろうという程度でした。全編にわたってあっという間に読めます。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ感想・覚え書き
GAFAの事だけかと思ったら、アメリカのIT系企業や政府、アメリカの格差にも踏み込んでいたと思う。
GAFAに、Microsoftやテスラ、Netflixなどなどを加えたビッグテック企業が、いかにスマートにアメリカの底辺層を搾取して、情報を抜き取り、商品購入を自社で完結するように囲い込んでいるのかを嫌というほど見せつける。
そして、それを行う一握りの富豪たちが如何に働きもので頭が良くて人当たりが良いのかも。
だから、彼らに会うときっと彼らを擁護するようになってしまうから、ビッグテックのエリート達と会いたくないと言っていたギャロウェイの発言が印象的だった。
さらに、アメリカの能力主義の能力が、金持ちの白人男性に産まれたかどうかに左右される事も印象的だった。拡散というより、もはや階級社会だ。格差の拡大と、「金持ちは努力家ですごい」という言説を作り、彼らを囲う環境について覆い隠されてしまっている。これはマイケル・サンデルが良く言及しているから、こんなビジネス書にも浸透しているのかと驚いた。
最後に、この人はアメリカについて基本的に楽観的だ。イギリスとソ連と協力して日本とナチスという悪魔から世界を守り、原子爆弾を開発して世界を救った「アメリカ」を理想的に考えているのだと思う。
-
Posted by ブクログ
それぞれの立場で言っていることがある。ワクチン肯定だったり、AI礼賛だったり。しかし、得てしてヨーロッパの言論はこのコロナを肯定的に捉えようとしているのがわかる。
コロナの感染者数が高めのままだが重症化、死亡するのが高齢者のみに限られることがわかり、経済をとにかく回せとなって解禁してきている2022年7月現在の視点から見ても、劣らない意見を述べている。
独裁国家はパンデミックに対応できない:中国を揶揄
AIでコロナ情報をアップデートする:うまくいっている部分と機能していない部分がある
ロックダウン:家族の絆の大切さが確認でき、働き方の見直しが始まる。人生100年時代、息切れしない働き方はなにか?
認知バイアスが感染症対策を遅らせた罪:マスコミに左右されてデータを理解できない社会
コロナでGAFAが一人勝ち:GAFAの次はどこか?
景気回復はスウィッシュ型:ロックダウン意味無し。インフレゴーゴー。 -
Posted by ブクログ
原題は『Post Corona』。GAFA(M)のTake it allとConcentrationは語られているものの、あくまで「コロナ後の世界」である点に留意が必要。著者の見解に対する賛否はあろうが、コロナにより世界が一気にデジタルシフトしたのは事実であろうし、著者が「Tアルゴリズム」として具体的な企業名を挙げているのは面白い。邦題にある「青」は有料だがプライバシー保護(Apple)、「赤」は無料だがプライバシー提供を指すが、丁度現時点(2022年4月)でイーロン・マスク氏がTwitter買収意向を表明しており、著者の提言する有料化の可能性が出てきた。著者の主張はやや誇大で偏向な面もあろうが、業界に対する鋭い洞察と深い造詣がもたらす的確さに驚かされる。