米津篤八のレビュー一覧
-
-
Posted by ブクログ
下町風情が残るソウル青坡洞(チョンパドン)のひなびたコンビニを舞台に、深夜アルバイトとして雇われた記憶喪失の元ホームレスの男・独孤(トッコ)と周囲の人々との交流、それぞれの再生を温かく描く物語。
展開が面白く、独孤との交流に心癒やされ、人情溢れる物語で一気読み。
8篇から成る連作短篇の最後は独孤の語りで、メッセージを受け止めながら読みました。
劇作家の女性に独孤は、やりたいことを絶対にあきらめない彼女のエネルギーがうらやましくて尋ねます。
あなたを支えてる力は何か、彼女は
人生は問題解決の連続、どうせ解くべき問題なら、その中から良い問題を選ぶために努力するだけ、と。
〜選びたいなぁと考えさ -
Posted by ブクログ
ラストのトッコ氏の語りの部分がこれまでのエピソードと比較すると読みづらい印象でしたが(内容的にも語り口も「思い」雰囲気でしたので)、一話完結型のストーリーはまるでテレビドラマを見ているようでした。
と思ったらドラマ化の話もあるようです。
人は誰しも自分のことが一番大切ですし、自分の思うように他人にも動いてもらいたいと思っています。他人の考えていることを100%理解することは不可能ですし、そういった社会の中で生きてゆくためには思いやりが不可欠です。
トッコ氏がコンビニで働くようになった経緯もそうですし、コンビニの利用客や同僚が抱える悩みを一つひとつ解決してゆく中で描かれていく人と人とのつなが -
Posted by ブクログ
誰かに助けを求めることって、とても勇気のいることだけれど、助けを求めることで明日の喜びに繋がるのかな、と思わされた。
全く同じ体験をしていなくても、寄り添うことで救われることもあるだろうな、って。
1.他者の目で世界を見ることが、価値のあることだと知ること。
2.自分のことだけに関心を集中しないように気を付けること。共感とは、他者を理解するために自己中心的な世界から一歩踏み出すこと、つまり自分のスイッチをしばし切ることだ。共感は、そうやって他者に心からの関心と好奇心を向けることから始まる。
3.特に自分と大きく違う相手であるほど、そこから学ぶものが多いものだと知ること。自分との差異を尊重し、 -
-
-
-
-
Posted by ブクログ
家にいた僕はドアのベルが鳴り続けるので、二十三回目のベルに耐えきれずに起きた。ドアスコープを覗くと小柄な老婆が立っていた。誰かと尋ねても返事がない、もう一度聞くと、自分はチョン・クッスンと名乗り、「ここはチェ・ダルスの家か?」と聞く。ドアを開けた僕の脇を通り抜けて応接間のソファーに座った老婆に「どちら様ですか?」と再び聞くと、「お前のおばあさんだよ」と答えた?光復節を前に腸チフスで亡くなったというおばあさんが復活した!死んだと言われていた祖母が突然帰国し、それも60억원もの大金を家族にあげようというのだ。家族みんなが、僕を含めて、その大金に釣られないわけがなかった。腸チフスで亡くなったと聞かさ