米津篤八のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
韓国ソウル、90年生まれ、生命科学を専門とする若手ドクターの日常。研究奴隷と自嘲する夜中まで研究室に篭る日々。穏やかな語り口で綴られるエッセイ。韓国の日常、研究室の現場、生命科学の面白さなど、様々な発見がある読書。
研究室でよく使われるハツカネズミの寿命は普通3年。例えば、老化と言う生命現象を研究するのに、ハツカネズミを観察し、論文を書くのに3年要することになる。しかし線虫であるC.エレガンスの寿命は2週間。著者は、このC.エレガンスを仕事道具にしている。仕事道具と言っても生命だ。倫理教育を受けてから臨む。最近では、脊椎動物で寿命が6ヶ月であるキリフィッシュを用いる研究も進んでいる。こうした -
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Posted by ブクログ
貧乏なシングルファーザーのミョンジュンは
白血病の娘ヒエの治療費のために
裕福な病院長の娘ロヒを誘拐しようとする。
ところが、当のロヒが家から飛び出してきて
ミョンジュンの運転する車にひかれ
記憶喪失になってしまう。
あわてて彼女を連れて逃げ出したが
彼女の両親は何者かに殺されていた…。
すごっ!
韓国ドラマの方程式、てんこ盛りです。
犯人が憎みきれない誘拐もの、好きなのですが
この話はそこに殺人事件の犯人探しが加わる。
ロヒと珍道中を続けるミョンジュンは
なんだかお人好しだし
物理的に犯人じゃないだろうと思ってると
中盤に「もしかして」という事実が出てきたり
いい感じに登場人物みんな怪しい -
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Posted by ブクログ
韓国文学といえば『82年、キム・ジヨン』が話題になっており、以前読んで胸に残るものがあったため、今回こちらの作品を読んでみた。
韓国ミステリーは初めてで、そのあたりも楽しみにしながらどんな小説かワクワクしながら読みはじめた。
500ページ弱ある分量だったが、夢中であっという間に読んでしまった。
病気の娘の手術費用を工面するために、お金持ちの家の娘の誘拐を持ちかけられ、やむなく了承し、実行しようとする父親から物語は始まる。
誘拐も一筋縄でいかず、誘拐した娘は記憶喪失。
そんな誘拐した娘の両親は何者かによって殺害され、誘拐と殺人が絡み合って物語は進んでいく。
誘拐、記憶喪失、殺人、そしてお金 -
Posted by ブクログ
ネタバレ今年こそ読もうと思っていた、初めての韓国文学。とても面白く読めた。一気に読んでしまった。
娘の治療費が欲しい気弱な誘拐犯の男と、勝ち気で賢い人質の少女。
男は誘拐しようとしていた少女を轢いてしまい、目覚めた彼女に「自分はパパだ」と嘘をつく。
そんな男に少女は、孫の手を彼の喉元に突き付けながら「ご飯」と言う。
彼らの、ちょっと変わった関係。
だけど、少女の家から死体が発見され、自体は一変する。
そして少女の記憶が戻った時…彼らの取った行動は。
最初はただのミステリだと思っていた。幾重にも重なる殺人事件と30年前の事件。そして真相。ただ、そこには悲しい出来事があり、子どもを持つ母親である私は