あらすじ
韓国発の大ベストセラー小説、待望の続編!
狭くて品揃えも悪く、近所の人から「不便なコンビニ」と呼ばれるALWAYS。深夜バイトの独孤(トッコ)が店を去ってから6つの季節が過ぎた。オーナーのヨムさんは体調を崩し、折り合いの悪い息子ミンシクに経営を、古株のソンスクに店長を任せ、ソウルを離れていた。独孤から仕事を引き継いだ元刑事のクァクも故郷に帰ることになり、ソンスクは愛想はいいが要領の悪そうな中年男性クンベを深夜バイトとして採用する。今日も悩みを抱えた人たちが、ALWAYSを訪れる。一方、クンベにはある秘密があった……。
2024年本屋大賞翻訳小説部門第3位。韓国でシリーズ大ベストセラー、台湾でも大ヒットを記録。ソウルで上演される舞台はロングランとなり、ドラマ化も進行中の世界的ベストセラー「Kヒーリング」小説、日本に待望の続編が上陸!
(底本 2025年2月発売作品)
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
前作同様に、暖かな心の交流が
じんわりと染み渡るような作品だった。
独孤は不思議でずっと見ていたい人だったが、
今回の主人公もとても気になる存在で
読んでいてこういう人が身近にいるって
とても素敵だなぁと思うのであった…!!
どのキャラクターにも背景があり
憎めず嫌いになれないのがなんだかとても深い…
必ず最後には応援したくなる不思議ったら!
そして自分も頑張ってみたいなぁと思える物語。
Posted by ブクログ
『不便なコンビニ』の続編です。韓国の下町にあるコンビニ、ALWAYS青坡洞店のその後が書かれていました。
新しい深夜バイトのファン・クンベがいい味をだしていました。おしゃべりで、人に気を遣えるおじさんです。深夜バイトになりたかった理由は思ってもみなかったものでした。前作の独孤さんと同様に、驚かされました。
就活三年目の女性、コロナ禍で仕事がうまくいかない精肉食堂の経営者、不公平を感じている高校一年生の男子、そしてこのコンビニのオーナー。それぞれが悩みを抱えていましたが、クンベさんのおかげで新たな道筋を見つけていきました。
自分の本当の思いを聞いてくれる人がいるだけで、人は何かが変わるのかもしれないと思いました。人がいい方向に向かっていくのは、読んでいて心地よかったです。
そして前作での登場人物のその後もわかり、満足感あふれる読書時間が持てました。コロナ禍での物語の先には、大切なことに気づいた人たちがいました。
これからは、とうもろこしひげ茶を飲むたびに、この本のことを思い出すと思います。
〈目次〉
店長オ・ソンスク
ソウルスナック
老害のなかの老害
ツー・プラス・ワン
夜のコンビニ
オーナーバイト
ALWAYS
不便なコンビニ
―いくつかの季節が過ぎた後―
感謝のことば
訳者あとがき
Posted by ブクログ
どこか足りない、不便なコンビニだけど…
やっぱり、何だか温かみを感じる場所。
不便なコンビニ2作目。
韓国の青坡洞(チョンパドン)にあるコンビニ
ALWAYSは、コロナ渦真っ只中。
そんな店に、前作は記憶喪失のホームレスの
独狐がメインでしたが
今作は、40代のポジティブマインドで
口数多い深夜アルバイトのファンクンベを
中心に話が進んでいきます。
コロナ禍の影響で店の営業がうまくいかない人や
家にも学校にも居場所がない少年、
就活がうまくいかない女性など
悩み、困っている人にクンベの明るい言葉が
問題解決のちょっとしたヒントをくれます。
個人的には「ツー・ワン・プラス」の
家にも学校にも居場所がなく、この世は不公平だ
と思っている少年ミンギュの話が個人的には
好きです。
雨に打たれる中、家を飛び出してきた少年が
コンビニでクンベにもらった温かいカップ麺に
トンカツを入れて味わうシーンは
身も心も温まります(^^)
前作のキャラクターも出てきて、それぞれの人生の
続きを少し知ることができ、
そこもよかったし
ラストのあるシーンは1作目から読んでいて
本当に良かったなと感動しました。
人生はそれぞれに辛く、悲しいことがあり、
決してみんな平等というわけではないけれど、
辛さや苦しみを吐き出せる場所や仲間が
少しでもいるだけど、きっと何とか
なっていくのではないのかなと思いました。
自分だけの居場所がまだない人や私ばっかり
辛い、損してる。と感じる人に
おすすめの作品です。
きっと誰もが自分だけの何かを求めていて
それを探していくのが、人生なのかなと感じます。
Posted by ブクログ
お客さんがあまり来なくて品揃えもいまいちなコンビニで、オーナーと深夜バイトさん、そしてお客さんとの交流に心温まる物語『不便なコンビニ』の続編。
今回は新しい深夜バイトさんとお客さん、オーナーの放蕩息子との交流にまたじーんとさせられました。
特に元オーナーとオーナーを引き継いだ放蕩息子の、母と息子の再起・心機一転のストーリーが心にぐぐっときました。
子育てでの後悔、ああしてあげればよかったという思い、息子へのあきらめ、自分の老い‥自分と重なって苦しくなってしまうほどだったけど、関係は変われるということに救われる思いでした。
「そのとき、姉の忠告が思い浮かんだ。
いつまでも自分が保護者だとは思うな、と。もう自分の弱さを認めて、子どもたちに頼れ、と。心配事を打ち明け、仮病でも使って、つらいことはつらいと言えばいい、と。」
「変化。これは誰かに言われてのことではなく、自分から変わることだ。人間は変化を嫌うのではなく、誰かから変化を求められることが嫌なのだ—そんな話を聞いたことがある。だから、変わることを求めるより、待つこと、そしてさりげなく手助けすることが大事なのだ。」
今回も個性的な深夜バイトさん。
「他人の目を気にしていたら何もできないよ」
1冊目にも登場している元アルバイトのその後も。
「よい関係は、自然に結ばれるわけではない。自分で調べ、探し回る努力が必要なのだ。」
みんな悩んでいたり進めないでいたりするけれど、勇気を出して、変なプライドも拗れた劣等感も捨てて、一歩踏み出す背中を押してくれる温かいストーリーでした。
今回もほっこり癒されました。
Posted by ブクログ
コロナ禍のコンビニALWAYSで新しく深夜バイトとして働くおじさん・クンベ。彼が癖強いけどいいキャラで苦しい状況下の人々がクンベと関わると不思議と好転していく群像劇。
1作目も大変良かったが2作目は更に面白くなり、笑いあり涙ありで読後はポッと心に火が灯るような充足感に満ちた。凄く凄く良かった!
Posted by ブクログ
2021年に韓国で発売された「不便なコンビニ」は、当時コロナ蔓延の最中で人々が生きづらさを感じていたこともあって、本国でベストセラーになった作品です。
その後「Kヒーリング小説」なるジャンルが生まれ、この作品も世界18ヵ国で翻訳・出版、日本でも2024年に「本屋大賞翻訳小説部門」第3位に入りました。
本作は前作に引き続き、ソウルの下町に店を構える小さなコンビニ「ALWAYS」を舞台に8章からなる連作短編集です。
今回は各章ごとに、「ALWAYS」にやって来る、個性的なお客が中心人物となって話が展開されます。
そして今回の特徴的なのは深夜バイト店員のクァクの後を引き継いだ中年のファン・クンベです。
前作の独孤とキャラクターは違えど、問題を抱えるお客たちに、癒しと笑顔を与えてくれるのが彼です。
優秀な兄と比較され折り合いの悪い両親に疎まれ、深夜のコンビニが逃げ場となっている中学生のミンギュに、クンベはこう語ります。
「大人になったら、自分について次の三つのことをよく知るべきだというんだ。まず、得意なことは何か。次に、自分がやりたいことは何か。最後に、自分がやるべきことは何か」 ツー・プラス・ワン抜粋
頑固な、偏屈な客にめげることなく、接し、夜のコンビニ店員という仕事を天職のようにこなすクンベも、二人きりの家族である母を癌で亡くしてしまいます。
彼のお母さんの口癖が、私に言い聞かせられている気がする言葉です。
「比べるのはがん、心配するのは毒だよ。ただでさえ、生きていくのは大変さ。いまの自分だけを考えて生きていきなさい」 夜のコンビニ抜粋
本作が出版された2022年は、コロナが終息してもその負の影響を引きずっていた頃です。苦しんでいる人にとってエールとなる言葉です。
コンビニオーナーを息子ミンシクに譲ったヨムが初期の認知症を発症、進行を遅らそうと生き始め、クンベが出演したコンビニを舞台にした公演を鑑賞する姿にシニアの私も考えさせられました。
「変わることを求めるより、待つこと。そしてさりげなく手助けすることが大事なのだ。
公演を観覧することは、人生を経験すことだ。」ALWAYS抜粋
私にとっては続編も期待以上で、ドラマ化が待ち遠しいです。
Posted by ブクログ
「不便なコンビニ」とファン・ボルムさんの「ようこそ、ヒュナム洞書店へ」でK文学にハマった私にとって、「不便なコンビニ2」は待望の続編でした。
今作はコロナによってダメージを受けた人たちが再起している様子が描写されていることが多かったです。
私はコロナに触れている作品が苦手だったのですが、この作品はこれまで読んだ作品(エピローグでとりあえずマスクの描写足された感じとか、作品全体が絶望しきった感じ)と違って、パンデミック後に希望を見出している空気が感じとれたからか楽しく読めました。
Posted by ブクログ
このシリーズ大好き!前作もよかったけど、その面白さを受けてさらに膨らませて帰ってきた第2弾!懐かしい面々、新しいバイトメンバー、常連客たちも愛おしい。
Posted by ブクログ
はじめは独狐さんもヨムさんも出てこなくて、やや物足りないかなあと思ったんですが最後の方で…
2巻も良かったです。作者のトークイベントの記事で、3作目は未定と言われてましたが是非次回作も読みたいです。
Posted by ブクログ
面白かった!でも、一巻の登場人物たちの状況が変わっていて、少し、違和感を感じながら読み始めた。読み進めていくと、どんどん物語に惹きつけられていった。
Posted by ブクログ
1作目がとても良かったので楽しみに読んだ。1で出てきた人達のその後もわかったし、とてもステキな心温まる小説だった。韓国の小説をもっと読んでみたいと思った。名前がどうしても覚えにくて困るけど。
Posted by ブクログ
現実逃避できる作品を読みたい気分だったので、少し読みタイミングを間違えたところはあった。
ただ読みやすかった。
最後の独弧の登場は、なんかウルッときた。
Posted by ブクログ
「不便なコンビニ」と呼ばれるALWAYS、深夜バイトも前作の独孤氏から3代目のファン・クンベ氏と引き継がれ、コロナ禍の韓国て繰り広げられるハートウォーマーな物語。
前作とは一変してオーナーの息子が心入れ替えるとこは良かったかな。
後半は、前作の人たちも次々出てきて入れ替わり立ち替わり自分語りを始める表現方法で臨場感は感じられず目まぐるしい演劇を鑑賞している気分でした。
クンベ氏の目的が見えてきたところから目が離せなくなりました。
期限切れの食品を食べるれるとこが嬉しく思いました。
消費期限2時間切れって全然おっけですよねw
Posted by ブクログ
コンビニに関わる人々の心温まるお話。
前作の雰囲気がとても好きだったので本屋でたまたま出会い購入。
おせっかいな店員に最初はイライラする客たちも、次第に店員に心を開き、癒されていく。
コロナ禍が舞台なので少し前の話にも感じられるが、それぞれが前向きな姿勢になっていく様子は読んでいて気持ちいい。
前作主役の孤独氏も少し出てきてくれたけど、欲を言えば孤独氏の現在も書いて欲しかったなぁ!
前作はK-ヒーリング小説と呼ばれ、旋風を起こしたらしいが、最近日本もこの手の作品が増えている気がする。単純ないい話で文芸作品として深みがないような気もするけど、疲れているときに読むエンタメとしてはいいよねと思う。
Posted by ブクログ
前作もいい話だったけど、今回もよかった。
登場人物はやっぱり個性的な人達ばかりだけど、凄く前向きにさせてくれる話で、人は変われる事を教えてくれた。
物語自体コロナ禍だけど、もう懐かしさを感じてしまう自分がいた。
今も様々な問題がある世の中だけど、この物語のように前向きな気持ちを忘れずに生きていきたいと思った。
Posted by ブクログ
コンビニは便利な店の意味なのに、不便なコンビニ(불편한 편의점)とは…。ソウルの青坡洞にあるコンビニのオーナーのカン・ミンシクは母親がやっていたこのコンビニを引き継いだが、コンビニの作業は店長のオ・ソンスクに任せて自堕落な生活を続けている。そのため新しい商品も発注されず、店の売り上げも低迷している。店長の自宅から店まで500メーターほどだが、それでも息が上がる。このコロナ対策のマスクのせいだ。そんなおり、深夜バイトのクァクが辞めるといってきた。郷里の光州に帰るという。友達がビルのオーナーをしていて、ビル管理人を探していたのだそうだ。今度は深夜バイトの募集をしなくては…。雇われ店長も辛いもんだ。
不便なコンビニの続編です。前のオーナーのヨム・ヨンスクも登場します。以前のスタッフのその後も分かります。
Posted by ブクログ
「ツー・プラス・ワン」の章が良かった!前作を読んでからだいぶ経っていたけど、知っている人が次々現れて「あっ!あの時のあの人か!元気でよかった」と懐かしい気持ちになり、より楽しめました。
Posted by ブクログ
1を読む機会がなく、2から読み始めてしまいましたがとても面白かったです!
たかがコンビニ、されどコンビニ。
コンビニはどこにでもあるけれど、そこで働く人はそれぞれ違う人で、いろんな過去を持っている。当たり前のことだけど、あらためて気付かされました。
クンボさんの少しおせっかいだけど朗らかな性格によって、コンビニに関わった人たちがたくさん救われた。クンボさんはコロナ禍で希薄になった、人と人を結びつけるような存在だなと思いました。みんな何かしら心に抱えているけど、コンビニを訪れてクンボさんとはなして少し心がほぐれていく。
でもそのクンボさんがコンビニに来てくれたのは、オーナーのヨムさんの日々の努力によるものであり…。頑張りが報われて、さらにその輪が広がっていく、心暖まる物語だと思いました。
前作に出ていたであろう独孤が気になり、1巻目も読みたくなりました!