エイドリアンマッキンティのレビュー一覧

  • ザ・チェーン 連鎖誘拐 下

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    誘拐された我が子を取り戻すには、誰かの子どもを誘拐し、その親にまた別の子どもを誘拐させなければならない。
    この〈チェーン〉に巻き込まれたのは、癌患者でシングルマザーのレイチェル。彼女の凄絶な奮闘劇と、謎のチェーン・システムの核心に迫るプロットが熱い!

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    2023年08月15日
  • ザ・チェーン 連鎖誘拐 上

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    ネタバレ

    「チェーン」は終わらない。

    レビュー
     プロットが素晴らしいの一言に尽きる。
     誘拐犯の子どもは別の誘拐犯に攫われていて、その誘拐犯のもまた別の誘拐犯に攫われ、という、無数に繋がるチェーンという設定自体が秀逸だ。そして、そのシステムの性質上、自分の誘拐だけでなく、繋いだ先の誘拐の成否すら責任を負わなければならない。(会社で人事部のあなたが誰かを採用して、その採用した誰かが採用した人が問題を起こしたら、あなたまでその責任を追及されるということだ。)
     この鎖は単なる誘拐連鎖ではなく、システムに組み込まれた時点で、その当事者の身体、そして精神を縛る鎖だ。我が子への愛を担保に繋がっていく。
     レイ

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    2023年07月16日
  • ポリス・アット・ザ・ステーション

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    クソ面白い

    もちろんクソ原文ではshitですわな
    クソ作中クソ700回くらいクソクソ言う(ほんとはそんなには言わない)

    ショーンが目出し帽の男とその仲間たちに森の中を歩かされて、自分を埋めるための穴を掘らされた上に、拳銃を向けられる絶体絶命のピンチを迎えるプロローグから物語はスタート

    しかし、ギャリックファーガス署の管内で発生したのは麻薬の密売人が殺されるという北アイルランドでは特段珍しくない事件(それはそれでどうかと)
    唯一珍しいのは兇器がボウガンというところ

    「薬の売人が背中を矢で撃たれて殺された」
    「犯人は地元の法執行機関の手をさんざんに煩わせてる、シャーウッドの森のあの悪党か?

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    2022年12月03日
  • ガン・ストリート・ガール

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    4作目も凄かった。ショーンのメンタルが心配になるラストの衝撃の余韻がなくならない。そこに至るまでの、よくある殺人事件から話がどんどん大きくなり国際スケールな陰謀に繋がっていく様は圧巻だった。ショーンは話が進むごとに勘が冴え渡り、さらに元来の行動力が話をどんどん前に進めるので、長い作品なのに停滞感がほとんど感じられなかった。昔の男性なので時代錯誤な価値観もあるが、ショーンの語りが面白く癖になる。美女にうつつを抜かすが長続きしないのは定番になってきた。巨悪に対峙する一匹狼、ベタだけどやっぱりカッコいいなぁ。

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    2022年10月02日
  • ポリス・アット・ザ・ステーション

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    シリーズを通して血で血を洗う政治闘争と腐敗した警察権力とに挟まれた絶望的な状況に置かれてきた主人公が遂に自分のみならず家族や友人までも失いかねない窮地に追い込まれる中で、果たして事件を解明し状況を好転させることができるのだろうか。三部作の中締めにふさわしいラストが待っている。

    引用 〜 悲劇と幸運と】銃で撃たれなきゃならないとしたら、ベルファストは最高の場所のひとつだ。二十年の紛争の末、何千という暗殺未遂と銃による制裁の末、ベルファストは世界有数の銃創外科医を多数輩出してきた。

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    2022年09月22日
  • アイル・ビー・ゴーン

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    3作目も面白かった!北アイルランドに暴力が吹き荒れる中、過去の密室殺人事件を調査するダフィ。IRAのリーダーが脱獄し、今にもテロが起こりそうな中、過去の事件に取り組むことになる。古典的な密室ミステリと、北アイルランドの戦争状態とも言える緊迫感。これが、上手く説得力を持って融合され、密室ミステリを解く余韻を味わう間もなく、本題のテロ阻止スリラーに移行するテンポの良さは1冊で2度美味しいお得感を得た。ある人物の死や、IRAとの対峙、事件解決後の関係者の描写はやや淡白に感じだが、勢いで持って行かれてしまった。

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    2022年09月19日
  • サイレンズ・イン・ザ・ストリート

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    本作を読んで一番に思ったことは、やはりシリーズ物は順番に読むべきだということだ

    とりあえず興味をそそられたので評価点の高い4作目から読んでみよう(なぜ4作目から読み始めたか思い出した)というのはFBIが仕掛けた罠なので気をつけたほうがよろしい

    それにしても本当にハードボイルドらしいハードボイルドといえるシリーズで、バーボンウイスキーはショットグラスで飲むという方には是非お勧めしたい

    ハードボイルドといえばひねくれ者で頑固なタフガイが主人公と相場は決まっていて、本作の主人公ショーン・ダフィもまさにその通りの人物であり、実は自分はそのタイプの主人公はあまり好きではないのだ本来は
    しかしながら

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    2022年08月31日
  • コールド・コールド・グラウンド

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    刑事ショーン・ダフィーシリーズの第1作です

    何故かは忘れましたがこのシリーズは4作目から読み始め、次に3作目を読みすごく面白かったんです
    そして5作目もすごく面白そうだったので、さすがにここらで1作目を読んでおこうかと思い今日に至ります
    次は2作目を読む予定

    4→3→1→2→5
    うーん、変なの
    何かの暗号か?

    で、こんな変な読み方をすると、「あ、あれってそういうことだったんか!」というのが随所に出てきてそれはそれで面白い

    そしてシリーズを読んですごく思うこと
    この日本語訳すごすぎない?訳者の武藤陽生さんは控えめに言って天才だと思う

    今回ダフィーのチームはダフィー本人とクラビーとマティ

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    2022年08月06日
  • ポリス・アット・ザ・ステーション

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    今回も文句なしにすばらしくおもしろい。

    年表と法月倫太郎氏の解説がまたいい。
    成長著しい金剛…じゃなくてローソン笑

    これで終わりじゃないとわかってホッとしました。

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    2022年08月06日
  • ポリス・アット・ザ・ステーション

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     ショーン・ダフィのシリーズも6作目を数える。宗教対立と内戦下の北アイルランド、キャリックファーガスの田舎警察を舞台にした毎作のストーリーも凄いが、プロテスタントとカトリックの対立、政治思想の対立で分裂する世界一危険な国家に生きる状況を背景にして、この主人公の個性を描出する作家の書きっぷりも凄い。

     それでいながらこのシリーズでは食っていけなくなり、ウーバーの運転手で生活を凌いできたという現実の作家の生活っぷりも信じ難い。でも『ザ・チェーン連鎖誘拐』という独立作品で作家に戻った。その作品も実に出来が良い。これだけの作家が食っていけなくなる国というのは何なのだろうか。

     さて、本書。そしてダ

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    2022年07月24日
  • ポリス・アット・ザ・ステーション

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    ネタバレ

    ショーン・ダフィシリーズ六作目。

    正直に言って、最も衝撃的だったのは「解説」だった。
    このシリーズは三作ごとの三部作、
    つまりあと三作、書かれる予定らしい。

    いやー、もういいでしょ。
    一匹オオカミだったダフィが、
    娘とその母(結婚していないので妻ではない)と住み、
    チームで大事件を解決して、
    都合の良い人事を受け入れさせ、
    半ば引退する予備巡査の道をつかみ取り、
    幸せなラストで自分としてはとても満足していたのに。

    今まで登場していなかった父母が登場したり、
    警察署で体力テストがあってジョギングしたり、
    ダフィが娘のおむつを替えたりと、
    いろいろ面白かったが、
    やはり圧巻はIRAの暗殺部隊

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    2022年07月23日
  • ポリス・アット・ザ・ステーション

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    〈ショーン・ダフィ〉シリーズ第六弾。麻薬密売人が殺害されダフィたちの捜査が進むにつれて事件の背後にあるものが見えて難しい捜査になっていく。シリーズお馴染みのクラビーとローソン二人の巡査部長とダフィの三人での捜査とその会話が今回も良くてとても良いトリオ。家族ができてダフィも少しずつ変わってきていてそれが今後どうなっていくのかも楽しみだし、今作の結末を経ての次作が待ち遠しい。前作と今作はシリーズの中でも特に読み応えがある作品だと思う。

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    2022年07月09日
  • ポリス・アット・ザ・ステーション

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    キャリックファーガスの団地で麻薬密売人の男が射殺された。自警団の犯行として捜査が行われるが、ショーン・ダフィ警部補は、事件がそう単純なものではないことを直感する。事件当夜に被害者と会っていた不審な男、何かを隠す被害者の妻……。さらに捜査中、ショーンは何者かに命を狙われてしまう。そして事件は北アイルランドの闇へとつながっていき――。

    シリーズ第6作。守るべき家族のために、仲間と共にダフィ警部補が奔走する。一筋縄では終わらないのが、作者の真骨頂。

    しかし、定価が1800円超え。どうしたものか。ポケミスも高くなったし。

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    2022年07月04日
  • ガン・ストリート・ガール

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    ネタバレ

    正直前作までを読んでいて主人公のショーン・ダフィがあまり好きになれませんでした。
    しかし、役者が後書きで述べた通り本作を読み終わったあとショーンの幸せを願わずにはいられなくなるくらい好きになりました。
    ショーンの人間臭さや話の展開が面白くあっという間に読み終えてしまいます。このシリーズの転換期の作品。

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    2022年07月04日
  • アイル・ビー・ゴーン

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    北アイルランド問題の根深さは人種や領土問題に宗教が絡んでるところですよね
    まあどこもそうか
    宗教が絡むとややこしい
    でもややこしいと思うのは無宗教だからなんでしょうな

    今回はテロの話が軸ではあるんですが密室殺人なんかも出てきて多彩な面白さです
    そして北アイルランドの独特な雰囲気が良く出ている気がするんですよね
    もちろん実際に知ってるわけではないので比較してるわけじゃないんですがそうなんだろうなって思わせます
    物語も二転三転してハラハラしました
    良作!

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    2022年07月03日
  • レイン・ドッグズ

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     ノワールの系譜を正当に継ぐのが、このエイドリアン・マッキンティだとぼくは固く信じている。リズミカルに並べられる名詞の山。体言止めで綴られる小気味よい文体。舞台は、ジャック・ヒギンズの作品でもおなじみのテロの嵐吹き荒れる80年代の北アイルランド、ベルファストとその近郊。

     主人公は、すっかりお馴染みになったいい味の一匹狼、汚れた街をゆくショーン・ダフィ。頑固で、タフで、それでいて弱くて、心優しい詩人で、デカダンスな酒呑みで、頭が切れる上に、ピアノも上手い、古いレコードのマニアである。シリーズ作品のタイトルはすべて、酔いどれピアノ弾き語りの天才トム・ウェイツの曲名からなっている。

     信頼でき

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    2022年01月16日
  • レイン・ドッグズ

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    ネタバレ

    あい。
    今回も文句なし。
    阿津川辰海さんの解説に挙げられている(主に警察)小説もマイベスト級に好きなものばかりで、いかにこのシリーズがわたしのどストライクであるかを再確認した次第。

    今回ローソンが大活躍。クラビーは控えめ。
    次作が本当に楽しみ。

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    2022年01月16日
  • レイン・ドッグズ

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    「ショーン・ダフィ」シリーズ第5弾。80年代の北アイルランドの暴動や紛争のなか古城で起きた事件を追うダフィたち。ひとつの事件から大きく広がっていく展開や上手く進まない捜査と警察小説の面白さがたっぷりあるけれど個人的にはダフィの魅力的な造形が一番の楽しみでもある。北アイルランドの情勢、車の下に爆弾がないことを確認するような日々。シリーズを通して、ダフィを通して描かれるこれらの日々と警察小説、ミステリーとしての魅力が存分に楽しめる。これまでのシリーズの中でも上位にくる面白さだと思う。

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    2022年01月11日
  • ガン・ストリート・ガール

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     今年初に出版された『ザ・チェーン 連鎖誘拐』には驚いた。この素晴らしい現代のハードボイルドのショーン・ダフィ・シリーズ三作を味わった後では、まるで異なる作家によって書かれたとしか思えないさサービス満点のハリウッド映画みたいなスーパー・エンターテインメントに度肝を抜かれた形だったのだ。それもそのはず、作品が売れず生活に困窮し、作家という仕事を放り出してウーパーの運転手に身を落とそうとしていたマッキンティが、新たに売れ、そして稼げるための創作に鞍替えして、完全イメチェンを図った上の作品が、当該作品であったのだ。なるほど、この面白さ、スピード感なら売れる。それはわかる。

     でも思えば、『ザ・チェ

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    2020年12月15日
  • アイル・ビー・ゴーン

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    エンタメ小説のすべての要素をぶっ込んだハラハラドキドキ!島田荘司が一気読みしたと言うのはどれほどのものか?いや確かに凄い。舞台は1983年北アイルランド。独立運動激しく要人を狙い警察署やホテルが急に爆発して同僚や一般人が死ぬシーンが日常のように描かれる。戦場のようだ。有能が故に本部長に睨まれたショーン・ダフィ刑事は警察をクビになるが、IRAの大物で幼なじみのダーモットを探し出して欲しいというMI5の依頼を、復職を交換条件に受ける。ダフィはダーモットの義母から4年前の娘の死の謎が解けたらダーモットの居場所を教えると取引を持ち出される。しかし4年前の事件は完全なる密室だった。殺人なのか事故なのか。

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    2020年11月15日