エイドリアンマッキンティのレビュー一覧
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子供がいる親にとっては気になって仕方がないノンストップスリラー。がんを患う母親が主人公。娘がある夫婦に誘拐されるが、この夫婦も子供を誘拐されている。子供を救うにはほかの子供を誘拐して身代金を支払わせるしかない。この関係は延々と続いていて「チェーン」と呼ばれる。チェーンに逆らえば皆殺しの報復が待つ。環...続きを読むPosted by ブクログ
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「誘拐された子供を返して欲しければ他の子供を誘拐しろ」そうして何度となく続いている誘拐の連鎖。全ては自分の子供のため。残酷な要求に応えるために残酷な人間になる。知らず知らずのうちに自分が変化していく。混乱、怒り、絶望、たくさんの感情が流れ、溢れていく。そのさまに恐怖を感じる。下巻に入り少し空気が変わ...続きを読むPosted by ブクログ
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マッキンティと言えば北アイルランドを舞台にした、闘う警察官ショーン・ダフィ・シリーズでの好印象しかないのだが、驚いたことに、いくつかの賞を獲ったにも関わらず執筆の対価に合わないとしてペンを折ってしまいネット配車タクシーのドライバーに転職していたのだそうだ。そんな、と思ってしまうのはぼくだけではない...続きを読むPosted by ブクログ
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マッキンティと言えば北アイルランドを舞台にした、闘う警察官ショーン・ダフィ・シリーズでの好印象しかないのだが、驚いたことに、いくつかの賞を獲ったにも関わらず執筆の対価に合わないとしてペンを折ってしまいネット配車タクシーのドライバーに転職していたのだそうだ。そんな、と思ってしまうのはぼくだけではない...続きを読むPosted by ブクログ
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ショーン・ダフィシリーズの雨の北アイルランドから一変、アメリカ東海岸が舞台。全く違う作風で驚き。
スピード感に一気読みさせられた。その中にも誘拐という卑劣な犯罪への怒りが細かく述べられ、確かに杉江さんの解説にも「書きすぎる」とあったが、わたしもそれは感じた。
だが、いいぞ、マッキンティ!ウーバー...続きを読むPosted by ブクログ -
「The ハードボイルド小説」だった。レイモンドチャンドラー小説に出てくる、探偵のフリップマーローを彷彿とさせるような皮肉屋で女にモテる主人公。つまり、男なら誰もが憧れる(言い過ぎ?)キャラクターだ。本作はシリーズ物の2作目で、私は前作を読んでいなかったが、問題なく楽しめた。舞台は、日本人にはあまり...続きを読むPosted by ブクログ
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サッチャー政権下の北アイルランド、動乱の世の中で元刑事のショーン・ダフィが暗躍する話。
まず題名が良い。歌詞からの引用なのだが、In the afternoonでもIn the nightでもなくIn the morning I'll be goneである。エモい。
作詞者もさることながらこれを引...続きを読むPosted by ブクログ -
北アイルランドはベルファスト北隣の田舎町キャリック・ファーガス署勤務のショーン・ダフィ巡査部長を主人公としたシリーズ第二作。時期を待たず次々と三作まで翻訳が進み、出版社・翻訳者の意気込みを感じさせる、何とも心強いシリーズである。
ショーンは、巡査部長と言いながらその実は私立探偵と変わらぬ孤独な...続きを読むPosted by ブクログ -
粘度を少し落としたジェイムズ・エルロイ。LA暗黒史を背景にしたポリス・ノワールで突出した感のあるエルロイは、よく知られたアメリカ暗黒=禁酒法、マフィア、ヴェガス、赤狩り、J・E・フーバーといった時代を背景にしているが、このエイドリアン・マッキンティの方は、北アイルランドの現代史を背景に、エル...続きを読むPosted by ブクログ
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軍用ヘリが空を駆け、警察署はテロの標的となる。フォークランド紛争の余波でさらなる治安の悪化が懸念される北アイルランドで、切断された死体が発見された。胴体が詰められたスーツケースの出処を探ったショーン警部補は、持ち主だった軍人も何者かに殺されたことを突き止める。ふたつの事件の繋がりを追うショーン。混沌...続きを読むPosted by ブクログ
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アイルランドが舞台で、前半長く、最後さすがにエンタメたっぷり。
プロテスタントとカトリックの問題、IRAなぞ、暗く出口のない硬い背景あり。
楽しめた。Posted by ブクログ -
1970年代の北アイルランドの警察小説。時代背景とともに、登場する曲名にもいちいち反応してしまいます。
第1巻の終わり方からすると、ショーンの立ち位置が変わっていないのがちょっと不思議だったのですが…次はひょっとすると…。
このシリーズ、本当に好きなので、密室ものらしい第3巻が来春発売予定との...続きを読むPosted by ブクログ -
シリーズ第2弾。北アイルランドの治安は悪く宗教の対立、警察への不満が強くて警察も捜査がやりにくい。相変わらず車に乗る前には車の下に爆弾がないかを確認する。事件の捜査はなかなか進まないまま物語は展開されていく。国、街の危険と生活への不満や不安が高まっていくし、人は冷静さを失いやけになっていく。そうした...続きを読むPosted by ブクログ
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80年代の北アイルランドの空気、人、政治、法律。そういった様々な要素が効果的に表れている。武装勢力が数多くいて対立があり街全体が緊迫している。そんな日常の中でいつも車に乗るときには車体の下を覗き爆弾が仕掛けられていないかを確認する刑事のショーン。この行動だけで街の危険度がわかる。いつどうなるかわから...続きを読むPosted by ブクログ
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1981年の北アイルランドを舞台にした警察小説。主人公はブリティッシュロック好きらしい…と好みの設定満載で読むのを楽しみにしていたが、終盤にさらに大好きな展開になって悶絶した。
早く第5作まで読みたい!Posted by ブクログ -
暴動に揺れる街で起きた奇怪な事件。被害者の体内からはオペラの楽譜が発見され、現場には切断された別人の右手が残されていた。刑事ショーンは、テロ組織の粛清に見せかけた殺人ではないかと疑う。そんな折、“迷宮”と記された手紙が彼に届く。それは犯人からの挑戦状だった!武装勢力が乱立し、紛争が日常と化した80年...続きを読むPosted by ブクログ
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"刑事"ショーン・ダフィシリーズなのに、肝心の主役が、警部補から交通巡査に降格。ただの巡査じゃ捜査すらままならない、という驚きのトホホな展開からスタート。わお!
ショーンはいかにしてこの絶対的逆境を克服していくのか。
その顛末は結果として、ショーンをとんでもない地点に吹き飛ばすことになりました。あ...続きを読むPosted by ブクログ