エイドリアンマッキンティのレビュー一覧

  • ザ・チェーン 連鎖誘拐 上

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    ネタバレ

    癌治療,離婚と最悪の時期を何とか乗り越え,新生活の第一歩を始めようとしたまさにその日,レイチェルに人生最大の悪夢が訪れる。娘が誘拐されたのだ。しかも誘拐犯からの要求は前代未聞のものだった。

    誘拐犯が,次の誘拐を要求するという設定がすごく興味深くて読んでみた。普通の人がなりふり構わず,しかし良心の呵責に耐え切れずに苦しみながらも次第に犯罪に手を染めていく過程がものすごくて,でもほとんどの人が「自分もやるかも・・・」と思わざるを得ない。読んでいてしんどくなるうえ,チェーンの黒幕に対するむかつきが半端ないです笑
    レイチェルの元夫マーティは悪人ではないんだろうけど頼りなさ半端なくてなんかむかつくし笑

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    2020年08月30日
  • ザ・チェーン 連鎖誘拐 下

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    シングルマザーのレイチェルの娘、カイリーが誘拐される。身代金2万5千ドルと、別の子供を誘拐しろと要求が。電話をかけてきた者は、息子が誘拐されている、レイチェルが別の人を誘拐しないと息子が解放されないのだと言う。つまり、チェーンのように、次から次へと誘拐が連鎖していくシステムなのだ・・・

    なかなか面白かった。

    魅力的な人物造形はほとんどないが、チェーンというシステムとストーリー展開が抜群だった。純文学と真逆のエンターテイメント。

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    2020年06月07日
  • アイル・ビー・ゴーン

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    ネタバレ

    前作で刑事から巡査に格下げされたダフィは、北アイルランドの常に生死が交差する現場で神経をすり減らす日々。そこに脱走した幼馴染でもあるIRAの大物、ダーモット・マッカンを逮捕するため、MI5から刑事復帰を条件に捜査の依頼を受ける。

    北アイルランド紛争を時代背景に、そこで生きていく人たちの重苦しさが根底にあるが、ストーリーのテコに密室殺人を配置することにより、エンタテインメント性も盛り込まれ、帯のコピーの通り、一気に読ませてくれる。

    苦しい時代に奮闘するダフィにとって、警察に入ることは自らの正義感があってのことだが、マッカンへの憧れからくる一種の嫉妬が原動力にもなっている。そんなに人生きれいに

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    2020年05月16日
  • ザ・チェーン 連鎖誘拐 下

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    娘を救うため、レイチェルは元義兄の退役軍人とともに無関係の子供の誘拐を計画し、実行しようとする。しかし彼らの前には予想だにしないトラブルが立ちはだかり……。はたして誘拐の連鎖に囚われた彼らは〈チェーン〉から脱け出すことができるのか?

    第二部からが、やや見え見えとなるが、そこは勢いで読ませる。この設定、実際に行われていたことがヒントになっていたと知り、ビックリ。不幸の手紙もまずいよなぁ。

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    2020年04月26日
  • ザ・チェーン 連鎖誘拐 上

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    シングルマザーのレイチェルの娘が誘拐された。何者かから、身代金をビットコインで送金し、他人の子どもを誘拐しろと指示されるレイチェル。レイチェルが誘拐した子供の家族がまた身代金を払い、その家族がさらに別の子供を誘拐すれば、娘は生きて解放される。失敗すれば殺されてしまうというのだ。
    謎の人物が仕組んだこの連鎖誘拐システム〈チェーン〉に組み込まれてしまったレイチェルは、無関係の子供の誘拐計画を試みることに……被害者から加害者へと変わってしまった彼女の運命は!?

    よくもまあ、こんな設定を考えついたと思う。
    あっという間に、下巻に続く。

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    2020年04月25日
  • ザ・チェーン 連鎖誘拐 上

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    ネタバレ

    子供がいる親にとっては気になって仕方がないノンストップスリラー。がんを患う母親が主人公。娘がある夫婦に誘拐されるが、この夫婦も子供を誘拐されている。子供を救うにはほかの子供を誘拐して身代金を支払わせるしかない。この関係は延々と続いていて「チェーン」と呼ばれる。チェーンに逆らえば皆殺しの報復が待つ。環元米兵の元夫の兄に協力を得てトラブルに挑む。上巻で一区切りつくが、不穏な終わり方。

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    2020年04月09日
  • ザ・チェーン 連鎖誘拐 下

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    「誘拐された子供を返して欲しければ他の子供を誘拐しろ」そうして何度となく続いている誘拐の連鎖。全ては自分の子供のため。残酷な要求に応えるために残酷な人間になる。知らず知らずのうちに自分が変化していく。混乱、怒り、絶望、たくさんの感情が流れ、溢れていく。そのさまに恐怖を感じる。下巻に入り少し空気が変わったかなって思い始めた矢先に挿入される船のシーン。唐突に描かれる怖さ、不気味さがある。被害者たちと犯人との対決が始まる後半からはさらに加速して一気読み。面白い。


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    2020年03月29日
  • ザ・チェーン 連鎖誘拐 下

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     マッキンティと言えば北アイルランドを舞台にした、闘う警察官ショーン・ダフィ・シリーズでの好印象しかないのだが、驚いたことに、いくつかの賞を獲ったにも関わらず執筆の対価に合わないとしてペンを折ってしまいネット配車タクシーのドライバーに転職していたのだそうだ。そんな、と思ってしまうのはぼくだけではない。

     本作の彼の初稿(短編小説)を読んだドン・ウィンズロウは、もとより彼の才能を買っており、自身の米国エージェントを通して長編化と作家への復帰を説得したらしく、彼は本作で改めてアメリカでの出版での勝負に出たとのことである。作者自身のあとがきと杉江松恋の文庫解説にも詳しい。

     さてその力の入った実

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    2020年03月16日
  • ザ・チェーン 連鎖誘拐 上

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     マッキンティと言えば北アイルランドを舞台にした、闘う警察官ショーン・ダフィ・シリーズでの好印象しかないのだが、驚いたことに、いくつかの賞を獲ったにも関わらず執筆の対価に合わないとしてペンを折ってしまいネット配車タクシーのドライバーに転職していたのだそうだ。そんな、と思ってしまうのはぼくだけではない。

     本作の彼の初稿(短編小説)を読んだドン・ウィンズロウは、もとより彼の才能を買っており、自身の米国エージェントを通して長編化と作家への復帰を説得したらしく、彼は本作で改めてアメリカでの出版での勝負に出たとのことである。作者自身のあとがきと杉江松恋の文庫解説にも詳しい。

     さてその力の入った実

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    2020年03月16日
  • ザ・チェーン 連鎖誘拐 下

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    上巻と、下巻で、ストーリーが二つある感じ
    勿論、全てつながっている。酷い話だけど、終わりは、悪くない。

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    2020年03月16日
  • ザ・チェーン 連鎖誘拐 下

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    ネタバレ

    ショーン・ダフィシリーズの雨の北アイルランドから一変、アメリカ東海岸が舞台。全く違う作風で驚き。

    スピード感に一気読みさせられた。その中にも誘拐という卑劣な犯罪への怒りが細かく述べられ、確かに杉江さんの解説にも「書きすぎる」とあったが、わたしもそれは感じた。

    だが、いいぞ、マッキンティ!ウーバーの運転手やってる場合じゃない。どんどん書いてください。

    大好きなショーン・ダフィシリーズの次作も近いうちに読めるそうで楽しみだー。

    今回もレッド・ツェッペリンが登場でファンとしてはうれしい限り。さあ誰が、どんな状況下で、どの曲を聴いたのか…もう、ツンデレなんだから!(そこじゃないって?)

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    2020年03月15日
  • ザ・チェーン 連鎖誘拐 下

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    中盤以降やたらとアクション多い気もするけど。人物描写もどっちかいうと薄っぺらいかも。まーまー面白いからええけど。

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    2020年02月27日
  • サイレンズ・イン・ザ・ストリート

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    「The ハードボイルド小説」だった。レイモンドチャンドラー小説に出てくる、探偵のフリップマーローを彷彿とさせるような皮肉屋で女にモテる主人公。つまり、男なら誰もが憧れる(言い過ぎ?)キャラクターだ。本作はシリーズ物の2作目で、私は前作を読んでいなかったが、問題なく楽しめた。舞台は、日本人にはあまり馴染みのない1980年代の北アイルランドである。文章から当時の紛争中の様子がありありと伝わってきて、タイムスリップしたかのような気分になれた。やはり、海外小説は旅をした気分になれるので、大好物だと改めて思った。

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    2019年09月25日
  • アイル・ビー・ゴーン

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    サッチャー政権下の北アイルランド、動乱の世の中で元刑事のショーン・ダフィが暗躍する話。

    まず題名が良い。歌詞からの引用なのだが、In the afternoonでもIn the nightでもなくIn the morning I'll be goneである。エモい。
    作詞者もさることながらこれを引用してタイトルにした作者もすごい。小説の最後にピッタリのタイトルだった。

    内容は歴史書とミステリーを掛け合わせたようなものだった。時代小説でミステリー、ならあるかもしれないが、近代を舞台にしているのが斬新に感じる。
    ミステリーとはいえ、作中でダフィ本人が言うようにトリックなんてくそくだら

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    2019年06月06日
  • サイレンズ・イン・ザ・ストリート

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     北アイルランドはベルファスト北隣の田舎町キャリック・ファーガス署勤務のショーン・ダフィ巡査部長を主人公としたシリーズ第二作。時期を待たず次々と三作まで翻訳が進み、出版社・翻訳者の意気込みを感じさせる、何とも心強いシリーズである。

     ショーンは、巡査部長と言いながらその実は私立探偵と変わらぬ孤独なメンタリティの持ち主である。警察内マイノリティであるカトリック、大学卒という二点により、組織人でありながら孤独なヒーローという特性を持たせるという本シリーズならではの設定が、何より魅力的だ。

     当のショーン・ダフィは、だからと言って疎外感などにめげていない。直属の部下たちとの人間的で率直な会話から

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    2019年06月04日
  • コールド・コールド・グラウンド

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    粘度を少し落としたジェイムズ・エルロイ。LA暗黒史を背景にしたポリス・ノワールで突出した感のあるエルロイは、よく知られたアメリカ暗黒=禁酒法、マフィア、ヴェガス、赤狩り、J・E・フーバーといった時代を背景にしているが、このエイドリアン・マッキンティの方は、北アイルランドの現代史を背景に、エルロイ・ノワールに作品を少しでも近づけようとしている。作家も主人公も、その鼻っ柱の強さにとにかく冷や冷やさせられながらも、謎解きを基調としたアイルランド・ノワールとして存分に楽しめるシリーズ第一作である。

     舞台は1981年の北アイルランド。警察小説であり、ノワールでありながら、現代史小説としての一

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    2019年05月26日
  • サイレンズ・イン・ザ・ストリート

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    軍用ヘリが空を駆け、警察署はテロの標的となる。フォークランド紛争の余波でさらなる治安の悪化が懸念される北アイルランドで、切断された死体が発見された。胴体が詰められたスーツケースの出処を探ったショーン警部補は、持ち主だった軍人も何者かに殺されたことを突き止める。ふたつの事件の繋がりを追うショーン。混沌の渦へと足を踏み入れた彼に、謎の組織が接触を図り…新たな局面を見せる紛争×警察小説第二弾。

    口あんぐりの後半。独特の表現には慣れました。

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    2019年04月21日
  • コールド・コールド・グラウンド

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    アイルランドが舞台で、前半長く、最後さすがにエンタメたっぷり。
    プロテスタントとカトリックの問題、IRAなぞ、暗く出口のない硬い背景あり。
    楽しめた。

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    2019年02月10日
  • サイレンズ・イン・ザ・ストリート

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    ネタバレ


    1970年代の北アイルランドの警察小説。時代背景とともに、登場する曲名にもいちいち反応してしまいます。

    第1巻の終わり方からすると、ショーンの立ち位置が変わっていないのがちょっと不思議だったのですが…次はひょっとすると…。

    このシリーズ、本当に好きなので、密室ものらしい第3巻が来春発売予定とのことで喜んでおります\(^o^)/
    第5巻までは絶対読みたい。

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    2018年11月16日
  • サイレンズ・イン・ザ・ストリート

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    ネタバレ

    シリーズ第2弾。北アイルランドの治安は悪く宗教の対立、警察への不満が強くて警察も捜査がやりにくい。相変わらず車に乗る前には車の下に爆弾がないかを確認する。事件の捜査はなかなか進まないまま物語は展開されていく。国、街の危険と生活への不満や不安が高まっていくし、人は冷静さを失いやけになっていく。そうした中で起こること。1980年代を舞台にはしているけれど人々の不安は昔も今も変わってないのかもしれない。

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    2018年11月13日