エイドリアンマッキンティのレビュー一覧
-
-
Posted by ブクログ
エイドリアン・マッキンティ『ザ・チェーン 連鎖誘拐 下』ハヤカワ文庫。
下巻は手に汗握るアクションの連続。映画化されたら、かなり面白い作品になるだろう。海外翻訳物に余り馴染みの無い方でも充分に楽しめる作品だと思う。
無事、愛娘のカイリーを取り戻し、誘拐した子供を解放したレイチェルだったが、チェーンの呪縛からは逃れられない。意を決して、レイチェルはチェーンを断ち切るために元軍人のピートと共に行動を起こす。
そして明らかになるチェーンの首謀者とその目的……
一般人がモンスターを凌駕してしまうという出来過ぎなところもあるが、多くの方々にお勧めしたい作品。
本体価格780円
★★★★★ -
Posted by ブクログ
エイドリアン・マッキンティ『ザ・チェーン 連鎖誘拐 上』ハヤカワ文庫。
奇抜な設定のスリラー・ミステリー。この作品は海外翻訳物に馴染みの無い方にも充分楽しめるのではなかろうか。
タイトル通り『連鎖誘拐』を描いた作品である。まるでチェーン・メールのような誘拐の連鎖。たまに描かれる首謀者は一体誰なのか。犯罪とは無関係の一般人が大切な我が子を守るために次々と犯罪に手を染め、無慈悲な誘拐のチェーンを維持し続ける。
乳癌から生還し、新たな職業を得て、これからの人生に期待を膨らませていたシングル・マザーのレイチェルの元に突然、最愛の娘カイリーを誘拐したとの連絡が入る。娘を救うためには身代金の送金と他 -
-
Posted by ブクログ
ショーン・ダフィのシリーズ第三作。難事件を解決する腕は誰もが認めるものの、独断専行の行動によってお偉いさんたちの覚えが悪く、仕事も資格も取り上げられ、自らを追い込まれることが多い主人公。IRAによって荒廃した1980年代前半の北アイルランドの不穏な情勢を背景に、サバイバリストのように自分の規範で行動する故に、警察ミステリと言うよりもノワールの面が強く感じさせられる点はとても魅力である。
本書では、お偉いさんから組織を放り出されたショーンが、前作では名無しで謎の女性として登場していたケイトなど現場畑の指揮官の求めに応じて、脱獄したIRAのリーダーでありかつての親友でもあったダーモット・マッ -
-
Posted by ブクログ
いやもう小説家って大変な職業だわね
作者エイドリアン・マッキンティがこの傑作を書いた時ウーバードライバーをしてたって言うんだからね
世界的にも有名な賞の受賞歴もあったのによ
要するに「すげーたいへんなのに、ぜんぜん儲かんねーじゃん!」ってことだったみたいなんだけど、それを知ったドン・ウィンズロウが復帰を説得してこの作品が出来たってわけらしい
尊敬する先輩に言われたら、そりゃそうなるわ
意外に縦社会な
で、中身ね
前置きが終わった時点で力尽きてるんで他の人のレビュー読んで!と言いたいが、書く
なんかちょっともったいない感じがした
すげー面白かったんだけど、この設定でこのキャラクターだった -
Posted by ブクログ
マッキンティの代表作で大好きなショーン・ダフィシリーズの新作が翻訳される気配が全くないのでノンシリーズのこちらを
ほんとにぜんぜん気配ないんよ
これで今夏あたりに出たらすごいことですよ
元海兵隊のわいに気配を気付かせないとはな
ということで『ザ・チェーン』
おお、なんかダフィシリーズとぜんぜん毛色が違う!
あちらがくすんだ灰色だとするとこちらはちょっと明るめの灰色って結局灰色なんかーい!
当たり前じゃ!同じ人が書いてんだから、そんなガラッと変わるか!( ゚д゚ )クワッ!!
いやでもこんなスピーディーな展開のお話も書けるんやなー
すげーぜ、マッキンティ
まぁ、舞台がぜんぜん違うって -
Posted by ブクログ
ネタバレエイドリアン・マッキンティのショーン・ダフィシリーズ第一弾。アイルランド紛争化の北アイルランドを舞台としたシリーズ。
手首を切り落とされた死体が見つかる。その手首は別人のもので、体の中からはオペラの譜面が発見される。紛争処理に人員を取られ、普通の捜査もままならない中、もう一体の死体が発見され。。。
アイルランド紛争真っ只中での警察小説。特筆すべきは、あらすじや帯から感じていたより警察小説の色が強いこと。爆発物を警戒して、車に乗り込むときは必ず車体の下を覗き込むなど、紛争やテロ活動が身近に描かれるものの、根幹は警察小説。ショーンによる地道な捜査が描かれる。
惜しむらくは、疾走感がそこまで感 -
-
Posted by ブクログ
ショーン・ダフィシリーズ第5巻
4→3→1→2→5というめちゃくちゃな読み方をしたせいで時系列がめちゃくちゃだ
しかも直前のはずの4巻はうっすら忘れけけている
当たり前だこのヤロウ!
もう二度とシリーズものをこんな読み方しないと誓う
このレビューをご覧になった方にはぜひともこの愚かで哀れな男の行いを教訓として活かして頂きたい
さて本編だ
毎回触れているかもしれないがこのシリーズの土台となっているのは1980年代の北アイルランドにおける悲しみと憎しみの連鎖に他ならない
つまり警官であるダフィが出かける前に必ず実行する車の下に爆弾が仕掛けられていなか確認するルーチンに象徴される時代背景というこ -
-
-
Posted by ブクログ
ネタバレショーン・ダフィシリーズ五作目。
車に乗り込むたびに、爆弾を仕掛けられていないことを確認するために、
車の下を覗き込むダフィ。
とうとう、車に爆弾を仕掛けられた。
カウンセリングを受けるように、休みをとらされる。
しかし、IRAの爆弾と、
友だと思っていた男に裏切られるのと、
どちらが精神的ショックが大きいのだろう。
フィンランドからの電話会社の一行が工場用地の視察が訪れる。
同行していた経済誌の女性記者が観光スポットでもある古城で、
転落死した。
城は密室状態で、ダフィは刑事人生二度目の密室事件を捜査することになる。
その最中、警視正がIRAの爆弾で殺される…。
まさか、被害者の飼って -
-
Posted by ブクログ
管轄、域を超える事件
事件は富豪家族の不可解な殺害で大胆に素早く動くダフィー刑事らが捜査する。原因は「主犯格3人の分配金問題で仲間割れ」、一人の男が兵器密約計画を立てた男の両親、その男、その恋人、友人を殺害、さらに兵器製造工場のもう一人の主犯格管理専任者へと証拠隠滅を図り殺害計画。事件は国家機密と警察の域を超えるまでに発展する。「仲間割れ」ほど後味が悪いものは無い。共同経営など企業でもそうだが、些細なことで分裂始めると派閥になり、会社が倒産するような事態にもなりかねない。そこにはこの小説にある「欲に絡んだ分配」だ。 人は貪欲になると必ず問題を起こすのだ。 -