エイドリアンマッキンティのレビュー一覧

  • ザ・チェーン 連鎖誘拐 上

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    スピーディでスリルがあり、面白い!
    そんなチェーン繋げられるのか、色々と危ういのに、他に道が無いと思わせる切実さが生々しく、力強い。計画の全体像の壮大な底知れなさより前に立つ、操る側と操られる側も地続きな人々のサイズ感。他人事では無い、一枚隔てた、そこにある、この世界。
    スカスカのようでがっつり絡み合い逃さぬ一蓮托生の鎖たる様と、全てが繋がるような捉えよう。
    普通に生きるためにモンスターになるという事。
    続きが楽しみ。

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    2020年10月22日
  • ザ・チェーン 連鎖誘拐 下

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    エイドリアン・マッキンティ『ザ・チェーン 連鎖誘拐 下』ハヤカワ文庫。

    下巻は手に汗握るアクションの連続。映画化されたら、かなり面白い作品になるだろう。海外翻訳物に余り馴染みの無い方でも充分に楽しめる作品だと思う。

    無事、愛娘のカイリーを取り戻し、誘拐した子供を解放したレイチェルだったが、チェーンの呪縛からは逃れられない。意を決して、レイチェルはチェーンを断ち切るために元軍人のピートと共に行動を起こす。

    そして明らかになるチェーンの首謀者とその目的……

    一般人がモンスターを凌駕してしまうという出来過ぎなところもあるが、多くの方々にお勧めしたい作品。

    本体価格780円
    ★★★★★

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    2020年02月29日
  • ザ・チェーン 連鎖誘拐 上

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    エイドリアン・マッキンティ『ザ・チェーン 連鎖誘拐 上』ハヤカワ文庫。

    奇抜な設定のスリラー・ミステリー。この作品は海外翻訳物に馴染みの無い方にも充分楽しめるのではなかろうか。

    タイトル通り『連鎖誘拐』を描いた作品である。まるでチェーン・メールのような誘拐の連鎖。たまに描かれる首謀者は一体誰なのか。犯罪とは無関係の一般人が大切な我が子を守るために次々と犯罪に手を染め、無慈悲な誘拐のチェーンを維持し続ける。

    乳癌から生還し、新たな職業を得て、これからの人生に期待を膨らませていたシングル・マザーのレイチェルの元に突然、最愛の娘カイリーを誘拐したとの連絡が入る。娘を救うためには身代金の送金と他

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    2020年02月28日
  • アイル・ビー・ゴーン

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    元刑事のショーンに保安部が依頼したのは、IRAの大物テロリストにしてショーンの旧友であるダーモットの捜索だった。復職を条件に依頼を引受けたショーンは任務の途中で、ダーモットの元妻の母に取引を迫られる。4年前の娘の死の謎を解けば、彼の居場所を教えるというのだ。だがその現場は完全な“密室”だった…オーストラリア推理作家協会賞受賞作の本格ミステリ。大型警察小説シリーズ第三弾!

    密室∔警察小説+冒険サスペンスのてんこ盛り。気になる次回作も密室が登場とは…。

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    2019年06月30日
  • アイル・ビー・ゴーン

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     ショーン・ダフィのシリーズ第三作。難事件を解決する腕は誰もが認めるものの、独断専行の行動によってお偉いさんたちの覚えが悪く、仕事も資格も取り上げられ、自らを追い込まれることが多い主人公。IRAによって荒廃した1980年代前半の北アイルランドの不穏な情勢を背景に、サバイバリストのように自分の規範で行動する故に、警察ミステリと言うよりもノワールの面が強く感じさせられる点はとても魅力である。

     本書では、お偉いさんから組織を放り出されたショーンが、前作では名無しで謎の女性として登場していたケイトなど現場畑の指揮官の求めに応じて、脱獄したIRAのリーダーでありかつての親友でもあったダーモット・マッ

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    2019年06月07日
  • アイル・ビー・ゴーン

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    「ショーン・ダフィ」シリーズ第3弾。相変わらず車に乗る前に爆弾がないか下を覗かないといけない日々。80年代の北アイルランド。宗教的対立があり、カソリックの刑事ダフィは裏切り者と呼ばれている。職を追われ、復帰のために受けたある捜査。そして密室事件。本格推理ものとしても面白い。対立が激化して命を、警察を狙われているなかでの捜査。過去との対峙、北アイルランドの情勢と不安、不満が渦巻いているなか命がけの毎日。密室事件のあとの大きなうねり、緊張をはらんだ展開はすごい。そしてラストのダフィの迷いと決断。それが次作にどうなるのか今から楽しみ。

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    2019年04月04日
  • レイン・ドッグズ

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    (⁠⌐⁠■⁠-⁠■⁠)とにかくリズムがあって読みやすいね。オチはこういうのもアリ。

    ⊂|⊃
    [ಠ⁠_⁠ಠ]翻訳も上手いぽいな。

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    2025年06月26日
  • ザ・チェーン 連鎖誘拐 下

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    いやもう小説家って大変な職業だわね

    作者エイドリアン・マッキンティがこの傑作を書いた時ウーバードライバーをしてたって言うんだからね
    世界的にも有名な賞の受賞歴もあったのによ
    要するに「すげーたいへんなのに、ぜんぜん儲かんねーじゃん!」ってことだったみたいなんだけど、それを知ったドン・ウィンズロウが復帰を説得してこの作品が出来たってわけらしい

    尊敬する先輩に言われたら、そりゃそうなるわ
    意外に縦社会な

    で、中身ね
    前置きが終わった時点で力尽きてるんで他の人のレビュー読んで!と言いたいが、書く

    なんかちょっともったいない感じがした
    すげー面白かったんだけど、この設定でこのキャラクターだった

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    2025年01月05日
  • ザ・チェーン 連鎖誘拐 上

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    マッキンティの代表作で大好きなショーン・ダフィシリーズの新作が翻訳される気配が全くないのでノンシリーズのこちらを

    ほんとにぜんぜん気配ないんよ
    これで今夏あたりに出たらすごいことですよ
    元海兵隊のわいに気配を気付かせないとはな

    ということで『ザ・チェーン』

    おお、なんかダフィシリーズとぜんぜん毛色が違う!
    あちらがくすんだ灰色だとするとこちらはちょっと明るめの灰色って結局灰色なんかーい!

    当たり前じゃ!同じ人が書いてんだから、そんなガラッと変わるか!( ゚д゚ )クワッ!!

    いやでもこんなスピーディーな展開のお話も書けるんやなー
    すげーぜ、マッキンティ

    まぁ、舞台がぜんぜん違うって

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    2025年01月05日
  • コールド・コールド・グラウンド

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    ネタバレ

    エイドリアン・マッキンティのショーン・ダフィシリーズ第一弾。アイルランド紛争化の北アイルランドを舞台としたシリーズ。

    手首を切り落とされた死体が見つかる。その手首は別人のもので、体の中からはオペラの譜面が発見される。紛争処理に人員を取られ、普通の捜査もままならない中、もう一体の死体が発見され。。。

    アイルランド紛争真っ只中での警察小説。特筆すべきは、あらすじや帯から感じていたより警察小説の色が強いこと。爆発物を警戒して、車に乗り込むときは必ず車体の下を覗き込むなど、紛争やテロ活動が身近に描かれるものの、根幹は警察小説。ショーンによる地道な捜査が描かれる。

    惜しむらくは、疾走感がそこまで感

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    2023年11月30日
  • レイン・ドッグズ

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    〈ショーン・ダフィ〉シリーズ第5作。本作は、読書やドラマや映画が好きなら、割と見慣れた背景かもしれない。児童売春の闇である。だが、それと密室ものの融合、さらにダフィの私生活の劇的な移り変わり、相変わらずの殺伐としたアイルランド、こう言った要素が組み合わさり、手垢のついたテーマな割に、既視感なく楽しめた。ダフィの語りも魅力的で、平凡な日常さえなぜかのめり込んでしまう。また、ダフィが激しく傷つきながらも前へ進む、その活力に勇気がもらえる。御都合主義とも言える展開もあるが、語りの巧さであまり気にならなかった。

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    2022年10月17日
  • ガン・ストリート・ガール

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    シリーズの途中から読むという…

    やはりハードボイルドはいいですなあ。
    主人公に幸福感がない方が、読んでて安心する。

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    2022年09月27日
  • レイン・ドッグズ

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    ショーン・ダフィシリーズ第5巻

    4→3→1→2→5というめちゃくちゃな読み方をしたせいで時系列がめちゃくちゃだ
    しかも直前のはずの4巻はうっすら忘れけけている
    当たり前だこのヤロウ!
    もう二度とシリーズものをこんな読み方しないと誓う
    このレビューをご覧になった方にはぜひともこの愚かで哀れな男の行いを教訓として活かして頂きたい

    さて本編だ
    毎回触れているかもしれないがこのシリーズの土台となっているのは1980年代の北アイルランドにおける悲しみと憎しみの連鎖に他ならない
    つまり警官であるダフィが出かける前に必ず実行する車の下に爆弾が仕掛けられていなか確認するルーチンに象徴される時代背景というこ

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    2022年09月25日
  • サイレンズ・イン・ザ・ストリート

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    面白かったー。ミステリーとしては、御都合主義で主人公ショーンの頭脳で解決というより、運で真相が判明した感はある。地道に積み重ねる捜査は、決して無駄ではないがスマートとは言えず、青天の霹靂のような救いや発見があり、ようやく点と点が結びつくような感じ。だが、捜査過程は、事件の真相がどこに転がっていくのか全く読めない興味の持続と、殺伐・退廃した北アイルランド事情、個性的で多面的な登場人物が、うまくブレンドし重層的で厚みのあるものとなっている。まだ未熟さはありながら、妙に達観し哀愁漂うショーンの語りもくせになる。

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    2022年09月12日
  • コールド・コールド・グラウンド

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    1981年の北アイルランドを舞台にしたノワール小説。この時代と場所が馴染みがなく、興味を惹かれた。アイルランドが複雑な歴史背景を持ってる事は何となく知っていたが、こんな終末世界のような殺伐、退廃した地域だったとは知らなかった。主人公ショーンの語りからはその当時のそんな空気感が伝わった。カトリックで警官という身分がもたらす微妙な立場と混沌とした時代背景が、殺人事件の捜査過程に他の作品にない独特な緊張感をもたらすのが最大の魅力。捜査自体はあまりスマートではないが、痛々しい銃撃戦もあり最後まで飽きさせなかった。

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    2022年09月06日
  • レイン・ドッグズ

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    ミステリ作家・阿津川辰海による詳細なるシリーズ解説がすべて言い尽くしている。(ウィキによると十冊以上ものミステリ作品の解説を書き、読書日記を月二回もWeb連載しているらしい。)

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    2022年08月14日
  • レイン・ドッグズ

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    ネタバレ

    ショーン・ダフィシリーズ五作目。

    車に乗り込むたびに、爆弾を仕掛けられていないことを確認するために、
    車の下を覗き込むダフィ。
    とうとう、車に爆弾を仕掛けられた。
    カウンセリングを受けるように、休みをとらされる。
    しかし、IRAの爆弾と、
    友だと思っていた男に裏切られるのと、
    どちらが精神的ショックが大きいのだろう。

    フィンランドからの電話会社の一行が工場用地の視察が訪れる。
    同行していた経済誌の女性記者が観光スポットでもある古城で、
    転落死した。
    城は密室状態で、ダフィは刑事人生二度目の密室事件を捜査することになる。
    その最中、警視正がIRAの爆弾で殺される…。

    まさか、被害者の飼って

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    2022年06月26日
  • サイレンズ・イン・ザ・ストリート

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    紛争真っ只中の北アイルランドの刑事ショーン・ダフィ警部補シリーズ第2作。相変わらずの軽口と音楽ジョークが笑えるけど、北アイルランドの80年代ってこんなにデンジャラスなのね。映画ベルファストがそのまま少し時代が進んだ感じ。
    デロリアン含めて魅力的なストーリーと登場人物たち。事件解決の進み具合がとってもスローなのが、少したるかったかな。次はどうするか、迷うところ。3.6

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    2022年06月23日
  • ガン・ストリート・ガール

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    管轄、域を超える事件
    事件は富豪家族の不可解な殺害で大胆に素早く動くダフィー刑事らが捜査する。原因は「主犯格3人の分配金問題で仲間割れ」、一人の男が兵器密約計画を立てた男の両親、その男、その恋人、友人を殺害、さらに兵器製造工場のもう一人の主犯格管理専任者へと証拠隠滅を図り殺害計画。事件は国家機密と警察の域を超えるまでに発展する。「仲間割れ」ほど後味が悪いものは無い。共同経営など企業でもそうだが、些細なことで分裂始めると派閥になり、会社が倒産するような事態にもなりかねない。そこにはこの小説にある「欲に絡んだ分配」だ。 人は貪欲になると必ず問題を起こすのだ。

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    2022年06月05日
  • ザ・チェーン 連鎖誘拐 下

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    80年代のアイルランドを舞台にした警官ショーン・ダフィシリーズが有名な作家。第一作だけ読んで続きを読むのを迷ってやめていた…。
    本作はどこかで誰かが推してて解説も杉江松恋だから間違いなさそう!って思ったらその通りでした。
    一時は作家を辞めてUberドライバーやってた著者にアメリカ向けの本作を書かせたドン・ウィンズロウは功績大だな。

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    2022年06月04日