井上夢人のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
長かったけど、面白かった!
【ミステリー、SF、恋愛小説、すべてを融合した奇跡的傑作】とのこと。
このストーリー紹介の通り、色んな要素を含んだボリューム感のある物語に
ページ数が多いのにも関わらず、夢中になって読みました^^♪
一つのジャンル枠に縛られない広大なストーリー展開に
ドキドキ・ハラハラしながら切ない気分まで味わえる楽しみ。
こういう作品はなかなかないんじゃないかなぁ。
ちょっと言葉の古さを感じましたが(『チョンボ』とか。笑)
でも読みやすさがあるので、飽きることもなく最後まで読めたような感じです。
※ただ、文中の宗教描写はなんだか生々しく正直うす気味悪かったけど -
Posted by ブクログ
警備員の西岡は、東京での仕事で不祥事を犯して左遷される。山梨の田舎で新興宗教団体「解放の家」の警備だった。現地に着くと現地住民とのトラブルが・・・。その日夜勤で初仕事をしてた西岡は、「解放の家」の女の子の信者から夜食の差し入れを貰っていた時、突然何かによって倒された。しばらく倒れていたが起き上がって体は大丈夫だったのだが自分の中から、「ここは、どこ?」と自分の中から声が聞こえる。そして警備してた「解放の家」が火事になった。信者を救出しただが死者を一名だした。その死者は、教祖様だった。
死者を出した事により仕事は、首になり再び東京に戻った。自分の中からの声は、常に聞こえる。その声は、自分と別の -
Posted by ブクログ
読みながら、はっきり&くっきりした情景で、
作中の人物たちを想像できる。
このはっきりとした楽しさは「会話」という
この作風ならでは?じゃないかな。
本書、どこを捲っても、会話。
会話以外の記述が、一切ない。 全ての会話が、自然。
無駄な装飾や脚色がない。いたって普通。
はっきり言うと、展開や結末は…残念ながら
読めてしまうものが多い。
でも、でもね、
「ちぇっやっぱりな〜」とは、ならない。
思ったとおりなのだが、それでイイのだ。\_(・ω・`*)ココ重要!
リアルな会話がもたらす驚きと、不思議な現実感は…
お見事です。 あっぱれ!!
あっという間に -
Posted by ブクログ
犯人についての記述がほとんど無かったのが印象的です。犯行の動機や心理などが全く描かれておらず、犯人はただの犯人で、それ以上でも以下でもない、といった感じ。謎を解く場面も一応あることにはあるのですが、主人公のミノルは物理的な手がかりではなく、匂いだけを頼りに犯人を追う。たったそれだけなのに、ここまで面白く読ませるのはさすがですね。ミノルが自分の嗅覚に徐々に馴染んで行く様子も読んでいて楽しかったです。
ラストも爽やかで心地良かったです。ミノルとマミには幸せになって欲しいです。もちろん、これから生まれて来る子供にも。
そして上下巻を読み終えて一番に思ったことは、美しい物語だな、ということ。ミノル -
Posted by ブクログ
殺人事件や失踪事件が起きる立派なミステリなのですが、それ以上に主人公・ミノルの嗅覚がメインになっていると思います。このアイデアがすごいし、面白いです。視覚や聴覚などは異常があればすぐに自覚出来るし、それらを調べたり測ったりする機械があることも知っているし…。それに比べて嗅覚は滅多に意識しないですよね。
ミノルが見ている“匂いの世界”がすごく綺麗で美しくて幻想的です。読んでいる間についつい自分も周りの色んな物の匂いを嗅いでみたり(笑)でも匂いで相手の体調や気分までもが分かってしまうのはちょっと嫌だなぁ。分かるのも嫌だし、逆に分かられるのも嫌です。
さて、この上巻ではほとんどと言って良い程、殺 -
Posted by ブクログ
たくさんの要素が含まれているのに決してややこしくならず読みやすいです。相変わらず意表をつくストーリー展開がお見事ですね。
主人公の西岡さんと<声>との遣り取りの中にはクスッと笑える箇所もあって、シリアスな場面とのバランスが良かったです。全体的な雰囲気としては「メドゥサ、鏡をごらん」に近い感じです。ただ、「メドゥサ〜」は後味が悪い感じでしたが、こちらは後味が悪いというよりも悲しかったです。とても切ないラストで胸がキュッと締め付けられました。西岡さん、可哀相…。
しかし、もし自分の頭の中に他人の声が聞こえて来たとしたら…想像するだけで怖いです。私ならどうしてよいか分からずにパニックに陥っちゃい