井上夢人のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
長かったけど、面白かった!
【ミステリー、SF、恋愛小説、すべてを融合した奇跡的傑作】とのこと。
このストーリー紹介の通り、色んな要素を含んだボリューム感のある物語に
ページ数が多いのにも関わらず、夢中になって読みました^^♪
一つのジャンル枠に縛られない広大なストーリー展開に
ドキドキ・ハラハラしながら切ない気分まで味わえる楽しみ。
こういう作品はなかなかないんじゃないかなぁ。
ちょっと言葉の古さを感じましたが(『チョンボ』とか。笑)
でも読みやすさがあるので、飽きることもなく最後まで読めたような感じです。
※ただ、文中の宗教描写はなんだか生々しく正直うす気味悪かったけど;
ともあれ、著者の想像力の広さは素晴らしいと思います。
700ページ近くある分厚い本ですが、オススメ本にできそう♪ -
Posted by ブクログ
読みながら、はっきり&くっきりした情景で、
作中の人物たちを想像できる。
このはっきりとした楽しさは「会話」という
この作風ならでは?じゃないかな。
本書、どこを捲っても、会話。
会話以外の記述が、一切ない。 全ての会話が、自然。
無駄な装飾や脚色がない。いたって普通。
はっきり言うと、展開や結末は…残念ながら
読めてしまうものが多い。
でも、でもね、
「ちぇっやっぱりな〜」とは、ならない。
思ったとおりなのだが、それでイイのだ。\_(・ω・`*)ココ重要!
リアルな会話がもたらす驚きと、不思議な現実感は…
お見事です。 あっぱれ!!
あっという間に読めてしまうので、移動の合間や空き時間にでも、
ツマンデみてください。
会話という技法は、この後味を味わうために存在するのかもしれない。
後味は、最高です。
テーマは「証明」
“宇宙人”“四十四年後”“呪い”“狼男”“幽霊”“嘘” 全6篇。
一組の男女間の会話から、味わい深〜い「検証」を、ご堪能ください。
「 宇宙人の証明 」
婚期にさしかかっているであろうカップルの会話。
彼女は宇宙人を助けたのだそうだ。
宇宙人の話題から、結婚に関する話への
持って行き方や駆け引きが、笑える。
なかなか頭の回転の速いカップルだ。
しかし、宇宙人がナメクジには、驚いた(笑)
「 四十四年後の証明 」
切ない。涙もろいので(苦笑)ポロっと、一滴流してしまった。(^^;
十四歳の少女と二十四歳の男性の電話の会話。
彼女は、未来から四十四年前の祖父へ電話をかけているのだ。
何故会話だけで、こうも現実的に表現できるのか…
内容は、ちょっと勘ぐれば読めてしまう。
でも…後から後から唸ってしまった。
「 呪いの証明 」
職場の上司の死について、部下の女性とその彼との会話。
彼女は上司を「呪い殺した」と言う。
彼は「事故死」を証明しようとするのだが…。
二人の独白を聞いているうちに、
やはり先は読めてしまったのだが。
面白いので、構わない。(笑)
「 狼男の証明 」
男性アイドル歌手と、その女性マネージャーの会話。
彼は、満月の夜のコンサートを中止にできないかと言い出す。
なかなか理由を話さなかったが、問い詰められ、
狼男に変身するからだと切り出す。
その後のマネージャーの女性の強さに、コレが「女の力!」と、
感銘してしまった。
このラストは、個人的に好き。読ませますね〜。
「狼男」本当にいたらすごいなぁ〜(笑)
「 幽霊の証明 」
大学生のカップルの会話。
私は個人的にこれが一番のお気に入り(笑)
彼の部屋を訪ね、事故死したと、告白する彼女。
そんな彼女に対して、
様々な話術で「生きている」ことを証明しようとする彼。
この彼の捲し立てる話し方が、私のツボでした。
結末は読めてしまうが、イイ。分かったって、面白い。
またこの終わり方が、実にイイ!
「 嘘の証明 」
女子高生と教師の会話。
会話を存分に楽しめるのは、このラストが一番かな。
今までの5篇とトーンが違った。
この結末だから、私はこの教師に違和感を感じたのだと納得。
上手いですね。
〆としても、ストーリー的にも、見事に大とりを飾った作品です。 -
Posted by ブクログ
犯人についての記述がほとんど無かったのが印象的です。犯行の動機や心理などが全く描かれておらず、犯人はただの犯人で、それ以上でも以下でもない、といった感じ。謎を解く場面も一応あることにはあるのですが、主人公のミノルは物理的な手がかりではなく、匂いだけを頼りに犯人を追う。たったそれだけなのに、ここまで面白く読ませるのはさすがですね。ミノルが自分の嗅覚に徐々に馴染んで行く様子も読んでいて楽しかったです。
ラストも爽やかで心地良かったです。ミノルとマミには幸せになって欲しいです。もちろん、これから生まれて来る子供にも。
そして上下巻を読み終えて一番に思ったことは、美しい物語だな、ということ。ミノルが見ている“匂いの世界”が本当にとても美しい。私も一度で良いから見てみたいです。 -
Posted by ブクログ
殺人事件や失踪事件が起きる立派なミステリなのですが、それ以上に主人公・ミノルの嗅覚がメインになっていると思います。このアイデアがすごいし、面白いです。視覚や聴覚などは異常があればすぐに自覚出来るし、それらを調べたり測ったりする機械があることも知っているし…。それに比べて嗅覚は滅多に意識しないですよね。
ミノルが見ている“匂いの世界”がすごく綺麗で美しくて幻想的です。読んでいる間についつい自分も周りの色んな物の匂いを嗅いでみたり(笑)でも匂いで相手の体調や気分までもが分かってしまうのはちょっと嫌だなぁ。分かるのも嫌だし、逆に分かられるのも嫌です。
さて、この上巻ではほとんどと言って良い程、殺人鬼の正体や、失踪したバンド仲間の行方が分かりません。果たして下巻ではどのような展開になっているのか、とても楽しみです。 -
Posted by ブクログ
たくさんの要素が含まれているのに決してややこしくならず読みやすいです。相変わらず意表をつくストーリー展開がお見事ですね。
主人公の西岡さんと<声>との遣り取りの中にはクスッと笑える箇所もあって、シリアスな場面とのバランスが良かったです。全体的な雰囲気としては「メドゥサ、鏡をごらん」に近い感じです。ただ、「メドゥサ〜」は後味が悪い感じでしたが、こちらは後味が悪いというよりも悲しかったです。とても切ないラストで胸がキュッと締め付けられました。西岡さん、可哀相…。
しかし、もし自分の頭の中に他人の声が聞こえて来たとしたら…想像するだけで怖いです。私ならどうしてよいか分からずにパニックに陥っちゃいそうです。いや、誰でもそうでしょうね。西岡さんはよく頑張った(?)と思います。