あらすじ
おまえは誰だ? 僕から出て行け! 警備員の西岡は、新興宗教団体を過激な反対運動から護る仕事に就いた。だが着任当夜、監視カメラの目の前で道場が出火、教祖が死を遂げる。それ以来、彼の頭で他人の声がしはじめた。《あなたはだれ?》と訴える声。その正体は何なのか――? 井上夢人としてのデビュー作にして、ミステリー、SF、恋愛小説、すべてを融合した奇跡的傑作!(初版:1992年1月20日新潮社刊/講談社文庫)
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Posted by ブクログ
怪しげな新興宗教団体の建物で起きた謎の出火と教祖の死、それ以来何者かの声が頭の中で聞こえ始める主人公、突然尋ねてきた正体不明の女性などミステリー、SF、恋愛小説の面白いところを繋ぎ合わせた作品で、謎の不可解さとリーダビリティの高さの融合で頁を捲る手が止まらなかった。ラストは思わず呆然…
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初めて井上 夢人さんの作品を読んだ。きっかけは文藝別冊「伊坂幸太郎」の中で伊坂さんがえらぶ100冊に入っていたため。
個人的には新興宗教を扱った小説は苦手だったが、この物語はそんな事を吹き飛ばすくらいに面白かった。文章が軽く、非常に読みやすいので、さくさく読めた。
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ラストのSF的処理にはびっくり。なるほど、伏線もきいていて、うまく風呂敷をたたんだ感じ。読んでるときはオカルト、読み終わったら、悲恋の物語になってるんだなぁ。
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警備会社に勤める主人公は、あるヘマをして僻地に左遷されます。そこでの仕事は、ある振興宗教団体の警備でした。そして、彼が着いた早々事件はおきました。
午後十時に差し入れを持ってきてくれた美しい信者に見とれていると、いきなり突き飛ばされるようにして主人公が倒れてしまったのです。
その時から、彼の心の中に別の人格が宿ってしまうという、乗り移りパターンの物語が始まります。
ひとつの人格の中に別の人格が宿って、葛藤を繰り広げるのは古いパターンであり、古今東西いろんな物語が書かれてきました。
最近で有名なところでは、人気漫画『ひかるの碁』もそのパターンでしたね。
だから、目新しさはない、その分わかりやすいし安心して読めるのですが、最後まで読んで読者は愕然とさせられる事になります。
そして、それだけで終われば、上質なミステリーなだけですが、驚きと同時に味わわされる感情が、切なさ、胸キュンなのです。
上質なミステリーであり、恋愛小説であり、SF でもあると言われる所以です。
ところで、この小説を読んでも思うんですが、男性作家が書いた女性のほうが女性作家が書いた女性よりもはるかに魅力的なんですよね。
僕がそう思うだけかもしれませんが、女性作家が書いた女性って、みもふたもないと言うか、色気がないと言うか、そんな感じで、あまり魅力的には感じません。
もちろんリアリティはあるんですけど。
考えてみれば当然の事かもしれませんが・・・・・・
もうひとつ気づいた事は、主人公がいきなり意識を失う場面があるわけですが、その原因を探っていくところで、病名としてまったく『てんかん』という名前が出てこないのは、不自然すぎる事です。
作家は当然入れたかったはずですが、諸般の事情で削らざるを得なかったのだと思います。
筒井康隆の断筆騒動などもあって、『てんかん』に関して小説の中でさえ語るのが難しくなってるとしたら、その病気で苦しんでいる患者自身にとってもマイナスになるのではないかと心配してしまいます。
多分てんかん協会からクレームがつくのを恐れた出版社が自ら自主規制したのだと思いますが、てんかんがタブーとなってしまうのは差別を助長するだけだと思います。
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きっと母親じゃ無いんだろうなと言う予想はあったけど、まさかの未来から来た彼女だとは思わなかったし無限ループし続けるとは思わなかった。
普通に弓絵さんは可哀想
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あらすじは他の方が書いてるので省略。
長い、という感想が多いですけど、僕はそれによってミステリーファンの裏をかきまくってる風に読みましたね。
退屈なシーンですが、「犯人?と思われる男は誰か」ということを考えてたり、「教団内部にいるはずの女の子が見つからないのはなぜか(途中で声はでてくるが本物かわからない)」とか考えてると、この分量は読者を引っ掻き回すために仕方なかったと思ってます。
ヒロインがなぜ主人公に惚れたのかの根拠が薄い、という批判もありますね。それはまぁ確かに。
でも、一目惚れってあるし、自殺する直前に誰もいないはずの場所に現れた男ってとこで特別感を覚えたって説明はしている。
また、「まどかマギカ」じゃないが、輪廻を重ねることによって主人公への愛も無意識的にふくらんできたのかもしれない。
それは作中では言及されてないが、そういうかいしゃくはできるんじゃないかな。
簡潔に感想。
切ない純愛物語だった。
素敵な恋人が死んでしまうのは定番ですけど、それ故に鉄板で心に響きます。
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同じことを繰り返す文章が多くて無駄に長かった。
精神科医とのくだりは省いて
夢の部分も2度目からは簡潔に
もっと短い話にしたら良かったのに。
そうしたらラストがもっといきてくるのにな。
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「長ぇ…いつ面白くなるんだ…」って萎えながら読んでたけど、中盤に「おっ」てなる展開があり、それ以降はすらすら読めた!読み終えてみるとなるほどな〜って感じ。タイトルと表紙の印象ほど怖くないファンタジー。
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タイトル通り、誰かの意識が自分に入っちゃった話。
ちょっと『寄生獣』みたいだった。
あまりファンタジーとかSFとかが得意でないので楽しめるか不安だったけど、杞憂だった。
本の厚みを感じさせない面白さだった。
この設定でこれだけ面白く書けるのは才能なんだろう。
一体どういう結末がハッピーエンドなのか判定がつかず、だから物語がどの方向性で進むのかも察知できず、そういった要素もこのミステリ(?)の成功に繋がってる気がする。
でも、考え得るなかで一番ツライ終わり方だった……。西岡、可哀想すぎる……。
Posted by ブクログ
凄い面白いというわけではないが、妙な牽引力に引っ張られて最後まで読まされてしまう。
どきどきわくわくさせられるというより、手が空いたときについつい手にとってしまうそんな魅力がある。絶品の高級フランス料理というよりついつい箸が進んでしまう沢庵のような読み心地があると言っては変だろうか。
西岡の心に入ってきたのはいったい誰であったのか。予想することはそれほど難しいことではない。ラストのオチは完全に予想が当たっていたわけではないが、集中して読んでいればいくつかの候補の一つにはなっているだろう。その部分の驚きというより、本当の真実はどこにあるのであろうか。そう弱弱しく聞いてくるような不可思議さが楽しかったり。
インパクトというより面白い知恵の輪を渡されるような吸引力がある本書はもう少し短くてもいいような気もするがお勧めだなと思った。
Posted by ブクログ
新興宗教の警備中、教祖が焼死した瞬間頭の中で声が聞こえるように。声の主はタイミング的に教祖と思われ、半信全疑の主人公と共に真相を探る…というまさかのラブストーリーミステリ。
Posted by ブクログ
読んでる最中はそうでもなかったのですが、
読み終わったあとにじわじわくる作品。
怖いお話っぽいタイトルですが、そんなことはないです。
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前提から摩訶不思議設定の作品って着地点が見えない楽しさがあるけど,その中でも秀逸な落としどころを描けてる,岡嶋二人の中の人らしい秀作.ただ,含まれている要素の割りに長くて,中だるみする.
Posted by ブクログ
長かったけど、面白かった!
【ミステリー、SF、恋愛小説、すべてを融合した奇跡的傑作】とのこと。
このストーリー紹介の通り、色んな要素を含んだボリューム感のある物語に
ページ数が多いのにも関わらず、夢中になって読みました^^♪
一つのジャンル枠に縛られない広大なストーリー展開に
ドキドキ・ハラハラしながら切ない気分まで味わえる楽しみ。
こういう作品はなかなかないんじゃないかなぁ。
ちょっと言葉の古さを感じましたが(『チョンボ』とか。笑)
でも読みやすさがあるので、飽きることもなく最後まで読めたような感じです。
※ただ、文中の宗教描写はなんだか生々しく正直うす気味悪かったけど;
ともあれ、著者の想像力の広さは素晴らしいと思います。
700ページ近くある分厚い本ですが、オススメ本にできそう♪
Posted by ブクログ
某新興宗教団体を思い出しました。
多重人格を連想していたのですが、多重人格とは違い
題名の通りダレカガナカニイル状態になってしまいます。
その誰かとのやりとりは結構好きでした。
頭の中にいるのは誰なのか?なぜ入ってしまったのか?
誰かは出て行くのか?衝撃のラストは驚きと感動でした。
Posted by ブクログ
たくさんの要素が含まれているのに決してややこしくならず読みやすいです。相変わらず意表をつくストーリー展開がお見事ですね。
主人公の西岡さんと<声>との遣り取りの中にはクスッと笑える箇所もあって、シリアスな場面とのバランスが良かったです。全体的な雰囲気としては「メドゥサ、鏡をごらん」に近い感じです。ただ、「メドゥサ〜」は後味が悪い感じでしたが、こちらは後味が悪いというよりも悲しかったです。とても切ないラストで胸がキュッと締め付けられました。西岡さん、可哀相…。
しかし、もし自分の頭の中に他人の声が聞こえて来たとしたら…想像するだけで怖いです。私ならどうしてよいか分からずにパニックに陥っちゃいそうです。いや、誰でもそうでしょうね。西岡さんはよく頑張った(?)と思います。
Posted by ブクログ
信仰宗教団体・解放の家の祈祷堂で〈母親〉と呼ばれる吉野桃紅が焼死する。解放の家の警備に来た西岡はその直後に頭の中に《声》が聞こえるようになる。《声》は生前の記憶がなく、状況からして桃紅と思われる。その後村を訪れると桃紅の娘・晶子と再開する。西岡は声を追い出そうと精神科で催眠をかけたり云々を繰り返すが効果なし。警備時の防犯カメラを見て事件の真相にも迫るが、ふと飛んでいる蛾から映像の不審点を見つける。
SF要素に信仰宗教団体とドロドロの展開かと思えば恋愛オチ。晶子に西岡が一目惚れしてから惚気だし、出会う前に付き合っていた?弓絵に2人がいる所を見られてあたふたするとこなどむむむ。
桃紅が《声》かと思えば、永遠の愛要素で晶子だったんかいと、恋愛オチ要素が好きではないのでなんとも言えぬ展開でした。
Posted by ブクログ
徳山さんが亡くなったニュース見て、もう10何年も前に読んだ本の再読。当時自分が若かったこともあって、なんて熱い愛が故の行動か…!とか思ってたけど、この年になって読むと全然印象違ったな~。ミステリーとしては好きだけど…、昔ほどの衝撃はなかったかも。
Posted by ブクログ
推理はややこしくなく、スッキリ納得。タイムリープものであることを除けば。
ダレカガナカニイルことすらトリックでロジックで解き明かしてくれるもんだと勝手に勘違いしていたので、本当にダレカガナカニイタ展開にがっかり。
Posted by ブクログ
宗教というものも、こんなふうに爽やかで優しいものだったら皆に毛嫌いされる事もないんだろうに。しかしかわいい女の子というだけでずいぶん感じ方がかわる。ただしイケメンに限るというやつか・・・
Posted by ブクログ
SF色が強い本書ですが、ある制約条件下で起きた謎を解決するお話なので、ミステリーとして十分に楽しめる作品だと思います。監視カメラのトリックから真犯人を突き止める辺りはなかなか読み応えがありました。
180度方向転換したようなオチは驚きましたが、何か丸めこまれたような感じでスッキリしませんでした。
Posted by ブクログ
確かに多様な見せ方を持つストーリーではある。
が、長さの割に見せ場が少ないような。
とはいえなんとなく読み進めて気づいたら終盤、という辺りストーリーテリングにはまったのかもしれない。
以下ネタバレ
未来の晶子が死ぬ直前渾身のポアにて魂だけに。
うっかり過去に飛んで、過去の西村に乗り移っちゃったぞ☆
本人もポアで忘れちゃったけど、頭の中にいたのは、過去からの晶子だったぁ!
Posted by ブクログ
んー…
個人的にしっくりきてない気がしなくもないけども 終わった。
結局、曖昧になってる部分が多くないかな?と思ったけど…
読みこめてないだけかもしれない。
無駄に長い気がした。
Posted by ブクログ
1992年、岡嶋二人解散後のデビュー長編。
雑誌連載時は「ふたりは一人」というタイトルだったとは暗示的。
新興宗教を主題とした話かと思ったらそうでもなく、二重人格ものというわけでもなく、ラストも不完全燃焼。
680ページ弱は長くてだれ気味だが、一気に読める面白さだった。
Posted by ブクログ
目のつけどころが、さすが井上さん。
西岡に入った意識は誰?なぜ?
長いけど一気に読めた。
<声>とのやりとりがおもしろかったな。
最後は切なくて、うるっときた。
Posted by ブクログ
ある意味二人のラブストーリーと言えないこともないが、二人の結末がなぁ…死んだ瞬間に見る映像は気のせいとかいいだしたときは、それはないだろうとか思ったけど、着地点まで読んで納得。主人公の退屈だからとあっさり盗聴するのは性格的にちょっとなぁと思うし、彼女とのつきあい方もどうかと思っていたので、まぁ、犯罪者は幸せになれないという自業自得具合がすさまじい作品かも。
Posted by ブクログ
ガードマンの僕は新興宗教の修行場がある山梨県大高村に飛ばされた。村民との対立が深まる中、深夜祈祷堂から出火し教祖が焼け死んだ。その時から僕の頭の中で誰かの声がするようになった。
発行は1992年ということになってるけど、オウムとよく似たような話だった。お布施とか出家、解脱、ポア(チベット密教で幽体離脱の意味だそう)とか。それを参考にしたのかな?この人はちょっと不思議な話を書く人なんだね。
Posted by ブクログ
警備保障会社に勤める西岡悟郎は、山梨県にある大高村へ左遷され、そこにある「解放の家」と呼ばれる新興宗教の警備の任に付く。解放の家と住民達の軋轢に戸惑うものの、同僚の松崎と共に警備に付く西岡。午後10時、解放の家の信者である葉山晶子が差し入れを持って現れた時、西岡は突如、目に見えない何かによって突き飛ばされ、その場に倒れこむ。その原因を突き止める間もなく、解放の家から火の手が上がる。その日を境に西岡の頭の中では誰かの声が聞こえるようになった。
結に唸りました。ん?と一瞬考えたが、なるほど!上手い!という感じでオチはやられました。
何度も語られる主人公・西岡の夢の謎(何故こんな夢を見るのか)は、冒頭のシーンに大きな布石が置いてあるので、読み解ける人はいるとは思いますが、私は全く。確かに読んだとき、一瞬だけ「ん?」と思ったが忘れてたよ(笑)
この布石に気付き、想像を膨らませば西岡の頭の中に入り込んだのは誰かというところまで読み解けるかも。
私の場合は夢に惑わされたというか、妙に思い込んでしまったので、夢と現実との絡みが見いだせなくて結局、唸る羽目になったという感じ。まぁ、ホラーだホラーだと思い込んで読んでた節があったのでまんまと騙されました。ちなみにこの話はホラーじゃないです。ミステリー。なので全く怖く無いです。
文章自体は、西岡と頭の中にいる誰かとの会話が中心で物語を引っ張って行くので、読みやすさはかなりあります。会話オンリーの部分もあるし。
頁数はありますが、テンポ良く話が進むのであっという間に終ったという感じ。
冒頭の章と、物語中盤で主人公がみる白昼夢が謎解きのポイントかな。