機本伸司のレビュー一覧
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はっきり言って、あたしは理科がすんごい苦手です。
物理なんてさっぱり。。。
高校の時は、化学と生物しかやってないし。
化学は1年間に5回あったテストのうち、3回赤点だし。
だから、『神様のパズル』は、去年から気にはなっていたものの、大学の物理ゼミだなんて全然わかんないんだろうなぁと思って、先延ばしにしてたのですが…。
実際、読んでみると、かなり! おもしろかったです。
専門用語は確かに全然わかんないんだけど。
あたしにとっては、「光」の構成要素(?)からして全然知らない話で…。
自他ともに「物理が全然できない」と言われる主人公の台詞さえ、さっぱり。。。
なのに「解説」読んだら、「たいていのSF読者は彼よりずっと宇宙論にくわしいんじゃないかと思う」って書いてて。
SF読者に敬服。
でも、専門用語がわかんなくても、論理はなんとなくわかるし(たぶんすごくわかりやすく書かれてるのだと思う)、宇宙論の考え方は、物理学というよりむしろ哲学っぽくて理解しやすいし、「人間に宇宙を作ることはできるか」という問いへの回答も気になるから、思ったよりハイペースで読み進むことができました。
でもなにより、おもしろかったのは、物理学の学問観…っていうか、物理学って、そういう学問なんだ〜、ってところ。
あたしの専攻は社会科学なのですが、自然科学と社会科学って、同じ「科学」なのに、なんか全然違ってる気がしてて。
それは、あたしが理科が苦手なせいなのかもしれないし、もともと扱う領域が違うからなのかもしれないけど、とっつきにくいなぁと思っていたわけです。
でも、小説の中で、登場人物たちが「物理学をやっているのは、自分のことを知りたいからだ」って言っていて、…なんだ、じゃあ、やり方が違うだけで、社会科学も自然科学も同じじゃん、みたいな。
同じ関心でやってるのなら、やり方が違ってても、なんだか理解できそうな気がする(っていう、あたしは単純なのかもだけど)。
そもそも、とっつきにくい、と思っていた一方で、あたしが日本でもっとも尊敬するジェンダー研究者は、「ジェンダー研究は、進化生物学などの知見も積極的に学ぶ必要がある」と言っているし、社会学者であるニクラス・ルーマンがつかう諸概念は自然科学の応用だし、社会科学が自然科学に学ぶべきことっていうのはたくさんあるように思うのです。
しかも、ミステリ小説では、物理学とかが話題になることもしばしばだし。
なので、自然科学に対する興味だけは、けっこう昔からあるのです。
理科の苦手なあたしには無理だなぁと思っていただけで。
というわけで、これを機会に、少しずつ自然科学も勉強してみようかなぁ、なんて。
中学程度の知識しかなくても読める自然科学の入門書を知っている方、ぜひ教えて下さい(笑) -
Posted by ブクログ
ネタバレ超近未来のSF?
冒頭、いきなり氷河から舟が出土する。
未知の物体の登場で掴みはばっちり。
その舟には謎の木簡が収められていたがそれはなんと遺伝子情報だった。
主人公たちは専門家を集め非公式にその遺伝子情報から新たな生命を作り出す。
人間でないものを人間の手で作り出していいのかという生命倫理の問題とその存在に対する様々な立場の人間の思いが交錯して物語はクライマックスへ。
主人公がヘタレで少し盛り上がりにかけたので☆4。
登場人物が個性的だけど、主要キャラが少しイッちゃってたのがテーマを考えたらちょうど良かったと思う。
あと今思ったけど表紙が誰だかわからない -
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採算の取れない量子コンピューターを使った占いビジネスから、神を作ったカウンセリング・ビジネスに転向を図るベンチャー企業アプラDT社。そこでアルバイトしている腑抜けた女子大生という、一つ一つの素材自体が矛盾や課題を抱えた突っ込みどころ満載の設定に加えて、意図的に作ってある隙もあいまって関連本を次々に読みたくなってしまいます。
テーマはてんこ盛り。
AIをユーザーインターフェースにしないと訳がわからない量子コンピューター(しかも、計算精度を上げるための方法が抱腹絶倒)。神、宗教を考え定義する過程で人間とは「自分」とは何かを定義しなければならないという、これまた解けない問題でAIがスタック。科学者ドーキンスの指摘を逆手にとってエンターテイメントしています。あまり聞かなくなってしまったグリッド・コンピューティング、宗教団体とテロ、弱小ベンチャー対国家の陰謀、暗号解読と世界の危機、兵器化する量子コンピューター、おまけに薄ぼんやりした女子大生直美の成長。
まずは、量子コンピューター関連本読んでみるかな。 -
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ネタバレまずは再び、この主人公ふたりに会えたことが嬉しかった。
主人公が、シャーロック・ホームズとワトソンから来てるとは気付かなかった。というか、気付けなかった。沙羅華瑞穂と綿さん。
「自分とはなにか」がテーマとなっていて、その一つの解を挙げる。
自殺志願者のサイトなども挙げられ、現代社会問題も取込まれていることがわかる。
自分を否定しながら生きるのと、自分を肯定しながら生きるの。どちらが苦しいのだろうか。
綿さんがもくもくと耕すシーンは好きだな。
耕しながら綿さんがいろいろと振り返り、整理するシーン。
綿さんを応援したくなるね。
続編があることを思わせる。伏線とも思わせる箇所がいくつかあった。
機本先生がまたこの物語(宇宙)を続けてくださることを期待して、またふたりに会えることを期待して。 -
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「パズルの軌跡」は三池崇史監督、市原隼人、谷村美月主演で映画化された「神様のパズル」の続編で、様のパズルの時はまだ大学生だった主人公(綿貫基一、穂瑞沙羅華)の卒業後を描いています(故に「パズル」の軌跡と)。
卒業後なので、綿貫基一、穂瑞沙羅華とも社会人になっている感じですが、穂瑞沙羅華は飛び級で大学に入っていたため、本作では実年齢とおり高校生活を送っています。といっても内面的に色々とかかえていることは後半判明していきます。
まったくの余談ですが、映画版は三池崇史監督が設定等にガンガン手を入れているため、小説とはかなり違う内容になっています(その辺は三池崇史監督の三池崇史らしさでもありますが、ここでは語る所ではありません)。もっともこの映画は映画で完成度は高く個人的には好きな映画の部類に入っています。
パズルの軌跡は、大学を卒業してとある企業の研修を受けている綿貫基一に「ネオ・ピグマリオン」という企業から会いたいというメールから物語がスタートします。
普段(研修中も)はなにかとトロい綿貫ですが、このメールを受け取ってからすぐに接触の理由が「穂瑞沙羅華(この作品では性が変わり森矢沙羅華になっています)」との橋渡し役を望まれていることに気が付きます。。。。
この敏感さが常に出ていれば、このあとのトラブルの大半は避けられるのにな、、、
なんて思い返すぐらい鋭いです(笑
そんなことはともかく、ネオ・ピグマリオンの社長である樋川氏と接触しますが、依頼内容は「失踪人探し」ではあるものの、そのためには
穂瑞沙羅華が開発に携わったシステム(Qコン)のチューンナップが必須と言われ、やはり「穂瑞沙羅華」絡みであることが判明、最初は二の足を踏むものの「穂瑞沙羅華に会う理由ができる」と、なんとも短絡的な理由で承諾をします(後に「理由などいらない」と沙羅華に言われますが)。
最初は沙羅華もネオ・ピグマリオンの依頼を断っていますが、断るための理由を探していく中で「ある発見」をしたことから、表面上は関与しないふりをしつつ、独自の調査を開始し一人で真相に近づこうをしていきます。
ネオ・ピグマリオンが探す失踪人はどこに?
ノアスとは?
ライフロストは誰?
ゼウレトの狙いは?
アポロン・クラブとは
といった謎解きが表面的な面白さなんですけど、実際のところ沙羅華はこういった表面的(というか「俗っぽい」といったほうがいいのかもしれない)な謎解きにはまったく関心がなく、行動のすべてが「人とは(=自分とは)?」を探すためだけといったも過言ではありません。
沙羅華の行動規範と、一般人(読み手)の代表として存在している綿貫との考え方、行動のギャップも物語の厚みを増すことになっているんですよね。あと、今作では二人の距離が離れたり縮まったりと(一般的な恋愛論とは違いますが)ラブロマンスもアクセントになっていて変なドキドキ感もあります^^
神様のパズルのときは「宇宙を作る」という内容がテーマだったため、物理の法則がかなり登場して読みにくさを感じた人もいると思いますが、パズルの軌跡ではテーマが「自分探し」に変わり、より身近な内容になっているため、いくらか読みやすくはなっているように思います。 -
Posted by ブクログ
神様のパズルから進展しない二人の仲は、ついに二人っきにで・・・
続編2巻目。出版されているのに気がついたのはつい最近。結構待望していたがすっかり忘れてた。
近未来SFとして読んでる。量子コンピュータvs分子コンピュータとかがあって、良かった。ただ、詳しい科学描写を期待してると肩すかしを食らうので注意。殆どが精神論というか哲学論というか、人とは何か自分とは何かを語っていた。よくよく考えてみると、パズルの時代からそうだった。ようは、科学成分はそういった自分を語る上での隠し味程度だと思う。
なんだかんだで楽しんで読んでるので、自分的には問題ないけど。
次があれば、短編集が良いな。沙羅華の得意げな解説は好きだし