機本伸司のレビュー一覧
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「神様のパズル」続編。前作では宇宙を作ることはできるか?というものすごいテーマをべたな学生の日常風景とのギャップで楽しませてくれるとても楽しいSFでした。今回は同じ登場人物が就職して社会に溶け込もうとしたところから始まります。テーマは前作の裏返し、「宇宙は作る必要がない。観察者としての自分が変われば宇宙が変わる」バラード的インナー・スペース(懐かしい!)へ向かうのです。自殺サイトに怪しげな宗教集団と、しかけが大きくなった分、作者の持ち味の日常からのギャップ分は少なくなってしまった感じ。でも、天才を作るために人工授精により生まれた性格に難あり美少女と、ぼーっとした主人公綿貫君とのでこぼこ具合が楽
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「神様のパズル」の続編。
外界が変えられないなら内側を変えればいいじゃない!ってことで、今度は宇宙を造るのではなく、精神の改造に挑戦ですよ。このあたりの動機が、「どこに行っても馴染めない」という天才孤独ヒロインの心理と絡み合っていて、非常にいじましい感じがします。今回もナイスツンデレ。
作者自身はヒロインが萌えキャラ扱いされるのが心外らしいのですが(今回表紙がおとなしいのもそのせい?)、普通、高飛車強気少女がぐずぐず泣いたりするような描写を入れておきながら萌えキャラじゃないとかそんな言い訳おかしいですよ!
ともあれ主人公の変態具合とあいまってニヤニヤすればいいんじゃないのですか。
ストー -
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この作者は「神様のパズル」以来気に入って読んでいる作者なのですが
これは神様のパズルと同等かそれ以上の作品じゃないかと思います。
正直なところ2作目の「救世主」だったかな…とにかくそれがあまり
気に入らなかったので今回の本も買うのを少しためらったんですが
買ってみて大正解でした。
ヒトのもつモノが巧く表現されてて、読んでいて爽快感というか
後味すっきりというか、それでいて濃厚というか
うまく表現できないけど、そんな感じ
SF小説だけど、この人の作品はメインはSFじゃなくて
物語がメインなのでとても読みやすい、のに
奥が深くて味わいがあって…
まぁこれからはためらい無く買う著者になりました。 -
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「最終理論(TOE)」をテーマにしたSF、というとグレッグ・イーガンの「万物理論」を思い出す。イーガンは、TOEの発見を目指す勢力争いを描き、理論に関してはTOE方程式が美しいことを述べるだけだが、「パズル」では物理的イメージを描き出すことに成功している(と思う)。思考実験から「多元相対性理論」「光子場仮説」を生み出し、質量とエネルギーの等価則を解釈して、地上でビッグバンを発生させる手順を説明する件は、久しぶりにハードなSFを読んだ気がした。$$ ただし、ストーリーは青春小説そのもので、孤独な天才少女の葛藤がもうひとつの流れにあり、こちらの結末は好みが分かれる。少なくとも表紙のイラストを見て
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近未来・・。
南極大陸の氷を掘って過去の大気中のガスの成分を調べていた。
「ここは、俺の居る場所ではない」
天文学者である神崎正は、この計画の発案者だったがこの仕事を辞めて南極から出て行く。
太陽が大きなフレアを起こし、地球に影響が出てきたのだった。
今は、電磁波の影響がたまに出てるだけだったが、予測では今後この勢いがまして、生命体が目玉焼きになって人類が滅亡するかもしれない。
地球では、シェルターなどを作りそこに非難する方針が進められていた。
正は地球の外に生きる希望をみいだそうとする。
そして彼は、ネットに募集をかける。
宇宙船を作りませんか?
「ダメで元々スペーストラ -
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機本伸司のメシアの処方箋を読みました。21世紀半ば、ヒマラヤの氷河が溶けて氷の中に埋まっていた正体不明の方舟が流れ出してきました。その方舟は誰かの墓のように見えましたが、中に格納されていたのはおびただしい数の木簡でした。木簡には綺麗なハスの花の模様がたくさん書いてありましたが、それが何を表しているのかは分からないのでした。そのハスの花の模様がDNAを表していると気づいた主人公たちが、巨大なコングロマリットを出し抜いてそのDNAを持つ生物を生成しようとするのでした。前作と同じで、天才のような登場人物に翻弄されてしまう、ちょっと気の弱い主人公という設定です。おいおい、どうしてそんなことを引き受けて
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わたしが変えたいセカイはわたしの外側の壮大なセカイか、それともわたしの内側のわたしだけのセカイか
表紙、設定どれをとってもよくあるラノベ、天才美少女に振り回されるやれやれ系の主人公といった話が展開されると思ったが内実は様々なギャップを有効に活用したSF大作だった。
「宇宙の作り方」といった壮大なテーマに向かう姿も動機を改めて考えてみるとそれはセカイおける自分の立ち位置、存在価値の見出しといった「モラトリアム」における一番キャッチーな展開がなされていた。主人公が少し思考がゆっくり目なのも天才×天才ではなく、今までのバディーもの特有の解説者としての語り手と、話を動かすトリックスターといった役割