機本伸司のレビュー一覧
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作者が後書きに書いている通り
「神なき救いの物語」
多少ご都合主義…なところはあるが、
救世主伝説?とバイオテクノロジーを組み合わせてるのが
面白かった。
ロータスの、自分たちが謎を解明しなければ
謎は永遠に謎のまま、権力者に隠されてしまう、と言うセリフが
深いと思った。現実のニュースだって、
謎が謎のまま、ってことたくさんあるから。
あと、救われる側は救う側を救世主と思っているが、
救う側にとっては救われる側こそ救世主、というのも
深いな、と。
誰かを、何かを救ったり守ったりすることで、人は魂の救済を得る、
ということだと思うんだけど、わかる気がする。 -
Posted by ブクログ
「宇宙を作ることはできるのか?」という壮大なテーマの話。
物理学中心の話なのですが私が文系なため、物理の専門的なことにはあまりついていけませんでしたが、面白かったです!
宇宙の始まりは「ビックバン」と呼ばれる大爆発からで、「無」から「有」が発生したことが最初だから、普通に考えれば、自分の身の回りの「無」から何らかの方法で「有」を発生させればいいわけだから、「できなくはない」という考え方には「なるほど〜」と思いましたね。こういう考え方とても好きです。
きっと物理学がわかったらもっと楽しいんだろうなと思いました。学生時代は物理が苦手だったんですが、この本を読んで少し興味が沸きました。「苦手」と -
Posted by ブクログ
テーマは「自分とは何か?」
…難しい挑戦したねぇ機本さん。
前作『神様のパズル』は、「宇宙は作れるか?」というテーマの魅力8割、沙羅華のキャラクター2割くらいで読んでたので、綿さんのキャラクターや著者のテクニックはあまり評価してないんです。(いや、おもしろかったとは思ってるんですよ。迷わず続編買うくらいには)
だから今回のテーマだといまいち魅力が。さんざん既出だし、科学をフィールドにする作風が、どうしても精神論の茫漠とした感じを強調してしまう。
有り体にいえばありきたり。
遅咲きだからいい歳だけどまだ新人、筆力があるわけでもないからね。ちょっと取り組むには早かったんじゃ。 -
Posted by ブクログ
前作『神様のパズル』の続編。
なんやかんやで普通の女子高生にもどったと思われた沙羅華だったが、綿さんの来訪によりちっとも前とかわっていなかったことが判明。しかも、綿さんが持ち込んだ行方不明者捜索依頼を受けるのだが、その過程で沙羅華はある人物の名前を見つけて……。
前作では宇宙科学うんぬんを全面に押し出した理系ちっくなお話だったのに対して、今回は工学倫理という倫理学っぽい題材だった。どちらかといえば神様のパラドックス風味。これはこれでおもしろかったですよ。
登場人物にたいして、天才科学者がろりろりした美少女なのはデフォなのかー!! しかも私服のファッションセンスが壊滅的なのもデフォ