ジョン ル カレのレビュー一覧

  • スクールボーイ閣下 下

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    積み上げて積み上げて積み上げてのラスト!!怒濤で、でも淡々と分析口調で、提示されたデータからどこまで読み取って燃え上がるかは読み手に任せてる感。
    下巻は間違いなくウェスタビーのもの。前作は上層部の、本作は現場工作員のリアルなのかな。

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    2012年11月16日
  • ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ〔新訳版〕

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    翻訳物特有の読みにくさを除いても、久々に重厚な読後感を味わえる作品でした。
    ずっとはらはらし通しで手が止まらなかったので、近々じっくり時間をかけて細かい点を読み直したいと思います。
    あぁでも買ってある続編も気になる……

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    2012年10月21日
  • ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ〔新訳版〕

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    映画を見てその補間にと思ったのですが、中盤まできつかったです。
    登場人物に混乱したりしたため、生まれて初めて人物相関図を書きながら読み進めたものの、大した効力はなかったのか結局だらだらとほぼ一ヶ月かけて読んでいました。
    犯人がわかるのは中盤でした。
    最後100ページほどの謎解きは中盤までのペースが嘘のように1、2日で読み終えました。
    面白かった!

    悪文と友人が言っていましたが、個人的には原作の英文が目に浮かぶ訳文でした。
    再度DVDを見て、できればどんな文章で書かれているのか原作をちらっと見てみたいです。

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    2012年10月16日
  • ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ〔新訳版〕

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    映画「裏切りのサーカス」の原作。著者がもと英国情報部なリアルスパイ小説。
    表面上はかなり淡々としていて盛り上がりに欠けるような…と思いつつ読み進め、これは淡々としてるんじゃなくてキンキンの緊張状態が常態化してるんじゃ!と思い至った。中盤のギラムのミッションや終盤あたりはちゃんと?盛り上がってて止まらなくなる風。

    膨大な日常情報に紛れた細かな矛盾や綻びを見つけては組み立て、ストーリーを想像で補う作業は読んでいて肩がこりそう。

    全体的に映画の方がかなりスッキリまとまっていて分かりやすいけれど、(といって映画が理解できたわけではありませんが…)原作は原作で、情報の海を自力で掻き分けてる感があって

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    2012年09月05日
  • ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ〔新訳版〕

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    英国を舞台にしたスパイ小説。この手の作品の常だが、冒頭から前半は登場人物や状況説明にページが費やされ、盛り上がるまでが長い。この作品も同じ。中盤から結末までは一気に読める。主人公が地道な資料調査や推理から裏切り者を探し出す過程にはしびれる。

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    2012年09月04日
  • スマイリーと仲間たち

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    老練スパイ、スマイリー最後の事件?なのかしら。
    この作品はもっと早く出会いたかった。決して派手ではないけど、じっくり効いてくる。
    スマイリーくらいの歳になったらまた読み返したい。きっと印象が違うと思う。その前にギラムの歳で読み返すのもいいかも知れない。

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    2012年08月11日
  • スマイリーと仲間たち

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    ネタバレ

     20数年ぶりの再読! ある意味“苦行”と言われたスマイリー三部作のフィナーレにして、スマイリーシリーズの最高傑作!
     とにかく、メリハリ、サプライズ、そしてカタルシスがないのに、物語を読み進める内にじわじわと滋味が溢れてくる。それは淡々ではなく粛々という印象。
     読書の魅力は、年を経て再読するとそれまでの印象がガラッと変わるところ。だが、この作品は意外なほど変わらない印象。それは、私が未熟なだけか……。
     
     カタルシスはないと書いたが、ラストの雪のベルリンのシーンは、過去に読んだ全てのスパイ小説の中で最も美しく胸を打つ場面だった。暫く目を閉じずにはいられなかった。

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    2011年01月10日
  • ナイト・マネジャー 上

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    前作のロシア・ハウスでは組織は大きくなるほどダンスが踊れなくなる様を描いていたが
    この作品ではズバリ政府組織の腐敗を描いている。
    なるほど。武器密輸も麻薬組織も戦争も貧困もなくならないわけだ。

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    2009年10月04日
  • ナイロビの蜂 下

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     アフリカケニアで起こったイギリス領事館での物語。妻が何者かに殺された主人公が、妻が成し遂げようとしてことを探して追い求めていく。アフリカでの製薬会社の裏の顔、汚職などを題材にしている。スケールは大きいし重いテーマの物語なのだが、なかなか読み解くのは難しい。一つ一つの描写が読者に懇切丁寧に説明をしているわけではないので、丁寧の描かれようとしていることを読み取っていかないと理解が追いつかない。もう少しわかりやすく書いてくれたらいいのにと思ってしまった。

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    2025年08月02日
  • ナイロビの蜂 上

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     アフリカケニアで起こったイギリス領事館での物語。妻が何者かに殺された主人公が、妻が成し遂げようとしてことを探して追い求めていく。アフリカでの製薬会社の裏の顔、汚職などを題材にしている。スケールは大きいし重いテーマの物語なのだが、なかなか読み解くのは難しい。一つ一つの描写が読者に懇切丁寧に説明をしているわけではないので、丁寧の描かれようとしていることを読み取っていかないと理解が追いつかない。もう少しわかりやすく書いてくれたらいいのにと思ってしまった。

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    2025年08月02日
  • 寒い国から帰ってきたスパイ

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    寒い国から帰ってきたスパイ ジョンカレ早川文庫
    なぜこのサスペンスを読もうと思ったのか忘れたが
    英国と東ドイツの情報戦争を描いた物語
    二重スパイの取りっこも狭間で
    無意味に殺し合う小賢しく愚かな人間の現実が浮かび上がる

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    2025年05月27日
  • ナイロビの蜂 上

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    ジョン・ル・カレの作品は、正直、まどろっこしい言いぶりが多いのと、他者との関りではなくモノローグシーンが多いので、どちらかというと読みにくいのですが、これは比較的読みやすいですね。

    とはいえ、他者との関りを描くシーンよりも、一人一人の事柄を描くシーンの方が多いのは、そのままですが。

    物語は、はじめから“謎”に包まれています。誰が悪者なのか、誰が何を企んでいるのか。

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    2024年09月27日
  • シルバービュー荘にて

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    いつか読もうと積読状態の「寒い国から帰ってきたスパイ」をよそに、遺作となった今作からル・カレ作品に手を出した。諜報部の保安責任者と脱サラした書店主の視点が切り替えながら進行する前半は物語の進行方向が読めないものの、<シルバービュー>での対面を皮切りに、物語を取り巻く構図が徐々に明らかとなる。大義の為にその身を捧げた諜報部員の半生は悲哀に満ち溢れ、国家の名のもとに翻弄される現役のメンバー達にもそこはかとない空虚感が漂う。理解し切れない用語や言い回しも多々あれど、熟練の技法に裏打ちされた静かな余韻を味わった。

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    2024年06月25日
  • 寒い国から帰ってきたスパイ

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    1978年発行ということなんで私が生まれる一年前。結構古いですね。スパイ小説の金字塔と紹介されたら、見ないわけにはいかない。面白かったんだけど、やはり洋書ということでスッと理解できないときがあるのと、字が小さい‥。老眼が始まってる私にはちと辛い。やはり、ラストシーンが印象的でしたね。それは見てください。

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    2024年04月21日
  • 寒い国から帰ってきたスパイ

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     スパイ小説の古典といっていいほど有名な本。スパイ小説ということもあり、諜報活動において注意しなければならない決まりや原則が所々言及されている。たとえ非道なやり方であったとしても、必要とする情報を得るために容赦なく行動する様は、まさにスパイのあるべき姿である。また、本作の冒頭における男女間の描写も、スパイならではの描写である。異性のちょっとした関係から、活動に大きな支障をきたす職業はほかにないだろう。

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    2023年04月30日
  • 寒い国から帰ってきたスパイ

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    冷戦時代のスパイの話。
    池上彰さんが好きな本だという事で読んでみた。
    歴史の知識が浅い自分には少々難しい内容であったが、途中から世界観にどんどん引き込まれていく。

    乾いた骨をしゃぶり続ける狼。その骨を取り上げないと新しい獲物に飛びつこうとしない

    このセリフが妙に心に残った。

    スパイものの小説というものを初めて読んだのだが、映画でもスパイものというジャンルは全然見た事が無い。
    007すら見た事が無いため、今度見てみようと思う。
    歴史を改めて学んだのちに読み直したいと感じた。

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    2022年04月29日
  • 寒い国から帰ってきたスパイ

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    スパイものの古典かつ金字塔と言われる作品らしい。その手の『分野で一番』と言われる作品は読めるうちに読んでおきたい、と思って読んでみた。

    ラスト30頁で見事に世界が反転する様は、ミステリーファンなら嬉しい騙され方でしょう。
    ラストは切ないけど。

    守りたいものを守るために、敢えて嵌めに行って失敗させる、という大変逆説的な作戦で、人間の心理として、こんな作戦がとれるものだろうか、と言う気もしたが、少なくとも撹乱戦法としては機能するような。

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    2021年12月26日
  • 寒い国から帰ってきたスパイ

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    スパイ小説の金字塔と言うことで読んでみた。諜報部員の生々しい現実とスパイ情報部員の中にも普通の人間と同じ血の通った人間味のあるストーリーが具体的にリアルに描かれている。物語を通して情報部員の裏に潜む非情な世界とスパイの特殊な使命と悲劇が描かれている。スパイ物として非常に面白い物語であります。

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    2021年06月17日
  • 寒い国から帰ってきたスパイ

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     先日亡くなられたスパイ小説の大家ジョン・ル・カレの代表作の一つだ。僕の生まれる前年に発表されている、すでに古典といってもいいのではないか。

     現代のスパイ小説を読みなれていると、本作に出てくる人物は純朴に映る。遂行される作戦も単純で遂行されるスピードも牧歌的だ。どんでん返しのあるストーリーだが、ひねりがなくストレート。そう、夏目漱石の心を読んでいるような印象で、まさに古典的名作だ。

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    2021年04月25日
  • スマイリーと仲間たち

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    ネタバレ

    決着がついた、ということに驚いた。「スクールボーイ閣下」の終わり方を思えばむべなるかな、とも思うが、終わりのない──既にグレートではないにしろ──ゲームなのだと思っていた。
    第一部の敗北は最後までスマイリーを打ちのめしており、読者もその苦い響きを忘れることができない。それでも、カーラの敗北はスマイリーの敗北であり、だから来るな!撃て!と思わずにはいられない。
    全編を通して、最早世界の主役ではない英国、という感覚が見えるところがあり、その傲慢な自意識も面白かった。
    シリーズが進むほど読みやすくなる作品。

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    2020年10月03日