ジョン ル カレのレビュー一覧

  • ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ〔新訳版〕

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     登場人物が多くて頭使った。ラストの急展開はまさにスパイ小説の醍醐味。ハラハラドキドキワクワク。
     ただ3回くらい読まないと肝心の謎解きがよく理解できなかった…はは…
     人物の内面を描かなくても、「どうしてその行動に至ったか」が周りの人物の行動で理解、納得できるのがすごい

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    2015年03月01日
  • スクールボーイ閣下 上

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    スマイリー三部作の二つ目。長いけれど、最後まで読みきって欲しい素晴らしい小説。
    何だか心を鷲掴みにされた。
    三部作の中で一番ドラマ性があるかも。最後の激流のようにうねりながら進むストーリーを、是非体験してほしい。快感以外の何物でもありません。

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    2014年06月10日
  • ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ〔新訳版〕

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    ものすごく良かった!!!!
    世界観も、ストーリーも素晴らしかった!!
    映画を観てから読んだのですが、映画でそこまで理解できていなかったかも?という部分があったので、映画も見直そうと思いました。
    文章はひっかかるところもあり、旧訳を読まれた皆さんの評価が良いので旧訳も求めてみました。
    楽しみ。

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    2014年05月31日
  • 誰よりも狙われた男

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    登場人物の誰もが、舞台に上がった時からクライマックスの泥沼に足を踏み入れている。組織的な「戦争」の渦中に巻き込まれながら、自身の言動に個人として決断を下す、そういう瞬間の連続でぞくぞくする。
    既に映画化が決定しているとのこと。この緊張した空気をどれくらい感じさせてくれるのか。早く観たい!

    ちなみに…終盤でバッハマンの表記が一部おかしかったのは原著がそうなのかしら。スペルとしてはありそうな誤記だけども。

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    2013年12月17日
  • ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ〔新訳版〕

    購入済み

    スパイ小説の金字塔

    ル・カレの世界を堪能させていただきました!
    荒木飛呂彦風にいうならば、男が泣ける、男の悲哀を感じさせるサスペンス、というところでしょうか。★5つでは足りません!
    実は、紙の本で積ん読数年。その間に新訳が出て、電子化されて、やっと読みました!何でもっと早く読まなかったんだろう?
    まあ、確かに本をパラパラっとめくった時に感じる重苦しいオーラに、つい本棚に戻してしまう、ということを繰り返していました。
    電子書籍にはその拒絶感がありませんね(笑)。

    内容に関しては随所で語り尽くされていますが、とにかく暗く,重く、緻密でスリリング。
    組織に潜む2重スパイを捜し出すことを命じられた、老いた元諜報部員スマイリー。
    彼とその仲間たちが、ひたすら資料と聞き込みで真実に迫っていく姿が、この長い小説を通じて全く緩むことのない緊張感を持続させます。
    派手なアクションはほぼありませんが、なにより人物描写がすばらしい。特に、弱さも見せながらも冷徹なプロフェッショナルを貫くスマイリーの造形は完璧です。
    そして縦横に張り巡らされた伏線。1回読んだだけでは、話のつながりを理解できない部分も多々あって、ちょっとモヤモヤしますけど。なんたって最大の伏線はタイトルですから。

    ところで某所のレビューでは、新訳がヒドいと話題ですが....
    新訳はとにかく読みやすいので、どうせ何度も読むなら入口としては良いのではないでしょうか?
    最後の部分を旧訳と並べて読み比べましたが、確かに旧訳のほうが「雰囲気」はあります。次は旧訳を読んでみようと思います。

    その前に映画!ですね。『裏切りのサーカス』という残念な邦題になっていますが、評判は素晴らしく高いので見ないわけにはいきません。トレイラーをみると、もうスーツなオヤジばかりで渋すぎます。

    というわけで長い積ん読を後悔しながら、3部作の残り『スクールボーイ閣下』『スマイリーと仲間たち』もあせらず読んでいこうと思います。

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    2013年12月14日
  • スマイリーと仲間たち

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    ジョージ・スマイリーは、元英国情報部の現地指揮官。冷戦時には有能なスパイとして情報部を指揮していたが、世界情勢は緊張緩和(デタント)へと舵を切り、顔ぶれを一新したホワイト・ホールは情報戦も英米協調をうたい、かつてのような英国独自のスパイ網の必要性を認めなくなった。自前で情報をさぐるよりアメリカのいとこ(カズンズ)から聞けばいい。そのほうが安上がりだ。大幅な予算削減の結果、現地協力者は解雇。「首狩人」や「点燈屋」といった特殊な分野を受けもつ工作員グループも解散してしまっては、その指揮を執るスマイリーに出番はなかった。早い話がリストラである。

    電話がかかってきたのは深夜だった。亡命エストニア人グループのリーダーだった「将軍」と呼ばれる元工作員が殺されたのだ。事件を穏便に処理したい政府は情報部監視役レイコンを使い「将軍」の工作指揮官であったスマイリーに調査を依頼する。現場に足を運んだスマイリーは、その残虐な手口からソ連情報部(カーラ)の仕業と判断を下す。殺害動機は「将軍」が手に入れた証拠物件の捜索とその隠滅である。調査の結果「将軍」が見つけたものとは、ソ連情報部チーフでスマイリ-の長年の宿敵カーラを失脚させるにたる二つの証拠と判明。カ-ラの弱みを見つけたスマイリーは、政府の暗黙の了解のもと散り散りになっていた工作員を再編成し、カーラの追い落としをはかるのだった。

    スマイリー長篇三部作の完結編である。第一部『ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ』は、カーラが英国情報部(サーカス)内に送り込んだ「もぐら」と呼ばれる二重スパイをあばくスマイリーの推理がさえる推理劇。第二部『スクールボーイ閣下』は、スマイリーの推理に加え、現地工作員ジェリーが香港、インドシナを舞台に大活躍する冒険活劇だった。ただ、どちらも三部作の主人公たるスマイリー自身があまり前面に出ることなく、裏方に甘んじた憾みがのこる。しかし、さすがに完結編である第三部は主人公スマイリーが頭脳だけでなく足を使い、おまけに英国内はもとよりハンブルグに飛び、なんと苦手な自動車まで運転して、謎を追う本格的なスパイ小説になっている。

    八月のパリ。黒服を着たマリア・オストラコーワが前髪をひょこひょこさせながらショッピングバッグを肩に街路を行く。冒頭の一見本筋に関係なさそうなシーンから読者は一気にル・カレの世界に引きこまれる。この亡命ロシア女性もそうだが、「将軍」ウラジーミルとその情報源オットー・ライプチヒといった主要人物にかぎらず、ちょっと顔を出すだけの傍役ひとりひとりにいたるまで、人物造形の巧みなことはどうだろう。主人公スマイリーその人にしたところが、度の強い丸眼鏡をかけた風采の上がらぬ小男ときている。そのスマイリーに向けて、側車つきオートバイに乗った長身のファーガソンがすれちがいざま敬礼してみせる場面など一幅の絵のようだ。

    ひとつの時代が終わるとき、世界の枠組みもまた大きく変わる。盗聴、尾行、防諜室といった完成されたスパイの技術が古臭く滑稽なものとしてかたづけられるのはまだ許せる。しかし、その技術に習熟し、それをつかって情報をさぐり、受け渡ししていた人間もまたシステムの末端として切り捨てられる。新しいシステムにうまくのれる者は生き残り、そうでないものは葬り去られる。

    スパイに限らず、どんな組織にもいえることだが、人と人が接触するとき、そこには人間的なファクターというものが生まれる。敵味方のスパイ同士でさえ監視している者は監視対象に好き嫌いの感情を抱くという。まして同じ仕事を共にした仲間となれば当然のことだ。上層部はシステムの切り替えと同時に不要となった人員を廃棄するが、スマイリーにはできない。どんなときでも冷静でいることはできるが、非情にはなりきれないのがスマイリーという男なのだ。

    死んだ「将軍」の部屋を捜索しながらスマイリーは物思いにふける。「われわれ自炊をする男は半人間だなと思いながら、彼はソースパンとフライパンをひっぱりだし、トウガラシとパプリカのなかをかきまわした。家のなかの他のどこでも――ベッドのなかでも――人は自分を周囲から遮断し、好きな本を読んで、孤独が最高だと自分をだますことができる。だが、キッチンばかりは、未完のしるしがあまりに目に立って、それができない。黒パンのかたまり半分。粗悪なソーセージ半分。タマネギが半分。牛乳がびんに半分。レモンが半分。紅茶が袋に半分。生活の半分。」アンと別れてからのスマイリーは「半人間」なのだ。

    風采こそ上がらぬものの、スパイとしての能力はとびぬけて高いスマイリーは、一種のスーパーマン。彼に会い彼と話をした者は誰もが彼を好きにならずにいられない。そのスマイリーをして落とすことができなかったただ一人の男がカーラである。何故か。それはカーラはユング心理学でいうスマイリーの「影」だからだ。コニーの喩えをかりるなら彼ら二人は「ひとつのリンゴの半分同士」なのだ。いかに完璧な職業的人格を構築しようと、スパイもまた人間である。スマイリーにとってアンは「幻想を捨てた男に残った最後の幻想」だった。カーラはヘイドンを使い、スマイリーからアンを奪った。友人と妻の裏切りはスマイリーを苦しめ、彼の力を奪うにちがいないと考えたからだ。

    いっぽうスマイリーもまた「将軍」がさがしあてたカーラらしくもない不手際に、彼の弱点を発見する。そして、ホワイト・ホールが過去の遺物として葬り去ろうとした、尾行、張り込み、盗み撮りといった諜報技術を駆使し、カーラを落とす。雪が舞うベルリンの壁を背景にしたスマイリーとカーラの再会は三部作のハイライト。カーラの手からすべり落ちるスマイリーのライターが物語の終りを告げる。

    ル・グウィンが『ゲド戦記』の主題とした自分の影との戦いを、ル・カレはリアルなスパイ小説に仕立ててみせる。ジグソウパズルのピースをひとつひとつ仮想の絵柄に当てはめながら、最後に残ったピースを追い求めるような理詰めの探索は上質のミステリのよう。登場人物のひとりがスマイリーをシャーロック・ホームズに、カーラをモリアーティ教授に喩えているが、「将軍」の足跡から時代がかった諜報活動であるモスクワ・ルールに則って隠された証拠の品を見つけるスマイリーの捜査は名探偵そのもの。どちらかといえば、アームチェア・ディテクティブ派と思っていたスマイリーがクロフツの刑事のように何度も現場に足を運ぶのが心に残る。老スパイが執拗にこだわったルールの遵守は、人を欺き、弱みに付け込むスパイの世界に残された最後の倫理だったのかもしれない。

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    2013年06月19日
  • ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ〔新訳版〕

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    二度読んだ。結果から言えば、ここは、と思わせる部分がないこともないが、全体的にはさほど読みづらさは感じなかった。読みづらさを感じる原因は、フラッシュバックを駆使した回想視点の導入による時制の交錯や、複数の視点人物の瞬時の転換といった原作者の文章にあるのではないか。しかし、一度目は多少苦労しても再読時は、主人公スマイリーの独白の沈鬱さを紛らわそうとするかのように絶妙のタイミングで挿入される情景描写の巧みさや、込み入った伏線を多用した構成の妙味にうならされるはず。旧訳や原文とつき合わせていないので、訳の巧拙についてはひとまず置く。ただ、それを理由に読まないですますのはもったいない。そう思わせる作品である。

    スパイ小説というジャンルには不案内で、ル・カレの作品も読むのはこれで二作目。だから全くの素人評だが、読後思ったのは、これは、一種の企業小説だな、ということ。業界紙の記者をやっていた藤沢周平が作家に転じ、「お家騒動」に材を採った時代小説を得意としたように、企業でも、江戸時代の藩でも、洋の東西を問わず、男が集まるところに権力争いはつきものだ。

    主人公スマイリーは、サーカスと呼ばれるイギリス情報部の幹部だったが、チェコで起きた事件の巻き添えを食って職を失う。愛する妻にも去られ、今は孤独な年金生活者である。その元スパイのところに大臣の側近レイコンから呼び出しがかかる。どうやら、サーカス内部それも幹部の中にソ連に通じている「もぐら」と呼ばれる二重スパイがいるらしい。スマイリーの馘首も直属上司であったコントロールの失墜もサーカスを牛耳ろうとする「もぐら」による策謀だった。スマイリ-は、権力の中枢から排除されたかつての仲間と諮り、もぐらの正体を暴こうとする。

    題名の「ティンカー、テイラー、ソルジャー…」は、マザー・グースにあるわらべ歌で、「鋳掛屋、仕立て屋、兵士、貧者、乞食」の意味。ここでは、それぞれサーカスの幹部、パーシー、ヘイドン、ブランド、トビー、スマイリーに見立てられている。「もぐら」の裏切りによってチェコに潜入したジム・プリドーは背中を撃たれ、現地の組織は壊滅した。いったい誰の仕業なのか。スマイリーは、その謎を解かねばならない。スパイ小説とは言い条、そのつくりはクインやクリスティ、横溝正史偏愛の童謡仕立てのフーダニット物ミステリに類する。

    スマイリーの調査活動は、レイコンや側近のギラムがサーカスから持ち出した資料を読むことと、事件の当事者の尋問。ぶ厚い丸眼鏡をかけた風采の上がらぬ小男という外見に相違して、スマイリーは有能なスパイだった。得意とするのは厖大な情報を精査し、そこに存在する齟齬から重要な問題点を読み解くことと、警戒する相手から得たい情報を聴き出す力。どちらも地味ながら情報活動では必須とされる力で、考えようによっては、これは名探偵の資質でもある。

    ル・カレの真骨頂は、一見無関係とも思える情景から物語の中に読者を導く手際にある。冒頭、喘息の発作で授業を見学していた少年の目を通して描かれるジム・プリドーの荒々しいまでの登場シーン。雨中、窪地に突っ込むトレーラー車の描写が、これから始まる物語の不穏で酷薄な世界を余すことなく予告する。尋常でない魅力を身にまとった新任教師が垣間見せる孤独な姿に、少年は自分が庇護者になろうと決意する。すべてが終わり、心配しつつ待つ少年のところに彼は戻ってくる。裏切りに傷ついた男に新しい友情の誕生を予感させ、物語は余韻を漂わせて終わる。少年の挿話が陰惨なスパイ小説に一抹の救いを与えているのだ。

    かつて実際にあった二重スパイ事件をモデルに、東西冷戦を背景に権力闘争にうつつをぬかす男たちを冷静な視点から解析し、倫理的な判断を下す。男同士の友情と裏切りというテーマは、レイモンド・チャンドラーの『ロング・グッドバイ』にも通じる、ほろ苦い読後感をもたらす。ル・カレの代表作であり、これに続く『スクールボーイ閣下』、『スマイリーと仲間たち』三部作は、スパイ小説の傑作とされている。

    「そろそろ生命保険の広告のいう“人生の晩年”だから、彼は不労所得生活者の見本になろうと努めた。だれも、だれよりもアンは、その努力を買いはしないが、彼は本気だった。毎朝ベッドを出て、毎晩ベッドにはいる。たいていひとりきりのそんな日々を送るうち、いまも、これまでも、自分はなくてはならぬ存在ではなかったのだと、自分にいってきかせた。」

    スマイリーの独白だ。人生のある段階にきた者にとって、この感慨を他人事と読みすごすことができるだろうか。自分はまだできる、できるはずだと思いながらも、一日はやってきては去ってゆく。その日の長さに耐えるため、自分に言い聞かせる。「いまも、これまでも、自分はなくてはならぬ存在ではなかったのだ」と。

    生きる記憶装置のようなコニーをはじめとして、ル・カレの創り出した人物は、誰もみな実在の人物であるかのごとく生き生きしている。彼らがすぐそばにいても何の不思議もない。バリバリの現役だったころならピーター・ギラムに感情移入し、いらいらしながらスマイリーの思考を追うだろうが、年金生活者の身ともなれば、スマイリーの境遇に自分をかえりみてしまう。スパイ小説の傑作と紹介してもまちがいではないが、すぐれた文学の持つ香気のようなものが全編に漂う。時間に余裕があって、再読、三読を愉しむことのできる世代にこそお勧めしたい。

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    2013年06月19日
  • スクールボーイ閣下 上

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    ショージ・スマイリー率いる英国情報部隊が、ソ連情報部カーラの資金先である香港の実業家ドレイク・コウに徐々に迫っていく。
    現地工作員ジェリーがドレイクや周辺人物に接触していくヒリヒリした緊迫感にグイグイ引き込まれてしまう。
    さらに、英国情報部チーフでありながら、二重スパイのカーラに対し、英国紳士たるフェアプレイ精神を貫こうとするスマイリーがたまらなくカッコよすぎる。

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    2013年03月28日
  • ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ〔新訳版〕

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    スマイリーシリーズ第一弾。
    英国情報部の中枢に潜むソ連の二重スパイを探すため、元情報部員であるスマイリーが調査を開始する。膨大な資料と関係者の証言を頼りに次々に明かされる情報部"サーカス"の真実。
    妻アンの浮気と情報部員の一線から外されたスマイリーの苦悩も見逃せない。
    淡々と事実を追っていく文章ではあるものの、それがかえって手に汗握る緊張感とスピード感を高めている。
    第二次世界大戦からアメリカとソ連の冷戦時代まで、各国のスパイによる激しい情報戦が繰り広げられていたのだろう。

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    2013年03月23日
  • スマイリーと仲間たち

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    過去に一度会ったきりの仇敵カーラとの決着ついに!英国とソ連の情報部を背負い、暗躍し、追い詰めあった二人が互いの目に見るものは…
    ここから先は激しくネタバレですね。でもきっと、わかったようでわかっていないんです。もうちょっと年を重ねたら、また読もうと思います。

    後半からじわじわ情報を固めカーラに迫っていく辺りがゾクゾクです。
    常に冷静な描写で淡々と書かれるため表面上はどこか調書を読むよう。でも行間から現場工作員の息遣いや緊張感、スマイリーの震えるくらいの慎重な気遣いがにじみ出てるようでした。
    ラストシーンはスマイリーの内と外の描写が印象的。雪降る夜の痛いほどの緊張と静寂、内面で吹き荒れる衝動、祈り、矛盾する期待、絶望、回想とイメージ…
    ライトに照らし出される人物を見つめるスマイリーのすぐ横で、この場面を眺めているようでした。

    タイトルの通り、コニーやギラム、トビーなど、昔の仕事仲間が出てきます。配置配役もティンカー~のときと似ていて、でもだからこそ老い・年月が際立つ。それでも、もう一度第一線に戻り大仕掛けを成し遂げようとするスマイリーに協力する様子から、内向的でとろくさくずんぐりむっくりなスマイリーが実は本当に有能な工作指揮官なんだなぁとしみじみ再確認させられました。
    特にトビーのハリキリが、かなり意外。そんなに仲良かったんだっけ…

    あと、結局アンとはどうなったのか…1~3タイトル通してかなり破局な感じでしたが、映画から入ったものとしてはあのラストが忘れがたく。

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    2013年02月14日
  • スクールボーイ閣下 下

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    ネタバレ

    上巻でへこたれずに読む事。
    それにつきる、かと。

    スカルプハンター=現場 と
    サーカスとの諸々な距離感が
    とてもリアル。他人事ではない
    共感を覚えて苦笑。

    ラストで報われるかといったら・・微妙。
    じっくり腰据えて 楽しむ本。
    ストーリーを追うばかり
    与えられるエンターテインメントを
    消費する作品ではない。
    横文字の登場人物多数だもんだから時に『これ誰だったっけ?』
    行きつ戻りつ手間はかかるし気力体力使うけれど
    その価値はあると思う。

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    2012年05月20日
  • スマイリーと仲間たち

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    ネタバレ

    ああ読み終わってしもた。

    あまりに時間をかけすぎて読むものだから
    肝心のストーリーを誤認してしまう始末。
    あっぶなーい

    後半数十ページが本当に濃ゆい。
    登場人物達の息づかいまで
    聞こえてくるような臨場感。

    スパイ小説というより スマイリー・サーガ。
    堅苦しいだけでなく 時に『ここで?』てな
    タイミングで飛び出すウイットに大笑いしたり。

    ・・・スマイリーの短編があるらしいが
    絶版てのがツライ。

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    2012年05月20日
  • 寒い国から帰ってきたスパイ

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    きみはおれたちをなんだと考えている。スパイだぜ。牧師とはちがう。聖徒や殉教者ではないのだ。愚かでいやしい男たちの一群だ。

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    2026年09月24日
  • ミッション・ソング

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    アイルランド人宣教師とコンゴ人女性の間に生まれたサルヴォは、両親から受け継いだ語学の才能で一流の通訳になっていた。ある日、英国政府情報部の依頼で秘密会議の通訳をすることに。表面上はコンゴ民主共和国の平和を目指す各勢力の代表者会議だったが、サルヴォはその裏に豊富な資源を巡る巨大な陰謀があることに気づく……。

    シンプルな筋立てで読みやすい。

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    2026年06月14日
  • ナイロビの蜂 下

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    美しい若妻テッサは、死の直前まで、熱心に救援活動をしていた。ジャスティンは生前の行動を克明に追うことから事件の全貌を解明しようと決意する。それはテッサの問題に、彼自身が向き合うことだった―第三世界に対する医薬品供与の恐るべき実態、官僚と多国籍企業の癒着、それを告発するNGO。いったい世界はどうなっているのか。

    ビターな結末。

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    2026年05月09日
  • ナイロビの蜂 上

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    ケニア駐在の英国人外交官クエイルの若くて美人な妻が、喉を掻き切られ全裸で発見された。死の真相が明らかになるにつれて背後にある多国籍企業と巨大国家の謀略が浮かびあがる。

    翻訳ミステリの新刊に食指が伸びないときは、積読本をせっせと読む。

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    2026年05月05日
  • 寒い国から帰ってきたスパイ

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    ネタバレ

    まず翻訳が古くて女性の言葉が現代と全然違う。また女性も健気で献身的で前時代的(男に都合のいい女)でもある。
    冷戦時代のドイツで苛烈な英ソの情報戦が行われていたのを知ることが出来たのは良かった。
    タイトルと違ってスパイ・リーマスは「帰ってこなかった」のだけど、物理的に帰って来るor来ないではなくて、ラストで女性のもとへ駆け寄る(見捨てなかった)ことで、非情で人を駒としてしか見ない冷酷な世界から、人間味のある世界へ帰って来たのだと、数日後に思い至った。

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    2026年03月24日
  • 寒い国から帰ってきたスパイ

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    冷戦時代、主人公である英国情報部のリーマスはベルリンに赴任していたが、東へ送り込んでいた配下のスパイが殺害されるなど作戦失敗が重なり、ロンドンに呼び戻されて閑職に左遷された挙げ句にクビになってしまうが、そこに東側から謝礼と見返りに情報提供をするよう誘いを受ける…というスパイ小説。
    その誘いにリーマスが乗って東側へ寝返るというのが、東ドイツ情報部のムント副長官を失脚させるための英国情報部の策略だったのだが(と裏表紙の粗筋紹介に書いてある)、なんせスパイの諜報戦なもので、一筋縄ではいかないというもの。
    「国の大義名分のためには個人など駒にすぎない」という東側の主義は、西欧には到底受け入れられないものだ…とは建前で言うものの、結局は英国情報部から駒として使われることになったリーマスの悲しさとやるせなさと無念さが胸を打つラストでした。

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    2025年11月28日
  • スマイリーと仲間たち

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    「うん。そうだな、そうかもしれない」

    英国諜報部の生ける伝説ジョージ・スマイリーとソ連諜報部の工作指揮官カーラの冷戦下での対決を描いたスマイリー三部作の最終決戦です

    いやー、なんていうか情景描写過多
    やり過ぎだと思うが、まぁこれがジョン・ル・カレなのだからしょうがない

    そして「小説のジレンマ」ね

    冷戦なんてものはない方が良い
    それはとりあえずそうだと思う
    まぁ、色々問題は残っていたり、新たな問題が起きたりはしているわけだけど
    とりあえず核弾頭の数は減ったし、経済のグローバル化も進んだし、東欧諸国の人たちがそれなりの自由ってやつを手に入れたわけだからね

    東西のスパイたちが頭脳戦を繰り広げる至極のスパイ小説みたいなんは、もうどんどん少なくなっていくんやろな〜
    なんか寂しい気もちょっとする
    まぁ、でもすで読み切れないほどの傑作があるからいいかw

    こんな時代もあったのねってな感じで、今後もちびちびとスパイ小説を読んでいきますよ

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    2025年10月24日
  • シルバービュー荘にて

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    相変わらず不親切で難しい。でもワクワクしちゃう。
    ジュリアンとプロクターがいつ接触するんだろうとやきもきしながら読み進めた。
    意外なエンディングにやったったな〜! と拍手。
    著者が亡くなったのは2020年12月。もう5年か。
    本著が遺作。

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    2025年08月18日