ジョン ル カレのレビュー一覧
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ジョン・ル・カレを読まずして旅立つことはできないのだよ諸君
ただ、ひとつだけ告白しておこう
ずっとジョン・カレ・ルだと思っていたよ
バーモントか!
はい、スパイ小説の教科書と言っても過言ではない『寒い国から帰ってきたスパイ』です
1961年刊行でイギリスとアメリカの最優秀ミステリー賞を同時受賞した傑作であります
いやー、こっち側もいいですなぁ
巻末の解説にもありますがいわゆるスパイ小説というのは「超人的な能力の持ち主である主人公が、《手に汗握る危機一髪》的な事件で活躍する《神話》であった」のに対して本作は圧倒的なリアリズムを持ってスパイの世界を描いているんですな
そしてもちろん、それだ -
Posted by ブクログ
この本は日本の本で例えるならば、三島由紀夫のスパイ傑作本と言う感じです。言うならばこの本はその英国版と言う感じです。著者のジョン・ル・カレの本は非常に巧みな文学的な表現で情景描写、心理描写がこれでもかと言うほどの精巧で緻密に細やかに語られています。諜報作戦、諜報部隊、ナショナリズムや国に対する忠誠心など出演している人物のストーリーが芸術的に語られ、その内容が細やかな文体や描写として描かれており、文章力と言う意味でも、その芸術的な巧みな文章をたっぷりと精密に味わうことができる本であり、その語りの粘り強い周到さに驚嘆する本と言えるでしよう。なおかつ諜報活動におけるナショナリズムや国に対する忠誠心や
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『裏切りのサーカス』『寒い国から帰ってきたスパイ』などの原作者ル・カレの回想録。みずからがMI5やMI6に所属していた事実をさらりと明かしながら、グレアム・グリーンや他のジャーナリストたちも同様にスパイ・エージェントであったこと、元スパイという肩書きからインテリジェンスにかかわる様々な依頼を受けてきたことなどが、淡々と綴られる。香港の海底トンネル完成を知らずに作品を書いてしまったという「失敗」から、必ず現地取材を重ねることにした、という挿話も興味深いものだった。
イギリス史上もっとも著名な二重スパイ、キム・フィルビーと彼の親友で、彼を追いつめたニコラス・エリオットのこと。ヤセル・アラフ -
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『寒い国から帰ってきたスパイ』と『ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ』の二作を読んでから読むことを勧める書評があった。訳者あとがきにも、同様のことが書かれているが、それはネタバレを恐れての注意。二作品を読んでいなくてもこれ一作で、十分楽しめるので、わざわざ旧作を掘り返して読む必要はない。ただ、これを読むと、前の二作を未読の読者は、おそらく読みたくなると思うので、読めるなら先に読んでおくといいだろう。
数あるル・カレのスパイ小説の主人公として最も有名なのが、ジョージ・スマイリー。眼鏡をかけた小太りの風采の上がらない中年男だ。ただし、現場から寄せられる真贋の程の分からぬ数多の情報を重ね合わ -
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ネタバレ池上彰さんがお薦めされている、しかも珍しくフィクション(勝手な印象ですが、よくノンフィクションをとり上げられているイメージなので)というところに興味をひかれ、はじめてのスパイ小説に挑戦。
主人公は、冷戦下の東ドイツで諜報活動を行っていた初老のイギリス人スパイ・アレック。
宿敵ムントとの戦いに敗れ、全てを失い帰国するものの、復讐のために再び戦いに身を投じる……という筋書き。
要するに、すべての設定が渋めです。
もちろん私の普段のごく平凡な暮らしぶりと何ら共通する要素はないのですが、それでも引っ張られるように最後まで読みました。
とにかく、物語の緊張感がすごい。
冒頭に、「喋らないことも嘘の一