ジョン ル カレのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「あれはどこかべつの土地、まったくべつの宇宙での出来事だった。彼はここでは場違いな人間だった。けれども、彼もまたこの悲劇にどこかで加担してきたのだ。」
スパイ小説には悲劇が似合う
ソ連の伝説的スパイ”カーラ”によって被った壊滅的打撃からの復活を目指す新生英国諜報部
率いるのは我らがジョージ・スマイリーだ
スマイリーは”カーラ”に反撃すべく、ソ連からの金の流れを追う
たどり着いたのは香港に住まう中国人富豪ドレイク・コウ
送り込まれたのはスマイリーを師と仰ぐ新聞記者で工作員ジェリー・ウェスタビー
ジェリーの活躍もあり、中国諜報機関中枢にいるコウの弟ネルソンが”カーラ”のスパイであることが判明
スマイリーはネルソンを捕らえるべく、秘密作成を開始する
しかし、インドシナ半島に潜入したジェリーは別の思惑からスマイリーの指揮下を離れ独自の行動を開始する
スパイとは何なのか?スパイが存在することそのものが、この世の悲劇なのではないだろうか
ジェリーを支配していたのは、ある意味非常に人間的な感情だったのだが、人間であることと、スパイであることは両立し得なかった
そしてそのことが、スマイリーとジェリーに悲劇を引き寄せたのだ
人であることもまた悲劇なのだろうか -
Posted by ブクログ
英国情報部〈サーカス〉の中枢に潜むソ連の二重スパイを探せ。引退生活から呼び戻された元情報部員スマイリーは、困難な任務を託された。二重スパイはかつての仇敵、ソ連情報部のカーラが操っているという。スマイリーは膨大な記録を調べ、関係者の証言を集めて核心に迫る。やがて明かされる裏切者の正体は?スマイリーとカーラの宿命の対決を描き、スパイ小説の頂点を極めた三部作の第一弾。
辰巳四郎の表紙が印象的な菊池光訳の文庫を読んだのが1986年だから、38年前である。映画は公開されてすぐと、一昨年リバイバル公開の際に観た。アナログの世界に生きるスパイたちの暗闘。翻訳の良し悪しは分からないが、小説として一級品であることは間違いない。 -
Posted by ブクログ
ジョン・ル・カレを読まずして旅立つことはできないのだよ諸君
ただ、ひとつだけ告白しておこう
ずっとジョン・カレ・ルだと思っていたよ
バーモントか!
はい、スパイ小説の教科書と言っても過言ではない『寒い国から帰ってきたスパイ』です
1961年刊行でイギリスとアメリカの最優秀ミステリー賞を同時受賞した傑作であります
いやー、こっち側もいいですなぁ
巻末の解説にもありますがいわゆるスパイ小説というのは「超人的な能力の持ち主である主人公が、《手に汗握る危機一髪》的な事件で活躍する《神話》であった」のに対して本作は圧倒的なリアリズムを持ってスパイの世界を描いているんですな
そしてもちろん、それだけでは英米同時受賞なんてことにはならないわけで、とんでもないどんでん返しとスパイの世界を象徴するような結末が待っているわけです
いやー、ジョン・カレー・ルー(開き直った)おもろいわ!
スパイ小説、どっち側もおもろいわー! -
Posted by ブクログ
この本は日本の本で例えるならば、三島由紀夫のスパイ傑作本と言う感じです。言うならばこの本はその英国版と言う感じです。著者のジョン・ル・カレの本は非常に巧みな文学的な表現で情景描写、心理描写がこれでもかと言うほどの精巧で緻密に細やかに語られています。諜報作戦、諜報部隊、ナショナリズムや国に対する忠誠心など出演している人物のストーリーが芸術的に語られ、その内容が細やかな文体や描写として描かれており、文章力と言う意味でも、その芸術的な巧みな文章をたっぷりと精密に味わうことができる本であり、その語りの粘り強い周到さに驚嘆する本と言えるでしよう。なおかつ諜報活動におけるナショナリズムや国に対する忠誠心や裏切りなど、現代ではスパイ小説と言うのはなかなか読めるものでは無いですが今でも人間関係の心理描写や緻密な心の変化などの部分で非常に面白い本であると言えるでしょう。ただ少し読むのに手応えがある難しい本ですが一読はしておくべきです!