ジョン ル カレのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレスパイ小説の古典的代表作。
イギリスのベテラン諜報員、アレックリーマスは敵対国の凄腕諜報員の手により、敵国内のスパイを皆殺しにされてしまい、失脚した。
リーマスは個人的に復讐を誓い、非公式に敵対する諜報員を破滅させる作戦を上司と計画し、実行に移した。
それは自らのキャリアを捨て、人生を代償にした作戦であった。
スパイ映画なのにアクションはほぼ皆無。主人公もめちゃめちゃ強いわけでもない。
そして、3/4読み終えるまで何が起きてるのかもよく分からない。
ただし最後のネタが判ると、組織同士の恐ろしく複雑な騙し合いが恐ろしくなる。
実際のスパイはこんなかんじなのかな?
それにしても何もかも信じられ -
Posted by ブクログ
スマイリー三部作完結編で、旧ソ連の宿敵〝カーラ〟との最終的決着までを描く。重厚な筆致は更に磨きが掛けられており、ル・カレ独自の世界がゆっくりと始動する。前作の漠然とした分かりにくさは消え、より引き締まった構成ではあるが、集中力を欠くと挫折しかねない。タイトル通り、物語はスマイリーに主軸を置いている。かつての仲間が犠牲となっていく非情な諜報戦のただ中で、老体に鞭打ちながら真相を求めて歩む孤独な後ろ姿は、影の存在でありつつも、自国他国問わず真っ先に国家の使い捨ての駒となるスパイの悲哀を物語っている。
冷たい怒りを抑えつつも、或る瞬間には滲み出てしまう吐露に、終わりなき闘いの不毛ぶりが表れている。実 -
Posted by ブクログ
他の作品の評価見るに、ジョンルカレの作品では一番面白いんじゃなかろうか。「我らが背きしもの」とか割りと早い段階で挫折したし。
そこまで場面の切り替えや登場人物の視点入れ替えは激しくない。ほとんどリーマス一人の視点に寄ってるから話が分かりやすい。のかもしれない。
カーラは登場せず。変なリアリティあって何か凄い。TTSSよりこっちを映画にするべきでは?
最後のネタバラシは外事警察を思い出させる。
ラストは「人狼」みたいな感じ。まあ、そうなるよな……あの女が脱出出来た時点でそもそも存在している事がサーカスにとってのリスクだし。
「はかがいかない」ってどこの方言なんですかね… -
Posted by ブクログ
前半は単調でただただ辛かったけれど、後半に入ったら俄然おもしろくなってきた。先に映画を見てたせいで、ギラムの人物設定にちょっと違和感があったけど、なんかちょっとくたびれた感漂うギラムも悪くない(こっちが原作なのに)。あと、ジム・プリドーの最後の行動の理由がすっきりわかる。映画もよいけど、情報が詰まりに詰まって、人物の心中が(複雑ではあるけれど)文章でじっくり読み込めて、原作もいいなぁと思った。
ただ惜しむらくは翻訳のセンスのなさ。ペンのインクを消すために『消しゴム』を使ったり、『ベルがチリンと鳴る』なんて言ったり、あとは『ステートメントを数センテンス』なんて書いてみたり、英語の比喩表現をそのま