前川喜平のレビュー一覧
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前川喜平と寺脇研の対談。
前川喜平は、文部科学省の天下り問題で責任をとって事務次官を辞任、その後、加計学園問題で、文書があったと証言した人。
対談相手の寺脇研も文部省で「ゆとり教育」を推進した人。
お互いのやってきたことを話し合うような感じ。
どのように組織の中で自らの信念を貫いたかというようなストーリーが多く、武勇伝というか、結果、自分たちをほめたたえている。
流石、官僚組織で出世するような人たちだから、ぎらぎらして、口もうまいんだなーという印象も受けた。
どこまで組織の中で、話しているような反骨精神で推し進めていたのか、当の本人たちが語ってしまっているので、客観的にはわからないが、こ -
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やや自画自賛に見える部分はありますが、お二人ともが、日本の教育の将来に対して、自らが持つ力を捧げて仕事をしてきた人であることがよくわかります。
強いものになびき、時の強者の意に沿う行動だけを競うレースに、なんとか参加せずに生きていきたいと思わざるを得ません。
「ゆとり」か、「それ以外」か。
「改革」か、「抵抗勢力」か。
なんでも単純化して、なんでも標的を作っては一人の強者の周りを多数で固めて「黙れ黙れ」をするのは、残念ながら日本のお家芸なのかもしれません。
実態のない「おもてなし」より、
「黙れ黙れ」の方が、ずっと日本を象徴しています。
自分が世を去る100年先、ではなく、
「20年 -
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面従腹背とは…表面は服従するように見せかけ、内心では反対する
こと。
著者の前川氏は38年間に渡る文科省官僚時代、この言葉を座右の銘
としてきた。
それは、大枠から見たらささやかな抵抗かもしれない。どうせ
なら内部にいるうちに告発してくれればと思うこともないとは
言えない。
ただ、政治家などからのさまざまなな圧力にさらされながらも、
どうしても譲れない部分でご自分の意見を貫いたのは理解できた。
そして、前川氏のようにささやかな抵抗を続けている官僚は、
どの省庁にも少なからずいるのではないか。
教育基本法の改正、八重山教科書問題、国旗・国歌法の制定、
そして道徳の -
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安倍政権とその支援者から徹底的に嫌われていた東京新聞社会部の名物記者、望月衣塑子氏の主張をちゃんと読んでみよう、と思い立って読んでみた。
結論としては、とてもまともなジャーナリストで好感を持った。「記者クラブ」の排他的体質や、アクセス・ジャーナリズムが権力に取り込まれる危険性も、具体例を通じて、ひしひしと感じた。
アメリカ礼賛の意図はないが、権力とジャーナリズムの緊張関係は、アメリカの方が100倍くらい高い、という共著者ファクラー氏(元ニューヨーク・タイムズ東京支局長)の指摘は、意外だった。
権力寄りで有名なFOXニュースですら、ジャーナリズムそのものが攻撃を受けていると感じれば、攻撃先が -
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子どもの人権をまもるというテーマに沿って……かな? けっこうそうそうたる人々が稿を寄せている。宮田雄吾(大阪共立病院・大村椿の森学園)、山野良一(名寄市立大学・専門社会調査士)、駒崎弘樹(認定NPO法人フローレンス代表)、仁藤夢乃(一般社団法人Colabo代表)、熊谷晋一郎(東京大学・当事者研究)、大塚玲子(編集者・ライター)、内田良(名古屋大学・教育社会学)、大貫隆志(「指導死」親の会共同代表)、大原榮子(「メンタルフレンド東海」世話人代表・名古屋学芸大学)、前川喜平(元文部科学省事務次官)、白濵洋子(佐賀女子短期大学・学校保健)、内藤朝雄(明治大学・社会学)、山下敏雄(弁護士)、村田和木(
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ネタバレ"面従腹背"という姿勢には賛否両論あるだろうが、組織で働く人には多かれ少なかれ、自分の意見、心情とは異なっても組織の論理、上司の意向に沿って動かなければならない苦しいときがあると思う。
しかし、現代にあって、政治家、特に時の政権を動かす人たちが私利のために各省庁に圧力をかけ、行政を歪めるという、民主主義においてあってはならないことが行われていたというのは、衝撃的だ。
若手の公務員で数年で辞める人が多いのは、そういう理不尽な体制の中で働くことに嫌気がさすからではないか。実際、
本書には書かれていないが、森友問題では心ある1公務員が自殺にまで追い込まれた。
面従腹背すらせず、 -
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文科省のナカの様子がうかがい知れる貴重な証言ではある。特に、政治家の動きとそれに対応する文科官僚の動き、審議会の存在意義の変化等について語られた第3章は参考になった。ただやはり著者自身に相当な負い目があるようで、それで、決して良い意味とはなり得ない「面従腹背」をタイトルにしたのだろうが、内容を読めば読むほど、著者の「腹背」ぶりより「面従」ぶりが印象的で、著者としてはその時々に自分ができることの最善(「自分の信念とは違うから辞める」と言うのよりは簡単でない道)を選んだのだろうが、どうしても言い訳がましく聞こえて鼻白んでしまう部分はある。それでも、退職後とは言え、こうした発言をすることは相当な勇気
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冒頭を読んで面白そうだと思ったのだけど、政治に関心の薄い読書初心者の若者にはめちゃめちゃに難しい本だった。読むのに1週間くらいかかってしまった。
あまり政治や報道の分野を知らないので、初めて聞くことが多くて、気分的には新鮮に読むことができた。けれどこの分野を知らないので、何をどこまで信用して、この本を読んだ感想のどこまでを私の意見として採用していいのかわからない。私は意見をコントロールされていないか?いちいち疑心暗鬼になってしまった。やっぱ、自分で考えることに慣れていないのだろうか。己の知識や思考能力の無さ、平和ボケを認識させてくれる本でした。これは本の感想になっているのか…? -
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元文部省、文部科学省の官僚であった著者が見てきたことが書かれている。
省庁内部で行われてきた教育行政。
政治家による圧力。
それらが大きく露呈したのが、森加計問題である。
本書では、加計学園の獣医学部創設問題についても書かれている。
面従腹背とはどういうことかと思ったが、本書を読んでなるほどと思った。
著者がいうそれは、表向きは従って、腹の中では自分の考えを持ち、時期が来たらそれを行動に移すということである。
それは組織内部にいないとできないことである。
本書を読めば、教育基本法など官僚が政府の圧力に抗おうとした痕跡が分かる。
これは面従腹従しなかったことの証である。
それにしても、理不尽とも