要約。
サービスにまつわる四つの物語。
1.オレンジ色のラブレター
亡くなった祖母が毎日飾っていたオレンジ色の花。目が不自由になってから久しぶりにディズニーランドに行ったら、同じ匂いの花を見つけた。キャストに花の名前を尋ねたが、すぐに分からずキャスト交代時間になってしまう。諦めつつも別のキャストに尋ねたら、ちゃんと引き継ぎされているばかりか、花の由来まで調べていたことに驚かされる。由来には祖母の祖父に対するメッセージ「あなたを誇りに思う」が込められていた。
『与えることは最高の喜びなのだ。他人に喜びを運ぶ人は、それによって、自分自身の喜びと満足を得る』
2.迷子の良心
車イスの団体をおもてなしした際の話。キャストが全て先導してゲスト皆んなが満足していると思っていたが、ゲストの一人が怒って別行動をとり迷子になってしまう。後から訳を聞くと、ピノキオのアトラクションに行きたくない理由があった。本当は歩けるのに周りを欺いていることが、ピノキオとジミニー・クリケットの関係と同じだと思ったからだ。
『自分のために作ろうとするな。お客様が求めるものを知り、お客様のために作るのだ』
3.色あせたチケット
ディズニー・ランドのチケット売り場で、3歳以下に見えない子供がチケット代を払わないで入園しようとしてるので、親に身分証の提示を求めたところ怒って帰ってしまった。後日、親の経営するラーメン屋を訪ねて見ると、子供は3歳であることがわかった。また、店主である親が、食い逃げしようとした客に理由を尋ね、仕事が決まらないことを聞かされ、仕事が決まるまでのツケにする寛容さを見せつけられる。将来の常連客になってくれる事を期待して、客を信頼する事の重要性を教えられ自分の未熟さを恥じる。
4.希望のかけ橋
余命残りわずかと宣告された寝たきりの子供が、ディズニー・ランドに入園することを条件に、成功率の低い手術を受けても良い考えであることを知る。キャストや病院スタッフの協力のもと、もしものことがあっても責任をなすりつけないことを条件に、なんとか入園にこぎつける。予定通り回った後、イッツ・ア・スモール・ワールドに乗り、またのお越しをお待ちしてますと送り出す。その事が忘れられず、ぜひまた入園することを目標にして、苦しい治療に耐えた。四年後、キャストとして働くことができた。