坂田雪子のレビュー一覧

  • 魔王の島

    Posted by ブクログ

    久々に重厚なミステリ小説を読んだ。
    この小説は奥行きがある。アメリカスタイルのミステリは横に広く登場人物も多くて複雑に絡み合うものが多いが、
    このフランス小説は横に広がる絡みは少ないが、奥行きが何層もある。ほじくって行くと、まったく別の景色が見えてくる。
    そしてまたほじくると、また景色が変わってしまう。物語を回していく登場人物も10人弱しかいない。

    ストーリーの骨子自体はシンプル。あらすじにもあるように、祖母の訃報を聞いた女性が、祖母の終生の住処である孤島へ遺品整理に行く。
    そこで村人たち何人かに出会い、その島にまつわる悲しい過去の物語を知る・・・と、シンプルなものです。

    ミステリマガジン

    0
    2023年03月01日
  • 一冊でつかむ心理学

    Posted by ブクログ

    優しすぎない入門でよかった!コールバーグの道徳発達論、ハーロウのアカゲザルの実験、バンデューラのボボ人形実験、偽精神疾患患者を送り込むローゼンハン実験が印象に残った。

    0
    2023年01月25日
  • 魔王の島

    Posted by ブクログ

    ネジ式ザゼツキーあたりの御手洗潔シリーズが好きな人に刺さるかも。
    めちゃくちゃな展開(ミステリ的に)も、最終盤までそこかしこで感じる色々な引っかかりも、全てが結末に収斂され腑に落ちてとても良かった。

    0
    2023年01月07日
  • スタンフォードの教授が教える 職場のアホと戦わない技術

    Posted by ブクログ

    アホからは逃げるが勝ち。アホの周りにはアホが集まるだけでなく、アホになるらしい。
    アホを集めてアホだけで生活させるのが良いかもしれませんね。

    0
    2022年12月28日
  • 魔王の島

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ずっと不穏な違和感はあって、それが何なのか真相を知りたくて、あっという間に読み終えました!何重にもなっている構造がとても面白かった。

    0
    2022年12月18日
  • 姉妹殺し

    Posted by ブクログ

    1993年美人姉妹の女子大生が惨殺された。ラングという作家の書く作品内と似た設定で殺されており、姉妹とラングの交流があったと分かる。ラングが殺したのか・・・25年後、ラングの妻が殺される。毒蛇にかまれて。

    面白かった!分厚くても全然飽きない。謎が解かれる快感をストレートに味わえた。シリーズものだけれど、前作読んでなくても大丈夫。

    0
    2022年06月30日
  • 姉妹殺し

    Posted by ブクログ

    凄いと思った。700ページ近い量もだが、25年にまで遡るセルヴァズの来歴が事細かに綴られている。同時に当時の警察官の取調べの様子から今に至るまでの時の流れをセルヴァズと共に味わっていく様だった。登場人物の作家の作品にクスリとさせられもした。

    0
    2022年06月21日
  • 姉妹殺し

    Posted by ブクログ

    「セルヴァズ」シリーズ第5弾。今作は25年前セルヴァズが新人だった頃の事件から幕が開ける。大学生の姉妹が殺害され容疑者は人気小説家。シリーズのどの作品もそうだけれどすぐに引き込まれていく。25年後に起きた似たような事件。その関連とセルヴァズが感じる不安。ジリジリと追い詰められていくような焦りと緊張感がある。700ページ近くあるけれどその長さを感じさせない。事件のラストの展開やエピローグで明かされることやシリーズの今後が気になる。

    0
    2022年05月10日
  • 姉妹殺し

    Posted by ブクログ

     セルヴァズ警部、と呼び掛けられると、前作で降格させられた経緯があるので、「警部補です」と敢えて答える主人公が、本作ではとにかく目につくし、それもまたなかなかの味である。銃をあまり持たないセルヴァズ。射撃にとんと自信がないからである。そんな主人公の警察シリーズで良いのか? と読者が心配してしまうタイプの警察官が主人公なのだ。

     好敵手は、かのハンニバル・レクターに比肩されるほど怖い、サイコ過ぎる元検事の殺人鬼ジュリアン・ハルトマン。この怖い元検事の殺人鬼が出演しないストーリーであれ、セズヴァズの夢には必ず出てきたりするくらい、シリーズ中、圧倒的存在感を誇る。前作ではハルトマンとの一部直接対決

    0
    2022年05月07日
  • 姉妹殺し

    Posted by ブクログ

    ベルナール・ミニエ『姉妹殺し』ハーパーBOOKS。

    セルヴァズ警部シリーズ第5作。『夜』に続き再び全仏ベストセラー1位を獲得したようだ。

    もしかして、今回もまた連続殺人鬼ジュリアン・ハルトマンが関わって来るのだろうか。

    25年の時を経て2つの事件がつながり、予想外の結末へと向かう警察ミステリー小説。ベルナール・ミニエという作家は兎に角あの手この手で読者を翻弄するのが巧い。今回も先の見えない展開と意外な真相、セルヴァズを何度も襲う危機、感動のラストに感情を揺さぶられた。

    1988年。16歳の姉のアンブルと15歳のアリスの姉妹は大ファンのミステリー作家に会うために真夜中の暗い森の中を歩く…

    0
    2022年04月29日
  • 魔女の組曲 下

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    驚いた! 傑作だった!

    過去2作品を読んで、なんとなく予感はあったけれど、それでもここまで化けるとは思わなかった。

    ただ長〜い!(1作目の様にダラダラはしていないが…)。 
    つ〜か、二人の主要人物が出会うまでが時間かかり過ぎて、もどかしいったらありゃしない。
    勿論、それも演出なんだろうけど、その辺の焦らせ方も『ONE PIECE』ばりで、早く!早く!とイライラしながらも頁が進む趣向だった。

    途中、これちょっと収集つかなくなって、最後は無理矢理の力技で終わるんじゃ…と心配したんだけど結末はスッキリ。
    堅物ぽかったシリーズの主人公も今回は結末にあたり粋と言えなくもない融通を効かせて、個人的に

    0
    2021年08月15日
  • 死者の雨 下

    Posted by ブクログ

     前作はピレネー山脈との国境の街を風雪の季節を背景に描いたものだが、本書ではトゥールーズの近くの架空の町マルサックを背景にし、全編よく降る雨の季節と、前作とは雰囲気を変えている。タイトルとは全く無関係な邦題が選ばれたのも、本書中で絶え間ないほどに降り続く雨と、その奥で起こった犯罪の姿を想起させるべく、訳者と版元とで決められたものに違いない。

     原題はフランス語で「ル・セルクル」、英語に直せば『ザ・サークル』で、作中、いつこのタイトルが姿を現わすのかとやきもきさせられるが、読み進むにつれ、そのタイトルの意味は明らかになる。全作同様に過去に何が起きたのか? が現在何が起こっているのか? という疑

    0
    2020年12月16日
  • 死者の雨 上

    Posted by ブクログ

     前作はピレネー山脈との国境の街を風雪の季節を背景に描いたものだが、本書ではトゥールーズの近くの架空の町マルサックを背景にし、全編よく降る雨の季節と、前作とは雰囲気を変えている。タイトルとは全く無関係な邦題が選ばれたのも、本書中で絶え間ないほどに降り続く雨と、その奥で起こった犯罪の姿を想起させるべく、訳者と版元とで決められたものに違いない。

     原題はフランス語で「ル・セルクル」、英語に直せば『ザ・サークル』で、作中、いつこのタイトルが姿を現わすのかとやきもきさせられるが、読み進むにつれ、そのタイトルの意味は明らかになる。全作同様に過去に何が起きたのか? が現在何が起こっているのか? という疑

    0
    2020年12月16日
  • 魔女の組曲 下

    Posted by ブクログ

     セルヴァズ警部シリーズ第三作ということだが、前二作が未読でも楽しめる、とのお墨付き作品。並みいるレビュワーらも一押し。そうした傑作の予感に押され、本書を開く。結果、評判は嘘ではなかった。ページを開いた途端、その瞬間から、物語の面白さに、ぼくは捕まってしまった。

     期待のセルヴァズ警部は、何と心を病んで療養休職中。彼の元に届けられる荷物も、こわごわと紐解く警部だったが、送られてきたのは高級ホテルのカードキー。その客室は、何と一年前に女性写真家が凄惨な自殺を遂げた現場であった。セルヴァズ警部は、休職中の身でありながら、事件の謎の深みに魅せられたかのように身を乗り出す。

     一方のゲスト主人公は

    0
    2020年03月10日
  • 魔女の組曲 上

    Posted by ブクログ

     セルヴァズ警部シリーズ第三作ということだが、前二作が未読でも楽しめる、とのお墨付き作品。並みいるレビュワーらも一押し。そうした傑作の予感に押され、本書を開く。結果、評判は嘘ではなかった。ページを開いた途端、その瞬間から、物語の面白さに、ぼくは捕まってしまった。

     期待のセルヴァズ警部は、何と心を病んで療養休職中。彼の元に届けられる荷物も、こわごわと紐解く警部だったが、送られてきたのは高級ホテルのカードキー。その客室は、何と一年前に女性写真家が凄惨な自殺を遂げた現場であった。セルヴァズ警部は、休職中の身でありながら、事件の謎の深みに魅せられたかのように身を乗り出す。

     一方のゲスト主人公は

    0
    2020年03月10日
  • 無垢なる者たちの煉獄 下

    Posted by ブクログ

    カリーヌ・ジエベル『無垢なる者たちの煉獄 下』竹書房文庫。

    下巻。いよいよサイコパスとしての本性を現した獣医サンドラの夫パトリック。シリアルキラーと強盗犯の息詰まる攻防。強盗犯ラファエルと弟ウィリアム、囚われたオレリーとジェシカ二人の少女の運命や如何に……

    極悪非道、最凶最悪のサイコパス……

    二転三転の息をも付かせぬ展開に、ある程度は予想していたものの終盤のあっと驚く怒濤の展開。そして、何よりも結末が良い。男らしく、潔い結末……

    竹書房文庫はたまに当りがあるので油断出来ない。何しろキャロル・オコンネルの『マロリー・シリーズ』を世に出したのは竹書房文庫なのだから。最近ではハリー・ファージ

    0
    2019年03月12日
  • 無垢なる者たちの煉獄 上

    Posted by ブクログ

    カリーヌ・ジエベル『無垢なる者たちの煉獄 上』竹書房文庫。

    上巻は上々の滑り出し。なかなか面白い設定のサスペンス・ミステリー小説である。サイコパスでシリアルキラーのパトリックに比べたら強盗犯など生温い。

    14年の刑期を終えたラファエルは弟ウィリアム、刑務所仲間のフレッド、クリステルと宝石強盗を決行。3千万ユーロものの宝石を手にしたが、警官隊との銃撃戦によりウィリアムが負傷し、夫の帰りを待つ獣医サンドラの古びた屋敷に逃げ込む。ところが、サンドラの夫パトリックの正体はシリアルキラーだった……

    ラファエルの焦燥とシリアルキラーが獲物を狙う描写が交互に描かれ、ジリジリした展開が続く。強盗犯対シリ

    0
    2019年03月11日
  • スタンフォードの教授が教える 職場のアホと戦わない技術

    Posted by ブクログ

    スタンフォードの教授が教える 職場のアホと戦わない技術。ロバート・I・サットン先生の著書。アメリカの一流大学であるスタンフォード大学の教授が伝授するアホと戦わない技術。無視する、相手にしない、かかわらずに逃げる、逃亡するというのが基本。でも、逃げきれなくて嫌でもかかわらなくてはならないこともあるから現実世界は難しいのかも。

    1
    2018年09月28日
  • 魔王の島

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    人生って、ときにはその人にふさわしくないこともあるから
    118ページ
    なかなか面白い表現だと感心したものだが。

    面白い!この話。でも、猫好き、ドイツ好きな人には思い切り嫌な話だからご注意。最後まで読めば良かった、になるけれど。

    思い切りネタバレなうえに書き殴りなので、ご了承ください



    はじまりは2019年現在の大学の講義。1949年の事件と1986年の出来事が交互に語られ、物語の真相に迫っていくと思いきや。
    中盤くらいでなんだありきたりの実験かい、と一気に詰まらなくなった、と感じたのだが、その後また怒涛の展開に。
    胸糞悪い。
    10人の罪なき子供が殺されても、あ、そうなのへー、だけれど罪

    0
    2025年11月27日
  • 魔王の島

    Posted by ブクログ

    「もっと近くにおいで。
    そうすれば楽になれるから……。」

    ある女性が、死亡した祖母の遺品整理のために、ノルマンディ沖にある島を訪れる。
    そこにあったのは「魔王」の痕跡……。

    物語はホラー小説のように始まる。
    ところが、別の章が始まると事態は一変し、読者を驚かす。
    最後の章まで、先の見えない物語。

    不条理こそ恐怖
    虚妄こそ逃避

    人の心こそ、出口のない迷路。

    0
    2025年11月09日