坂田雪子のレビュー一覧

  • 魔女の檻

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    ネタバレ

    「魔王の島」を読んでいなければ、つまり作品への先入観を持たなければもっと楽しめただろうなとは思う。まーた作中作めいた実在しない物語かあ。
    謎には答えが示され、きちんとオチてはいるし納得もできるのだが、ヴァンサンやシビルといった「架空の」人物の一人称視点がある点だけはアンフェアなように思う。まさかカミーユの読んだ報告メモが小説体系で書かれていたはずもなかろうし。

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    2025年07月12日
  • 魔王の島

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    祖母の訃報を受けてわけありの孤島に向かった女性の話と、祖母の若い頃に何が起こったかが交互に語られる第一部。そこから一転して、何が真実なのか警察が探り始める第二部、そして…
    読み終わって振り返ると、ミステリとしては何じゃこりゃと思うが、真相はなかなか心に刺さったし、読んでいる間は全体を流れる不穏な雰囲気や何度もひっくり返る現実が面白かった。”心の避難所”がすごい。
    しかしグロい描写が多いし、読む人を選びそうな作品だと思う。

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    2025年06月20日
  • 魔女の檻

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    ネタバレ

    かつて、魔女だと糾弾された女性達が殺された山。その麓に、実業家が私財を投じて作り、管理する小さな村があった。そこの警察に、新しく署長のジュリアンが赴任。平和な村だと聞いていたのに、立て続けに死亡事件が起こる。ジュリアンと部下たちは解決のために奔走するが、その部下たちも‥。

    村人や、ジュリアンの部下たちの死に様がコワイ。みな、聞こえるはずのない声を聞いていた。殺された魔女たちの呪い??と、見せかけて、驚天動地の仕掛けが明かされる。全ては実業家が、脳の病気の娘を治すために仕組んだ、壮大な劇場だったのだ。現代の医科学であんなことが可能なのか?は置いといて、愛する娘のためとはいえ、この実業家の情熱は

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    2025年06月12日
  • 魔女の檻

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    前作『魔王の島』が突っ込みどころ満載の作品で、なかなか面白かったので手に取ってみました。この作品のほうがミステリー度は高いと思います。小さな村で次々と起こる不可解な死。どう収束させるのかと思って読んでいたら、予想を超えた結末でした。

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    2025年05月17日
  • 魔王の島

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    ネタバレ

    じわじわとしたホラー感を楽しみつつ年号にも気を付け(年号のない段にも気を付け)、急に不条理な展開になったな? と思ったら合理的な説明をつけて一旦納得させておいて……とまあ忙しいお話。「筋の通らない部分のある話を聞かされる話」自体は筋が通っているものだから、まあしっかりと騙されかけた。いくらなんでも都合がよすぎる気がする上に生きていたならどうしてその後何の音沙汰も、と思ったところで最後のオチ。映画「ライフ・オブ・パイ」や何か他作品を思い出す気がするのだが、さてあの作品の名前は何だったか。そもそも本当にそんな作品があったろうか。ドグラ・マグラではないと思うのだが。

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    2025年05月01日
  • 魔女の檻

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    ミステリーはあまり読まないので、ミステリーとしてのレベルはわからないが、結末はかなり予想外。
    現在の科学では実現できないオチというのは、SF好きの立場では違和感がない。純粋ミステリーとしては邪道かもしれないが
    楽しめる。

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    2025年03月25日
  • スタンフォードの教授が教える 職場のアホと戦わない技術

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    まさに今読みたかった内容。綺麗な精神論ではなく、研究の結果AよりもBの対応の方がストレスが少なくなった…という書き口なので抵抗なく読める。

    まずどのような一流の環境でもアホはい得るという説明に少しがっかりするけれど、事実なのだと思う。物理的回避の実例には勇気づけられるし、「相手が下を行くなら自分は上を行く」というオバマの言葉も良い。1年後には確実に忘れていることを考えること、復讐の間は人の傷口は乾くことがない、戦うなら複数人…などアホからのサバイブについて実例や研究結果を基にさまざまな視点から書かれていて、今後も頭に残る本だった

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    2025年02月04日
  • 魔女の檻

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    雪山・魔女狩り伝説・殺人→フランスらしいダークなミステリー小説
    期待を裏切りません
    村の人間の大量殺人がどのように起きたのか、どのような背景があったのかを現在と過去を行ったり来たりして読ませるスタイル
    こうだろうと謎解きをしたが、うまく予想をずらしてくれる
    いい作品です

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    2025年01月19日
  • 魔女の檻

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    タイトル!絶妙!

    真相の好みは分かれると思いますが、悔しいほどに説明がついてしまう。どうして、なんで?!と引き込んでおいてからの、真相。えーって、でも、全てのことの説明がつく。

    魔王の島も良かったけど、こちらもとても楽しめました。

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    2025年01月06日
  • 魔女の檻

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    かつて魔女裁判が行われていた村で起こった事件… 人間の醜さと情念を禍々しく描くミステリ #魔女の檻

    ■あらすじ
    かつて魔女裁判が行われていたとされる村に、新任の警察署長ジュリアンが赴任されてきた。到着してまもなく青年が死亡する事件が発生、さらにその後も住人達が不幸な出来事に見舞われていく。

    警察の部下たちと一緒に事件解決に奔走するも、幽霊、幻聴、謎の言葉が聞こえるなど、不可思議な現象に吞み込まれてしまう。この村では一体何が起こっているのか…

    ■きっと読みたくなるレビュー
    序盤から不穏な空気に包まれるこの感じ、なんか怖いんですけど…

    舞台はかつて魔女と間違われた女性たちが多数殺害された村

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    2024年12月21日
  • 姉妹殺し

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    厚本好きの僕には688ページの本書はそれだけで☆2つ。初めて読んだが刑事セルヴァズシリーズの5冊目とのこと。過去の事件と現在の事件が絡み合うありがちなストーリー。セルヴァズの信じられない行動により事件は解決するが後味は悪かった。シリーズ最新刊の『黒い谷』がまたもや厚本(682ページ)で買うかどうか悩んでしまう。
    シリーズを読んでいない読者には知らない人物が説明なく登場し話の流れに水をさしていた。

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    2024年12月22日
  • 魔王の島

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    ネタバレ

    評判通りの名作だ。とはいえ、ネタバレなしでは紹介が非常に難しい。
    というのも、紹介文にあるような「魔王の島」というのは(作品内の)現実ではないから。
    キーワードは「心の避難所」。
    衝撃体験から逃れるために人間は心に避難所をつくるのだが、その避難所をつくるという精神的治療の行為すらも物語に織り込んだ避難所の構築が、本作で展開される「事件」だった。これが真相。

    似たような印象を受けた日本作品として
    貫井徳郎「慟哭」
    乾緑郎「完全なる首長竜の日」
    山田正紀「ミステリ・オペラ 宿命城殺人事件」
    が思い浮かんだ。

    エンタメとして申し分なし。

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    2024年12月13日
  • 魔女の檻

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    魔王の島と同じ作者で、身構えて読んだが、全く違ってた。ミステリと言うよりはホラーサスペンスのようでモノクロの映画を観てるかの様だった。この前読んだミゼレーレと言い、フランスのおどろおどろしいのを続けて読むとは思わなかった。

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    2024年11月09日
  • スタンフォードの教授が教える 職場のアホと戦わない技術

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    キャッチーすぎる他責的なタイトルを、いい意味で裏切る良い本だった。これは悩んだときにマジで役立つ本だ。

    私も自分がアホなことしたときは真摯に受け止めなきゃ。あの時、あのアホの太鼓持ちになっちゃってたかもなあ。自分への反省点もいろいろあった。

    以下、印象的な内容。
    『他人のアホ認定は慎重に。自分のアホ認定は率直に』
    『アホからは逃げるに限る。』
    『逃げるときはくれぐれも穏便に』
    『逆上されたときこそ、反応しない』
    『自分のアホさに人は気づきにくい』
     つまり自分がアホになってないか、気をつけたほうがいいってこと

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    2024年11月07日
  • 姉妹殺し

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    とても読みやす海外ミステリー
    ボリュームのあるページ数どけど、けっこう一気に読めるくらい内容は面白かった
    シリーズものらしいから他も読んでみたいかな。
    セクシャルシーンがあるから苦手な人は無料~ってなるかも

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    2024年10月23日
  • 魔女の檻

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    前作に続いて今回も驚きと予想外の展開が二重三重と続きます。魔王の島読んでたから身構えてた分、衝撃は前作ほどではなかったですが。
    現代版、フランス版の『ドグラマグラ』みたいな作品ですね。著者は『ドグラマグラ』の存在知ってるんだろうか?

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    2024年10月19日
  • 姉妹殺し

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    ネタバレ

    さすがの文章の美しさだし、セルヴァズの過去なども丁寧に描かれている。ああ、昔からこうなんだ、とくすっとしたり、お父さんとの確執にも一旦区切りがついてしんみりしたり、物語としては豊かだし中身は濃厚。 

    シリーズ大ファンとしては満足なのだが、すこし物足りなさも。なんでだろう?

    死体の数は多いけど、シリーズ特有の残酷さがあまりなかったからだろうか?それともあの人の不存在?
    それもきっとあるんだけど。
    多分、丁寧に過去を描いて掘り下げ、過去と現在のクロスする事件などをなぞって進んだ結果、現在のメンバーがあまり登場しなかったから、かなあと思い至る。

    マルゴも電話でちらり、エスペランデューやサミラも

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    2024年08月30日
  • 魔王の島

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    ネタバレ

    ・あらすじ
    田舎町で新聞記者をしているサンドリーヌは一度も会ったことの無い祖母の訃報を受ける。
    祖母が暮らしていたのはノルマンディー付近にある孤島。
    その島は世界大戦中はドイツ兵の拠点になっていた島だった。
    なぜ祖母はその島から出てこなかったのか、島で起こった凄惨な事件が示す新事実とは?

    ・感想
    なるほど…こういう展開になるのかー。面白かった。
    続きが気になりすぎて1日で読み切ってしまった!

    1部のサンドリーヌ側の描写は現実味がなく曖昧、読者を不安にさせる描写が続くので何となくこれは夢の中の出来事なのかな?と検討はつく。
    そして2部になって地に足ついた現実世界の話かと思いきや…。
    ダミアン

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    2024年08月18日
  • 死者の雨 上

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    フランスのミステリー。マルタン・セルヴァズ警部シリーズの2作目。
    セルヴァズに20年ぶりに昔の恋人からかかってきた電話は、息子のユーゴを助けて欲しいというものだった。高校教師が縛られ浴槽に沈められて殺された事件で、ユーゴは酒と薬物で朦朧としているところを逮捕された。状況証拠はユーゴの犯行を示しているが、セルヴァズは違和感を感じる。事件現場でかかっていたマーラーのCDは、1年半前の事件で脱獄したハルトマンの犯行を表しているのか。

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    2024年06月23日
  • 忘却の河 下

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    司望は南明高校の入学式に向かう。地下鉄の駅からはバスに乗らないといけないが、今は道の工事のために走っていない。歩いていては入学式に遅れそうだ。白タクがいて乗ったらどうかと誘っている。躊躇していた司望に、一緒に乗りましょうと誘た女性がいた。南明高校に行くのなら自分もそうだからという。タクシーに乗ってから南明高校の教師だと名乗った。欧陽小枝だ。記憶にある女性だ。前世の記憶を持った者のお話。登場人物が多くて途中で錯綜してきそうだが、読んでいるうちに分かって来た。前世と今世を繋いだ記憶は現世にどのような影響を及ぼすのか…。

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    2024年04月17日