平松類のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
AIの機能解説は他本に譲るとして、本書では「AIをどう考えるか。どう捉えるか」に言及している点が面白い。
これからの未来、AIが社会実装にされる際、今の生活がどう変わっていくのかを想像するのは本当に難しい。
そういう意味ではAIの機能も含めて、特長を掴む必要はある。
しかしその解説は非常に難しいので、そこは割り切って他本に譲り、ここはAIが今後実装された場合に、我々側がどうやって対処すればよいかにフォーカスされている。
逆の意味では「AIに対し上手に対処ができないと、生きていくのは大変だよ」という警告でもあるのだ。
タイトルこそ「老人が」となっているが、これは全世代に該当するだろうと思った。
若い人は「適応力があるから意識しないで大丈夫」と思われがちだ。本当にそうだろうか。
私は本書を読んで、逆に若い世代も含めてどの世代においても注意が必要と感じてしまった。
本書は「新しい思考法」の提案をしてくれている。
世代関係なく、この思考法、発想法に身に付けない限り、今後生きていくのは不便なのではないかということだ。
我々のようにこれから老人に向かっていく世代は、今までの社会と異なる未来の変化にものすごく戸惑うだろう。
本書でも記載の通り、二極化の加速は免れない。
これはAIに限らず、様々な社会の仕組みが二極化を引き起こしているので、原因が一つではない点でも話を更に複雑化させている。
若い世代も結局はこの社会の仕組みに組み込まれている以上、そこを上手く乗り切れる人は上位に入れるかもしれないが、若年層でも着いて行けずにこぼれ落ちる人が必ずいると思ったのだ。
「変化に適応」ということでなく、「難しい社会に着いていけない」という人が、少なくない一定人数で出てくると思ったのだ。
私は逆にこちらの方が問題のような気がしている。
若者は確かに適応力があるので、変化があれば対応できるかもしれない。
上手にスマホを操っているのもその現象なのかもしれないが、中には「生まれた時からあるから使えているだけ」という人も多いだろう。
つまり、今後の変化に適用できるかどうかは未知数ということだ。
本書を読めば本質に気が付くかもしれないが、「AIを知れば知るほど、自分がしっかりしないといけない」ということに帰結する。
これは、AIが人間の作業を完全に置き換えることにならない点を見ても明らかだ。
確かに人間よりもAIの方が得意なことはある。
一方でAIでは到底人間に追い付けないこともある。
これは高度な部分でもAIと人間の差があったり、「え?こんなこと」と言うくらいものすごく小さな部分でも差があったりするのだ。
本書でも例が出ているが、ちょっとした想定外のことがあると、過去データから分析して対応しているAIにとっては対処が難しくなる。
「たまにAIは突拍子もない答えを出す」というのも、AIの特徴だったりする。
一方で、当たり前のことではあるが、計算能力などは人間がAIに敵う訳がない。
AIは所詮計算機である以上、答えはあくまでも計算で出したものであって、AIの感情や意識が表出されたものではない。
しかも複雑な計算であればあるほどその途中過程は全く見えない訳なので、答えだけ見てもどうしてその回答になったのか知りようもない。
AIがあなたのことを慮って答えを出すことはあり得ないし、「AIがこの方が良いと思う」という意見もない。
単に計算上出た答えであるという状況の中で、どこまでAIを信じて、どこまで信じないのか。
それは「あなた自身がしっかりしてくださいね」という身も蓋もない話になっていくということなのだ。
「このAIは90%の信頼度があります。そのAIがこの答えは90%の確率で『A』が正しいと言っています」
こんなことを言われていく中で、我々は「Aかそれ以外か」の選択を常に迫られていくのだ。
案外とAIは役に立たないのかもしれない。
一方で技術の進化はすさまじく、AIは我々の知らぬ間に益々社会に実装されていく。
確かに日常生活は便利になるだろう。
日常生活の中で、「Aかそれ以外か」究極の選択を迫られるケースも少ないだろうから、それで案外不便ではない訳だ。
そういう意味ではどんどん自動化される社会は便利になる一方で、人間が考えなくなるという警笛も本書では鳴らしている。
「オートマ免許とマニュアル免許の車の話」は例として秀逸だと思った。
確かに医者がこのような状況になっていくのはものすごく想像できる。
改めてAIで医療は進化するかもしれないが、どの人間の医者を信じればよいかは結局自分次第だ。
今でも天気予報で雨の確率50%と言われ、傘を持つ人もいれば、持たない人もいる。
それで濡れて帰ることになって、憤る人もいれば、諦める人もいる。
そういう社会が益々加速されていくということなのだ。
これはこれで何だか疲れそうだし、風情とはかけ離れた世界だ。
よく考えれば天気だって、その日の風や空の様子を感じれば、何となくのことは予想が出来るはずなのだ。
「90%の確率でAです」よりも、あなたの直感がBと予測している時にあなたはどうするのか。
「あなた自身がしっかりしてくださいね」
AI社会は益々人間力が試されていくということか。
これは心して係らないといけない。
老人に限らずすべての人間に試されていくということなのだ。
(2022/8/27) -
Posted by ブクログ
いくら高給とはいえ医師も人間ですので、患者も礼節をわきまえて接する必要があります。
患者側としては若いころは治る病が多いのであまり意識していないですが、年と共に治らないもの、重いものが増えてきてしまいます。はじめての事態にどうしていいか戸惑いもあるとおもいます。医師側は常日頃の対応であっても、患者側は初めてなのです。
そういった意味で、この本を一読することはとても意味があります。
最後のほうが特にためになりました。
位置No.2463
安楽死とは、医者などが薬を使って死期を早めるという行為です。日本では原則として、安楽死は認められていません。
尊厳死というのは、治らない病気にかかった時、本人の意思によって延命治療を積極的に行わないということです。
ちなみに安楽死も尊厳死も、本人の意思なく行うのは禁止されています。また、治る病気なのに延命をしないのもダメです。
位置No.2455
最期を迎えそうであり、容態が急変すると、救急車を呼んで治療を受けたくなります。ただし、単に救急車を呼んで治療を受けると、無言で「私は最大限の医療を受けたい」と言っているのと同じになります。そのために点滴であれ、呼吸器であれ最大の治療を受けることになります。 -
Posted by ブクログ
眼科医の方が書かれた一般向けの取扱説明書ということですが、著者の方も敢えて最初に眼科医であることを明記し、その上で眼科に様々なステージの認知症患者が来ること(そして視力も認知機能に大きく関わっていること)、認知症専門でないからこそ文献をたくさん読んで記載しているとしており、実際に引用も多数で内容も納得感がありました。監修もついているし平易に全般的に記載されていてすぐ読める点や具体的に対策しやすいことも書いてありよかったです。
将来的には離れたところに住んでいる親を呼び寄せての介護を想定していましたが、急激な環境の変化としないようにまずは冬の間だけ、など段階的にするということも案として書いてあってなるほどと思いました。ロスジェネ&ゆとりの狭間世代なんですが、子供の教育問題と親の介護問題がのしかかりそうな40代を思うと少し心が重いです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ面白いコンセプトの本だった。
老化現象なのか、誰にでも起きることなのか、自分だけなのか、そんな疑問の答えをくれた。
個人的にやってみようと思ったのがこれ。
■夜中に目が覚めない方法
①就寝15分くらい前にソファなどで5分間横になってからトイレに行く。
下半身にたまりやすくなる水分や老廃物が上半身に流れて尿意が起きるため。
②エアコンのタイマーは3時間にセットする
■トイレに行く回数が増えた
早め早めのトイレタイム習慣が、トイレに行く回数を増やしている。
十分まだ余裕があるはずなのに、早くいくとそのタイミングがベストだと脳が判断して、尿意を早く伝えてしまうため
■いろんなことに不満を持っていると、次に起こることにも不満を抱きやすい
不満よりも感謝に転換して笑顔になる回数を増やそう -
Posted by ブクログ
ネタバレ誰もがいずれは歳をとって“老人”となる。
だから、老人の存在を否定するものではないが、高齢者の割合が大きくなりすぎた今のこの国で、様々な問題が起こっているのも確かだ。
情報番組で専門家が、老人問題について呼ばれて解説している。
この本の作者も、たびたび呼ばれるようだ。
私たちも興味を持って、メディアからの情報に当たるのだが、時間が経つと忘れがち。
この本には、それが分かりやすくまとめられている。
老人の行動の原因を解説し、どう接したらいいのか提案し、これから老人になる人たちには、どうしたら“困った老人”になるリスクを減らせるか提案している。
身近にある、“老人に優しくない制度(制度?)”をちょっと直したらいいのでは?という提案も。
信号機を見やすくする、渡れる時間をもっと工夫するなど、もしかしたらすぐに出来ることかも知れない。
年老いた親に困っている人たち、年老いたお客の対応に困っている店員さんたちにも、是非一読をお勧めしたい。
ちなみに、完璧に高齢者を扱っているのは、『詐欺師』だそう。
びっくりだ!!
詐欺師に負けてはならない。