ルトガー・ブレグマンのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
現代人はどうしたらもっと働かなくなるのか。
最近本気で考えていることです。
そんなときにちょうど積読されていた本書を開き、著者の力強いストレートな文章を読んで、ひたすらうなづくことばかりでした。
個人的にベーシックインカムはあった方が良いと思ってますが、受け取る側の意識の変化も大切だと感じます。
ただ「お金がもらえるラッキー」と思うだけでは世の中は変わらない。
デヴィット・グレーバーが言う「クソどうでもいい仕事(ブルシットジョブ)」が、なかなか無くならない現実。
これ以上働き続けたら、地球がもたないというのに。
それに加担している自分も自分。
そんな世の中で、「とんでもない存在」は何を考えるのか。
問われるのは世界を観る想像力ですね -
Posted by ブクログ
この下巻では、上巻で、人間が本来性善であるという証明を試みたものを、今の社会が利己的・性悪説に立ったシステムの中で、本来的な性善を取り戻し社会に拡めるにはどうしたらよいか書いている。
同じ主観をもつ共感よりも、私の主観的な視点からの思いやりを持とう。
対立には、会話、質問による交流が時間がかかるが一番効果的。
遊びこそ自由への希求と自由を利他として使えるようになる行動。
権力者は利己的でないとなれないか、権力を持った途端利己的になる。そのための権力の譲渡が必要。
この本で学んだことは、
・シニカルな見方ではなく、性善説に立ったうえでの理性と現実直視からなる思考と行動をせよ。
→シニカルな見方は頭良さそうに見えるけど、自分を卑下したりプレッシャーをかけすぎることにつながる。現実的であるとは、観察の結果の合理的思考であり、冷笑的にみたり悲観的にみたりすることではない。
・他人は私がどのように扱ったかで変わる。
→優しくした、目をかけたという意図ではなく、どのような存在とみなしたうえで接したかが返って来る。ピグマリオン効果とゴーレム効果。プラセボとノセボ効果。 -
Posted by ブクログ
上巻に続き、ヒトの良い面についての耳障りが良く信じたくなるお話。根拠はないがこれまでの経験則として耳障り良い話の後はヤバい未来が待っていることが多い。著者が求めるバキバキリベラルで社会保障天国な世界を作る目的から逆算された主張に読者を誘導してるようにも見える。
いっぽうで日々の生活の中で、コンビニの外国人店員、通勤電車で隣に座ってる人などよく知らないという理由でうっすら怖いと思ってしまうが、実はみんないいヤツと思うことにするだけで世の中が少し良くなりそう。体制やビジネスの仕組みはこのままでも普段接触の少ない人にも思いやりを持って接する必要があると感じた。 -
Posted by ブクログ
おわりに書いてある日本語版編集部の情報によると、英語版の原題はUtopia for Realistsということで「現実主義者のためのユートピア」だったものを、日本語版では著者と相談して「隷属なき道」にしたとのことです。もちろんこれはハイエクの「隷属への道」を意識しているのですが、その心は、シンギュラリティの到来によってAIが人間を上回る日が来る。AIとの競争には勝てない。そのときに人間が生きていくために、つまりAIに隷属しないためにもユニバーサル・ベーシックインカム(国民全員に無条件で一定金額を支給する仕組み。何の資格も審査もない)を導入すべきだということです。
ブレグマンの主張やベーシックインカムは可能性としてはあり得るとは思うのですが、それにしても彼がこの本で挙げている論拠はかなり偏っています。ベーシックインカムの導入を示唆するような研究結果を数字と共に紹介していますが、意図的に自分の主張を補強するような研究結果だけをチョイスしている結果です。それとは反対の結果を示唆する研究結果も同じくらい存在していますので、ベーシックインカムが正しいかどうかという以前に、その姿勢が良くないと思いました。心理学では追認バイアスと呼ばれる行為で、人間は自分の信念を補強するような情報を意図的に選別して頭の中に取り込み信念を補強する傾向が強いのですが、まさに著者自身が追認バイアスの罠にはまっている印象を受けました。
ただ10章のなかで、著者自身もこの問題を自己認識していて、自分の信念と異なる研究結果を見つけたときに、「自分の意見を変えるほどの観察力を持っているだろうか?そうする勇気があるだろうか?」と自問していたので、この箇所で著者に対して少し好感を持つことが出来ました。
しかし好感を持てたとしても、全般的には正直視野が狭い印象は受けました(主張のインパクトは非常に強いのですが視野の狭さを感じる)。主張全体が欧米的あるいはキリスト教的であって、仏教やヒンズー教などの多神教の世界観ではまったく違うとらえかたになると思います。そのような価値観も踏まえたうえで、なおユニバーサル・ベーシックインカムが最良のシナリオである、という主張をしてくれたら、傾聴に値するものになる気がしました。 -
Posted by ブクログ
世界的に豊かになり過ぎだ現代において最大の問題は、より良い暮らしを思い描けなくなっていること。
人間が幸福でいるためには、希望や冒険心や変化が必要。
貧困は、個人のIQを13ポイントも低下させる。
特に何かが欠乏(時間やお金)すると短期的な問題解決にばかり頭がいき、長期的な視野は完全に失われる。結果判断能力が鈍る。
判断能力が悪いから貧困に陥るわけではなく、貧困だから判断能力が鈍くなる。
不平等が大きくなりすぎると、裕福な人々も苦しむことになる。
3.11東日本大震災の時、各国のメディアは日本経済は最低最悪水準になると予想したが、現実は逆で復興経済により、翌年にはGDPが2%上がった。
日本に限らず、世界各地で災害や戦争があると、実は経済が上向きになる。
GDPの問題は、金銭価値しか測れないこと。無償のボランティア、家事、育児といった付加価値はGDPに含まれない。
精神疾患、肥満、汚染、犯罪はGDPの観点からは多ければ多いほどよい。一人当たりのGDPが最も高いアメリカが社会問題でも世界トップなことを見れば明白。
効率と生産性ばかり追っていると、教育と介護の真の価値が見えにくくなる。
幸福度を最大限にするには、生活に占める労働と消費の割合を減らすこと。
仕事が多過ぎて忙しいという愚痴の裏には、自分は重要で期待されていて必要とされている人物だという自慢が潜んでいることが問題。
長時間労働の国ほど、テレビの視聴時間も長い。
本物の余暇は堕落でも贅沢でもない。脳にビタミンを送り込むようなもの。
多くの人が有形の価値を生み出さないまま金儲けできるシステムが出来上がった。
特に価値の創造をしているわけではない、職業の方が高級取りなのが問題。銀行員、トレーダー、弁護士など。彼らは価値を創造するわけではなく、移転するだけ。管理職が多い国ほど、生産性と革新性が低い。
Twitter、Facebook、YouTubeなどが付加価値を生み出しているのかというと疑問。
便利になった反面、人々から膨大な時間を奪っている。テレビの代わりになっただけ。
生きていくために必要なコンテンツでないことだけは確か。
私達は本来必要な余暇を潰して、膨大な時間を奪うコンテツを無駄に増やし、そのために無駄な仕事や作業が増えていることにそろそろ気付くべき。
本書の題名は、AIに隷属するのではなく、人々が本当に意味のある人生を取り戻す道に期待をかけるということ。
そのためには、週15時間労働、ベーシックインカム、国境のない世界が必要と著者は述べる。夢物語のようだが、ほんの数十年前まで、奴隷制の廃止、女性参政権、同性婚。。いずれも主張する人は当時、狂人と見られていた。
偉大なアイディアは必ず社会を変える。 -
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ネタバレ人類は有史以来、生産性向上により労働時間を短縮させてきた。農業の始まりから18世紀頃までは大きな変化は見られないが、産業革命以降労働時間は段々と減っていっていた。そのまま減っていくかと思いきや、1980年代以降、減少トレンドは反転し、現在まで労働時間は減らずにむしろ増えてしまっている。このことに対してブレグマンは労働に関する調査から多くの人々が「意味のない仕事」をさせられていると感じていることを示す。また、こうした状況は高所得者により顕著に表れていて、高時給であるがゆえに「働かないことによる逸失コスト」を加味した行動をとってしまうと考えられている。このような状況を打破することはできないか、人々が本当に必要とされ、意義を感じられる仕事ができないか。そこでブレグマンはベーシックインカムによる現金給付こそが人々の行動を変えられるのではないかと説く。ベーシックインカムの議論は往々にして人間の負の側面に着目して、怠惰な人間が増え、社会が破綻してしまうのではないかと言われる。しかし、それに対してブレグマンはあらゆる地域で行われてきた過去の社会実験を再検証し、その実際の効果は非常に有効であることを示した。アメリカでも1960年代に導入が決まりかけていたという事実には驚いた。ベーシックインカムを得た人々は本当に自分にとって必要なものを選び取り、自分にとって最良の人生を歩む手段を手にすることができるのだ。
前回読んだ山口周さんの本に書かれていることが世界各国のさまざまな事例を元に描かれていた。資本主義が200年に渡って人類を大きく成長させ、飢えや貧困から多くの人々を救ってきたが、今後私たちはより平等に人生を謳歌できるような社会システムを気づいていく必要性を感じた。「それって本当に必要?」と思う事象は社会の至る所に存在するが、それらの「幻想によって必要だと思われるから作られたもの」ではなく「各自が本当に望むもの」を手に入れられる環境を作ることが大切だと思った。 -
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<目次>
プロローグ 未完のその先を求めて
C1ポール・グルーマン
C2トーマス・フリードマン
C3デビット・グレーバー
C4トーマス・セドラチェク
C5タイラー・コーエン
C6ルトー・ブレグマン
C7ビクター・マイヤー・ショーンベルガー
エピローグ 加速する世界の中で
P69(フリードマン)このフラットな世界では、だれもが自分
以外の人の状況を見ることができる。そして人間はおし なべて自分の全能力を発揮しHたいと思っている。
P172(ブレグマン)人生の意味とは何か、意味のある仕事 は、社会に何か価値を生みだすような仕事です。(略)
成長するのは、ヘルスケア、教育。
P178(ブレグマン)ホモサピエンスはホモルーデンスであり
遊ぶことこそ本質である。そこで物語をつくり、
文化をつくる。
P184(ショーンベルガー)自分で収集した情報を元に意思決定
をする。情報のひとつが価格である。
このシリーズお難点は、各人のストーリーの短さ。
倍~3倍くらいのボリュームがあればもっと深く
知れるのに。
富の際配分、→データーの再配分