ルトガー・ブレグマンのレビュー一覧
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ネタバレベーシックインカム、週15時間労働、国境の開放。過去最大に反映したユートピアだけど幸せを感じないのは何故か。より良い世界を思い描くことができないから。資本主義では現代の豊ぎょう?の地を維持できない。福祉はいらない、直接お金を与えればいい。福祉の複雑なシステムのコストを考えれば財源的にも実現不可能ではない。欠乏の心理。判断力が下がる。同じように貧困も個人のIQを13低下させる。ニクソンはベーシックインカム導入の直前まで行ってた。スピーナムランド制度の報告書問題。GDPが見逃している労働は身の回りに多く存在。お金が動かないとカウントされない。進歩による安価の計算もできない。クズネッツ。富の創造ではなく富の移動を目的とする仕事に優秀な人材がとられている。くだらない仕事が多い。国境を開くことで富は増大する。開発支援の効果はわからない。真実を見抜く1人の声が集団の幻想を覚ます。認知的不協和。集団が同じ答えだと自分の答えを言えない。1人でも別の答えがいると言える。ユートピア主義者になる勇気を備えた忍耐強い思索家が必要。おヴァートンの窓。負け犬の社会主義。常識に流されてはいけない。かつて、奴隷制度の廃止、女性の参政権、同性婚の容認を求めた人々は狂人とみなされていた。
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表紙では、ベーシックインカムの導入、一日3時間労働の主張が強調されているが、多数の統計・実証的研究に基づいている地に足の着いた本。貧困が人の長期的な視野・冷静な判断力を奪うという分析は衝撃的だった。
著者の支持するハイエクの新自由主義がどこまで正しいかはわからないが、福祉をやめベーシックインカムを平等に分配することが、むしろ自立につながる、という主張はよく理解できる。ベーシックインカム導入はともあれ、平等な負担で貧困を解消しないと、既得権益(?)を受けている高齢者の福祉制度を維持することも困難となり、共倒れになる。そこでま現状が来ていることを再認識させてくれる一冊。 -
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上巻からの続きです。上巻の際には過去に実際にあった実験の結果などを詳細に検証して、例えば捏造や恣意的なものを被験者に前もって伝えるなどで本来の実験があるべき条件で実施されていないために結論は無効である、つまりその試験は結論を導く以前に成立すらしていないと書いていた章がかなりありました。それらが世の中を席巻しているため性悪説が基本となっていると。
下巻ではどのように人は考えて行動すればよりよい世界になっていくのかということが、捏造なき試験や史実とともに考察されていきます。より良い世界とは私が下巻を通じてふわっと感じた感覚であって、実際に具体的に「良い世界」の定義は個人間で違うでしょうが。
16章テロリストとお茶を飲む は特に興味深い章でした。人は右の頬を打たれたら左の頬を差し出す事ができれば最終的には吉となる。それを個人間だけでなく地域や国の規模として出来ればもっと世の中は良い方向に進むのでしょう。
感想を書くのはとても難しいのですが、大半の人は親しい人には優しく、自分から遠くなるほど敵意を持ったり、または逆に無関心になるという事。外国人恐怖症や異民族浄化などはそのせいでしょう。そのような事をなくすためには対話、コミュニケーションがとても大事だということ。書いてしまえば、そんなの当たり前過ぎでて誰でも知ってるわと言われそうですが、大半の人は私も含めてそれがをするのが難しく、出来ていなのではないでしょうか。善い行いも悪い行いも水面の波紋のように連鎖していくものなので自分がよい行いをすることを積極的に人の前でやるという事も大事なようなのでポツポツと実行していこうかなと思います。
本書の中では今の経済や社会の仕組みなどにも多く言及していますが、そこを読むと今の世に絶望を感じてしまいました、残念ながら。 -
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表紙カバー裏にある「現代の社会が性悪説で設計されていることに疑念をもち、世界中を飛び回り、関係者に話を聞き、証拠を集め」た結果、巷に流布された性悪説に次々と否を唱えています。
で、各章で実際に人に信じられている「性悪説として事実とされている事象」がホントにそうなのか?を腕利きの刑事もしくは探偵さながら情報を集めまくって否を導き出してるのです。学者っていう人種の真実を知りたいという熱量(しつこさ)が感じられてそこがかなり面白い。深堀感半端ない。本質じゃないけど、よくそこまで探せたなという感嘆と、え?それ完全なる捏造という研究者がイッチャンやってはいけないことでは?が多くて私たち市民を簡単に騙してひどい話ばかりだった。(それを筆者は実はそうじゃないんだよと書いてます)。私たち真実を知らず、ショーもなーい研究者とかジャーナリストとかメディアに騙されてた?ショック。
個人的には性悪説を唱えることが独裁者や統治者にとって都合のいいように市民を扇動するためであるということ、本来は性善なはずの人間に性悪が芽生えたのは狩猟から農耕へ文化がかわったこと、悪の存在に立ち向かうには、コミュニケーション、対決、共感、抵抗これらの戦略を繰り返し繰り返し行うことで回避しうると書かれていた所は印象に残りました。
世界は悪いことばかりが起きている訳ではないのだとFACTFULNESSと全く同じことを書いてる所もあって同じ著者か?と確認してしまいました(勿論違った)。
全体的に過去に起こった史実や事件を深堀しつつ、人は本来は大半の人達が性善であるという事実を繰り返し私たちに突きつけてくる本です。どの章もかなり面白くって誰でも読み進められると思います。下巻も楽しみ。 -
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人間は元来は平和を好む友好的な生き物であり、通常、対立構造に置かれそうになっても、平和的手段で解決をしようと試みる。
ただ、そうした友好的な性質が故に、集団に対して抵抗するということがやや苦手であり、時として多元的無知と呼ばれる、誤った方向への暴走が見られる。
こうした暴走は、私有財産に端を発した階級社会の登場により、社会構造が歪められたことで発生しやすくなったと筆者は主張する。
これに対する対策として、共有地の設定があるが、長らくこの共有地は、共有地の悲劇と呼ばれ、全くうまくいかないという意見が当たり前であったが、その意見すらも、人は生来的に悪であるという思想からくるものであり、現実社会での共有地は、暴走者が現れれば排除されるように、エコシステムがうまく働き、機能している。
人は、他人から期待されたような人になると言われ、10歳、厳しく囚人を罰するアメリカの再犯率が高く、一方で尊厳を持って接せられるノルウェーでは低くなるという顕著な結果に表れている。
性悪説に立つことは、ネガティブな側面をあらかじめ予測する現実主義として、これまで褒め称えられてきたが、筆者はこれを冷笑主義として、好ましくないものとしている。
そうではなく、人は本来善であり、そうした行動を他人に期待することで、全ての人がより幸せな状態になる、これが一番のメッセージと受け取った。
悪い出来事ばかりを報道するニュースによって、我々のこうした見方は歪んでいるため、ニュースから適切な距離を置き、真の現実を見る現実主義者になりたいと思う。
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「人の本質は善である」との観点から、これからの社会について、希望を与えてくれる本です。
確かに、ある集団に対して偏見や嫌悪感を抱いていたとしても、実際に接したことがある人に対しては親愛の情を抱くのが人間の本質であることは、経験則上、理解できるところです。
個人的には、主として北欧の国で実施されている刑務所の改善と、南アフリカのネルソン・マンデラ大統領誕生に際しての双子の物語に感銘を受けました。
犯罪をする人は、社会に対する疎外感等でやり場のない怒りを抱えているケースが多いと思います。そのような人には、刑務所内での交流による人から尊重された経験が、更生に繋がる大いなる可能性を感じました。
我が国は解決すべき問題が山積みで、刑務所改革まで意識が向かないのが実際のところですが、あとは国民がどのような政治家を選択するかというところでしょうか。
「人の本質は善である」ことが人々の共有認識となり、よりよい方向へ社会が向かうことを祈りますし、自身もそのことを意識していこうと思います。 -
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「ベーシックインカムなんて幻想だ!」という幻想をどうやって私たちが抱かされてきたのか、という幻想解体新書として面白く読んだ。筆者のポジティブさには玄田侑士さん『希望のつくり方』に通じるものがある。できるかどうか、ではなく、どうやって実現させるか、そこが問題だと。
なるほど。
では、ベーシックインカムの金額はどう決めるんだろう?国境をなくすことが前提だから、全世界一律?
ベーシックインカムを導入したとして、解決されない介護、保育のニーズの問題は?
1日3時間労働に絶対ならないエッセンシャルワーカーの存在はどう考えるの?
うーん。
解除しなければならないバリアはいっぱいあるらしい。けれど、富の偏在ありきで発想して仕事を続けることに、ここ数年、本当に限界を感じている。椅子取りゲームの非倫理性にもうんざり。
けど、人口の3%が本気出すと社会は変わるらしい。
いつ変わるかは分からないけど、変える方に一票。
そう思える本だった。 -
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色んな視点があって面白い。
現代社会を憂えている点では一緒。
個人的には、フリードマン、グレーバー、ブレグマン、ショーンベルガーの思想にかなり共感を覚えた。それぞれの著書を読んで、より詳しく勉強しようと思う。
以下、個人的なメモ(ネタバレ?)
ポール・クルーグマン
富の集中は防がなければならない。
資本主義による経済不平等をどこまで是正するか。政治の話。
トーマス・フリードマン
「Average is Over」格差拡大で、平均的では不十分で、常に平均以上になることを志向しなければならない。
「creativity,collaboration,comunity,coding」が必須スキルになる。
加速化する時代に生き残るには「生涯学習者」になる能力が、最も重要。
デヴィッド・グレーバー
「Bullshit Jobs」意味のない仕事をしていると実感している人が多い。
仕事が社会に貢献している割合と、貰ってる報酬が逆相関になっている。
トーマス・セドラチェク
経済学の誤り。数字で計算出来るものだけを考えていること。
長期的な成長が前提であること。意思あるものが多くを取り、意志のないものは少なく取る傾向を前提にしていること。
タイラー・コーエン
中間層の凋落の原因は孤独。人と触れ合うコミュニティが減っている。
ルドガー・ブレグマン
歴史の中で何度もユートピアを現実となっている。奴隷制の廃止、民主主義、男女の権利平等、福祉国家の権利。
GDPの成長は必ずしも幸福を意味しない。この富をどう活用するか?
テレビの視聴時間が長いのは労働時間の長い国。本当に疲れてる時に余った時間を使えるのはテレビぐらい。
より多くの人がボランティア活動に従事し、子供やお年寄りの世話、作曲や芸術活動に携わるのは、労働時間が短い国。
働く時間を短くするべき=ベーシックインカム。
高給の仕事は、富を動かしているだけで、新しい価値はほとんど生み出さない。銀行業、シリコンバレー、管理職。
ビクター・マイヤー=ショーンベルガー
データ納税。
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オランダの若き歴史家ルトガー・ブルグマンがベーシックインカムと国境の廃止によるユートピアの実現を論じる。
すべての福祉を廃止し、国民全員一律にベーシックインカムとして年間約150万円の金額を支給しそれで生活させる。さらにすべての国境を廃止し、人、物、金が世界中に自由に行き来することができるようにする。これにより、世界の富が再配分され、ユートピアが訪れると説く。
本書は非常に説得力があり、読みやすい。もし、これが実現すれば本当に楽園が訪れるかもしれない。
筆者も現状ではこのような話は夢物語であるとは言っているが、200年前には奴隷制廃止や女性への参政権の付与などを論じれば狂人だと思われていた、この理論も将来的に見れば同じことになるだろうと予言している。
しかしながらベーシックインカムを実施するには元手がいる。現在の日本で考えれば2018年の数字で、年金、医療費、介護費などの社会保障給付費の予算総額は約120兆円。これを国民全員(約1億2000万人)で公平に配分すると1人あたり約100万円となる。著者のブルグマンは適切なベーシックインカムの数字は年間国民一人あたり約150万円程度と想定しているので、現在の社会保障給付費だけではかなり足りない(でも良い線いってる)。
ベーシックインカムが実現すれば、役所の福祉課や年金関連の部署も必要なくなり、その他の関連部署もすべていらなくなる。もしそのような部署等で働いている公務員をすべて廃止してその部分の人件費を回せば足りるかもしれない。
家族4人の家庭であれば4人分のベーシックインカムは約600万円。十分に生活できる金額だ。一人暮らしであれば約150万円、これにちょっとしたアルバイトや仕事をして年に100万円くらい稼げば年収約250万円、贅沢をしなければ暮らせる金額だ。高齢者が受給する年金の平均額が約5万5千円、年間にすれば約66万円なので約150万円のベーシックインカムの方がずっと実入りが良い。
どうだろう。これは悪くないかもしれない。ベーシックインカム目当てに子だくさんの家庭が増えれば人口減少も抑えられる。そして医療費が3割負担ではなく全額負担になるとしたら余計な医療費を払わないようするために、もっと健康に気を遣うようになるだろう。
もちろん多くの国民が働かなくなればその分の所得税が入らなくなるので国家予算が減り、税収計算は狂ってしまうし、農業や漁業などの一次産業に従事している人が働かなくなったら農産物も魚も食べられなくなってしまう。う~ん。これは困る。
やはりAIやロボットがもっと発展して人間の代わりに仕事をし、国家予算に充てられるような収入を得られるようになったときこそ、本当に人間が働かなくても良くなる時代が来るのかもしれない。 -
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ベーシックインカムは、「一定水準の所得に満たない人には、政府が「無条件で」一定金額を支給する」という政策です。仕事をしていようがしていまいが、病気であろうがなかろうが所得が少なければお金をあげる。
日本の主な貧困対策に生活保護があります。でも生活保護は非効率だと言われています。車を持っちゃいけないとか、(裁判にもなったけど)エアコン持っちゃいけないとか、資力調査を受けなきゃいけない。あいつ生活保護もらってるんだぜって後ろ指を指されるスティグマの問題もある。これを維持する行政コストもバカになりません。
でもベーシックインカムって現実的じゃないでしょ?一定金額をどう設定するのか、7万円?10万円?いずれそんな大金どうやって集めるの?借金大国なのにって話です。
そもそも、貧困はなぜいけないのでしょうか。本書によれば、貧困は認知能力を下げます。インドの農村で行われた実験によれば貧困はIQを13〜14下げる効果がある。これは一晩眠れないことや、アルコール依存症の影響に匹敵するほどの大きさなのです。
認知能力を下げるメカニズムはトンネリング効果と呼ばれています。さあ、サランラップの芯を目に当てて、そこらへんにある物を見てみてください。対象物はくっきり見えるけど、周りは全く見えないでしょ?これと同じようなことが貧しい人にはおこっているのです。貧しい人は「お金」に集中するから、やりくりは上手になる。でもそれ以外が見えなくなっちゃう、というわけ。
であるならば、お金を配って貧困から抜け出せれば、解決するはずです。しかも、それは「元が取れる」。アメリカのユタ州では、ホームレスに無条件で家を貸し出す、と言う政策が行われました。これによって治安が回復しただけでなく、彼らに支払った家賃以上に行政コストも減ったのです。
技術革新で労働時間は減らせます。ケインズは「2030年には人々の労働時間は週15時間になる」と予測しました。ところが産業革命以降続いていた労働時間の短縮は70年代にストップする。技術革新が続いているのになぜでしょう?本書では、2つの要因があったと推察します。1つめは、余暇ではなく消費を(ムダに)拡大したこと。もう1つは、資本に比べて労働の生産性が相対的に減少していることです。機械のほうが人間の労働よりもGDPに貢献してきている。難しい言葉でいうと労働分配率の減少してきていて、庶民の給料は増えていかず、資本家だけがもうかっているのです。
ここから筆者は、必要なのは(経済の拡大よりも)十分な再分配だと主張します。再分配ができれば、一日3時間労働で仕事に縛られない生活ができる。
短時間労働とベーシックインカムの組み合わせは、英語版のタイトルでもある「UTOPIA for REALISTS(現実主義者にとっての理想郷)」であり、これは人々が有意義な生活を送るための効率的な貧困対策です。かつては奴隷解放も、女性参政権も狂気の沙汰だった。まだ世間で理解されている政策ではありませんが、本書を読めばきっとバカな政策ではないことが理解できると思います。 -
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・リーダーシップの目標は、より多くの支持者ではなく、より多くのリーダーを生み出すことだ
・私は、何かやりたいことがあるときには、どうすれば20分でそれができるだろうかと、自分に問いかける
・世界の変革は往々にして、他の人が行こうとしない静かな場所から始まる
・「私は何に情熱を注ぐか」ではなく、「私はどうすれば最も貢献できるか」と自問し、自分に最もふさわしい役割を選ぼう
・どの社会も、順応者を生前に称え、問題児を死後に称えるものだ
・革命を起こすには、問題の枠組みをリフレーミングし、新たな視点から食肉産業に反対し、植物性タンパク質への転換を促す必要がある。加害者と協力することが最終的に大きなインパクトを生むことを計算して行動する必要がある