ルトガー・ブレグマンのレビュー一覧

  • 隷属なき道 AIとの競争に勝つ ベーシックインカムと一日三時間労働

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    隷属なき道 ルトガーブレグマン 文藝春秋
    AIとの競争に勝つベーシックインカムと1日3時間労働

    原題を「UTOPIA FOR REALISTS」と言う

    この本でグレグマンが主張することを一言で表せば
    狩猟採集時代の自在性と対等性を取り戻すということだ
    個々がそれぞれに中心となって手段として自主的に集う
    全体観である

    嘘と秘密を無くして透明度の高い再分配の徹底を目指し
    押し付けられた社会的価値観による労働環境を必要最小限にし
    権力による縄張りの理不尽な国境線を取り払うことによって
    個々の自由な裁量と切磋琢磨によって競争世界を卒業し
    個性という凸凹を補い合う相乗効果をもたらすと言うものだ

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    2017年11月09日
  • Humankind 希望の歴史 下 人類が善き未来をつくるための18章

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    本当に資本主義は間違えていないのか。
    コモンの考え方について記述されている。
    斎藤幸平氏の著書を想起させる。
    サピエンス全史と共通した部分もあるものの、
    人間は善なのかという問いをテーマにしている点で
    独自性がある。
    現実主義のすすめ。
    性善説のすすめ。
    下巻は示唆に富んだ、いい一冊だった。

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    2025年11月13日
  • Humankind 希望の歴史 上 人類が善き未来をつくるための18章

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    人類・人間は性善説が表す本来的に善な・良い生き物なのか?が語られている。
    この手の歴史的題材をテーマにしながら思想を扱う本は、その思想を補強することばかりを述べ立てることが多い。(自己啓発系とか、自称成功起業家の本)
    しかし、この本は反対意見も吟味しながら、振り子のようにその思想が正しそうか検証していく良書。
    下巻が楽しみ。

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    2025年09月21日
  • Humankind 希望の歴史 上 人類が善き未来をつくるための18章

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    人間本性の性悪説を支持する研究や言説を叩き潰す。著者のブレグマンはオランダのジャーナリスト・歴史研究者。
    上巻で印象的だったのは、ゴールディングの『蠅の王』の章。彼がノーベル文学賞をとった時、私の反応は「えっー」だった。この反応の理由をブレグマンが明快に説明してくれている。
    アメリカで行なわれた悪名高い社会心理学的研究をめぐる章も印象的。彼によれば、ジンバルドーのスタンフォード監獄実験は、やらせと演技と演出。ミルグラムの電気ショック実験(別名アイヒマン実験)は、「権威への服従」という無理筋の解釈。「冷淡な傍観者」研究の発端となったキティ殺人事件は、マスメディアの脚色と歪曲(だとすると、研究その

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    2025年05月26日
  • Humankind 希望の歴史 上 人類が善き未来をつくるための18章

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    本国オランダでベストセラーになり、世界46ヵ国で翻訳され、欧米メディアから絶賛された名著。
    人間の本性は善である。実に感動的で、読むべき一冊。
    ただし、私たちは、熱心に自らの堕落を信じたがる。何故なら、自らの本質が罪深いと信じると、人は心が休まるから。そう信じる事で、一種の赦しが得られ、約束も抵抗も無駄になるからだ。
    マスコミ、メディアのあり方も、問われるべきなのだろう。本質は悪だとした方が、センセーショナルで、商売になるから。

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    2025年01月20日
  • Humankind 希望の歴史 下 人類が善き未来をつくるための18章

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    共感はブラインドスポットを作り出し、それは即ち悪を生み出す。
    繋がりが多様になった現代。自分ではない存在を知ることは容易で、自他の境界が数多存在する。それは自分にスポッとを、他者がブラインドスポットになることにも繋がり、また、繋がりがある者同士でしか共感しないことに拍車をかける。
    そうして悪が加速した。

    そして、共感しない人がトップに躍り立つ。
    ブラインドスポットに共感しない者が、ブラインドスポットを敵とみなし、そこに共感力が高い人がフォローし付いて行く構図になる。

    それで正しいのだろうか?
    そうして起きた戦争、迫害、犯罪…はこれらの延長線上にある。
    しかし気付いた。私たちには理性がある、

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    2024年06月16日
  • Humankind 希望の歴史 上 人類が善き未来をつくるための18章

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    『ほとんどの人は、本質的にかなり善良だ』
    この本は、この一文に向き合い、世界中の事例から証明しようとする本だ。
    上巻では、無人島に残された少年たちは争い、ホッブズの「万人の万人に対する闘争状態」に陥ることを小説にした『蠅の王』を覆す『本当の蠅の王』の話から、
    ジャレド・ダイアモンドが証明したイースター島の歴史を覆す話、
    ミルグラムの電気ショック実験の真実、
    キティ(スーザンジェノヴィーズ)の死で有名になった「傍観者効果」の真意、
    そして、報道による読者への方向付けの注意喚起までを著している。


    導入であり問である『人は本質的に善良だ』に対し、日本で生まれ、26年間生きた僕は、「そう思う。」と

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    2024年06月09日
  • Humankind 希望の歴史 上 人類が善き未来をつくるための18章

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    人がいかに悪意に満ちていて利己的か、という話を覆す本

    他者と協力しあうことで生き延びてきた時点でそうなのもしれない。
    面白かったのは古来の天才族と模倣族の話で、とりも分かりやすく腑に落ちた。

    読んでいて擬悪的になったりネガティヴに考える自分をもう少し冷静に見ていかなきゃなと思った。とくにネガティブな情報が蔓延するSNSやメディアからは適度な距離を取るのが大事だと思った。

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    2024年05月22日
  • Humankind 希望の歴史 上 人類が善き未来をつくるための18章

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    人間社会は、人間の根源を悪であるとみなしたがる、ということが如実にでていた。マスコミも、人間の悪が現れるようなことを報道したがる。
    本質的な善なのかはわからないが、歴史や報道を真実して受け取るのが最善ではなさそう。
    そして人間の良い面を気持ち重視しても、良いのではないだろうか。

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    2024年04月12日
  • Humankind 希望の歴史 上 人類が善き未来をつくるための18章

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    これは希望に満ちた本である。
    そして、真実というのはとても見えにくい事がある

    ・ほとんどの人は本質的にかなり善良だ
    ・ルソーの思想が正しいのでは?
    ・過酷な環境になると人は善良に動く
    ・本当の「蝿の王」はびっくり、本と真逆であり、とても心暖まる話だった。
    ・協調が重要
    ・「利己的な遺伝子」はホッブズ流
    ・アーレントの重厚な哲学(人間は善を装う悪に惹かれる)
    ・コミュニケーション、対決、共感、抵抗が重要
    ・人間の本性についてのわたしたちの見方が間違った方向に進みがち
    ・ジャーナリストは、扇情的な話を売るために容易に世論を操る
    ・緊急事態において、いかにわたしたちは互いを頼りにできるか 

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    2023年12月11日
  • Humankind 希望の歴史 上 人類が善き未来をつくるための18章

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    面白かった。
    ピンカーの「暴力の人類史」に追随する内容かと思ったが、違った。ピンカーが文明化が進むに従って暴力が減ったとの主張に対し、本書は人間は生まれながらにして善性を備えており文明がそれを妨げているとの主張。反文明化の結論ありきの主張のようにも捉えてしまう。
    搾取が悪、人間は善ってエピソードが多く、耳障り良い本としては面白い。下巻に期待。

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    2023年10月29日
  • Humankind 希望の歴史 下 人類が善き未来をつくるための18章

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    善は伝播する。本書に触れて人間の本質に関するシニカルな見解を見直し、本来の現実主義になろうという呼びかけがまさに、人を良い方向に向かわせる伝導書にの役割があるんだなと。

    しかし、少し気を抜くと欺かれるな、出し抜かれる前に蹴落とせなんていう競争社会に飲み込まれそうになるこの時代。自分の心持ちは本書で得ることのできた知識を糧に、人の善を信じるよう留めて行けるように邁進すべし。少し欺瞞的になりそうですが、ぎちぎちに追い込まず自分のできる範囲から。

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    2023年10月19日
  • Humankind 希望の歴史 下 人類が善き未来をつくるための18章

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     上巻で、人は性善説に基づいていると説いており、この下巻では、現在の戦争などがなぜ起こっているのかを解説し、どうすべきなのかが説明されています。
     狩猟採集時代には、人は皆平等であったのが、農耕が始まることで、なぜ身分差や貧富の差が発生したのか。それは、元々肥沃な河川流域で、安定した生活を始めた人々が、人口が増えることにより、得られた食物等を巡って争いが起こり、それを統治するために神などの概念を持ち出したのだとか。
     現在も資源などを巡って争いが絶えません。しかし、過去に日本やドイツが敗戦が濃厚であるにもかかわらず、兵士が戦い続けました。それは、宗教や思想、統治者への信仰などではなく、仲間を助

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    2023年10月20日
  • Humankind 希望の歴史 上 人類が善き未来をつくるための18章

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    人は生まれつき悪であると考える性悪説と、善であると考える性善説とがある。過去には、善悪説として考えた方が良しとする数々の実験がある。筆者は、それらは全て研究者が恣意的にそのような結果が出るように実験を行ったからだと言う。つまり、人は生まれつき善であると考えるのが正しいのだと。したがって、リーダーは自分のことを犠牲にしても他者のことを考える人が選ばれてきたのだ。
    ここで、一つの疑問が浮かぶ。今の社会でリーダーとなっている人に利己的な人が多すぎないか?ということだ。その問に対する答えは下巻で展開される。

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    2023年10月02日
  • Humankind 希望の歴史 上 人類が善き未来をつくるための18章

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    人間の本性は悪である という有名な実験や事件の真相を調査し、嘘やごまかしを暴く。そして、実際は人々が善良に振る舞ったり協力しあっていたことを示す。 
    勇気が出る内容。だけど、再反論もあるのかもしれない。調べてみる。

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    2023年09月29日
  • 隷属なき道 AIとの競争に勝つ ベーシックインカムと一日三時間労働

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    ネタバレ

    ベーシックインカム、週15時間労働、国境の開放。過去最大に反映したユートピアだけど幸せを感じないのは何故か。より良い世界を思い描くことができないから。資本主義では現代の豊ぎょう?の地を維持できない。福祉はいらない、直接お金を与えればいい。福祉の複雑なシステムのコストを考えれば財源的にも実現不可能ではない。欠乏の心理。判断力が下がる。同じように貧困も個人のIQを13低下させる。ニクソンはベーシックインカム導入の直前まで行ってた。スピーナムランド制度の報告書問題。GDPが見逃している労働は身の回りに多く存在。お金が動かないとカウントされない。進歩による安価の計算もできない。クズネッツ。富の創造では

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    2023年06月03日
  • Humankind 希望の歴史 下 人類が善き未来をつくるための18章

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    下巻では、上巻での見解(人は基本的には性善であるが、騙されて悪に走ることもある)を踏まえ、今後の社会設計をどうしていくべきか、実例を交えながらまとめられている。

    人は本来性善的である、という前提のもとに考えられた社会設計(政治、経済、教育等)において、多くがポジティブな結果をもたらしているとのこと。こういった事例を見ていると、人間に対するポジティブな見方が強まっていくのを感じる。

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    2023年01月22日
  • Humankind 希望の歴史 上 人類が善き未来をつくるための18章

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    人は元来、善なのか悪なのか、という根源的なテーマに対し、古来から現在までに存在する様々な言説がまとめられている。

    人を性悪とする言説に対し、筆者自身が取材等含め再度調査し、実は誤っていたのではないか、という話がいくつも出てくる点が非常に興味深かった。

    心理学を学んでいた身にとっては、当たり前のようにジンバルドやミルグラムの実験を信じていたが、実は不備が多く(いずれも作為的な)、正しい実験ではなかったことを知り、驚かされた。

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    2023年01月22日
  • 隷属なき道 AIとの競争に勝つ ベーシックインカムと一日三時間労働

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     表紙では、ベーシックインカムの導入、一日3時間労働の主張が強調されているが、多数の統計・実証的研究に基づいている地に足の着いた本。貧困が人の長期的な視野・冷静な判断力を奪うという分析は衝撃的だった。
     著者の支持するハイエクの新自由主義がどこまで正しいかはわからないが、福祉をやめベーシックインカムを平等に分配することが、むしろ自立につながる、という主張はよく理解できる。ベーシックインカム導入はともあれ、平等な負担で貧困を解消しないと、既得権益(?)を受けている高齢者の福祉制度を維持することも困難となり、共倒れになる。そこでま現状が来ていることを再認識させてくれる一冊。

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    2022年12月28日
  • Humankind 希望の歴史 下 人類が善き未来をつくるための18章

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    前巻も楽しかったけど後半は避けて通れないナチスなどの人間史に残る負の出来事と向き合う。
    最終章では希望を作るための数箇条が提示される。

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    2022年11月21日