水野祐のレビュー一覧

  • ルール?本

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    ネタバレ

    ルールは道具でうまく使うことで自由になれる可能性がある。元は「ルール?展」という展示会をまとめた本なのだが、面白いのは「ルール?展のルール」という覚書の部分。ルールの良し悪しは創作する側と運用する側の成熟度によるのだと思った。特に運用。ルール自体は悪くないが、運用が目的が課題の禁止に偏るとなんと相手も守らせねばと監視に陥る。そういう危うさがあるのだ。ルールがなんのために作られ、誰のためにあるのか。対立する者同士が場に集まる場合、どんな人にどんなふうに価値を提供するのか伝える工夫も大切なんだなと思った。

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    2024年10月16日
  • RE-END 死から問うテクノロジーと社会

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    「死」を学際的に検討する過程で、よりよい「生」とは何かについて考えされさせられた。死とは生物学的な個体の絶命という意味を超えた観念であると感じた。死者を弔うのは他者であるが、その死者の存命中はもちろん、死後に至っても相互作用の中で誰かの自己と社会が形成されていく。そのような「分人」的観点で捉えると、「死」は自己完結するものではない。また、「弔う」ことの本質は儀式という表層的なものではなく、生成変化を伴う生者と死者の社会的な共生だと思った。
    一方で、テクノロジーによって新たに生じる死者の権利、死後労働の観点は非常に悩ましい。生命はその有限性によってこそ輝くが、死後も残り続ける SNS 上の情報や

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    2022年06月05日
  • 法のデザイン 創造性とイノベーションは法によって加速する

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    禁止権ではなく、報酬請求権に。

    日本にフェアユース規定はないが、ゆらぎ、あいまい、だからいいんじゃないか、とも言いたくなる。

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    2021年06月28日
  • 法のデザイン 創造性とイノベーションは法によって加速する

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    豊かで健全な文化の発展のために、法律がどう関わるか、非常に多面的に考察している。
     創造性を生むには、既存のものがオープンで利用しやすい状況が良いという、ローレンツ・レッシグさんとも共通した見解。必然的に著作権の話題が充実しているが、それに限らず、宿泊施設や政治参加といった問題も扱っている。

    冷静で真面目な口調だが、わかり易く、言い回しも豊かで読み心地が良い。
     一章は総合的な話をして、2章はアート、ゲーム、ファッションなど分野別に言及し、それぞれ多視点的に述べている。

    個人的には、ついつい2015年の五輪エンブレム問題に触れたところが痛快だった。
    「五輪エンブレム問題は、法律が設けている

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    2019年02月28日
  • 法のデザイン 創造性とイノベーションは法によって加速する

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    ・著作権 権利保護でなく 利用促進
    ・エンブレム問題 法よりもネットリンチ
    ・余白やゆらぎをクリエイティブに解釈
    ・リーガルデザイン 規制ではなく潤滑油
    ・Musicity
    ・ブライアンイーノ 生成音楽リフレクション

    目から鱗の考え方

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    2018年11月25日
  • 法のデザイン 創造性とイノベーションは法によって加速する

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    情報技術の進化で、既存の枠組みや概念では捉えきれなくなった事象に対し、創作意欲を阻害する事なく社会をより良い方向に導くためには、どういった法制度を設計するべきかを考える本。自分が理解する企業法務とは、会社の取り巻く法制度や商慣習などを踏まえてリスク評価とビジネスを進めるための対処策を考えること(時に予防法務としてビジネスを止める機能も持つ)。その前提には常に法的リスクの回避がある。ところが、Google Street View, Uber, Airbnbなどの米国企業は、法的課題に晒されるがらも、法解釈や法自体が時代とともに変化しうる事を前提にした上で、自分たちのビジョンを貫くためのロジックを

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    2018年03月12日
  • ルール?本

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    ネタバレ

    ルールがあることで、多くの人が安心して、自由に生きることが可能となっている。

    ルールは問題から生まれ、ひとつのルールを実行することが他人の利益や欲望と矛盾したり、さらに別の問題が表れてしまったりする。だから、ルールを事項することで刻々と変化する状況を常に観測しながらアップデートすることを前提とする必要がある。

    ルールリテラシーとは「ルールの理解度を上げようと自ら勉強したり、教育や啓蒙の重要性を説いたりするアプローチ」を指す。一方、ルールコンピテンシーとは「ルールについて対話し、意見を言うなど行動し、参加・関与していくという主体性や行動特性」を指す。このうち、ルールを自分事としてとらえる視点

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    2025年01月05日
  • ルール?本

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    法律や条例に限らず規範や習慣などあらゆる意識的、無意識的な「ルール」について取り扱った展覧会をベースにそれらのあり方について見ていく
    展覧会の内容に関する部分はやはり本で読むだけではあまりピンと来なかったが、途中に出てくるコラムや最後の展覧会後の対談はおもしろい
    「ルールを作る方が明文化しないよりもコスト高いが守る側からすると明文化されないほうがコスト高い」というのはその通りだなと思ったし、社会論や組織論に繋がるなと思った

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    2024年10月01日
  • ルール?本

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    ネタバレ

    ルールが増えて生きやすくなっている時代である一方で、それによって手に届きにくくなったものも多くあるのではないかと思っていたところ、改めてそれらを捉え直せるのではないかと期待してこの本を手に取ってみました。

    著者にデザイナーが関わっていたのでもしかしたらデザインに関する内容を期待していたのですが、思ったよりもそれに関する内容が少ない印象だった。
    どちらかと言うと、法律などの公共的なルールに関する話が多かった。

    この展示に関連するWEB記事も多くあり、そちらの方が個人の生活に落とせるような内容も記載されているので、とても参考になりました。
    特にクリエイティブに関わる仕事をしているにとって、見直

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    2024年08月01日
  • 先読み!IT×ビジネス講座 画像生成AI

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    IT×ビジネス講座と銘打っているだけにちょっとした時間で読める本である。具体的なちょっとやってみる、という例も掲載されている。もっとも分量が多いのは著作権の章でこれが他の倍ある。2023年2月時点の最新のものであるということなので、来年にはまた改訂版が出るであろう。大学生でもちょっとやってみたい人にはいいかもしれない。

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    2023年08月27日
  • 法のデザイン 創造性とイノベーションは法によって加速する

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    デザイン=計画、企画、目的

    辞書で調べると「意匠」だけではなく、広義な意味を持っています。法律も時代の変化によって、時代に合わせたデザインが求められている。

    ITやアート面において、積極的な取り組みをされている弁護士の水野さんの解釈は興味深い。法律において「こうでなければならない!」という前提だけにとらわれず、法をデザインしよう!という考え方に共感。

    後半は、ITやアートに限らず、変化の激しい領域においても言及。とっつきにくい「法律」というものを身近に感じる一冊。

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    2018年04月04日
  • 法のデザイン 創造性とイノベーションは法によって加速する

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    弁護士として、インターネットに関する法的問題を専門とする著者の問題意識は極めて明確であり、重要なものである。それは端的に「イノベーションや創造性の阻害要因として法を捉えるのではなく、むしろドライブさせるものとして新たな法をデザインすることができないのか?」というものだ。

    インターネットと法律に関する現代の基本理論は、言うまでもなくローレンス・レッシグが「CODE」で明らかにした4つのルールの有り方であろう。そこでは、我々の社会のルールを形成する要因として、「法」、「市場」、「規範」、「アーキテクチャ」があるとされ、特にレッシグはCode/Codingに基づく「アーキテクチャ」が知らず知らずに

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    2017年05月21日
  • ルール?本

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    思ったよりワクワクしなかった。読み手である自分の状態のせいだろう。読んでいくうちに説教されているように思えてくるから不思議なものだ。実際に展覧会?にいけば、また感じる世界も違うのだろう。本書によればかなりの盛会だったようだ。生活の中に馴染んでいるルールを意識的に捉えることで新たな認識や工夫、思い込みへの気付きが生まれる。テーブルのこの場所に座るのも自分ルールだけど、それは100%自分で決めているわけではなく環境からガイドされている、なんて話はよくする。個人的にはルールは制約として機能する考え方が好きだ。

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    2025年10月27日
  • ルール?本

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    ●ルールとは、自由を縛るものというイメージはないだろうか。確かに一つの側面として、ルールは不自由さを強いるものになりうるだろうが、人がルールを求めるのは、より豊かに円滑に社会を生きるためではなかろうか。本書は、人が生きる上で意識せずとも当たり前のように存在するルールというものを、本書を読む人に意識させ、考えをめぐらせるきっかけとルールに対する新たな視点を与えてくれる。

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    2025年02月12日
  • 先読み!IT×ビジネス講座 画像生成AI

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    サラッと流し読み。画像生成AIにもいろいろ種類があって、それぞれ得意分野が異なることがわかった。学習データの違いかな。DALL・E 2、Midjourney、Stable Diffusion、DreamStudio、にじジャーニー、NovelAI、お絵描きばりぐっどくん、AI Picasso。Discordの参加が必要なものもあって、ちょっと新鮮な感じ。Webでお手軽に使えるって感じじゃないのね。

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    2024年11月05日
  • ルール?本

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    ルール展という展覧会があったことを知らなかったけど、写真などでかなり詳しく説明があり、雰囲気が伝わってきた。
    今までルールと感じていないこともマジョリティであるが故だという気づきなど、いろいろ考えさせられて興味深かった。

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    2024年10月10日
  • 先読み!IT×ビジネス講座 画像生成AI

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    仕事上でもAIをどう活用するかという話がよく聞かれるようになってきたが、chat GPTなどのテキスト生成系と、画像生成の話などとゴチャ混ぜで話される事が多いと感じる。それぞれの最低限の基礎知識は必要と思い読んでみた。後半の著作権の話は重要だとは思うが、そんなにページを割かなくてもと感じた。

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    2024年04月06日
  • 先読み!IT×ビジネス講座 画像生成AI

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    一番気になっていた、AIで作成したイラストの著作権について知ることができた。
    後半はちょっと難しい印象を受けた。
    どんなサイトでイラストが作れるのか、それぞれのサイト同士の比較を表した表があったので、とても見やすかった。

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    2023年10月23日
  • 先読み!IT×ビジネス講座 画像生成AI

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    画像生成AIの仕組みというか2つの原理を解説してくれているし、著作権にまで筆が及んでいるのが良かった。

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    2023年09月28日
  • 先読み!IT×ビジネス講座 画像生成AI

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    よくまとまっていたが、折角の画像生成AIの本なのに、カラーの画像が少なかったのは残念。白黒画像は見づらく、もう少しカラー画像が多いと分かりやすかっただろう。

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    2023年06月13日