徳永圭のレビュー一覧

  • この部屋で君と(新潮文庫nex)

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    腐れ縁の恋人たち、趣味の似た女の子同士、傷心の青年と少女、出張先の先輩と後輩、住みついた妖怪と僕…。気鋭の作家8人がさまざまなシチュエーションを詰め込んだ、ひとつ屋根の下アンソロジー。

    いろいろな間取りがあって楽しい。

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    2018年12月05日
  • この部屋で君と(新潮文庫nex)

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    最近の人気作家8名の作品によるアンソロジー。

    朝井リョウさん,似鳥鶏さんを目当てに読み始めたが,他の方の作品も良かった。

    自分以外の他者との共同生活。
    それは,自分の私的な一面を他者に開示するのと同義である。

    その他者が親しい人間とは限らない。
    それでも,同じ空間とルールを共有していくなかで,互いの私的な部分も共有され,いずれは自分の習慣の一部として生活に組み込まれていく。

    私の大学は同棲率が高いことで有名らしいが,実際はどうなのだろう。

    意外と本書のような物語が,私の部屋のすぐ下で起こっていたりするのかもしれない。

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    2018年11月18日
  • この部屋で君と(新潮文庫nex)

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    飛鳥井千砂の「隣の空も青い」が好きかな。
    坂本司の「女子的生活」もおもしろかった。
    浅井リョウの「それでは二人組を作ってください」は人間のあざとい部分が見えて、らしい。

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    2018年08月12日
  • カーネーション

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    ネタバレ

    これは…育児真っ只中の自分には身につまされる物語。
    登場人物がどこでどう結びつくのかページをめくるのももどかしく辿り着いた結末は、途中からある程度予想できていたものの、胸が詰まり涙が滲んだ。無理があるなと感じる部分や親しい人の裏の顔というショックもあったが、最後は素直によかったと思えた。
    序盤に諒子を孤立させた家族の無理解と冷たい他人事の対応は一昔前がモデルだと思いたいけど、現実は早々変わらないんだろうか。どうか育児に追い詰められる母親に周囲の理解とサポートの手が差し伸べられる今と未来でありますように。

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    2018年06月23日
  • カーネーション

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    深夜の真っ暗な部屋で泣き止まない赤ん坊、頼りにならない夫、監視し責め立てる義母。
    冒頭のシーンは、諒子の心情を想像すると胸が詰まるようだった。
    泣き続ける我が子をただボーッと眺めてしまう無気力な気持ちを久しぶりに思い出した。どうして泣き止んでくれないの?と、こちらが泣きたくなる気持ちも。
    たった一度叩いてしまっただけで娘と引き裂かれるなんて厳しすぎる……。
    その後司書の職を得た諒子サイドと、3歳の子を育てる美咲サイドのストーリーが交互に綴られていきます。
    途中でかんたんに気づいてしまうけど叙述トリックのような構成になっていました。
    正直ご都合主義が目立ったけど、まぁそこは小説ということで。読み

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    2018年06月15日
  • カーネーション

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    母は子を持った瞬間から母にならざるを得ないのに、ぜんぜんそんな理想的な母にも、甘い生活もなくて、戸惑い、疲弊する姿は見に覚えがあって、反省を含め、ちくちくする。
    母の日、カーネーション

    読み進めるうちに登場人物が繋がり始め、面白かった。

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    2018年05月28日
  • XY

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    この作者の文章が合わないのかなぁ。
    なんかストーリーがスッと入ってこなくて、場面が唐突に変わるような違和感を時々感じた。

    主人公とその恋人との関係も現実感がないというか。
    気持ちが伝わってこなかった。

    でもラストの怒涛の展開は面白かった。
    医療、怖いね。

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    2018年04月13日
  • XY

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    ネタバレ

    生きることは呼吸をすること。自分にとっては水泳がそれにあたるかな。
    結末として、実は彼の子供ではなかったの方が印象に残った気がする。それか子供がアメリカに行って父親を探すところまで描くか。玉城さんは何のためにピックアップされた人物なのか、白河さんはその後どうなったのか、京都での生活はどうなったのか、謎がふんだんにある、誰の行く末もわからない不思議なエンディング。それぞれの人生を回収してほしかった。

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    2018年03月01日
  • 片桐酒店の副業

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    昔ながらの商店街にある酒屋さんが、何でも運ぶ配達業も副業でやっている、という話。
    配達物一つ一つに各々ドラマがあるので、この設定でいくらでも話ができそうなスタイルだなと思った。
    主人公の片桐は心の傷が癒えない陰があるクールな男で、なんとなく作者は女性だろうなと思っていたら案の定女性だった。
    正直そこまで盛り上がりはないのだが、サクッと読んで楽しめる小説だと思う。

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    2018年01月30日
  • 片桐酒店の副業

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    『片桐酒店の副業』
    徳永圭 著

    舞台は岐阜県の地元に根ざした商店街に佇むとある酒屋。
    昔ながらの個人商店の店構えには似合わない、ダークスーツに白シャツ。およそ客商売に向かない仏頂面な店主。
    酒屋の副業に法を犯さぬ範囲の運び屋。その名も「困ったときのまごころ便」

    全5章のさらりとした爽やかさすら感じる筆致だが、その実、潜む主題は不条理と自責の念。
    誰しも、大なり小なり、世に対して不条理だと感じたり、自責の念にかられたりしたことはあろう。
    淡々と物語は進んでゆくが、誰しもが折り合いをつけながら生きてゆく、その無常感が心地好い。深みが増したら、より良い一冊になるであろう作品でした。

    こういう作

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    2018年01月13日
  • 片桐酒店の副業

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    短編集。
    「困ったときのまごころ便」
    すべてに絶望し、生きる気力もないままに日々を過ごしていたときに父が死んだ。
    稼業である酒店と配達業も引き継いだ片桐は、徐々に持ち込まれる件数が増えていくワケあり荷物と格闘する毎日だ。
    過去に何があったとしても、どんなに悔やもうとも、起きてしまったことを変えることは出来ない。
    ではどうしたらいいのか?
    生きるしかない。辛くても生きていくしかない。
    そんな中、8年前に引き受けた荷物の依頼人と再会した片桐。
    過去を越えて生きていくことができるのか・・・。

    物語を貫いているのはワケあり荷物に込められた人間模様。
    淡々と静かに進むストーリーは劇的ではないけれど面白

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    2017年04月06日
  • 片桐酒店の副業

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    「法に触れない限り、何でもお届けします」という帯にひかれて読んだけど、法律ぎりぎりの荷物なんてそんなに出てこないし、もっと深い話かと思ってたのに期待外れでした。片桐酒店の面々には好感が持てたので、丸川くん、フサエさんにももっとスポットを当てたら良かったように思います。

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    2016年07月10日
  • 片桐酒店の副業

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    帯のあおり文句があまり適切ではないですね。どんでん返しがあるような物語ではないし、長編と銘打たれてるけど、いわゆる連作短編です。
    酒屋の副業である必然性をあまり感じなかった。本業ではないことが重要なのかな。各短編は何を運ぶのかで結構温度差があります。「悪意」がやっぱり一番面白かった。

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    2016年06月15日
  • 片桐酒店の副業

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    法にふれない限り、何でも届けてくれる酒店。
    アイドルに贈り物や、上司に悪意。
    普通では考えられないものでも届けてくれる。
    あたしなら、誰に何を届けてもらうんだろう。

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    2015年08月18日
  • 片桐酒店の副業

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    読みやすかった。「悪意」のお届けものがなんだか怖かった。なんの意味もないようなものでも人間というのは変に想像して、意味をみつけようとしてしまう生き物なのだなと。手紙の話がよかったなぁと思う。2013/141

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    2015年04月09日
  • その名もエスペランサ

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    新しい職場は地味な部品係。最初の約束とは違うじゃないと思いながらも真面目に取り組む苑子。仕事のデキる人は畑違いの仕事でも優秀なんだな。うらやましい。

    仕事は完璧にしたい苑子、ヘラヘラしているけど柔軟な作田、足を使え体を動かせという鬼塚、仕事に対する信念がそれぞれにあって、興味深かった。

    自分の希望する仕事内容とは少し違ったけれど、契約延長するくらい居心地の良い、しかも自宅から近い職場が見つかってラッキーだったよね。

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    2015年02月11日
  • 片桐酒店の副業

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    酒屋の副業って何だろう??と思いましたが、
    なるほど。
    読みやすい内容でした。
    最初の方に登場した人が、
    実はキーマンで、のちに再登場したり。
    片桐さんのその後も知りたいなあ、と思いました。

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    2015年01月15日
  • 片桐酒店の副業

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    片桐酒店の副業「なんでも運びます、まごころ便」。
    お届け物も事情も様々。ほっこりからドロっとしたもの色々。依頼は物ではないものもあり、どうやって届けるのか?とちょっとドキドキした。
    しっくりこないところもあったけど、続編が出るのなら読みたい。片桐のこれからが気になる。

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    2014年07月11日
  • 片桐酒店の副業

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    サワサワと進む短編は、一風変わった副業。連なる依頼が、封印したやり直せない後悔と自責の過去を引き出す。もう一人の自分を救いながら自らも答えを見つけ出す…冊末の一編へ、、。

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    2014年06月02日
  • 片桐酒店の副業

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    とても読みやすい文章を書く人です。
    だからこそ、もう少し
    人物描写に想像の膨らむ深みが欲しかったなあ、と。

    嫌味がない、不快さを与えない人しか出てこないって
    やはり心地いいです。
    そういう小説です。

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    2014年03月19日