つげ義春のレビュー一覧

  • 義男の青春・別離

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    やりきれない人生の中で無力感、脱力感を感じる一冊。悪夢や不安を描いた不条理作品も加わっている。あー、やるせない、苦しいと言いながら再読してしまう。自分の中の弱い部分が呼応してしまうのだろう。

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    2021年04月29日
  • 無能の人・日の戯れ

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    人生の不安、やるせなさ、後悔、八つ当たりの吐け口。言葉では言い表せない内なる感情。登場人物を通して心が揺さぶられる。名作「無能の人」は読後膝を抱えて、ため息をつき、何もしたくなくなる。そしてまた読み返したくなる。答えなどない。あるのは逃避願望とやるせない気持ちばかり。

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    2021年04月29日
  • 無能の人・日の戯れ

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    つげ義春の作品は忘れた頃に思い出しては頁をめくっている。 なかでも『無能の人』の連作は最高傑作だと思う
    。著者を投影した主人公には、先が見えない虚無で退廃的なやるせなさの中に、流されながらも生きていくしたたかさが見える。
    この“やるせなさ”を感じとることが私にとって、一連のつげ作品に共通している魅力だと思う。

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    2021年01月26日
  • つげ義春日記

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    長男誕生前後は微笑ましい場面もあったが、その後は育児の苦労に加えて妻の癌、自身の不安神経症など雲行きはどんどん怪しくなり、下降の一途。そんな状態を、ここまで書くかというくらい赤裸々に綴る。でも、悲惨な私小説を読んだという読後感がない。それが、つげによる日記文学の妙味。
    そして、松田哲夫による秀逸な巻末解説でも同じ指摘が。松田さんに認められたようでちょっと嬉しい。

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    2020年08月23日
  • つげ義春日記

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    講談社文芸文庫のありがた味の一つが詳細な年譜だと思っているが、本作も日記本体と併せて読むと、正に私小説作家の作品を読んだ感覚を味わえる。

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    2020年05月01日
  • つげ義春日記

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    つげ義春の昭和50年から55年にかけての日記。文庫本ブームで収入が増え子供もできる一方、妻の癌に始まり自身の不安神経症の発症といった波乱の日々?を淡々と妻や周りの人間への不満を吐き散らかしながら記したもの。
    基本、漫画のイメージそのままの神経質というか「気にしぃ」な人だったんだな。
    解説によると奥さんもほぼ同時期を絵日記として出版しているみたいなんでそちらも読んでみたい。

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    2020年04月11日
  • 無能の人・日の戯れ

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    入り口はゴンチチのサウンドトラックであった映画、無能の人が気になったからであったけど
    こういった作風であったとは。

    無能の人も短編シリーズも良くできている。
    シュールで物悲しさが漂うが、ふっと頬を緩めるシーンが出てきて和んでいたりする。漫画なので何度となく読み返してみていると細かなところまでよくできていることに気がつく。
    味のある絵も好きだなぁ。
    クセになって夢に出てきそうな作品。

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    2019年08月29日
  • 新版 貧困旅行記

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    つげ義春の漫画を読み、何故評価されているのかがよくわからなかった。(多分当時としては表現が画期的だったのだろう) 小説もきっと妄想的な事が書かれていて暗いのだろうと思っていた。

    つげ氏が日本各地の温泉場や宿場を訪れた時の旅行記。旅エッセイ。
    派手な旅館よりも寂れた民宿を好む氏。最初の章は、著者が蒸発したくて九州に向かう話から始まる。
    切ないのだけどその悲哀が可笑しい、というような描写があり、この人は人間や情景の場面の切り取りが上手だなと感じた。

    面白かった箇所
    ・小学生の息子と妻と鎌倉へ行く。夜宿で花札をする。つげがなんとか工作するが小学生の正助は負けてします。一人っ子の彼はダダもこねず静

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    2017年10月31日
  • ねじ式 1

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    初めて読んだ時は正直よくわからないなーという感想で終わっていたけど、周期的に手にとってはその不思議な魅力に感動するようになった。

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    2017年10月05日
  • 無能の人・日の戯れ

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    読み直し。
    おかしみのある作品が多い。
    無能な人間の並べる屁理屈に笑える。
    「無能の人」の連作もいいが、「退屈な部屋」に代表される連作も傑作。

    【退屈な部屋】【魚石】【日の戯れ】【散歩の日々】【池袋百点会】【隣りの女】【無能の人】

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    2021年01月02日
  • 紅い花 1

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    つげ義春は外れなく全短編がよいなー。
    特に「海辺の叙景」は解説で糸井重里が絶賛するとおり、大傑作。
    言葉で語られることのない「愛」や「恋」や「憧れ」が、まさに絵で、漫画で、描かれていた。
    またそれとは逆に、好色な男女(特に顔つきや太めの体)を描かせると天下一だ、とも改めて思う。
    つげ義春って実は色ものではなくものすごく絵が巧いのではないか、と今回にしてようやく気付く。

    ▼第1話/紅い花▼第2話/李さん一家▼第3話/通夜▼第4話/海辺の叙景▼第5話/西部田村殺人事件▼第6話/二岐渓谷▼第7話/ほんやら洞のべんさん▼第8話/女忍▼第9話/古本と少女▼第10話/もっきり屋の少女▼第11話/

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    2021年01月02日
  • 新版 貧困旅行記

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    何だろう、この感じ。何とも言えない。なんて言ったらいいか分からない。
    どうしたらいいのかも分からない。
    でも集中してどんどこ読んだ。

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    2016年01月14日
  • 蟻地獄・枯野の宿

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    相変わらずの傑作揃いですよ! 一読の価値アリ、です。

    ヽ(・ω・)/ズコー

    個人的には前半の作品群より後半の…つげ氏の魅力と言うか、作風と言いますか、氏独特の絵柄になってきた作品のが好きですねぇ…内容もSFだとかホラーだとかより僕はつげ氏の自伝的? な作品のが好きですねぇ…。

    ええ、個人的には「ねじ式」より「無能の人」なんです、僕は…さようなら。

    ヽ(・ω・)/ズコー

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    2015年08月25日
  • ねじ式 1

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    有名なねじ式がいまひとつピンと来なかったが、他の作品が独特の世界で引き込まれる。しばらくつげ義春にハマりそう。

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    2014年08月31日
  • 新版 つげ義春とぼく

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    ひ弱かった四郎が、向き不向きを別に立ち位置を定めつつある。太郎が最も自分を見失っているのか。三郎はあまりもの実直さが危なげだ。そして次郎は新たな境地を開くことができるのだろうか。いよいよ日本が崩れゆく中で、果たして彼らは生き残れるや否や。

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    2014年05月08日
  • ねじ式 1

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    本当に読んだのは「ねじ式・紅い花」だけど…。一編一編読んだあとに心にぽっかり穴が空く感じ。で、考え始めるとダムみたいにぐるぐるそのなかへ渦巻いていく。よくわからなくて抜け出したいけどどんどんページが繰れてしまう。いままで読んだ中で一番わからなくて妖しい本。

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    2013年04月11日
  • ねじ式 1

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    顔歪めてんじゃねーよ!映画版も少し粗いがよかった。独特の哀愁と超現実的な幻想世界。このやり方には諸行無常も通じない。忌野清志郎と同じタイプの、小憎らしいアンチクショー。決してイケメンを描かなかった、いや描けなかった、職人気質のシュールレアリスト。

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    2011年12月10日
  • 紅い花 1

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    話の切り取り方がとてもよい。人物の描写もよい。地方の宿の主がよくでてくるのだけど、老婆だったり宗教にはまった女房の実家から鯉を盗む男だったり…
    全体的になんか諦めが漂うような、でも絶望的ではないような。

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    2011年06月28日
  • ねじ式 1

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    大学のキライな教授がつげ義春ファンということでどうも食指が動かなかったのだけど、
    ある講座でしりあがり寿が話題に出したことで急に読む気が!

    で、刺激された!
    絵がどうとかは知らん。
    短編として!

    たとえば、「山椒魚」。
    どうしてこんな処に棲むようになったのか分からない。
    気がついたら悪臭と汚物によどんだ穴の中にいた。
    環境や食べものがかわると体質まで変化するのであろう。
    俺はいつのまにか俺でなくまったく別のいき物になってしまったのだ。

    うん、私も!

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    2011年05月23日
  • ねじ式 1

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    つげ義春の漫画はこれが初めて。

    なるほど、これがつげ先生ですか!という感じ。

    終始付きまとう隠微な空気と倒錯した世界が心地よかった。

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    2011年04月19日