つげ義春のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
つげ義春『新版 貧困旅行記』新潮文庫。
社会に縛られることを好まず、それでいてあり得ない妄想を抱く臆病で小心者の著者が昭和の時代に主に温泉地を巡った貧乏旅行記。
多数のレトロな写真と共に様々な所を訪れた旅行の顛末が味わい深い文章で綴られる。
漫画や小説を書くということは自身の身と心を削る大変な仕事なのだろうか。昔の漫画家や小説家には突然失踪したり、蒸発したりという例が、まま有ってように思う。
昭和の旅行と言ったら鄙びた温泉。東京ネズミーランドもリゾート地も無い時代で、海外旅行も庶民には高嶺の花。そんな時代に鉄道やバスを使って誰も知り合いの居ない土地に行き、ゆっくり過ぎる時間を過ごすのも -
Posted by ブクログ
つげ義春の漫画を読み、何故評価されているのかがよくわからなかった。(多分当時としては表現が画期的だったのだろう) 小説もきっと妄想的な事が書かれていて暗いのだろうと思っていた。
つげ氏が日本各地の温泉場や宿場を訪れた時の旅行記。旅エッセイ。
派手な旅館よりも寂れた民宿を好む氏。最初の章は、著者が蒸発したくて九州に向かう話から始まる。
切ないのだけどその悲哀が可笑しい、というような描写があり、この人は人間や情景の場面の切り取りが上手だなと感じた。
面白かった箇所
・小学生の息子と妻と鎌倉へ行く。夜宿で花札をする。つげがなんとか工作するが小学生の正助は負けてします。一人っ子の彼はダダもこねず静 -
Posted by ブクログ
つげ義春は外れなく全短編がよいなー。
特に「海辺の叙景」は解説で糸井重里が絶賛するとおり、大傑作。
言葉で語られることのない「愛」や「恋」や「憧れ」が、まさに絵で、漫画で、描かれていた。
またそれとは逆に、好色な男女(特に顔つきや太めの体)を描かせると天下一だ、とも改めて思う。
つげ義春って実は色ものではなくものすごく絵が巧いのではないか、と今回にしてようやく気付く。
▼第1話/紅い花▼第2話/李さん一家▼第3話/通夜▼第4話/海辺の叙景▼第5話/西部田村殺人事件▼第6話/二岐渓谷▼第7話/ほんやら洞のべんさん▼第8話/女忍▼第9話/古本と少女▼第10話/もっきり屋の少女▼第11話/