つげ義春のレビュー一覧
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昭和50年から55年までの日記。つげさんは文章もいい。
かなり赤裸々に夫婦間のいざこざや経済的な問題や不安神経症について書かれている。
後半はほとんど不安神経症の記録となっており、読んでいて気が滅入った。息子の誕生や住居の購入などの大きなイベントもあった期間なのに、それよりも日常の、子育てや、妻との諍いや、病気のつらさに記述の大部分が費やされている。一部創作が混ざっていて妻の藤原マキさんが書いた日記と食い違う部分もあるようだが。
本書を「私小説」と評する声もある。漫画の元ネタになっていると思しき箇所もいくつかあった。
表紙のデザインに違和感。つげ義春といったら「ねじ式」だからこれでいいだろ、みたいな安直さを感じる。 -
Posted by ブクログ
漫画を読むのは久しぶり。正直に言うと気持ちが悪い絵なのだが、これがなかなかどうして奥が深いのだ。
主人公はまともな仕事を持たない、さえない中年男性(妻子持ち)。短編はそれぞれ、オチすらない。なのにこの奇妙な心地よさはなぜか。
主人公の本職は売れない漫画家だが、川原で拾った石を売ろうとし、奥さんのパートで養ってもらっている。著者本人を描いたものではないかともいわれる。
この男性は人生に対するモチベーションも全くなく、当然貧乏なのだが、嫌味が無いので共感できたりする。他の登場人物も痛々しくむなしい。時代は昭和だと思うが、八王子の描かれ方には笑った。
役に立たない人でもこうして暮らしていかれたというのは、悪くない世の中だったのかもしれない。 -
Posted by ブクログ
つげ義春の漫画を読み、何故評価されているのかがよくわからなかった。(多分当時としては表現が画期的だったのだろう) 小説もきっと妄想的な事が書かれていて暗いのだろうと思っていた。
つげ氏が日本各地の温泉場や宿場を訪れた時の旅行記。旅エッセイ。
派手な旅館よりも寂れた民宿を好む氏。最初の章は、著者が蒸発したくて九州に向かう話から始まる。
切ないのだけどその悲哀が可笑しい、というような描写があり、この人は人間や情景の場面の切り取りが上手だなと感じた。
面白かった箇所
・小学生の息子と妻と鎌倉へ行く。夜宿で花札をする。つげがなんとか工作するが小学生の正助は負けてします。一人っ子の彼はダダもこねず静かに花札を片付け始める。 -
Posted by ブクログ
つげ義春は外れなく全短編がよいなー。
特に「海辺の叙景」は解説で糸井重里が絶賛するとおり、大傑作。
言葉で語られることのない「愛」や「恋」や「憧れ」が、まさに絵で、漫画で、描かれていた。
またそれとは逆に、好色な男女(特に顔つきや太めの体)を描かせると天下一だ、とも改めて思う。
つげ義春って実は色ものではなくものすごく絵が巧いのではないか、と今回にしてようやく気付く。
▼第1話/紅い花▼第2話/李さん一家▼第3話/通夜▼第4話/海辺の叙景▼第5話/西部田村殺人事件▼第6話/二岐渓谷▼第7話/ほんやら洞のべんさん▼第8話/女忍▼第9話/古本と少女▼第10話/もっきり屋の少女▼第11話/やなぎや主人▼第12話/庶民御宿▼第13話/近所の景色