つげ義春のレビュー一覧

  • 無能の人・日の戯れ

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    なんだか読んでいるともの悲しくなってしまいました。
    作者自身の人生を漫画にされているようですが?優しさはあるけれども夢ばかり追いかけているような昭和のお父さん。
    でも昭和の懐かしい景色が描かれていてほっこり出来ました。
    作者の現在が気になり少し調べてみましたが幸せに暮らされているようで良かったです。

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    2024年06月18日
  • 蟻地獄・枯野の宿

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    東京人2024年6月号のつげ義春特集を読んで、久しぶりにつげさんの漫画を読みたくなって、書棚から引っ張り出し再読。
    貸本時代の作品を中心に17作を掲載。有名な「おばけ煙突」は陰鬱でラストも救いようがないが、人物たちの背景や表情が丁寧に描かれ、素晴らしい。
    本書に掲載されている貸本時代の作品は、そういう感じの陰鬱系が多くを占める。読んでいて、気持ちが暗くなる。
    「懐かしいひと」以降の4作は後期のものだが、一転して温かみがあってやさしい。特に印象に残るのは、「枯野の宿」。主人公が布団に入ったまま小舟に乗っている場面は、幻想的で素晴らしい。
    佳作揃いの本書だが、上記のように割と暗めの作品が多い。ある

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    2024年05月20日
  • つげ義春日記

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    昭和50~55年頃の暮らしを赤裸々に記した日記。こんなの書いて奥さんに怒られなかったのだろうかと思ったら、Wikiに案の定怒られたと書いてあり「ですよね」と思うなど(笑)。後半になるにつれ不安神経症に悩む描写が多くなりますが、文章がサラッとしているからか、重苦しい気持ちになることなく読めました。
    余談ですが、自分の誕生した日の日記もあり、ちょっと嬉しかったりしました…(笑)。

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    2024年05月20日
  • 無能の人・日の戯れ

    購入済み

    味わいがある絵

    内容が良いと言う訳ではないんだけど、絵に味わいがあるので何度も観たくなる。

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    2022年08月31日
  • 新版 貧困旅行記

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    日々鬱陶しく息苦しく、そんな日常や現世から、人知れずそっと蒸発してみたい――やむにやまれぬ漂泊の思いを胸に、鄙びた温泉宿をめぐり、人影途絶えた街道で、夕闇よぎる風音を聞く。窓辺の洗濯物や場末のストリップ小屋に郷愁を感じ、俯きかげんの女や寂しげな男の背に共感を覚える……。
    主に昭和40年代から50年代を、眺め、佇み、感じながら旅した、つげ式紀行エッセイ決定版。

    タイトルと内容が全然違うじゃん!どこが貧困なんだよ、詐欺じゃん!と投げ出してやろうかと思ったけど、あっと言う間に魅力にハマった。昔の日本とか、旅がどうだとか、そんなのどうでもいい。つげ義春という人物に酔えるエッセイ本。会ったことのないフ

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    2021年09月20日
  • つげ義春日記

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    つげ義春 日記 昭和50年(38才)〜昭和55年(43才)

    常に不安で心細く頼りない自分、辛うじて生きてきた自分を赤裸々に綴っている日記〜癌への不安や不安神経症に悩まされる日々、奥さんへの愚痴 が多め


    著者は 自身と同じ境遇、気質を持つ人を慰め、勇気づけるために この本を出したように思う。これだけ 陰鬱性や死への不安に悩まされながらも 生き続けた著者の日記は 自死した文学者の言葉より、ずっと信頼できる


    仕事も順調で、小さい子供もいて、幸せのはずなのに、死の不安 や 他人の幸せを羨む気質に起因する病気が全てを台無しにしている。精神病は恐ろしい病気である




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    2021年06月20日
  • 新版 貧困旅行記

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    昭和の鄙びた宿場町の描写とそこを歩く中で生じる内省の描写が面白かったです。つげ義春の漫画で描かれている奇妙な世界は、実際の世界から遠くかけ離れた世界であるように感じていましたが、この本を読むとそう遠いものでもないのかもしれないと思えて来ます。今となっては追体験をすることが難しい旅も多く、旅の中で感じる郷愁であったり後悔であったりが羨ましくも感じられました。

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    2020年09月13日
  • 新版 貧困旅行記

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    一万円選書から

    漫画家の紀行記、手書きの地図がちょいちょい描かれているのだが、何度Googleマップの航空写真と照らし合わせたことか。
    著者が訪れたのはもう何十年も前の話なので「今はどうなっているのだろうか?」が、気になってします。

    あ〜、こんな旅がしてみたい。

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    2019年11月15日
  • 義男の青春・別離

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    責苦 ブロバリンを発作的に飲むが死に切れず 滂沱の涙を零す 自己憐憫 ゆうずうむげ融通無碍に往還する 苔生した石仏を感慨深げに眺めたり 火の見櫓ひのみやぐら けれど李さんの説では蟹は下水道を通ってしばしば思わぬ所に現れるのは珍しいことではないという 京成の市川だから 錦糸町に越してくればよかったのに 立石 青砥あおと 湯河原温泉 坂口安吾 左ぎっちょ てこう手甲 この時ばかりは終電のない環状線がありがたかった 貸本 徹底的に作り込んだことによる外連味けれんみ 義父による折檻の種 大島への密航を企てる 自ら仕込んだ通俗を笑い飛ばす大人の理知が無ければ 悲惨な状況のなかで、回数にこだわってしまう滑

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    2018年12月26日
  • 新版 貧困旅行記

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    初めからおもしろい。昭和の時代の電車旅。ひなびた場所に住んでみたいというクセの強い筆者。
    ネット全て調べて予約してからの旅行とは大きくかけ離れている。
    ただ貧困と言っても電車に乗って一泊や二泊してと、現代の我々のほうがわびしい旅をしているのかもと思われる。

    地図を片手に風景を見ながら歩く、これは贅沢な旅だなあと思わせる作品。

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    2018年06月02日
  • 義男の青春・別離

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    つげ義春ってまだ生きてたんだ。
    水木しげるや手塚治虫や、やなせたかしと同年代だと思ってた。彼等よりはちょっと年下なんだ。

    読んでみて、なるほどこれはわからんわ…と思った。あんまり読みたいとも思わなかったから、「別離」だけ読んだ。
    表現せずにいられない何かを持ってはいたんだろうな。それが何かはよくわからないけど。とにかく鬱屈としている。内向的な人だったんだろうなぁ。良くも悪くも。

    つげ義春と検索すると、鬱になる漫画だとか、後味が悪いとか、そんなページが一ページ目から出てくる(笑)。

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    2017年10月28日
  • 新版 貧困旅行記

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    つげ氏の文章は初めて読みましたけれども…なんというか、内向的な方なんでしょうね、きっと…だからこそ、漫画であのような独自の世界を創られるのかと…想像する次第なんですけれどもまあ、この本に書かれた当時の田舎町と今現在の田舎町とじゃ大分差があるかと思います…。

    ヽ(・ω・)/ズコー

    今では当時よりもさらに「つまらない町」が増えているかと思いますので…あらゆるお店のチェーン店化とかもね、その一因を担っていることでせう…!

    ヽ(・ω・)/ズコー

    まあ、人間が利便性みたいなのを追及していくとやはりね、いろいろな場所の特色みたいなのが薄まっていくんですよね…そして、どこへ行っても同じような街並

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    2016年09月06日
  • 蟻地獄・枯野の宿

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    貸し本時代の手塚治虫ふうがメイン。
    こちらはあまりぴんとこず。
    ぽんと載せられた「懐かしい人」が傑作。

    おばけ煙突/ある一夜/不思議な手紙/腹話術師/盲刀/穴/ねずみ/右舷の窓/西瓜酒/運命/不思議な絵/手錠/蟻地獄/懐かしいひと
    リアリズムの宿/枯野の宿/会津の釣り宿

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    2016年07月14日
  • 義男の青春・別離

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    「別離」が胸に苦しく刺さる。

    【目次】
    蟹(1970年1月)
    夢の散歩(1972年4月)
    夏の思いで(1972年9月)
    下宿の頃(1973年1月)
    事件(1974年4月)
    義男の青春(1974年11月)
    夜が掴む(1976年9月)
    コマツ岬の生活(1978年6月)
    外のふくらみ(1979年5月)
    必殺するめ固め(1979年7月)
    窓の手(1980年3月)
    やもり(1986年9月)
    海へ(1987年3月)
    別離(1987年6月、9月)
    解説  近藤ようこ

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    2021年01月02日
  • 紅い花 1

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    約20年振りに買い直しました。

    数年に一度位で読み直したくなるのが、つげ義春作品。特に探していたという程ではないが、安価で落ちていたので、購入。

    思春期の少年少女を描いた、表題作「紅い花」はとにかく大好物。次いでは「もっきり屋の少女」。ホッコリ系「古本と少女」もイイ。

    全体的にはお得意の旅情モノ多目。ソコに「李さん一家」「女忍」等々の変化球をおりまぜた印象。

    様々な意味での、ココに流れてるユルい、でも、遡れない時間感覚。ソレを欲した時に、また開くんだろうなぁ……。

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    2016年06月14日
  • ねじ式 1

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    ????……みたいな感じだった。

    面白く感じる話もあれば意味深なのも多い。『オンドル小屋』や『長八の宿』はなかなか良かった。あんな風に騒がしく雰囲気を壊す連中っているし、そういう記憶はいつまでたっても腹立たしいままだ。ただ表題作の『ねじ式』はなんなのかよくわからんかったなぁ。なにかを暗喩しているのか。『ゲンセンカンの主人』は輪廻だとか人の業を表してるのだろうか。

    全体的によくわからん

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    2015年10月26日
  • 義男の青春・別離

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    どの作品も主人公が漫画家でして、そうなるとどうしてもつげ氏本人の自伝的内容?? と思ってしまいがちですけれども、解説を読むとそう思ってしまう読者っつーのはアレなんですな、純情ということなんですなぁ… ←え?? 社畜死ね!!

    ヽ(・ω・)/ズコー

    でもまあ、つげ氏の作品ってあまりフィクションめいた終わり方…たとえば明快なオチをつけるとかそういうことがあんまりないのでやっぱりこれはつげ氏本人に大分近い作品群なんじゃないか…と思ってしまうんですけれどもまあ、それはどうでもよいことで、今回の作品集もやはり傑作なんだと思いました…!

    繰り返し読むことで当作品の価値が分かってくるのかもしれません…

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    2015年09月21日
  • 無能の人・日の戯れ

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    再読ですけれども、個人的には無能の人より前に入っている短編のが好みだったかもしれません! いや、無能の人も確かに傑作には違いないのですけれども、個人的に石の説明とかね…そんなに詳しく説明されても石などにまるで興味のない者からしたらその部分が苦痛でして…でもまあ、全体を通してみれば「映画:無能の人」のことなんかを思い出させるシーンとかもあったりして楽しめましたよ!

    ↑ということを言いたいんですねぇ…また数年後かに読み返そうかと思います。さようなら。

    ヽ(・ω・)/ズコー

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    2015年09月08日
  • ねじ式 1

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    二十数年振りに買い直し。
    今、読み返すと、振り幅がけっこうあったのね。
    抽象的なタイトル作、得意の旅情モノ、町工場モノ、退廃系……。
    自分はベタに「ねじ式」と「ゲンセンカン主人」、「長八の宿」がお気に入り。
    個人的評価は『無能の人』→『紅い花』→『ねじ式』の順は変わってないみたいだ。
    昭和エロス漂う『紅い花』も買い直さねば……。

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    2014年10月07日
  • 蟻地獄・枯野の宿

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    貸本時代から癖のある作品描いてたんだな。
    後半は作者の旅好きから発生しているのだろうが巻末の作品のブッツリ切れている感覚は芸術的なのか投げやりなのか元々こういう作家性なのかよく分からん。

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    2014年08月16日