つげ義春のレビュー一覧
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多分、むかし読んでいるのだが、もう一度読みたくなって文庫版の新版を読み始める。写真がものすごくよい。
温泉で執筆していた文豪のことや、民俗学者・宮本常一のことなども出てくる。自身の神経病みのことも少し出てくるが、社会的弱者からの視点、弱者への眼差しが感じられる。読んでいて心がほぐれる。
期日前投票に行ったが長蛇の列で、約1時間この本を読みながら順番を待った。高齢者が多く、膝や腰が痛くて立っていられない、座ったは良いが順番がわからない。などなど、嘆きの声があちこちから聞こえてくるなかで、赤ん坊の鳴き声も一際目立っていた。日本の人口構成がわかるような気がした。 -
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これまで何作かのつげ作品を読んできて、私は特に〈李さん一家〉と〈海辺の叙景〉に見事にやられてしまったのだが、そこにこれまた私が好きな『幻想怪異』の要素までトッピングされたら、それはそれは素晴らしい作品集に決まっている!
という訳で実に良かったです。ハイ。
運よく収録作全てが未読だったのも素晴らしい。
紙質も製本も非常に良くて、めくり心地最高。すべすべ。
作品ではやはり群を抜いて〈ゲンセンカン主人〉が狂気の極み、まさに奇譚としか言いようがなく、「と……… まあ そういう わけだったのさ」(p123)という文字だけのコマに痺れたし、淡々としているはずなのに結末に向けてクレッシェンド気味に緊 -
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代表作とされる「紅い花」「李さん一家」「もっきり屋の少女」を含む13編を収録。
’影’の表現が素晴らしい。
直接的に感情を口にする場面はほとんど見られないが、陰影や微妙な表情のゆらぎ、情景で心模様を描き分けている。
表題作「紅い花」は夏の陽が注ぐ深緑、川や滝の流水音・蝉の声が耳目に鮮やか。そして現れる紅い花。初潮を迎えたサヨコと、それを目の当たりにしたシンデンのマサジの心の変化が描かれる。
「李さん一家」はただただ怖い。どこからともなく鳥語を話せる李さんが現れ、いつの間にか家の二階に住み着き、特に何をするでもなくそこにいる。最終的にどうなるかと言えば「実はまだ二階にいるのです」で -
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昭和50年=1975年、子供が生まれ、入籍。作品が文庫化し儲かる。
昭和52年=1977年、マキ、癌手術。家の問題。
昭和55年=1980年、不安神経症の診断。森田療法。
といった、いわば「「ガロ」以降」の私生活を、1983年から「小説現代」に連載した、というか、売ったというか。
子が生まれて5年ほどの記録だ。
ほぼ同時期の記録を藤原マキが、1982「私の絵日記」、1987「幸せって何?ーマキの東京絵日記」として出している。
この2冊は持っているので、続けて読むつもり。
つげの持つ、旧来の男性的子育て価値観/神経症的・心配し過ぎな子育て価値観、をマキ側から光を当てられる、結構稀有な題材だと思 -
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最後の「無能の人」を除けば、短編の漫画集。
【退屈な部屋】
日常と離れるために、偽名を使って、外にアパートを借りる。が、妻に気づかれる。妻は怒るでもなく、部屋を掃除してくれ、また、住むことが出来るように、整えてくれる。
それは、新たな、退屈な日常となる。
【魚石】
つげ義春の、旅行記によく出てくる、相模原のT君から譲り受けた、いかにもインチキくさい石の話。
【日の戯れ】
これも、つげ義春の随筆旅行記によく登場する、妻がでてくる。随筆旅行記には、妻は写真でも登場するが、小さい写真なので、顔までは分からない。この漫画に描かれている妻は、なかなか魅力的。つげ夫妻は、仲が良かったのだろう。
【散歩の