つげ義春のレビュー一覧

  • 新版 貧困旅行記
    読みやすさ ★★★★★
    面白さ ★★★★★
    ためになった度 ★★★

    何度も読んだ、自分にとってバイブルのような本の一つ。つげさんは、ご自身では文章を書くのは苦手と言っているが、なかなか味わい深い文を書く。p250の家畜小屋のくだりが特に好きだ。
  • つげ義春 幻想怪異奇譚集成
    これまで何作かのつげ作品を読んできて、私は特に〈李さん一家〉と〈海辺の叙景〉に見事にやられてしまったのだが、そこにこれまた私が好きな『幻想怪異』の要素までトッピングされたら、それはそれは素晴らしい作品集に決まっている!
    という訳で実に良かったです。ハイ。
    運よく収録作全てが未読だったのも素晴らしい。...続きを読む
  • 無能の人・日の戯れ
    それぞれの世界に没入させてくれる。
    へんてこりんな人達ばかりなのに。

    不思議としっかり没入させられてしまう。

    つげ義春…恐るべし。
  • 新版 貧困旅行記
    時間かかった!
    小倉の昔の写真がどどんと載ってるのに惹かれて買った
    この頃の小倉に行ってみたい
    杖立温泉に行った後にこれ読んで、出てくる写真と同じ建物の写真を撮ってたのも偶然だった
    最初の珍道中感から徐々にだらだら旅日記感が出てきて時間かかったけど、わざとボロい宿に止まって自分はどーしよーもない人間...続きを読む
  • 新版 貧困旅行記
    千葉県の大原や、上野原の旧甲州街道、東京都の深部など観光にとってマイナーな場所のマイナーな宿を綴った一風風変わりなC級旅行記。
  • 紅い花 1
    紅い花の叙情的で郷愁を誘うその世界は、何とも言えない独特な感情を呼び起こさせる。それは暖かく、優しく、そして悲しい、そんな気持ちにいつもさせてくれる、私にとって大切な作品です。
  • つげ義春日記

    つげ義春好きなら

    かなりボリュームがあるので、つげ義春さん好きの人なら買って損はないかと思う。「無能の人」のようなユーモアは、ほとんどなく、生活の事と不安神経症(今ならパニック障害と診断されるはず)の事が書かれている。
  • つげ義春 幻想怪異奇譚集成
    独特の世界観にいつも圧倒される。妄想の出来事や不条理な夢をそのまま映像化する圧倒的な力。説明のしようがない世界を具体化する。驚嘆のみ。
  • 紅い花 1
    代表作とされる「紅い花」「李さん一家」「もっきり屋の少女」を含む13編を収録。


    ’影’の表現が素晴らしい。
    直接的に感情を口にする場面はほとんど見られないが、陰影や微妙な表情のゆらぎ、情景で心模様を描き分けている。



    表題作「紅い花」は夏の陽が注ぐ深緑、川や滝の流水音・蝉の声が耳目に鮮やか。...続きを読む
  • 蟻地獄・枯野の宿
  • つげ義春日記
    昭和50年=1975年、子供が生まれ、入籍。作品が文庫化し儲かる。
    昭和52年=1977年、マキ、癌手術。家の問題。
    昭和55年=1980年、不安神経症の診断。森田療法。

    といった、いわば「「ガロ」以降」の私生活を、1983年から「小説現代」に連載した、というか、売ったというか。
    子が生まれて5年...続きを読む
  • ねじ式 1
    つげ義春さんの作品は学生時代によく読みました。50年ぶりに再読。学生時代に読んだときと同じところで、同じような感覚になって、なんというか、タイムスリップしたような不思議な懐かしい体験でした。歳とって、いろいろ経験して、考え方もずいぶん変わったと思っていたけど、変わっていないところは全然変わっていない...続きを読む
  • 義男の青春・別離
    救いようのない状況なのに、どこか飄々と、それを他人事のように、時にバカバカしいユーモアをも交えながら描く、これこそ、つげ義春ワールド。
    絵の一種のしつこさも好きだ。
  • 無能の人・日の戯れ
    最後の「無能の人」を除けば、短編の漫画集。

    【退屈な部屋】
    日常と離れるために、偽名を使って、外にアパートを借りる。が、妻に気づかれる。妻は怒るでもなく、部屋を掃除してくれ、また、住むことが出来るように、整えてくれる。
    それは、新たな、退屈な日常となる。
    【魚石】
    つげ義春の、旅行記によく出てくる...続きを読む
  • 無能の人・日の戯れ
    20年ぶりくらいで読み返したけどやはりいいですね。「隣りの女」とか、「蒸発」とか、昔読んだときよりも良さが増してる気がする
  • 無能の人・日の戯れ
    つげ義春についてはよく知らないのだが、何とも言えない画風と陰鬱とした世界に引き込まれる。どの物語の主人公も貧乏で仕事をするでもなく、怠惰の極致だ。そして全編において妙なエロさがある。その辺の石を売る男、ただただ病人のふりをして働こうとしない男など、いずれも世俗の最底辺にいる人たち。しかしどこか憎めな...続きを読む
  • 新版 貧困旅行記
    巻頭に昭和45年当時の鄙びた山村、漁村、温泉宿の写真が載せられるが、もはや探しても見られなくなった絶滅風景か。ここ写る子どもたちは、そうか、ちょうど自分と同じくらいの年齢なわけだ。かつて、未舗装路に並ぶ掘っ立ては我がまちにもあったが、ここまで寂れて侘しい風景は記憶にあるような、ないような。わずかばか...続きを読む
  • ねじ式 1
     アックスの特集でコメントを書くように20年ぶりくらいで読み返した。『ねじ式』は改めてとても変でめちゃくちゃなのだが、めちゃくちゃなりに筋が通っていて、凄みがあり、何より絵にも凄みがみなぎっている。蒸気機関車の見開きがすごい。黒で描いた後にホワイトでヒッチングをしていて面倒な車輪のシャフトまで丁寧に...続きを読む
  • 新版 貧困旅行記
    「失踪」に憧れ、
    全国を広範囲でうろうろしているはずなのに、
    何故か
    『日常』から逃れられないつげさん。

    彼が描く異世界に何故か既視感を覚えてしまうのは
    そういうとこが原因か??
  • 無能の人・日の戯れ
    いましめとして。

    つげさんの作品は読む人それぞれの解釈があって、
    独特の表現がすごく好き。

    毒々とした皮肉をスマートに語る人だなぁと思います。

    息子の顔がブラックジョーク(ひどいか)