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多忙な現代人が忘れてしまった根源的故郷への思慕を胸に、鄙びた温泉宿を訪ね歩く場末感覚に満ちた「颯爽旅日記」。日常生活の狭間に突如現れる異世界=夢の領域をシュールなイメージとともに採取した「夢日記」。自らの貧困生活を滑稽かつ痛切に綴った「断片的回想記」など、生と死の間で揺らめく人々の物哀しさを描き続けてきた孤高の漫画家、つげ義春の世界を一望する新版エッセイ集。
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Posted by ブクログ
つげ義春が鄙びた温泉街を巡る。相変わらずのショボくれ感と、イラストの場末感がたまらなく胸にグッと迫る。 無性に流離いたくなる。。
なぜか夢の中でまで購入したつげ氏のエッセイ。回顧と夢日記が主であるが、影に特徴のある風景イラストも素敵。PC-98「ねじ式」中の札所の婆さんの原画や、後ほどマンガになったヨシボーの元ネタ、「するめ固め」の元元ネタなど掲載されていて興味深い。断片的な文も程よく読みやすく、つげファンなら必携の1冊。
びっくりした。 マンガよりもすごいじゃないか・・・と思ってしまった。 マンガは作品で洗練されてるから、比べるのも、間違ってるだろうけど。
ひ弱かった四郎が、向き不向きを別に立ち位置を定めつつある。太郎が最も自分を見失っているのか。三郎はあまりもの実直さが危なげだ。そして次郎は新たな境地を開くことができるのだろうか。いよいよ日本が崩れゆく中で、果たして彼らは生き残れるや否や。
貧困旅行記に続き、いい! 何に惹きつけられているのかまだ分かりませんが、とにかく、つげ義春との出会いは今年一番でしょう。
ひなびた地方の温泉地をめぐる旅日記と、観た夢を回想したものなどが抄録されている。 ちょっと、特異な味わいがあるというか、つげ作品やつげ義春ワールドを 知らないと絶対に読めない本だろう。 特に夢日記は、つげ作品の原点というか、なるほどこの夢があの作品の元になったのかと オーバラップすることしきり。但し...続きを読むヒトの夢なんて、本来真面目によむものじゃないわけだから 読んでいて、憂鬱な気分になるかもしれない。
つげ氏の旅日記(国内旅行記),夢日記(夢のメモ),回想記と,幾つかのイラストレーションなどをまとめた作品。読後も本の表題の意味が判然としないのはともかくとして,内容は,つげファンにとってたいへん興味深いものだろう。夢日記と回想記に収録されているエピソードの幾つかは漫画化されているので(注:本書に収録...続きを読むされてはいないが),素材がどのように作品化されるのか,その過程を思い浮かべるのにも適している。
10代の頃、つげ義春にハマリ手を出した一冊。つげ大先生の頭の中を拝見できるワンダフルな日記は読む価値ありです。
アングラっぽい人だと思ってたけど、普通な人間っぽさが見れて親しみやすかった。 でも普通の旅好きとは違うように思うのは、彼が描く(もしくは綴る)旅先の風景がどこかもの哀しく、寂れていて、彼が部外者のように扱われ、旅先でもまた孤独な目に遭うからだ。
ほとんどのエピソードが、なんらかの形でマンガに必ず出ているので、ほんとうに 「創作」ではなく、自分の内面を描くことのみの人なのだなとこれを読むとより実感。 一枚絵もいいが、やはりマンガになっている状態でないとつげのよさは わからない。旅に持っていくにはいい一冊。
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