篠たまきのレビュー一覧

  • てのひら怪談 ずっとトモダチ【試し読み】
    スマホやSNS、夜間の塾といった最近の子供の事情を暑かった作品が目新しかったです。正直、文体は少し大人向けの作家さんも混じっており、そのせいか内容的に少し子供向けとしては上級の怖さかなと思いました。
  • てのひら怪談 ずっとトモダチ
    子供向けだけど容赦なく怖い。舞台が小学校になってたり主人公が小学生なだけで内容はガチなホラーだった。
    むしろ子供がひどい目に遭うのが苦手な人には大人向けホラーよりずっときついかも(基本的に想定読者と同年代の小学生が怖い目に遭うので)

    ホラー作家の皆さんは大人向けに書いてるときと同じくらいの出力出し...続きを読む
  • やみ窓
    恐ろしいのに幻想的な、夜の取引。
    どん詰まりで閉塞感のある現実の描写と、怖い夢のような夜の描写のコントラストが良いなぁ。
    夜の取引は非現実のようでいて、少しずつ図々しくなっていく窓の向こうの人々もだんだん上位存在のような振る舞いになっていく主人公も妙にリアリティある。人間の本質ーって感じ。
    感触まで...続きを読む
  • やみ窓
    篠たまき先生のデビュー作。ずっと読みたかったのですが、なかなか単行本が手に入らず途方に暮れていたところ、角ホラから出てくれて本当に嬉しいです。楽しみにしてました。

    「氷室の華」で篠作品に出逢いましたが、「やみ窓」から幻想的な雰囲気や文章は確立されていたのですね。
    恐ろしくてグロテスクなはずなのに、...続きを読む
  • 月の淀む処
    「氷室の華」を読んで一瞬で好きになってしまった篠たまき先生の最新作。

    作品全体に漂う不穏な空気が大好きです。

    各所「ぞっ」とするシーンも、優しくここだよと教えてくれるようなストーリー運びも親切で、ホラー、ミステリ初心者もきっと楽しめるかと思います。

    終わりかたも余韻と未来への不安を感じさせてく...続きを読む
  • 氷室の華
    「人喰観音」と「やみ窓」でがっつりハマった篠たまきさん。新作が出るということで調べていたら、サイン本入荷の情報をゲット!これは買わなくては!と送料+手数料で本体価格の倍以上になってしまった。がしかし好きな作家さんのサイン本にはそれ以上の価値を感じてしまう。そして嬉しいご褒美が。Twitterでサイン...続きを読む
  • 氷室の華
    ホラーは嫌いではないです。氷室の華も許せます。でも痛いのは嫌かな変に水掻きを切り刻むリアルな描写は耐えられないなあ。
  • てのひら怪談 見てはいけない
    様々な形で出版されている長寿シリーズてのひら怪談。児童書レーベルから出たこちらも容赦なくこわくて面白い。個人的には前の巻よりこちらの巻の方が好きな話が多かった。800文字でゾワッと怖い気持ちになれるお手軽な怪談本である。
  • 氷室の華
    氷室守りの家系に繋がる祖父が小学生のユウジに氷室守りの役目を話す描写が気味悪く、氷の中にいるような冷たい人たち…手癖女を狩る、仙女に、ひらこの白い華…不気味でゾクゾクする怖さ。
  • てのひら怪談 見てはいけない

    年を取ると子供が死ぬ話は辛い

    表紙や挿画は可愛らしい絵で、だからこそ作品内で子供が犠牲になっていく結末が胸につまされる。
    と言っても、怪談を読んで辛い気持ちになるのは正当なので文句じゃなく評価している。
    怪談やホラー小説で有名である作家陣も、いつもとは違った筆致で児童向け怪談に挑み概ね成功しているように感じた。

    『横断歩道には...続きを読む
  • 氷室の華
    氷室守りの血を滾らせ、邪な蒐集を…って良い。氷室に何代もの氷室守りが蒐集してきた華。
    “ユウジ”が執着したものはひらこがある手だけど、側にいたい人は初恋の相手でもなく静花でもなく、もちろん葵でもなく、氷室守りだった祖父というのが好きでした。ユウジと離された祖父が受けた仕打ちが辛すぎた…醜い嫉妬から狂...続きを読む
  • 人喰観音
    某書店の「怪奇幻想」コーナーにあって購入。
    ちょっと恐いけど美しく非現実的な物語が読みたいな〜と思って手に取った。
    あらすじを読むとなんとなくだんだん狂っていく人間を見ながらも何もできない無力な観音のその悲しみのようなものを描いているような感じがしたのだが、むしろ主役は人間。観音様は何も知らない。
    ...続きを読む
  • 人喰観音
    フォロワーさんのお勧めより。極上の幻想怪奇小説。「観音様」と崇められた美しい女は人を喰う異形のものだった。スイの妖しいまでの美しさと不思議な能力に魅入られた人々は彼女に翻弄され、深い業の淵へと堕ちてゆく。耽美な文章共々、大変好みの作品でした。グロいのが苦手な人は要注意。
  • 月の淀む処
    これは狂っていて面白かった。はじめ忌避していた主人公が徐々に向こうの世界へと移行してゆくのが楽しい。それにともなって主人公の目に映るヒルガオの印象が変わっていくのもうまい。主人公の抱えた闇も、副主人公の隠された真実、異常性も楽しい。この「パートリア淀ヶ月」まだ空き部屋があるのなら僕も住みたい。収入証...続きを読む
  • 人喰観音
    残酷オブ残酷だしグロいので気軽に読んでとは言えないけれど、篠たまきさんの美しい世界に気づけばどっぷり浸からされている本です。

    スイが居なければそもそも凛子はあんな目に遭わずに済んだのに、凛子がスイに魅せられてしまうのはどうしてなのか…『人ではない何か』の魅力がそうさせるのか。

    東方さんいつスイ食...続きを読む
  • 氷室の華
    白姫澤という村の出身者には指と指の間に水かきがあって、その手を切り取って花としていける、というオリジナリティの高い、サスペンスと言うかファンタジー。水かきを、ひらこだの、掻き平だの呼ぶセンスもいい。少女を相手にするペドい展開もあって、なんともすごい作品なのだが、文体が好みじゃないのが残念。
  • 月の淀む処
    不思議なマンションで起こるき奇々怪々な出来事、多くの骨壺、奇妙な盆踊り、深い因縁ラストに待つ衝撃な事実とは、この夏いちばんの傑作ホラーミステリーあなたも肝を冷やして下さい。
  • 人喰観音
    耽美で、妖しく、美しい生き物「スイ」と、彼女によって静かに狂わされる人々のオムニバス。

    博多に向かう船の中で、深夜、ドキドキしながら一気読みした思い出。
  • 氷室の華
    ああ、読み終わってしまった…残酷で狂ってて美しいです。
    美しい村とそこに生きる人間達の残酷さの対比が刺さりました。
    この作家さんの他の本も読んでみたい、一気にファンになりました。
    随所に散りばめられている香りの描写が好きです。
  • 人喰観音
    不死で官能的、予言で人の役に立つことを喜ぶような、穏やかな「生き神様」。
    全く無害の生物のはずが、周りの「普通」で「善良」な人々は、狂気に落ちていく。
    それまで、世の理不尽さ・残酷さにただじっと耐えていた人々が、生き神様に触れることで欲望を解放されるのか。