篠たまきのレビュー一覧

  • 人喰観音

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    ネタバレ

    某書店の「怪奇幻想」コーナーにあって購入。
    ちょっと恐いけど美しく非現実的な物語が読みたいな〜と思って手に取った。
    あらすじを読むとなんとなくだんだん狂っていく人間を見ながらも何もできない無力な観音のその悲しみのようなものを描いているような感じがしたのだが、むしろ主役は人間。観音様は何も知らない。
    個人的には第二章の「飴色聖母」が一番好きだった。自身が平穏に生きていくために、無惨にも多くの人間を手にかけ、「私に懐いたばっかりに」と子犬にだけ謝るその姿は、まるで『エルフェンリート』のルーシーのようだ。

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    2023年01月04日
  • 月の淀む処

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    ネタバレ

    これは狂っていて面白かった。はじめ忌避していた主人公が徐々に向こうの世界へと移行してゆくのが楽しい。それにともなって主人公の目に映るヒルガオの印象が変わっていくのもうまい。主人公の抱えた闇も、副主人公の隠された真実、異常性も楽しい。この「パートリア淀ヶ月」まだ空き部屋があるのなら僕も住みたい。収入証明ではじかれるかもしれないけど。

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    2021年10月26日
  • 人喰観音

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    ネタバレ

    残酷オブ残酷だしグロいので気軽に読んでとは言えないけれど、篠たまきさんの美しい世界に気づけばどっぷり浸からされている本です。

    スイが居なければそもそも凛子はあんな目に遭わずに済んだのに、凛子がスイに魅せられてしまうのはどうしてなのか…『人ではない何か』の魅力がそうさせるのか。

    東方さんいつスイ食べるんだろう…って後半ドキドキしてましたが、あの終わりかたは色々と想像できていいですね。

    (月の淀む処でも書いたかもですが)篠たまきさんの余韻が好きです。

    でもほんとうに残酷なので気をつけないといけません。

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    2021年08月12日
  • 氷室の華

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    白姫澤という村の出身者には指と指の間に水かきがあって、その手を切り取って花としていける、というオリジナリティの高い、サスペンスと言うかファンタジー。水かきを、ひらこだの、掻き平だの呼ぶセンスもいい。少女を相手にするペドい展開もあって、なんともすごい作品なのだが、文体が好みじゃないのが残念。

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    2021年08月07日
  • 月の淀む処

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    不思議なマンションで起こるき奇々怪々な出来事、多くの骨壺、奇妙な盆踊り、深い因縁ラストに待つ衝撃な事実とは、この夏いちばんの傑作ホラーミステリーあなたも肝を冷やして下さい。

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    2021年07月16日
  • 人喰観音

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    耽美で、妖しく、美しい生き物「スイ」と、彼女によって静かに狂わされる人々のオムニバス。

    博多に向かう船の中で、深夜、ドキドキしながら一気読みした思い出。

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    2021年03月13日
  • 氷室の華

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    ネタバレ

    ああ、読み終わってしまった…残酷で狂ってて美しいです。
    美しい村とそこに生きる人間達の残酷さの対比が刺さりました。
    この作家さんの他の本も読んでみたい、一気にファンになりました。
    随所に散りばめられている香りの描写が好きです。

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    2021年03月10日
  • 人喰観音

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    不死で官能的、予言で人の役に立つことを喜ぶような、穏やかな「生き神様」。
    全く無害の生物のはずが、周りの「普通」で「善良」な人々は、狂気に落ちていく。
    それまで、世の理不尽さ・残酷さにただじっと耐えていた人々が、生き神様に触れることで欲望を解放されるのか。

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    2021年01月24日
  • 人喰観音

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    諸悪の根源は スイなのか
    それとも惑わされた人間なのか
    と思うのですが
    最後の短編では
    狂言回しかと思われた 行商人東方が
    思わぬ秘密をもって
    すべてを知る妹と対峙します
    スイの存在すら実は・・・という
    おぞましい結果に
    業の連鎖の恐ろしさを感じます

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    2020年02月17日
  • 人喰観音

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    生き神様スイに魅入られる人達の話。
    10年20年30年何年経っても生き神様は妖艶な姿で宿主を惑わせる。
    綺麗な寄生虫みたいだ。
    美しさに魅入られて宿主は常識から踏み外していく。
    愛は永遠ではなく死はいつか襲いかかってくる。
    人の死によって宿主は代わり物語も変化していく。

    エロチックなシーンが綺麗な文章で色気と妖艶さが強みを増す。
    始めから終わりまで美しい文章。久しぶりだなこういうの。

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    2019年12月09日
  • 人喰観音

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    緩くつながる連絡短編集。ねっとり、じっとりした読み口は独特なので次回作も楽しみ。神様ってその本質に気まぐれさと残酷さがありますよね、ヤハウエといい、本作のスイといい…

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    2018年12月05日
  • こわい話の時間です 六年一組の学級日誌

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    もう一冊の方と比べると直接的怖さが少なめだった。ちょっとネット怪談的なものもあったりだけど子供にはちょうどいいのかな。

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    2025年09月28日
  • こわい話の時間です 六年一組の学級日誌

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    あわわわゎ…。福音館が出したこわい話だから、どんな感じ?と読んだけど。恩田陸の学級日誌で終わる怖さよ!

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    2025年08月18日
  • こわい話の時間です 六年一組の学級日誌

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    ネタバレ

    【収録作品】
    田中啓文 「象の眠る山」
    木犀あこ 「とりかえっこ」
    田中哲弥 「誕生日のお祝い」 
    黒木あるじ 「おぼえているかい?」 
    恒川光太郎 「能面男」
    牧野修 「爪に関するいやな話」
    篠たまき 「骨もよう」
    我孫子武丸 「猫屋敷に気をつけて」
    恩田陸 「六年一組の学級日誌」

    全作品書き下ろしのホラー。
    「六年一組の…」は起きてほしくないけれど、すごくありそうな近未来。

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    2025年08月08日
  • こわい話の時間です 六年一組の学級日誌

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    もう一冊ほどのノスタルジックな感じはなかった。それでも子供の時に読んだ怪談を彷彿とさせるところがパラパラとあり楽しめた。3.6

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    2025年07月01日
  • 月の淀む処

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    ネタバレ

    引っ越してきたマンションがなんかおかしい。
    おかしな盆踊り、過去の虐待事件…
    ミステリーかと思って読み始めたら、じめじめとしたホラー?
    主人公の紗季が、だんだんと洗脳されるように変わっていくところが一番怖いと思った。

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    2025年05月21日
  • 人喰観音

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    実は東方がいちばん怖いぞ?スイの正体を知ってその時々で求めるものを調達する男。彼自身も歳はとってない。
    スイは多分彼がいなくなると困るけど、東方はスイがいなくても上手く人間に紛れて生きていけそう。

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    2024年09月11日
  • 月の淀む処

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    ネタバレ

    ミステリーなのかホラーなのか、読んでいてわからなくなってくる。
    この不思議な世界に私も迷い込んでしまったかのよう。

    紗季は普通の女性で普通の感覚の持ち主のようだけど、こういう人が一番おかしくて怖い。
    真帆子の詰めてくるような話し方も不快だし、マンションの住人たちもやばそうなヒトだらけ。

    なのに読み進めていくと、マンションの秘密を暴こうとする真帆子に対してこの住人たちと紗季の暮らしに波風立てないでほしいと思ってしまう。

    何がおかしくて誰が異常なのかわからなくなっていく感覚、読み終わってゾッとした。

    普通に考えて、村のしきたりを街中のマンションでやり続けようとする老人たちの執着も怖いし、笙

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    2023年06月28日
  • やみ窓

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    夫と死別した柚子は寂れた団地で平凡な日々を送っている。
    ひたすら地味に、職場でも目立たないよう過ごしているが夜はあるサイドビジネスをしている。それは窓を通じての別の次元の人々との物々交換である。人々は柚子を祠の天女と崇めたり山姥と畏れたりしながら、現世では高値で売れる反物や薬草、熊の肝を捧げて、見返りにペットボトルを受け取る。

    数百年前の人々にとってペットボトルは軽くて美しい不思議な壺なのだろう、時空を超えた取引の対価としてそこが面白い。

    過去の結婚生活における抑圧された思い出や義母への恐怖からとにかく目立たず、最低限の生活だけをしてきた柚子にとって、闇と繋がる窓は唯一強みを持てる場だった

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    2023年06月05日
  • 月の淀む処

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    マンション「パートリア淀ヶ月」に越してきたフリーライターの紗季。
    不気味な習慣のあるマンションについて記事を書こうと、隣人の真帆子に誘われ調べ始める。ホラーミステリー。

    表紙のこれ誰?読み終わってもわからない。
    八方美人でハッキリしない紗季、流されてやっていたお参りや民生委員の相手がストーリーが進むうちに意味合いを変えていく… 
    住民全員●●。
    狂気にゆっくりと浸食されていくような雰囲気がなんだか病みつきになります。●に何が入ると感じるか、読んで味わってみてください。

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    2023年01月26日