篠たまきのレビュー一覧

  • 人喰観音

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    栄えてた家が没落していく話が好きなので新雪の上を雪玉が転がるように人の欲望を巻き込んで救いようもなくなる滅びがあってよかった。無垢で邪気のない人外ながら周りの人間を皆狂わせていくスイの存在が歪みをもたらしているのかと思いきや、最後そうきたかと、、、

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    2025年06月01日
  • 氷室の華

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    不気味で、不吉。それでいて不穏さが詰まっている。
    因習漂う田舎が舞台だが、その土地にしかない気味の悪さが伝染してくるようだった。ホラーミステリではあるがあえて全ての謎を分かりやすく解くことはせず、物語の異様な世界観を伝えるに留めているのがいい。読者を突き放すのとは違う、少しだけ遠くからそっと聞こえてくるような異様な話に身震いした。

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    2025年02月02日
  • 氷室の華

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    氷室守りの家系に繋がる祖父が小学生のユウジに氷室守りの役目を話す描写が気味悪く、氷の中にいるような冷たい人たち…手癖女を狩る、仙女に、ひらこの白い華…不気味でゾクゾクする怖さ。

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    2023年10月15日
  • 氷室の華

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    ネタバレ

    氷室守りの血を滾らせ、邪な蒐集を…って良い。氷室に何代もの氷室守りが蒐集してきた華。
    “ユウジ”が執着したものはひらこがある手だけど、側にいたい人は初恋の相手でもなく静花でもなく、もちろん葵でもなく、氷室守りだった祖父というのが好きでした。ユウジと離された祖父が受けた仕打ちが辛すぎた…醜い嫉妬から狂わされたらそりゃあ。
    篠たまきさんは初めて読んだ「人喰観音」でもそうだったし、土着の因習がじわじわ人をおかしくしていく世界が好みです。
    氷室守りは受け継がれる。龍一はお祖父ちゃんと八寒地獄で一緒にいるかなぁ。。

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    2023年03月24日
  • 人喰観音

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    ネタバレ

    某書店の「怪奇幻想」コーナーにあって購入。
    ちょっと恐いけど美しく非現実的な物語が読みたいな〜と思って手に取った。
    あらすじを読むとなんとなくだんだん狂っていく人間を見ながらも何もできない無力な観音のその悲しみのようなものを描いているような感じがしたのだが、むしろ主役は人間。観音様は何も知らない。
    個人的には第二章の「飴色聖母」が一番好きだった。自身が平穏に生きていくために、無惨にも多くの人間を手にかけ、「私に懐いたばっかりに」と子犬にだけ謝るその姿は、まるで『エルフェンリート』のルーシーのようだ。

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    2023年01月04日
  • 月の淀む処

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    ネタバレ

    これは狂っていて面白かった。はじめ忌避していた主人公が徐々に向こうの世界へと移行してゆくのが楽しい。それにともなって主人公の目に映るヒルガオの印象が変わっていくのもうまい。主人公の抱えた闇も、副主人公の隠された真実、異常性も楽しい。この「パートリア淀ヶ月」まだ空き部屋があるのなら僕も住みたい。収入証明ではじかれるかもしれないけど。

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    2021年10月26日
  • 人喰観音

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    ネタバレ

    残酷オブ残酷だしグロいので気軽に読んでとは言えないけれど、篠たまきさんの美しい世界に気づけばどっぷり浸からされている本です。

    スイが居なければそもそも凛子はあんな目に遭わずに済んだのに、凛子がスイに魅せられてしまうのはどうしてなのか…『人ではない何か』の魅力がそうさせるのか。

    東方さんいつスイ食べるんだろう…って後半ドキドキしてましたが、あの終わりかたは色々と想像できていいですね。

    (月の淀む処でも書いたかもですが)篠たまきさんの余韻が好きです。

    でもほんとうに残酷なので気をつけないといけません。

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    2021年08月12日
  • 氷室の華

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    白姫澤という村の出身者には指と指の間に水かきがあって、その手を切り取って花としていける、というオリジナリティの高い、サスペンスと言うかファンタジー。水かきを、ひらこだの、掻き平だの呼ぶセンスもいい。少女を相手にするペドい展開もあって、なんともすごい作品なのだが、文体が好みじゃないのが残念。

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    2021年08月07日
  • 月の淀む処

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    不思議なマンションで起こるき奇々怪々な出来事、多くの骨壺、奇妙な盆踊り、深い因縁ラストに待つ衝撃な事実とは、この夏いちばんの傑作ホラーミステリーあなたも肝を冷やして下さい。

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    2021年07月16日
  • 人喰観音

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    耽美で、妖しく、美しい生き物「スイ」と、彼女によって静かに狂わされる人々のオムニバス。

    博多に向かう船の中で、深夜、ドキドキしながら一気読みした思い出。

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    2021年03月13日
  • 氷室の華

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    ネタバレ

    ああ、読み終わってしまった…残酷で狂ってて美しいです。
    美しい村とそこに生きる人間達の残酷さの対比が刺さりました。
    この作家さんの他の本も読んでみたい、一気にファンになりました。
    随所に散りばめられている香りの描写が好きです。

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    2021年03月10日
  • 人喰観音

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    不死で官能的、予言で人の役に立つことを喜ぶような、穏やかな「生き神様」。
    全く無害の生物のはずが、周りの「普通」で「善良」な人々は、狂気に落ちていく。
    それまで、世の理不尽さ・残酷さにただじっと耐えていた人々が、生き神様に触れることで欲望を解放されるのか。

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    2021年01月24日
  • 人喰観音

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    諸悪の根源は スイなのか
    それとも惑わされた人間なのか
    と思うのですが
    最後の短編では
    狂言回しかと思われた 行商人東方が
    思わぬ秘密をもって
    すべてを知る妹と対峙します
    スイの存在すら実は・・・という
    おぞましい結果に
    業の連鎖の恐ろしさを感じます

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    2020年02月17日
  • 人喰観音

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    生き神様スイに魅入られる人達の話。
    10年20年30年何年経っても生き神様は妖艶な姿で宿主を惑わせる。
    綺麗な寄生虫みたいだ。
    美しさに魅入られて宿主は常識から踏み外していく。
    愛は永遠ではなく死はいつか襲いかかってくる。
    人の死によって宿主は代わり物語も変化していく。

    エロチックなシーンが綺麗な文章で色気と妖艶さが強みを増す。
    始めから終わりまで美しい文章。久しぶりだなこういうの。

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    2019年12月09日
  • 人喰観音

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    緩くつながる連絡短編集。ねっとり、じっとりした読み口は独特なので次回作も楽しみ。神様ってその本質に気まぐれさと残酷さがありますよね、ヤハウエといい、本作のスイといい…

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    2018年12月05日
  • 箪笥の中

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    母と祖母が嫌いすぎる…。
    終始2人のあの感じが不快すぎて、読みながら心臓がキュッとなるような、胸全体がモヤモヤするような、とにかく嫌でした。

    不穏な雰囲気がずーっと続きます。読むのをやめると心のモヤモヤが居座り続けてしまうので、早く読んでしまおうと読書時間を無理やり捻出して一気に読みました。

    いつかなにか起きるんじゃないかという緊張感が、本作を読み終わるまで続きました。読み終わった時は安堵感が広がりました。やっと終わった、解放された、という感じ。

    感情を著者に弄ばれた気分でした。
    そういう感情にさせる描写が上手いということだと思います。

    イヤミスみたいな嫌な気分にさせられる作品が好きな人には手放しでおすすめです。
    毒親とかヒトコワとかのような、人の闇の部分を描いた作品が好きな人にもおすすめです。
    個人的には今挙げたような作品はあまり得意じゃないのですが、前述の通り描写力はすごかったので、そういう経験として楽しむことができました。

    はあ…、
    読み終わって良かった…。

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    2026年10月01日
  • やみ窓

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    ネタバレ

    タイトルのやみ窓はまーまーかな。


    ①ヤミ織
    「天女様は口が耳まで裂けた山姥になって村を祟ったんですって。それ以来、織り物を上手にできる人が少なくなって、どんどん廃れてしまったと伝えられているわ」

    ぽすぽす……
    今夜も軽く網戸を打つ音が室内に伝わり、窓辺に一人の男がやって来た。 窓を開くと外の空気がひやりと冷たい。湿った土と鼻腔を圧するような樹木の匂いもなだれ込む。 「かみさん、かみさん、拝ませてたんせ」

    ぽとぽと…… 今夜も網戸を打つ弱い音が響く。また闇の者がやって来た。

    濃紺のカーテンの向こうから、吠えるような風音と女の忍び泣きが、いつまでも、いつまでも、聞こえて。



    ②ヤミ児

    なぜ昼の仕事に固執するのかと自問する。答えは明白だ。闇の窓がいつ閉じてしまうかがわからないから。無職という肩書きになると何かと不便が生じるから。

    「あの……赤ちゃんを食べられてしまった親は、当然、天女様を恨みますよね。織り物の神様になったからって素直に信仰できたんでしょうか?」

    間引き。貧しさのため育てられない子は生まれてすぐに殺したと、そんな習わしを聞いたことがある

    女達もその場に引き据えられ、集められた村人の眼前で荒くれ者達に繰り返し、繰り返し犯された。 「織り物の達者な嬶も、娘共や小っこい息子も嬲られた」男はまるで噂話でもするようにぼそぼそとその有様を語った。「裸に剝かれて手を杭に縛られてな……」 輪姦が果てなく繰り返され、はじめは怯え喚いていた女達もすぐに静かになった。 陵辱が続くうち、泣きも、痛がりもしなくなり、ただ魂の抜けた人形のように野に横たわるだけになっていたと言う。 「使い物にならなくなった女共を、生きたまま烏が突いて……」

    ③ヤミ花

    枯れかけた木の葉がかさついた音を立て、男の瞳が熱を帯び、低い詠唱がいつまでも、いつまでも呪文のように流れ続けていた。

    祠の灯り

    女が座る祠の中は巨大な満月よりも明るく、壁も天井も綿の実のように白かった。小さな祠のはずなのに奥行きがある。家の土間よりも広く、中は用途も知れない不可思議な調度に満ちていた。

    ほーえぇ…… 遠い獣追いの声が、一層途切れながら、里を囲む山々に響き続けていた。

    びょう、びょう…… 秋の風が屋根の上で猛る。 もう冬が近い。雪がぶ厚く積もる前に自分はここから消されるのだろう。 遠い昔の沼辺の祠。温めく風にさわさわと揺れていた柳の葉。 ぬめるように静まり返っていた水面。 唇に挟んだ主の指の柔らかさと、祠の灯の温もりが蘇る。夢とも現ともつかなくなったそれらを思い出しながら、平太は浅い眠りに落ちて行ったのだった。

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    2026年05月31日
  • こわい話の時間です 六年一組の学級日誌

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    もう一冊の方と比べると直接的怖さが少なめだった。ちょっとネット怪談的なものもあったりだけど子供にはちょうどいいのかな。

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    2025年09月28日
  • こわい話の時間です 六年一組の学級日誌

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    あわわわゎ…。福音館が出したこわい話だから、どんな感じ?と読んだけど。恩田陸の学級日誌で終わる怖さよ!

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    2025年08月18日
  • こわい話の時間です 六年一組の学級日誌

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    ネタバレ

    【収録作品】
    田中啓文 「象の眠る山」
    木犀あこ 「とりかえっこ」
    田中哲弥 「誕生日のお祝い」 
    黒木あるじ 「おぼえているかい?」 
    恒川光太郎 「能面男」
    牧野修 「爪に関するいやな話」
    篠たまき 「骨もよう」
    我孫子武丸 「猫屋敷に気をつけて」
    恩田陸 「六年一組の学級日誌」

    全作品書き下ろしのホラー。
    「六年一組の…」は起きてほしくないけれど、すごくありそうな近未来。

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    2025年08月08日