雨瀬シオリのレビュー一覧
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ネタバレ 購入済み
形にしづらいもの達
新たに迎えた生徒たちとの一年が始まる。
好きなものへの憧れ、リスペクトで少しだけ自分を確立できそうな気がしたり。
(歳や経験を重ねたってそうそう確立なんてできないんですけれどね。)
言葉にすることで、初めて自分の家族への思いが何であるかわかったり。
孤立しているようでいて、高柳先生が他の先生達と一緒になって生徒の事を考えているのがわかったし、介護の話をしてて置いてけぼりにされた表情が年相応で、なんとも微笑ましかった。 -
Posted by ブクログ
NHKのよるドラを観て、これは原作も読まなきゃ、と思って即購入。
当初、3, 4巻は品切れだったので買えなかったのだけど、ようやく入手できたので一気読み。
ということで、現在発売されている部分についての感想を、1巻に記録しておく。
ヨースタイン・ゴルデルの『ソフィーの世界』という作品がある。不思議の国のアリスを下敷きにしたようなメルヒェンの体で、様々な哲学を横断的に紹介するような作品。発売当時はベストセラーにもなり、話題になったことを覚えている人も多いと思う。
自分がこの作品に出会ったのは、中学生後半のときだったように記憶してる。当時は読書の面白さに目覚めた時期で、図書室の本を片っ端か -
購入済み
自身への問いかけ
様々なアイデンティティーをもった生徒たちへ高柳先生は一年をかけて対話し、問いかけてきた。そんな彼らは卒業してゆく。
心のどこかにその問いかけが残り、これからも続く人生、何かのおりにふと思い出せればいいですね。
自分はどうしたいのか、どう在りたいのか、これは一生かけての命題かもしれない。
次に迎える生徒たちも登場してきました。
引き続き見守ってゆきたい作品です。 -
ネタバレ 購入済み
複雑でしょうね。
近藤くんが「学校(という日常)に戻りたい。」と答えを出すことができてよかった。
ただそこから抜け出すには「悪の力」でねじ伏せられた形での解決だっただろうから、高柳先生にとってみれば、複雑でしょうね。
本当に毎回考えさせられる、または考えてごらん。と云われているような気がします。
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ネタバレ 購入済み
どこにでも誰にでも
落とし穴はある。
子供でも大人でも、ましてや、おとなぶった子供なら尚、危ういかもしれない。
穴の縁まで来ていた松田先生に気付きのきっかけをくれた高柳先生。
落ちてしまった近藤くんが自ら爪を立てよじ登らせるきっかけを与えることはできるのか。
次巻が気になって仕方ない。
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ネタバレ 購入済み
このあやふやに満ちた世界
答えはあるような、ないような。
世界はそれに満ちている。とおもう。
それでもじっとそれに対してゆきたい。と思わせるきっかけになりそうな作品です。
今の自分だからこそ心に刺さる言葉がいくつかあって、時間をおいて読んだら、また違う引っ掛かりがありそうな気がします。(読んだ時の心理状態によって)
他者からみればほんのちょっぴりの傷であっても、本人にはその受けた傷しか見えなくなる時って本当にあるんですよね。
皆さんが云うように、合コンのくだりの先生は本当にかわいかったです。(笑)
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心情の描写がリアル
自分の心に響く言葉もあるし、登場人物たちの心情が手に取るようにわかるので、自分自身が同じような体験をしたことがなくても心が締め付けられた。
本当に素晴らしい作品。
誰もが感じたことがある生きづらさを解消するヒントも得られる。 -
Posted by ブクログ
アノミー(無秩序)
秩序、伝統などから解放され「自由」を得た事で多様性が高まり、個人主義が蔓延するのではなく、自由を謳歌できずに無気力状態に陥る事か。
秩序が撤廃された事に因り、弾圧や支配から解放された様で、実は依存しなければ何も決められない有象無象を生み出す「副作用」が伴う、と言う事か。
「余暇」は「労働」で得た富を
消費する事にしか使われないから
労働で得た富を余暇に使う余暇がないのは、一体何なんだろう、と思えて来る。高柳の話の中には、糧を得る為に労働をしていた時は、食料を得れば子供をお腹いっぱい食べさせられたり、そもそもが「生きる」に直結していた。現代人は「余暇」を手に入れた代わり -
ネタバレ 購入済み
面白い
1〜3と違い、急な展開に驚いた。先生の過去もこの巻から少しずつ見えてくる感じで面白かったです。
今までの生徒達がディベートで考えをぶつけ合うとこが好き。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ4巻までは特に面白かった。
はじめは無表情系のスーパー教師モノかと思っていたが、意外にも高柳先生は泥臭く、完璧な人間でもなかったし、常にかっこいい回答ができるわけでもなかった。
しかし、「なにが“善”なのか」を必死に考え、葛藤しつつも生徒を思い対話を重ね、ときに大胆な行動をとる高柳先生の様子が丁寧に描写されていて、とても面白かった。
また、必ず問題が解決するわけでもないところがリアルだった。
「恋に破れても⋯
家族が死んでも いじめられても
就職に失敗しても 仕事がイヤでも
お金がなくても
人生が⋯退屈でも!!
それがどんな理由でも
命に換わる程
重い絶望になるんです!!」
この言葉が腑 -
購入済み
やっぱり好き
最後の春山君の話、好きだなぁ
作者の良いところは倫理という内容を扱ってるのでこれが正しい!これは絶対ダメみたいな考え方が無いこと。人それぞれ思うことは違うのでその人に合った話の進み方をしててすごい好きです。