雨瀬シオリのレビュー一覧
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ネタバレ 購入済み
形にしづらいもの達
新たに迎えた生徒たちとの一年が始まる。
好きなものへの憧れ、リスペクトで少しだけ自分を確立できそうな気がしたり。
(歳や経験を重ねたってそうそう確立なんてできないんですけれどね。)
言葉にすることで、初めて自分の家族への思いが何であるかわかったり。
孤立しているようでいて、高柳先生が他の先生達と一緒になって生徒の事を考えているのがわかったし、介護の話をしてて置いてけぼりにされた表情が年相応で、なんとも微笑ましかった。 -
Posted by ブクログ
NHKのよるドラを観て、これは原作も読まなきゃ、と思って即購入。
当初、3, 4巻は品切れだったので買えなかったのだけど、ようやく入手できたので一気読み。
ということで、現在発売されている部分についての感想を、1巻に記録しておく。
ヨースタイン・ゴルデルの『ソフィーの世界』という作品がある。不思議の国のアリスを下敷きにしたようなメルヒェンの体で、様々な哲学を横断的に紹介するような作品。発売当時はベストセラーにもなり、話題になったことを覚えている人も多いと思う。
自分がこの作品に出会ったのは、中学生後半のときだったように記憶してる。当時は読書の面白さに目覚めた時期で、図書室の本を片っ端から読んでいた。何が切っ掛けだったかは忘れてしまったけど、高価なハードカヴァであるこの本を読みたくて、お小遣いを貯めて買ったような記憶がある(誕生日プレゼントだったかも)。そして、この本を読んだことが切っ掛けで、自分は哲学という世界にどハマリしていくことになる。
関係のないことを書いた理由は、本書、『ここは今から倫理です』は、『ソフィーの世界』の漫画版かつ倫理版、と言っても良いのではないか、と。倫理や哲学といった分野は、先人たちが「より良い生き方」を模索し、七転八倒しながら積み上げてきた足跡そのもの。
時代とともに「正しさ」は変わるけれど、先人たちが積み重ねてきた「足跡」は、著作や考え方が残っている限り、いつでも参照することができる。ある時代の「正義」が誤った方向に向かい始めたとき、僕らは彼らの「足跡」を参照し、それを道標にしながら軌道を修正していくことができる。
本作の冒頭で高柳が話している通り、「別に知らなくてもいいけれど、知っておいた方がいい」「選択の余地はあるものの、実は必修科目」なのが、哲学であり倫理だと自分も思う。なぜなら、生きることは容易ではなく、人生へ真摯に向き合えば向き合うほど難しくなっていくから。
そんな困難な道程であっても、先人たちの「足跡」を辿ることで、いくらかでも困難さは軽減される。もちろん、先人たちが到達し得なかった現代においては彼らの足跡は付いていない。そこから先は、自分たちが道を切り開いていくしかない。しかし、過去から続く足跡を補助線として、僕たちは歩いていく方向を推測できる。
しかし問題点は、倫理や哲学といったジャンルが難解であること。先人たちが自らの内で葛藤し、絞り出した「言葉」は異質なもので、ある種の私的言語に近い。
また、高度な論理展開を駆使することで自らの言葉の正当性を世に示してしているため、基礎知識を身に着けていない場合は取っ掛かりすら掴めない。
だからこそ、本書のような「入り口」を示すことは、社会的に非常に有益なものだと思う。本書を読んで興味を持った人は、放っておいても知識を広げようと動き始める。ちょうど、高柳に救われたいち子がそうしたように。
「大きな物語」が消失して、秩序が崩壊しつつある現代だからこそ、本書のような作品が必要になっていると思う。
また、上記のような「意義」とは別に、学園モノの作品としても非常に良く出来ていると思う。思春期ならではの悩みや痛みに真正面から向き合い、上っ面な「優しさ」で誤魔化すことなく、一緒に寄り添う姿勢は素晴らしい。
偉人の名言ですべて解決、といった胡散臭さもなく、あくまで「道標」を示すのみに留め、解決は生徒それぞれに任せる。だから、結論が出ない回も少なくない。圧倒的に「正しい」と自分は思う。
とても素晴らしい作品だと思う。
今後も読み続けていきたい。
ちなみにドラマは来週3/13で最終回。
ドラマ版は漫画の良さを上手く引き出しつつ、映像表現で出来ることを巧みに取り入れていて、これも名作だと思う。
最後に、漫画版もドラマ版もいち子ちゃんが非常に可愛いです。 -
購入済み
自身への問いかけ
様々なアイデンティティーをもった生徒たちへ高柳先生は一年をかけて対話し、問いかけてきた。そんな彼らは卒業してゆく。
心のどこかにその問いかけが残り、これからも続く人生、何かのおりにふと思い出せればいいですね。
自分はどうしたいのか、どう在りたいのか、これは一生かけての命題かもしれない。
次に迎える生徒たちも登場してきました。
引き続き見守ってゆきたい作品です。 -
ネタバレ 購入済み
複雑でしょうね。
近藤くんが「学校(という日常)に戻りたい。」と答えを出すことができてよかった。
ただそこから抜け出すには「悪の力」でねじ伏せられた形での解決だっただろうから、高柳先生にとってみれば、複雑でしょうね。
本当に毎回考えさせられる、または考えてごらん。と云われているような気がします。
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ネタバレ 購入済み
どこにでも誰にでも
落とし穴はある。
子供でも大人でも、ましてや、おとなぶった子供なら尚、危ういかもしれない。
穴の縁まで来ていた松田先生に気付きのきっかけをくれた高柳先生。
落ちてしまった近藤くんが自ら爪を立てよじ登らせるきっかけを与えることはできるのか。
次巻が気になって仕方ない。
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ネタバレ 購入済み
このあやふやに満ちた世界
答えはあるような、ないような。
世界はそれに満ちている。とおもう。
それでもじっとそれに対してゆきたい。と思わせるきっかけになりそうな作品です。
今の自分だからこそ心に刺さる言葉がいくつかあって、時間をおいて読んだら、また違う引っ掛かりがありそうな気がします。(読んだ時の心理状態によって)
他者からみればほんのちょっぴりの傷であっても、本人にはその受けた傷しか見えなくなる時って本当にあるんですよね。
皆さんが云うように、合コンのくだりの先生は本当にかわいかったです。(笑)
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心情の描写がリアル
自分の心に響く言葉もあるし、登場人物たちの心情が手に取るようにわかるので、自分自身が同じような体験をしたことがなくても心が締め付けられた。
本当に素晴らしい作品。
誰もが感じたことがある生きづらさを解消するヒントも得られる。 -
Posted by ブクログ
アノミー(無秩序)
秩序、伝統などから解放され「自由」を得た事で多様性が高まり、個人主義が蔓延するのではなく、自由を謳歌できずに無気力状態に陥る事か。
秩序が撤廃された事に因り、弾圧や支配から解放された様で、実は依存しなければ何も決められない有象無象を生み出す「副作用」が伴う、と言う事か。
「余暇」は「労働」で得た富を
消費する事にしか使われないから
労働で得た富を余暇に使う余暇がないのは、一体何なんだろう、と思えて来る。高柳の話の中には、糧を得る為に労働をしていた時は、食料を得れば子供をお腹いっぱい食べさせられたり、そもそもが「生きる」に直結していた。現代人は「余暇」を手に入れた代わりに、何かを失っているとも取れるが、そもそも文明の発達は人が「余暇」を簡単に享受できるようになるために、だった気がする。
「余暇」はあります、と謳い乍ら、仕事をしていても「時間」が得られず、疲労困憊して「仕事」の為のサイクルをこなすだけ、見た目は「余暇有り」、実態は「余暇に使う時間無しで労働」…生きるを見失ってもおかしくないのではないか。 -
ネタバレ 購入済み
面白い
1〜3と違い、急な展開に驚いた。先生の過去もこの巻から少しずつ見えてくる感じで面白かったです。
今までの生徒達がディベートで考えをぶつけ合うとこが好き。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ4巻までは特に面白かった。
はじめは無表情系のスーパー教師モノかと思っていたが、意外にも高柳先生は泥臭く、完璧な人間でもなかったし、常にかっこいい回答ができるわけでもなかった。
しかし、「なにが“善”なのか」を必死に考え、葛藤しつつも生徒を思い対話を重ね、ときに大胆な行動をとる高柳先生の様子が丁寧に描写されていて、とても面白かった。
また、必ず問題が解決するわけでもないところがリアルだった。
「恋に破れても⋯
家族が死んでも いじめられても
就職に失敗しても 仕事がイヤでも
お金がなくても
人生が⋯退屈でも!!
それがどんな理由でも
命に換わる程
重い絶望になるんです!!」
この言葉が腑に落ちる人は多いと思う。
生徒たちも、ただ一心に先生の言うことを聞くようになるわけではなく、自分たちで考えて、悩み、その結果先生の言うことを聞くこともあれば、先生とは違う答えを出すこともあり、そこがとても魅力的だった。
その過程もしっかりと描かれているので、最終的にどの生徒も応援したくなる。
5巻は少し倫理要素が少なくなった気がする。
この作品の持ち味は“教える”だけではなく“対話する”ことで生徒と心を通じさせようとする部分にあると思うが、5巻では生徒の対話シーンが減ったことで、高柳先生がちょっと偉人の名言を引用しながら生徒を言い負かすだけの装置になってしまっているように感じた。
先生も生徒も、これまでに比べて魅力を感じなかった。 -
購入済み
やっぱり好き
最後の春山君の話、好きだなぁ
作者の良いところは倫理という内容を扱ってるのでこれが正しい!これは絶対ダメみたいな考え方が無いこと。人それぞれ思うことは違うのでその人に合った話の進み方をしててすごい好きです。