町屋良平のレビュー一覧

  • 愛が嫌い

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    埼玉、少年期に過ごした昭和のマンション、元荒川、出版社勤務、男性、ゆううつ。
    条件を共有した三つの"かれ"は、もしかしたら同一人物でないのかもしれません。そのぐらい自己同一性を失ってしまったという暗喩なのかも。
    かれが語る言葉は、ぶつ切りになった時間の中を漂うように虚ろで幼く感じました。身体は新陳代謝されるのに、思考や感覚や記憶が代謝されないとは限らないよね?と問われた気がします。
    過去と現在と未来、昨日と今日と明日。
    実家と自宅と会社、家族と友人と恋人。
    ペルソナを使い分ける社会性のほうが、もしかすると不健全だなあと思います。記憶や関係性や、誰かに同化してしまえたら楽なのに・・・そんな自我の

    0
    2022年01月18日
  • 1R1分34秒(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

     小心者の駆け出しボクサーの心情の推移を描く。
              ◇
     自分の才能への懐疑や負けることへの恐怖を小手先でごまかそうとしていた小心な「ぼく」だったが、ある日、先輩ボクサーのウメキチが「ぼく」のトレーナーに就任する。
     半信半疑でウメキチの組んだメニューをこなしていったところ……。
     2019年芥川賞受賞作品。

          * * * * *

     小心者のボクサーだったはずの「ぼく」が、ウメキチという先輩ボクサーとの出会いによって変わっていく様子が面白い。

     トレーナー・ウメキチのトレーニングメニュー。「ぼく」用に考えられたものではあるのだけれど、がむしゃらに取り組む気になれ

    0
    2022年01月18日
  • 1R1分34秒(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    自分を見失ってしまっていたボクサーが自らを掴み直す。
    何もないように見えるほどカラになっていたようで、その実、閉ざし、なにものかを抱えこみ過ぎていた主人公。
    おかしなトレーナーの出現で、自らを取り巻く色々なものを捉え直す。

    0
    2022年01月03日
  • ショパンゾンビ・コンテスタント

    Posted by ブクログ

    淡い色の金平糖を常温の水に入れて優しく転がしたような、物足りない甘美さのある一冊。小説ってこういうのだよなぁと思った。意味分からんところとストーリー性の比率が自分にとってはちょうど良かった、なんというか曖昧さとか不明瞭さが邪魔になってない、ちゃんと余韻になっている。登場人物のすべてを簡潔に説明しなくたっていい。そのバランス感覚が肌に合う。

    恩田陸の「蜜蜂と遠雷」を思い出したけど、ピアノってほんと小説に向くなぁ。どちらもピアノ奏者を介して、あらゆる表現のスペースを獲得しているというかなんというか…誰かや何かを宿らせたり人格憑依させるの、RPGにおける魔法のエフェクトみたいなもんで、何か引き込ま

    0
    2021年03月31日
  • ぼくはきっとやさしい

    Posted by ブクログ

    文章がとても好み。感覚が共感できる。そして可愛らしい恋。
    鬱々とした主人公の晴れていく様子もわかる。

    0
    2020年03月23日
  • 青が破れる

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    「1R1分34秒」と同じくボクサー志望者が語り手。
    なかなかよい中編。

    ピザデリバリーを喰っちゃう有閑マダムとか、悪い意味で漫画的。
    「serial experiments lain」を連想。奥さん米屋ですとかも。
    また村上春樹も連想。つまり男性作家の悪い意味での女性幻想。
    そして難病美女がタバコを吸って、というのも、また。

    なのに、いいんだなあ。やはり、文体だなあ。
    そして「人が関連するという事象」が、この小説においては、なんだか、いいんだなあ。
    語り方が好きになるから、作者が好きになって可愛く見えてくる。この作風、得だなあ。

    0
    2020年03月04日
  • 青が破れる

    Posted by ブクログ

    『青が破れる』
    斉藤壮馬さんのおすすめということで読んでみた。
    平仮名多めだったのにはどういう意図があったのか掴めなかったのが哀しい…

    他の短編たちも独特の雰囲気を感じれて、読後には爽快感を感じました。

    0
    2020年01月05日
  • 青が破れる

    Posted by ブクログ

    前から少し気になっていた作家さん。
    好き嫌いが分かれる作品だな、と読んでみて思った。独特とも言えないが少し癖のある文体と平仮名と漢字の絶妙な使い分け。そのせいで読みづらいな、と最初は感じるけれど、私は読み進めていくうちに慣れていった。どっぷりハマったという感覚はなかったけどこういう本もあるんだ、というような、新しい音楽のジャンルを発見したときのような喜びがあって、それがこの本への抵抗感を薄めてくれた。文章自体も小難しさがなくて分かりやすいから物語もすんなり流れ込んできて、いつの間にか読み終わっていた。
    ボクサー志望の秋吉、友達のハルオ、ハルオの彼女のとう子、ボクシング仲間の梅生、そして夫子のい

    0
    2019年11月17日
  • 愛が嫌い

    Posted by ブクログ

    おだやかな日常の中に確かに存在する、寂しさや、言い様のない不安、暗さ、ねじれとも呼べないくらいのねじれ。日向と日陰のあわいを読む印象。

    0
    2019年09月08日
  • ぼくはきっとやさしい

    Posted by ブクログ

    最近、こういう主人公みたいなやつが増えている気がする・・・。付き合いづらくてめんどうくさい。現実にいたらこいつにも周りで付き合ってあげているやつにもイライラしてしまいそう。

    どういった思いで、こういうひとを主人公にしたんだろう。

    0
    2019年06月17日
  • 恋の幽霊

    Posted by ブクログ

    ピンとこなかった。
    基本的には、読みやすいし、ちょくちょく恋について、とてもいい表現と出会えて良かったんだけど、最後の土の"文体"がみんなに流れ込んでくる感覚がどうしてもピンと来なかった。

    0
    2026年02月07日
  • ふたりでちょうど200%

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    娯楽性強く、生きづらい生を生きるのか、娯楽性は薄いが生きやすい生を生きるのか。ポンコツだが愛嬌があって営業成績129%の菅と、平凡だがあまり働きたくない営業成績71%の鳥井、2人合わせて200%。四つのパラレルワールドのような設定の中で、この2人の2人合わせて二人前みたいな関係が描かれている、が、バドミントンもダンスもあまり興味がないのでピンと来なかった。

    0
    2026年02月05日
  • ぼくはきっとやさしい

    Posted by ブクログ

    大学時代に好きだった冬美を友達の照雪に取られるところだとか、弟の年上彼女を好きになってしまう所だとか、急に部屋をベッドだけにするところとか残念男性という感じでなぜこの行動に至ったのか??って思うところが多々…(´;ω;`)
    時系列がとにかく分からなくて、大学時代、野球サークルの新歓だと思ったらインドでセリナを口説いていて、と思ったら弟の彼女、心佳ちゃんを好きになっていて。???私は今どこにいるの??って感じで、ショートストーリーをそのまんま繋ぎ合わせた感じだった。文章の言い回しは好き。冬美のことは大切に心にしまいながら、他の心惹かれる女性に出会って欲しい。最終くらいにある、弟に殴られる下りは本

    0
    2026年02月05日
  • 生活

    Posted by ブクログ

    タイトルとは裏腹に、というかかなり尖った文章。生活とはなんだろう、これが生活なんだと区切りなく一気に進む。主人公の「かれ」を3人称として表現していくため、非常に客観的な文章となる一方で、とにかく溢れ出てくる言葉の数珠繋ぎ。おしゃれ、をこよなく愛するかれ、がコミュニケーションをとりながら、社会の中で生活している。退廃的な私小説ではなく、生活そのものに焦点を当てた非常に面白い作品。生活と題するだけに、本当に生活を共にしているような日常の連続を、途切れなく続けていく。小説の持つ、省略や想像させることでジャンプしていくような技を使わず、生活に焦点を当て続ける。前半戦は、割と上記の行ったり来たり、別れた

    0
    2026年02月01日
  • 私の小説

    Posted by ブクログ

    町屋良平を全く知らずに、彼の一冊目の本として読み始めてしまったのが誤りだった。私小説を書いているという小説家の「私」が、私小説を書く際の小説の中の「私」と、書いている「私」の「ズレ」についてあれこれ考察している。実際の町屋良平がどの程度、「私」を紛れこませて書く小説家であるのかわからずに読んでいる読者の「私」は、小説の中の虚構と実人生の中にある虚構的に思える事象との間にどのような差異があるのかわからなくなってしまう。私小説を書いていると自ら言う「私」を、読者の「私」が「虚構」ではないかと疑いながら読むのだから、実に奇妙な作品である。しかも私小説を書いている「私」が喜寿の祝いに回転寿司を食べたい

    0
    2026年01月03日
  • ショパンゾンビ・コンテスタント

    Posted by ブクログ

    主人公がたんたんとしているせいか、曇りガラスからのぞいてるようなきもちで読んだ なんかすこし幸せでいい

    0
    2025年11月24日
  • ショパンゾンビ・コンテスタント

    Posted by ブクログ

    今ちょうどショパンコンクールが開催されているから、何か関連した本がないかな、と思ったらこんな面白い本が。
    音大でピアノを学んでる源元と、音大を辞めて小説家を目指してる主人公。
    いつも源くんはショパコンの配信を見てる。17回大会。
    そんな2人を軸に源くんの彼女潮里ちゃんと、同じバイト仲間の寺田くんの奇妙な毎日。
    読みやすかったし、なんか面白かった。

    0
    2025年10月17日
  • ほんのこども

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    野心作。熱量に酔った。
    あべくん、小説、町屋良平、暴力‥‥それぞれのトピック毎に溺れてみたかった気もする。

    0
    2025年09月20日
  • 青が破れる

    Posted by ブクログ

    淡々とした文体で非常に読みやすい。それ故に多くは語らないので、登場人物の心情を考えながら読み進めました。しかし私には分からなかった。
    その後見た書評で斉藤壮馬さんが「考えるな感じろ(意訳)」と仰っていたので、頭を空っぽにしながら2周目は読みたいです。

    0
    2025年06月15日
  • 生きる演技

    Posted by ブクログ

    誰目線なのか分からず、読むのに苦労した。登場人物の心情に共感するのが、なかなか難しい。演じることで、自我が解けるのか。

    0
    2025年05月06日