町屋良平のレビュー一覧

  • 青が破れる

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    前から少し気になっていた作家さん。
    好き嫌いが分かれる作品だな、と読んでみて思った。独特とも言えないが少し癖のある文体と平仮名と漢字の絶妙な使い分け。そのせいで読みづらいな、と最初は感じるけれど、私は読み進めていくうちに慣れていった。どっぷりハマったという感覚はなかったけどこういう本もあるんだ、というような、新しい音楽のジャンルを発見したときのような喜びがあって、それがこの本への抵抗感を薄めてくれた。文章自体も小難しさがなくて分かりやすいから物語もすんなり流れ込んできて、いつの間にか読み終わっていた。
    ボクサー志望の秋吉、友達のハルオ、ハルオの彼女のとう子、ボクシング仲間の梅生、そして夫子のい

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    2019年11月17日
  • 愛が嫌い

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    おだやかな日常の中に確かに存在する、寂しさや、言い様のない不安、暗さ、ねじれとも呼べないくらいのねじれ。日向と日陰のあわいを読む印象。

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    2019年09月08日
  • ぼくはきっとやさしい

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    最近、こういう主人公みたいなやつが増えている気がする・・・。付き合いづらくてめんどうくさい。現実にいたらこいつにも周りで付き合ってあげているやつにもイライラしてしまいそう。

    どういった思いで、こういうひとを主人公にしたんだろう。

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    2019年06月17日
  • しき

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    町屋良平さんの『しき』を読んだ。今年の芥川賞を『1R 1分34秒』で受賞した氏の昨年の芥川賞候補となった作品。オスカー・ワイルドの『ドリアン・グレイの肖像』を思い出すまでもなく歳を重ねるにつれ若さというのはそれだけで価値があり眩しいのだとの思いが強くなる。若さの魅力が淡々と伝わる佳作。

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    2026年07月12日
  • IDOL

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    期待外れ。アイドルがBTSのようにアーティストと呼ばれてもいいような高い基準に設定されている。そのため、握手会とかチェキ撮影会とか泥くさい日銭稼ぎとは無縁の高尚なアイドルたちが主人公である。なおかつ、ファンとの関係、惜し活には深く踏み込まない。この小説の核心は、アイドルにはないからだ。すなわち、理性の進歩によって社会学政治的に正しく制御されたあとに、夢とか努力とか積極的介入とかアイドルとか人権を侵害しうるそういう暴力的なものがどの程度残る余地があるのかどうかを問うことあるからだ。

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    2026年05月13日
  • 1R1分34秒(新潮文庫)

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    初町屋。芥川賞受賞作。ボクシング。純文学に適した題材のように、思う。自分をとことん見つめ、試合に臨む。
    新トレーナーに代わってからグッと魅力的になった! 何でだろう…。己のことを自分以上にわかっていたからかな。前のトレーナーはなんか実体が伴ってない感じがしたんだ、何故か…。たの度々出てくる『対戦相手と仲良くなる』ってのは、なんだろう? 仲良くなる=解り合える、対戦相手とはもうひとりの自分。自分をわかる即ち、己のことをより理解するってことかな? 格闘技って、相手に勝つ前にまず自分に勝たないとダメだと思う。トレーニングをし、厳しい減量にも耐え——それは相手も同じこと。道中あれだけもがき苦しんで、彼

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    2026年05月09日
  • 恋の幽霊

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    ピンとこなかった。
    基本的には、読みやすいし、ちょくちょく恋について、とてもいい表現と出会えて良かったんだけど、最後の土の"文体"がみんなに流れ込んでくる感覚がどうしてもピンと来なかった。

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    2026年02月07日
  • ふたりでちょうど200%

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    ネタバレ

    娯楽性強く、生きづらい生を生きるのか、娯楽性は薄いが生きやすい生を生きるのか。ポンコツだが愛嬌があって営業成績129%の菅と、平凡だがあまり働きたくない営業成績71%の鳥井、2人合わせて200%。四つのパラレルワールドのような設定の中で、この2人の2人合わせて二人前みたいな関係が描かれている、が、バドミントンもダンスもあまり興味がないのでピンと来なかった。

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    2026年02月05日
  • ぼくはきっとやさしい

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    大学時代に好きだった冬美を友達の照雪に取られるところだとか、弟の年上彼女を好きになってしまう所だとか、急に部屋をベッドだけにするところとか残念男性という感じでなぜこの行動に至ったのか??って思うところが多々…(´;ω;`)
    時系列がとにかく分からなくて、大学時代、野球サークルの新歓だと思ったらインドでセリナを口説いていて、と思ったら弟の彼女、心佳ちゃんを好きになっていて。???私は今どこにいるの??って感じで、ショートストーリーをそのまんま繋ぎ合わせた感じだった。文章の言い回しは好き。冬美のことは大切に心にしまいながら、他の心惹かれる女性に出会って欲しい。最終くらいにある、弟に殴られる下りは本

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    2026年02月05日
  • 生活

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    タイトルとは裏腹に、というかかなり尖った文章。生活とはなんだろう、これが生活なんだと区切りなく一気に進む。主人公の「かれ」を3人称として表現していくため、非常に客観的な文章となる一方で、とにかく溢れ出てくる言葉の数珠繋ぎ。おしゃれ、をこよなく愛するかれ、がコミュニケーションをとりながら、社会の中で生活している。退廃的な私小説ではなく、生活そのものに焦点を当てた非常に面白い作品。生活と題するだけに、本当に生活を共にしているような日常の連続を、途切れなく続けていく。小説の持つ、省略や想像させることでジャンプしていくような技を使わず、生活に焦点を当て続ける。前半戦は、割と上記の行ったり来たり、別れた

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    2026年02月01日
  • 私の小説

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    町屋良平を全く知らずに、彼の一冊目の本として読み始めてしまったのが誤りだった。私小説を書いているという小説家の「私」が、私小説を書く際の小説の中の「私」と、書いている「私」の「ズレ」についてあれこれ考察している。実際の町屋良平がどの程度、「私」を紛れこませて書く小説家であるのかわからずに読んでいる読者の「私」は、小説の中の虚構と実人生の中にある虚構的に思える事象との間にどのような差異があるのかわからなくなってしまう。私小説を書いていると自ら言う「私」を、読者の「私」が「虚構」ではないかと疑いながら読むのだから、実に奇妙な作品である。しかも私小説を書いている「私」が喜寿の祝いに回転寿司を食べたい

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    2026年01月03日
  • ショパンゾンビ・コンテスタント

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    主人公がたんたんとしているせいか、曇りガラスからのぞいてるようなきもちで読んだ なんかすこし幸せでいい

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    2025年11月24日
  • ショパンゾンビ・コンテスタント

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    今ちょうどショパンコンクールが開催されているから、何か関連した本がないかな、と思ったらこんな面白い本が。
    音大でピアノを学んでる源元と、音大を辞めて小説家を目指してる主人公。
    いつも源くんはショパコンの配信を見てる。17回大会。
    そんな2人を軸に源くんの彼女潮里ちゃんと、同じバイト仲間の寺田くんの奇妙な毎日。
    読みやすかったし、なんか面白かった。

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    2025年10月17日
  • 青が破れる

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    淡々とした文体で非常に読みやすい。それ故に多くは語らないので、登場人物の心情を考えながら読み進めました。しかし私には分からなかった。
    その後見た書評で斉藤壮馬さんが「考えるな感じろ(意訳)」と仰っていたので、頭を空っぽにしながら2周目は読みたいです。

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    2025年06月15日
  • 生きる演技

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    誰目線なのか分からず、読むのに苦労した。登場人物の心情に共感するのが、なかなか難しい。演じることで、自我が解けるのか。

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    2025年05月06日
  • 生きる演技

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    ネタバレ

    なぜか集中できなくて読むのにすごく時間がかかった
    終盤で生崎がある程度セリフでまとめてくれるシーンがあったので助かった われわれって誰だったんだろう 霊たち?生きている人々が演じているのを霊たちが観客のように見ているんだろうか ヒロケンがいつから霊だったのか掴めなかったのでもう一回読まないとだめかも

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    2025年03月22日
  • 生きる演技

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    2人の少年の話。重い。文章はなめらか。
    境遇に恵まれず生きる演技をすることで本音が言える。結末に驚いた。

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    2025年01月26日
  • ぼくはきっとやさしい

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    女性とは解せぬ生き物ながら、主人公の視点というフィルターをかけて見ると、なおのこと難解に見える。きっと「フィネガンズ・ウェイク」を読解するより難しい。

    主人公の感覚も一般的なものから乖離しているので、彼の辿る結末はそうなって仕方ないと思え、同情するとともに失笑してしまう。

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    2024年11月13日
  • 青が破れる

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    「青が破れる」は文章が平易で、奇を衒った表現もなく、すんなり読めるのに、登場人物のセリフや地の文が心に引っ掛ける。
    他二編は文芸作品らしく、読みごたえが出てくるが、やはり表題作のさらりとかわいた秋風のような悲しみが心に沁みる。

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    2024年11月07日
  • 1R1分34秒(新潮文庫)

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    ヒリヒリするボクサーのはなし。
    男の物語。
    『人生クライマー』をみたばかりなんだけど、それも、誰も登ってない崖を登りたい。
    クライマーをやめられない。
    ボクサーをやめられない。

    町田康の解説がよかった。

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    2024年09月12日