町屋良平のレビュー一覧

  • しき

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    高校生の日常。
    うまく言葉にできない想いをたくさん抱えてさらにもやもやする様子がはがゆい。
    周りの家族や友達もそれぞれのゆずれない何かがあって上手くふるまえない。若いからそうなるのかもしれないが自分の周りの人達を大切にしてる感じは伝わってくる。

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    2024年07月29日
  • 坂下あたると、しじょうの宇宙

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    純文学を読み始めてみようと思い手に取った3冊目。この本はかなりエンタメ性が高いので純文学に分類しても良いのか際どいが、そう紹介されていることもあり、非常に読みやすくておすすめされていたので手に取った。
    一口に純文学と言ってもいくつかパターンがあるのだと分かった。いわゆる大衆小説と比較したときの意味としての、ストーリー性ではなく登場人物の心の機微にフォーカスしたもの以外にも、本作のような言語芸術としての純文学もあるのかもしれない。
    そういう意味でこの本は、詩を楽しめる方でないとなかなか楽しみ方が分からないかなと思う。私もなるべく詩を読むつもりで、内容を追いすぎず、言葉自体のアートとして読んでみる

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    2024年07月03日
  • 生きる演技

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    会話の部分がおおくて、たんたんと物語が進んでゆくなあと思って読んでいた、地の文がないのはいいのだけれど、、存在に問いかけられるようなものというよりは、自分が歩めなかった青春をみているようなきもち

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    2024年06月21日
  • 1R1分34秒(新潮文庫)

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    自分の職業と状況と重なる部分があって読みながら考えさせられた。この試合に勝ったからといって状況は変わらない、でも変えるためには試合をし続けなければならないという可能性と不条理について本当に共感できた。自分を犠牲にしながら戦うことの意味を教えてもらったし、理由はどうであれ難しいことは一切抜きにして目の前のことにひたむきになれた時が人間1番強いなと思った。

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    2024年05月21日
  • 生きる演技

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    日々のやりとりの軽率さと、文化祭で米軍捕虜虐殺事件を取扱う重苦しさの対比があって、そのアンバランスを主人公らが抱える家庭環境の複雑さが一層ぐらつかせている感じ。暴力的なまでに視点が移り変わるせいで、読む側も置いていかれそうなほどとにかくブレを感じた。

    「現実における演技」というものを覚え馴染ませていく中高生を物語の中心に置くことで不思議な説得力が出る。

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    2024年05月10日
  • 青が破れる

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    不安定な心を不安定な文章で表現させているんだろう。熱を持てず大事なヒトとの接すればいいかも変わらない青年の葛藤劇。

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    2024年04月17日
  • 生きる演技

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    これまで読んだ事のない、異質なものを読んだことは感じとれたのだが、独特の文章運びのおかげで、『彼』が今どちらなのか、時間や空間が何処からどこへ飛んだのか…など追いきれない瞬間が多く、読みづらかった。
    意図的に狙ってる気もするのだが。

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    2024年04月15日
  • 青が破れる

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    ネタバレ

    上手く表現できないけどすごく好きな作品でした。

    尾崎世界観さんとの対談で
    「読んでいて創造力が膨らむのは、曖昧さ、つまり隙間があるもの」と町屋さんは仰ってた。
    まさにそんな作品。

    登場人物、特に男女の関係性や人間性が、曖昧に書かれた上で3人は死という結末に至った。

    「なんでハルオや夏澄さんは死んだんだろう?」、「とう子さんはどういう気持ちで最後を迎えたんだろう…」って創造できる隙間になっていると感じる。

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    2024年02月11日
  • 恋の幽霊

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    恋は暴力
    恋は正義

    正義は人の数だけあるからなぁ…

    あなたはわたし
    わたしはあなた

    境界が曖昧なあの時代特有の感覚

    からの15年?後?

    ひらがな多し、な文章です。

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    2023年09月23日
  • 恋の幽霊

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    新しい恋愛関係を提示しているのだろうか。同じ高校に通う二人の男と二人の女。二組のカップルというわけではなく、四人で一組のカップル(カルテット?)みたく、一人が他の三人に恋愛感情を抱いている関係である。こんな関係ってリアルにみたことがないので、そもそも成立するのか不思議である。高校生の頃のまだ大人になりきっていないから成立するのだろうか。物語は、四人の関係が乞われたり修復したりと忙しい。そして一人が欠けることで何を得ていくのか、不思議な物語である。純文学のようだが少し長い。

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    2023年09月08日
  • しき

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    反抗期の弟をこどもだとして接しているかれ自身がまた、こどもで、自分の気持ちの成長に悩みながらに向き合っていくさまが良かった。わからない、としたところさすがに良かった。かれらや彼女らの友人としての関係が、深くなく、でも他人でもない淡白とは言えない関係で、リアルでとても良かった。思春期の心情がリアルで(と言っても、男子高校生の気持ちは知らんのだが)、なんだか良かった。

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    2023年08月22日
  • ショパンゾンビ・コンテスタント

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    100年近く続いている「ショパン国際ピアノコンクール」予選に挑む音大生と、その友人達が繰り広げる物語。主人公は、コンクール出場者ではなく、その友人である。コンクール予選に挑む友人は、本気を出すとショパンが乗り移ったゾンビのような天才的な能力を持ち、魅力的で賢い彼女もいる。一方で、主人公は、同じ音大生ながら、ピアノを諦めて小説に挑戦している。また、主人公の彼女に片想い中。限界を知ってピアノを諦めた心境、小説をなかなか書き出せずにもがく様子、叶わぬ恋愛など、20歳過ぎの葛藤と情熱が描かれている。どうでも良いことでトコトン悩んだり、衝動的に無茶をしてしまう学生らしさが微笑ましかった。

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    2023年06月11日
  • 愛が嫌い

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    ひらがな表記が多かったり、表現がすらすら読めないところが多いが、うつ病や精神的に悩みがある人の思考回路を表現しているのかな?

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    2023年04月24日
  • しき

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    コミュニケーションが今一つ不十分で、不器用な高校生たち(男女6名)の四季を描いた小説。登場人物の主語や、平仮名が多い描写はクセがあって、読んでいて何となく馴染めなかった。不器用ながらも1つのこと(ダンス)に熱中する様子や、同級生たちと「つかず離れず」な不思議な距離感や、コミュニケーションが微妙にズレたまま継続する状態は、読んでいて甘酸っぱい。
    「あと少しだけコミュニケーションが通っていれば、後の展開は異なっただろうに・・・」という惜しい場面が沢山あった。高校生の頃って、チャンスが沢山あって、人生の分岐点が繰り返される毎日だったのかも知れない。

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    2023年03月15日
  • ぼくはきっとやさしい

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    「1R1分34秒」で第160回芥川賞を受賞した町屋良平さんの2017年初出作品。

    受賞作品は未読で町屋さんの作品を読むのは本作が初めて。

    無気力系男子・岳文が主人公。
    無気力なのに恋に落ちるのは一瞬。

    同級生の冬実、インド旅行で出逢ったセリナ、弟の彼女の心佳。

    デート中の会話も意味不明だし恋愛ベタなのに、好きになると周りが見えなくなって猪突猛進、無謀な恋を繰り返す岳文だが、なんとなく憎めない。

    親友の照雪、弟の海斗、母親、登場人物達もみんな淡々とした人達ばかり。

    独特な空気感の中で描かれた恋愛小説。

    好みは分かれそう。

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    2023年02月13日
  • 青が破れる

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    体の痛みと心の痛みは繋がっているのだろうか。
    町屋さんの著作を読むと、そういうことを考えます。
    梅生が言う、「なにがわかる」「他人に関心のあるひとのかなしみを、他人に関心のないひとのかなしみを」という言葉。
    秋吉はそれがわからないけれど、だから安らぐのだとも梅生は言います。
    曖昧でモヤモヤして、いい加減で恥ずかしい。優越感で安心したり、優しさで絶望したりする。
    そんな感覚を、こういうふうに小説にしてくれることに救いを見出したりしています。

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    2023年01月26日
  • 1R1分34秒(新潮文庫)

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    70〜90分ほどで読み終われる。主人公の葛藤、内面がよく書き出されてて入り込みやすい。
    淡々と進んでいくストーリーだが退屈しない。
    最後も良かった。

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    2022年10月19日
  • 青が破れる

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    心や気持ちの置きどころ、ゆさぶり
    その中で手探りまたはあえて手探らない

    登場人物への自らの弱さの投影
    けっきょく日々はつづくだけ

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    2022年10月05日
  • ふたりでちょうど200%

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    世界観が独特で、入り込むのに時間がかかってしまった。
    ブラック企業などの体質やゴシップの力、アンチについてなど、考えてしまうところがあった。
    1回読んだだけでは少し混乱するところが多かったのでまた読み返したい。

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    2022年08月17日
  • 1R1分34秒(新潮文庫)

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    ボクシング経験者としては共感できる部分も多くあった。勝敗どうこうよりもその道程を人間臭く描くのは純文学らしい。

    ボクサーとは純粋な生き物だと思う。曖昧な世の中に対比させるとなんとも悲哀を感じる。

    生きているのか生かされているのかわからなくなる。そんな感覚を思い出した。

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    2022年05月07日