町屋良平のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ“何かをかんじそうになったら、走るしかない”
衝動、動機はいろいろあるけど誰しも頭の中がぐちゃぐちゃになって、それでも何かしないといけない。
そんな瞬間があるなーということを読んでいて強く感じました。
主人公にあたる秋吉は些細なことまで”思考”してしまう、いわゆる考えすぎてしまう節があって行動できない、そんな自分が嫌になる。程度は違うけど自分にもたまにそんなことがあるなーと感情移入してしまいました。
対照ににするべきことを、するべきタイミングで行動に移せるハルオや梅生が秋吉と同じく羨ましい気持ちで眺めていたけど、小説のラストそんな2人にも抱えているものがあって、当たり前だけど誰しも大小の悩 -
Posted by ブクログ
読書開始日:2022年5月30日
読書終了日:2022年6月2日
所感
自分ってどこにも無い、がテーマなのか。
面白いけど難しい作品だった。
度々仕事の話が出てきて、自分も身に覚えがある。
仕事をしてる時の記憶が全く無い。
かといって通勤前、通勤中、通勤後もあるかと言われれば、無い。
1週間全てを思い返してみても、無い。
無いというより、自分が過ごしたものとしての実感が無い。
年を増すごとに、今しか、記憶が無い。
今しか、記憶と自分が合わない。
違和感。
それを抱えながら過ごす。
自律神経がズタズタになりながら進む。
進んだ挙句が、菅。
カメラを向けられる=役割を振られることで、逆に自然に振る -
Posted by ブクログ
読書開始日:2022年2月16日
読書終了日:2022年2月18日
所感
【青が破れる】
秋吉は、自分にしか矢印が向かない。自分が1番可愛いと思っている。
だから夏澄のSOSも、ハルオの状況も、とう子の心理も分からない。そしてそのわからないという状況により茫洋する。浸る。
そんな秋吉と関わろうとする人間は、恐らく自分に関心を向けられないことにどこか安らぎを覚えている。自らも無駄な関心を向けなくていいからだ。
関心は嫌でも向いてしまう。とう子とハルオの関係がそうだ。とう子は確率で死ぬため他の関心ごとは捨てきれても、ハルオへの関心だけは捨て去らなかった。他を切り捨てただけに、その関心は強固になる。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ埼玉、少年期に過ごした昭和のマンション、元荒川、出版社勤務、男性、ゆううつ。
条件を共有した三つの"かれ"は、もしかしたら同一人物でないのかもしれません。そのぐらい自己同一性を失ってしまったという暗喩なのかも。
かれが語る言葉は、ぶつ切りになった時間の中を漂うように虚ろで幼く感じました。身体は新陳代謝されるのに、思考や感覚や記憶が代謝されないとは限らないよね?と問われた気がします。
過去と現在と未来、昨日と今日と明日。
実家と自宅と会社、家族と友人と恋人。
ペルソナを使い分ける社会性のほうが、もしかすると不健全だなあと思います。記憶や関係性や、誰かに同化してしまえたら楽なのに・・・そんな自我の