町屋良平のレビュー一覧

  • ショパンゾンビ・コンテスタント

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    ‪町屋良平さんの『ショパンゾンビ・コンテスタント』を読んだ。氏特有の日本語文法を無視した表現や文体が、軽く薄くふわりと綴られる青春の1ページ的な物語に相変わらず良く寄り添っている。いや、いつにも増して青臭いのだけれど。ヒロインが魅力的だ。少なくともこんな女に弱いぞ、僕は、と思った。‬

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    2026年07月12日
  • 1R1分34秒(新潮文庫)

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    ネタバレ

     純文学的スポ根小説。ストーリー自体は特に突飛なものではない。初戦をKO勝ちで飾ったはものの、その後は負けがこんで苦悩する主人公。ボクシングをする意味、勝利の意味、敗北の意味、そしてボクサーである自分の存在や生の意味、何もかもの輪郭が曖昧になっていく。しかし新たなトレーナー、ウメキチとの出会いによって、彼は大きく変わっていく。ぼやけた事物の輪郭に目を凝らすことを諦め、単なる逃避か、最後の希望か、彼はウメキチに全てを託すことに決める。そしてラストシーン、1R1分34秒、彼は遂にKO勝ちを収めることになる。
     この小説の本質は主人公が勝ち取った勝利にあるわけではない。町屋良平が巧みに描く、情けのな

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    2026年06月26日
  • ショパンゾンビ・コンテスタント

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    ネタバレ

    ショパンコンクールはリアルタイムではないが、毎回夢中になって観る。

    外を歩くときに「木々がさざめき、自然を読む」という表現がとても好き。まだピアノを時々弾いている僕が楽譜を読むように自然を読んでいるよう。

    何かをあきらめることと、ひとつのことに没頭し続けることは、どちらも同じくらい尊く覚悟のいることだと感じた。

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    2026年06月22日
  • IDOL

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    ネタバレ

    これがおまえが「夢」見た「アイドル」だろ。責任とれよ

    SF×アイドル小説は、初の読書体験だった!

    「夢」は未来では軽犯罪になっている。
    そんな未来が、実際に訪れたら、怖いなと思う。

    でも、「夢」を見ている時が、1番輝いてるような気もするんだよな。

    「夢」を追えなくなったら、何を目標にして生きていくんだろう?
    もし、そんな世界を生きることになったら、生きているのがつまらなくなってしまいそうだな。

    本作は、ただのアイドルたちの奮闘記ではない。
    「自分たちの他にも、未来人がいる!?」
    それは、誰なんだろう?というミステリー要素もあった。
    (あ、未来人の正体わかった!)
    そう思ったものの、想

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    2026年06月21日
  • IDOL

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    設定が作り込まれていて
    面白かった

    着地点が気になり
    一気に読んでしまった

    未来の人は嘘を付かないって
    それはなんというか
    安心だろうけど
    人間そう変わらないのではないかな

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    2026年06月09日
  • IDOL

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    未来人が過去のアイドル(や夢を持つこと)に憧れてタイムスリップしてアイドルになり、メンバーとの関わりのなかで覚醒・成長していく話。
    タイムリープ設定がとにかく面白く、メンバー同士も最初は仲が悪かったのに、刺激しあうことで仲間意識や友情がそれぞれに芽生え、切磋琢磨していくところが熱くて良いなと思った。
    読みごたえあり、ラストシーンは切ないが感動した。

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    2026年06月06日
  • 生活

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    ネタバレ

    主人公が書道やコーヒーを入れる時間やおしゃれや掃除など日々のくらしや日常を大切にしていたのに、右足の太ももを刺されて瀕死になるという非日常という事件が起きて、必死に自分を保つように日常を送るような気がして、共感した。右足が故障して、逆に身体が不自由になったことで、彼はダンスで身体を解放してあげようとしたんじゃないかなと思い、それに奥深いものを感じた。
    彼の物の見方が素敵だし、だけど彼に欠けてるものが彼以外の人を惑わせる。
    だけど、生活を続けていくなかで、人は自分と向きあい自分を表現していくんじゃないかと思わされた。

    私は精神疾患があり、主人公のような身体の不自由さはないが、どんなときも生命は

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    2026年05月29日
  • IDOL

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    未来人が70年後からアイドルしにくる話。しかもサバ番に参加して脱落組でデビューという盛り盛り設定。めちゃ面白い。SF×アイドルってこんな手があったのね。双子で同グルってそれだけで夢ある。3次元で見たことないかも。

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    2026年05月26日
  • 青が破れる

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    ネタバレ

     好き嫌いと言えば、嫌いではない。
    凝った文章で小説が進む訳ではなく、伸びやかに静かに物語は進行していく。「青が破れる」というタイトルから、夜が明け太陽が臨む際の色彩を感じられた。とても静かな朝焼け。そんな印象の一編である。
     嫌いなところは、主要人物の死による退場。作者が登場人物の作品からの退場に「死」を多用することで、死の事柄や儀式性が薄っぺらいものにしてしまい、登場人物のキャラクターや異化効果を低減させてしまう。この点がこの作品の難点に思う。
     あと、小学生でもわかる漢字をひらがなにて表記している点も気になるところだ。
     ストーリーの運びが優れているのに、難もある作品に思えた。

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    2026年05月12日
  • 1R1分34秒(新潮文庫)

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    井上尚弥VS中谷潤人の1週間前・・・・、
    どうしてもボクシング小説が読みたくなり、検索。
    「1R1分34秒」・・・タイトルが抜群に良い。
    試合開始のゴングから、僅か94秒・・・、
    相手を倒す時間なのか?
    アッという間に倒される時間なのか?
    主人公の戦績は、1勝2敗1引分け・・・・。
    興味深く読み進める。
    スポーツ小説というよりも、青春小説・・・。
    「1R1分34秒」・・・が、
    最後の最後に判明します・・・・・。

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    2026年04月26日
  • 1R1分34秒(新潮文庫)

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    考えすぎの、ダメボクサーが溢れんばかりの独白で生きる自体への希求を描いている。行ったり来たりしてる脳内をそのまま写したみたいな文章は迷いとか不安とかを描き切れる。性格も悪くあんまり感情移入できないロクでもない主人公だけど、そのボクサーであること、ボクシングをすること自体が生きる意味になっているって、それは皆うっすら気づいていることで、そこならみんな理解できるんじゃないだろうか。
    時々その人生が繋がっている感じがわからなくなったり見えなくなってしまうこともあるけど、やっぱりその行為と結果の、その関係性においてしか衝動って思い出せないんだと思う。
    僕らはその間を行き来しながらでしか、人生の意味を見

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    2026年06月25日
  • 1R1分34秒(新潮文庫)

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    芥川賞受賞作ということで、読んでみました。 人間っぽい作品ですが、心の中ってそうやって僕も色々呟いているのかなとも思う。 プロの意識はどこにあるのかの感じ取れた作品でした。 よかった!

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    2026年02月28日
  • 1R1分34秒(新潮文庫)

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     考えすぎて壁にぶち当たっている冴えないボクサーのぼく。代理トレーナーのウメキチとの出会いが彼を変える。パラレルなぼくの存在を意識できたのは彼の成長。なかなか良い作品を読んだ。町田康さんの解説も秀逸だ。

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    2026年02月11日
  • 私の小説

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     「私の文体」「私の労働」「私の推敲」「私の批評」「私の大江」と続く連作短篇集。「書かれる私」と「書く私」のズレに意識的な「私」が、各作のタイトルに書き込まれた概念や固有名をめぐって思考を紡いでいく様子が語られる。あえて社会と文学をつなぐ「問題」を脱臼させて/迂回しつつ、それぞれの作品で架空のテクストを仮構して、それと対話するかたちで語りを展開させていくスタイルは「春琴抄」や「盲目物語」で谷崎潤一郎が採用したそれと通じるが、谷崎は他者の謎を書くためにそのスタイルを採ったのに対し、町屋はむしろ「私」を透明化させず、自明なものとはさせないためにその戦略を採用しているように見える。

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    2025年12月13日
  • ショパンゾンビ・コンテスタント

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    刊行当時、出版社の営業から珍しく営業がかかったことを覚えている。私はウェブマガジンの編集者だった。

    町屋良平の過去作と比べることが許されるなら、この作品は、なんというか当人の「湧き上がる文学的な衝動」(という嘘くさくて軽薄な言い方は極めて失礼と承知)とか、だいたいそれに類する、有り体に言えばモチベーションの種類が異なっていてで、外的要因によって企画され、細やかな取材やリサーチによって固めあげられた作品なのかな、という印象をなんとなく、だかしかし強く受けた。なんでこの作品はこんなに固有名詞が多いのだろうか。

    『しき』にあった福原鈴音のピアノコンクールの場面や、描かれなかったプロセスを、拡大し

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    2025年10月18日
  • 生活

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    最初は「横道世之介」っぽいなと思ったけど、後半は不穏だった。一文が長い独特の文体で嫌いではないけど、読みにくさはあって長く感じた。本が好きな人が読む本だと思う

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    2025年09月05日
  • 坂下あたると、しじょうの宇宙

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    だいぶ昔に読んだので、色々忘れてます。苦笑

    坂下あたるは詩を書く。
    その詩は素晴らしい。
    だけど、彼女からは塩対応。
    それでも彼女を愛する坂下あたる。

    そんな彼に感化されて、
    密かに詩を作る佐藤毅。

    二人の高校生に事件が起こる。
    坂下あたるの文章がネット上で盗作、改竄される。

    坂下あたるは書くことをやめてしまう。

    毅はどうするのか。
    大切な友人のピンチを救えるのか。

    どこか懐かしくて、
    読後も良いので、
    青春小説読みたい方はぜひ!

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    2025年08月17日
  • 生活

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    堅苦しくはないがクセのある文体は、読めるけれど難しい。
    日常が綴られていくような第1部は、少しずつゆっくり読みたい気分にさせる。
    登場人物たちの「生活」の行方が気になり面白く読み進めた。

    第2部はがらっと変わり、一気に読んでしまう。喪失からの再生なのか破壊と創造なのか、なかなか苦しく、読み手の現実が浸食されるような感覚があった。
    コンディションが悪いときには読みたくない本かもしれない。

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    2025年08月14日
  • 生きる演技

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    この本を今読めてよかったな
    4回ぐらいずっと考えていたことにクリティカルなことを言われて今まで本を読んでいてここまでなったことはなかった
    自分が10年ちょっと前に高校生だったことを思い出して、これぐらいのことは考えていた気がするし、考えてなかった気もする
    嵌まらない人には一生嵌らないのだろう 
    親とはこの5年ぐらいで折り合いがついたと思っていたけど、でも残る気持ちはまだある

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    2025年08月11日
  • 1R1分34秒(新潮文庫)

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    ネタバレ

    ボクシングが好きで、読みたいなと常日頃思っていた中一気に読みました。テレビやネットでは勝ち進みスポットライトの当たる成功した選手しか見ていませんが、その裏には当然負ける選手もいる中でそんな選手たちの日常であり非日常を追体験することができました。折々でくすっと笑えるシーンもあり、最後にあっさりといって言いのか分かりませんが、タイトル回収をするのもふふっときました。

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    2025年03月06日