町屋良平のレビュー一覧

  • 坂下あたると、しじょうの宇宙

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    だいぶ昔に読んだので、色々忘れてます。苦笑

    坂下あたるは詩を書く。
    その詩は素晴らしい。
    だけど、彼女からは塩対応。
    それでも彼女を愛する坂下あたる。

    そんな彼に感化されて、
    密かに詩を作る佐藤毅。

    二人の高校生に事件が起こる。
    坂下あたるの文章がネット上で盗作、改竄される。

    坂下あたるは書くことをやめてしまう。

    毅はどうするのか。
    大切な友人のピンチを救えるのか。

    どこか懐かしくて、
    読後も良いので、
    青春小説読みたい方はぜひ!

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    2025年08月17日
  • 生活

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    堅苦しくはないがクセのある文体は、読めるけれど難しい。
    日常が綴られていくような第1部は、少しずつゆっくり読みたい気分にさせる。
    登場人物たちの「生活」の行方が気になり面白く読み進めた。

    第2部はがらっと変わり、一気に読んでしまう。喪失からの再生なのか破壊と創造なのか、なかなか苦しく、読み手の現実が浸食されるような感覚があった。
    コンディションが悪いときには読みたくない本かもしれない。

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    2025年08月14日
  • 生きる演技

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    この本を今読めてよかったな
    4回ぐらいずっと考えていたことにクリティカルなことを言われて今まで本を読んでいてここまでなったことはなかった
    自分が10年ちょっと前に高校生だったことを思い出して、これぐらいのことは考えていた気がするし、考えてなかった気もする
    嵌まらない人には一生嵌らないのだろう 
    親とはこの5年ぐらいで折り合いがついたと思っていたけど、でも残る気持ちはまだある

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    2025年08月11日
  • 1R1分34秒(新潮文庫)

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    ネタバレ

    ボクシングが好きで、読みたいなと常日頃思っていた中一気に読みました。テレビやネットでは勝ち進みスポットライトの当たる成功した選手しか見ていませんが、その裏には当然負ける選手もいる中でそんな選手たちの日常であり非日常を追体験することができました。折々でくすっと笑えるシーンもあり、最後にあっさりといって言いのか分かりませんが、タイトル回収をするのもふふっときました。

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    2025年03月06日
  • しき

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    文章は文学的な美しさを備えているわけではない。けれどそれがかえってこの作品のリアリティに貢献している。登場人物たちの心情の描写は丁寧に切り抜かれており、真摯で率直な文章が学生時代特有の青さと爽やかさを実感させる。

    描かれるのは華やかな高校時代ではない。だが、相応に悩みはあって、風にさざ波だつ湖のようには起伏がある。かれらのような月並みな高校生活を小説として成立させた、そこにこの小説のよさがあると思う。

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    2024年11月11日
  • 1R1分34秒(新潮文庫)

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    ウメキチに出会ってから加速的に面白くなった!
    主人公が自分自身、ボクシング、勝利に
    真正面から向き合っていく姿がかっこいい。
    中途半端じゃない真剣だからこその恐怖。

    ウメキチも、ガールフレンドも、友人も
    最高だったなぁー!
    河辺で友人の前でシャドウするシーンと
    対戦相手が決まってガールフレンドに恐怖を吐露して次の日、別れを告げるシーンが好き!

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    2024年10月05日
  • 生きる演技

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    文体、文量、リアルな重たさに圧倒。
    そりゃ生きていればどこかしらでみんな演技してるよね。

    友達といる時、家族といる時、多少なりとも違うでしょ
    ってことが物語を通してぶつけられている感じ。
    出てくるキャラクターの生い立ち、家族関係もなかなかだからより心にずっしりきてしまう。

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    2024年08月15日
  • 生きる演技

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    熱量を帯びた文体に圧倒される。
    私たちは演技なしには生きてさえいけない、みんなと同調することで生きることを正当化しているだけだと。ならば僕らはもはや幽霊なのでは?
    そういったことは考えたことがあるが、しかし暴力や攻撃性に繋がってしまうのか、と作者の他者性を実感するよりなかった。

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    2024年07月22日
  • 1R1分34秒(新潮文庫)

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    自分の心の葛藤を、下手に綺麗にせず葛藤のまま書かれた文が多く、印象に残った。
    爽やかなスポーツ小説といったものではないが、登場人物たち全員に対して、わかるよ、頑張ってくれ、報われてくれ、、と思わずにはいられなかった。

    170ページ程度だが、描かれている期間も1年程度(?)と短く、密度の濃い話だと感じた。

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    2024年03月12日
  • 恋の幽霊

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    作者の「文体」は好きです。
    内容は難しいし、これが恋なのか、そもそも恋が何なのか私にはわからないけど、読み始めから面白い、続きが気になって、なんか中毒性がある本。
    これが純文学?

    平易な漢字をひらがなで書かれているのは読みにくい…

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    2023年09月17日
  • 恋の幽霊

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    地元が舞台。なんて言ったら適切かよくわからない。悲しいとか切ないとかもよくわからない。でもなんだか、目頭がじんわり熱くなってしまうような終わり方だった。
    誰にでも傲慢で暴力的で全能感を持つエネルギーがあって、それが分かるのは振り返った時で、それが本当の記憶なのかは確証がない。感情と伝達に漠然とした不安があるわたしには、なんだかすごく分かる。
    誰かに許されたくて、でも自分をどうしようもない悪だとも嫌悪したい。いくつになってもこの感覚ってどこか捨てきれなくて苦しいよな。

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    2023年08月17日
  • 青が破れる

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    ネタバレ

    青が破れる
    とうこさんの言っていることがあまり理解できなかった
    というところにすごく共感した。
    この小説についてはっきりとしたことはわからないけど、人に関心があるようで、人に関心がないようで、距離の測り方の曖昧さとか、そんな空気感が気になる
    時間をおいて考えたい。好きな小説です。

    脱皮ボーイ
    やばい!全然違う!本当に同じ人が書いてんのか!

    読書
    こと恋愛における別離の感覚とか、夏の描写とか
    すごく自分にとって身近で読んでいてキュッとなったし、温かくもなった。この話が1番好きかもしれない。青が破れるは悲しい。

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    2023年05月08日
  • 1R1分34秒(新潮文庫)

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    本作はスポーツ小説ではなく、著者渾身の青春文学だ。
    解説を入れて182頁と短めの小説だが良い意味でスラスラと読ませてくれなかった。「発見」が沢山あった。今後の糧にしよう。ボクシング知識皆無の私だが、ボクサーの方々の見えない苦悩が少し垣間見えたように思う。

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    2023年01月12日
  • ぼくはきっとやさしい

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    半日ぐらいで一気に読んだ。
    理解は及んでないと思うし、感想らしい感想もないけど、いい感じの読書時間だったと思う。
    たぶん、3冊目の町屋さん

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    2022年11月03日
  • 青が破れる

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    ネタバレ

    “何かをかんじそうになったら、走るしかない”
    衝動、動機はいろいろあるけど誰しも頭の中がぐちゃぐちゃになって、それでも何かしないといけない。
    そんな瞬間があるなーということを読んでいて強く感じました。

    主人公にあたる秋吉は些細なことまで”思考”してしまう、いわゆる考えすぎてしまう節があって行動できない、そんな自分が嫌になる。程度は違うけど自分にもたまにそんなことがあるなーと感情移入してしまいました。

    対照ににするべきことを、するべきタイミングで行動に移せるハルオや梅生が秋吉と同じく羨ましい気持ちで眺めていたけど、小説のラストそんな2人にも抱えているものがあって、当たり前だけど誰しも大小の悩

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    2022年09月29日
  • ふたりでちょうど200%

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    読書開始日:2022年5月30日
    読書終了日:2022年6月2日
    所感
    自分ってどこにも無い、がテーマなのか。
    面白いけど難しい作品だった。
    度々仕事の話が出てきて、自分も身に覚えがある。
    仕事をしてる時の記憶が全く無い。
    かといって通勤前、通勤中、通勤後もあるかと言われれば、無い。
    1週間全てを思い返してみても、無い。
    無いというより、自分が過ごしたものとしての実感が無い。
    年を増すごとに、今しか、記憶が無い。
    今しか、記憶と自分が合わない。
    違和感。
    それを抱えながら過ごす。
    自律神経がズタズタになりながら進む。
    進んだ挙句が、菅。
    カメラを向けられる=役割を振られることで、逆に自然に振る

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    2022年06月05日
  • 1R1分34秒(新潮文庫)

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    強さとは優しさとは何か。オードリーの若林さんがボクサーをしたらこんな感じになるだろう。優しさと甘さに片足をツッコミ勝負に勝てない主人公。ウメキチとの出合いで変わっていく。

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    2022年02月23日
  • 青が破れる

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    読書開始日:2022年2月16日
    読書終了日:2022年2月18日
    所感
    【青が破れる】
    秋吉は、自分にしか矢印が向かない。自分が1番可愛いと思っている。
    だから夏澄のSOSも、ハルオの状況も、とう子の心理も分からない。そしてそのわからないという状況により茫洋する。浸る。
    そんな秋吉と関わろうとする人間は、恐らく自分に関心を向けられないことにどこか安らぎを覚えている。自らも無駄な関心を向けなくていいからだ。
    関心は嫌でも向いてしまう。とう子とハルオの関係がそうだ。とう子は確率で死ぬため他の関心ごとは捨てきれても、ハルオへの関心だけは捨て去らなかった。他を切り捨てただけに、その関心は強固になる。

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    2022年02月18日
  • 1R1分34秒(新潮文庫)

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    久々に、引き込まれる作品。一般人にとっては想像もできないボクサーの日常。その感情や、こだわりやこだわりのなさや、執着や無頓着やさまざまなものがリアリティを持って、生きている感じがしたんだと思う。文章もなんだかボクサーのダッキングを思わせる流れ方で、よかった。

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    2022年02月05日
  • 愛が嫌い

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    ネタバレ

    埼玉、少年期に過ごした昭和のマンション、元荒川、出版社勤務、男性、ゆううつ。
    条件を共有した三つの"かれ"は、もしかしたら同一人物でないのかもしれません。そのぐらい自己同一性を失ってしまったという暗喩なのかも。
    かれが語る言葉は、ぶつ切りになった時間の中を漂うように虚ろで幼く感じました。身体は新陳代謝されるのに、思考や感覚や記憶が代謝されないとは限らないよね?と問われた気がします。
    過去と現在と未来、昨日と今日と明日。
    実家と自宅と会社、家族と友人と恋人。
    ペルソナを使い分ける社会性のほうが、もしかすると不健全だなあと思います。記憶や関係性や、誰かに同化してしまえたら楽なのに・・・そんな自我の

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    2022年01月18日