町屋良平のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
読書開始日:2022年3月12日
読書終了日:2022年3月19日
所感
自分には合わなかった。
多分経験した人にしかわからない部分が多い。
自分はそういった人に寄り添えないのかと悲しい気持ちになった。
いつもの読書のような共感が本作からはどうしても得られなかった。読む速度がそれを物語る。
いざそういった人と対峙するとこんな感じなのだろうと思う。
ただ【生きるからだ】でも一文「人格より優先したいものが強くある」と言う部分はわかる気がする。ここ数ヶ月だ。自分も自己同一性をロストして、人格の不必要の可能性に気付いたのは。ただ上松程掘れてはいない。
書いているうちに共感がたくさん出てきた。以前の自分 -
Posted by ブクログ
大人向けの青春小説を読んでいるかのような独特な世界観・独特な文章でした。
1年間にわたる高校生たちの友情や恋愛模様が描かれています。大きな盛り上がりというものはありませんが、話がディープな部分もあり、それに翻弄される高校生の心理描写を垣間見れます。爽やかな風が流れるというよりは、どこか無機質でドライな風が流れているような雰囲気でした。ダイレクトに描いているというよりは、間接的のようなどこか突っ伏した感じで遠くから高校生を描いていて、独特な青春小説でした。
特に特徴的なのは、文章でした。あえて一部を漢字から平仮名にする事で、堅苦しい文章から柔らかみのある雰囲気をさせてくれる印象がありました。 -
Posted by ブクログ
初出 2019年「新潮」4月号
芥川賞とったら文芸誌1回掲載で単行本になるのね。
タイトルの「コンテスタント」はコンクールに挑戦する人という意味らしい。これを知らない人は読んでも面白さが十分わからない。
クライマックスでショパンのコンチェルトop.11といわれてもピンとこないので、読み終わってからYouTubeで聴いて「ああこれね、ピアノは4分待つんだね」と思うような人間には理解が浅くなるのだろう。
主人公が書く小説の出だしがたくさん登場し、現実と入り混じって進行するのは面白い。というか、小説に書いた事を面白がって実行もする。
「 」に入れられたセリフと、入れられてないセリフが交互に置か