ダイアナ・ウィン・ジョーンズのレビュー一覧

  • ダークホルムの闇の君

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    作者の代表作の一つと言えるでしょう。
    ダークホルムは魔法使いの住む世界。
    ここ40年もの間、人間界のチェズニー氏との契約に縛られ、半ば乗っ取られたような状態となっています。
    チェズニー氏の主催する観光旅行のために、魔法のアミューズメントパークとして、人間の目の前でRPGのような色々な危機を演じて楽しませなければならないのです。
    闇の君とは、その旅行のために毎年選ばれる目玉(ボスキャラ)のような存在。
    魔法大学の総長ケリーダは、魔術師ダークに白羽の矢を立てます。
    新種の生き物を作ることにかけては天才だが、ミスも多く、田舎暮らしが性に合っているダークは大困惑。
    ダークの妻は美人で有能ですが仕事で出張しがち、息子のブレイド少年は観光客の添乗員を任され、大奮闘します。
    ダーク一家のグリフィン5匹もそれぞれの個性を生かして楽しく活躍します。
    じつはチェズニー氏との契約にはある秘密が…

    ハリー・ポッターを読み終わってしまった10代の人や、ハリー・ポッターにはすぐ入れないと感じている大人の人にもオススメ。
    大勢の登場人物が終盤一気に大団円へと向かう力業。
    あまりにもモチーフが多すぎて、一つ一つについてはゆっくり描写している暇がない、という所はありますが。
    風刺の効いた設定と元気が出るような大人っぽさは、ダイアナ・ウィン・ジョーンズならではです。

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    2009年10月07日
  • ダークホルムの闇の君

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    ファンタジーのが好きで、かつゲームが好きな人にはかなりお勧め。魔法の世界に旅行が出来たら・・・。魔法世界側のお話。

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    2009年10月04日
  • 大魔法使いクレストマンシー 魔女と暮らせば

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    何度読んでも楽しめる作品です。
    ダイアナさんの作品のクレストマンシーシリーズの中では一番好きです。
    毒性の強い話ですが、読めば読むほど楽しくなってきます。

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    2009年10月07日
  • ダークホルムの闇の君

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    『ハウル』の原作を書いたダイアナ・ウィン・ジョーンズさんの作品。RPGの舞台裏を見ている様で面白いです。

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    2009年10月04日
  • ダークホルムの闇の君

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    何がおきているかずーーーっとわからなかった!ジョーンズらしい超重層性。
    ディズニーランドへの皮肉がこもってる気が・・・(笑)

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    2009年10月04日
  • ダークホルムの闇の君

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    DWJの中で一番好きなシリーズです。これと、クレストマンシーが好き。
    もう、最初世界観に馴染むまでは少し辛いですが、馴染んだら一気に引き込まれて読み通してしまいます。キットとブレイドのコンビが大好き!家族の絆が目に見えるのもなんとも言えないです。

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    2009年10月04日
  • 大魔法使いクレストマンシー クリストファーの魔法の旅

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    クリストファーは幼いころから不思議な夢を見ていた。岩場を抜けてさまざまな谷におりていくと、谷ごとにちがう世界がある、という夢。クリストファーが別世界へ旅することのできる強い魔力を持っている、と気づいた伯父の魔術師ラルフは、クリストファーをだまして、利用しはじめる。でも、目覚めているときのクリストファーは、いっこうに魔法が使えなかった。心配したお父さんに、探知能力者ポーソン博士のところへつれていかれたクリストファーは、意外なことを聞かされる。おまえは命が九つある特別な大魔法使いで、次代のクレストマンシーになる身なのだ、と…。だが、老クレストマンシー・ゲイブリエルの城に引き取られたクリストファーは、孤独だった。唯一心を許せるのは、別世界で出会った、やはり強い魔力を持つ少女「女神」と、ラルフ伯父の使いだという謎の青年タクロイだけ。やがてラルフの悪事が露見し、城は悪の軍勢の攻撃を受けることに…?「魔法のファンタジーを描かせたら第一人者」「ファンタジーの女王」と評価の高い、ダイアナ・ウィン・ジョーンズの代表連作「大魔法使いクレストマンシー」の一作。クレストマンシーの少年時代を、生き生きと描く。
    ※ 米が今まで読んだ本の中で1番面白いと思った本です!

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    2009年10月04日
  • 大魔法使いクレストマンシー 外伝 魔法がいっぱい

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    キャット!?キャットが出てるの!?と、最近キャットがこの本に出ていることを知って興奮しました。これは借りたり古本を買ったりするのではなく、きちんと買いたい。

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    2009年10月04日
  • ダークホルムの闇の君

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    ひたすらおもしろかった!
    D.W.Jらしい、最後にばたばたっと詰め込まれているパターンで、その勢いがまた良し。

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    2009年10月04日
  • ダークホルムの闇の君

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    毎年、魔法世界ダークホルムには、「闇の主」を倒すツアーに参加する観光客が大量に押しかけてくる。そのための多大な負担にダークホルムの人々は耐えかねていた…。

    という、奇想天外な設定。お話がうまい!!

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    2009年10月04日
  • ハウルの動く城 2 アブダラと空飛ぶ絨毯(じゅうたん)

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    ダイアナ・ウィン・ジョーンズ作『ハウルの動く城2 アブダラと空飛ぶ絨毯』を読みました。前作『ハウルの動く城』の続編ですが、物語は一転して、アラビアンナイトを思わせる異国情緒豊かな世界から始まります。

    舞台はインガリーからはるか南、スルタンが治めるラシュプート国のザンジブ市です。主人公のアブダラは、バザールの片隅で小さな絨毯店を営む若い商人でした。裕福な絨毯商人の次男として生まれながら、出生時の占い師の予言によって父親から疎まれ、立派な店は第一夫人の一族に譲られ、彼には小さな店しか残されませんでした。

    しかしアブダラはそんな境遇を嘆くこともなく、巧みな商売で少しずつ財産を蓄えながら、暇さえあれば空想に耽っていました。実は自分は盗賊にさらわれた高貴な王子で、いつの日か本当の父親である君主が迎えに来てくれるという、何とも都合のよい夢です。

    争い事を嫌い、口先だけは達者な彼は、月に一度やって来ては説教を垂れ、親戚の娘2人との結婚を押しつけようとする父親の第一夫人の一族を、ひたすら美辞麗句でかわしていました。

    そんなアブダラの人生が一変したのは、ある日、薄汚い商人から空飛ぶ絨毯を買い取ったことでした。絨毯を敷いて眠った翌朝、彼が目を覚ますと、そこは夢にまで見た美しい王宮の庭園でした。そして目の前に現れたのは、夜咲花という名の、それは美しい王女だったのです。

    父親であるスルタンによって世間から隔離され、父親以外の男性を見たこともない夜咲花は、アブダラを男とは認めず、男とは獣のようなものだと思い込んでいました。アブダラは自分を遠国の王子だと偽りながら、彼女に世の中の男性を知ってもらおうと、189枚もの男の肖像画を買い集めて届けます。

    ところが夜咲花は、それらの男たちを見比べた挙句、アブダラが一番好ましいと言い出しました。こうして2人はたちまち恋に落ち、駆け落ちを決意します。しかし、絨毯の操縦方法を知ったアブダラがうっかり自分の店に戻れと命令してしまい、夜咲花を庭園に置き去りにしてしまいました。

    さらに翌晩、ようやく王宮へ戻って姫を連れ出そうとした瞬間、巨大な魔神が空から現れ、夜咲花をさらってしまったのです。アブダラは必死に追いかけようとしますが、絨毯は言うことを聞きません。そこへスルタンの兵士たちが現れ、アブダラは王女誘拐の犯人として捕らえられてしまいます。

    スルタンは、夜咲花が最初に出会った男と結婚するという予言を信じており、王女を取り戻した暁にはアブダラと結婚させ、その後40フィートの杭に串刺しにして処刑すると宣言しました。実はアブダラにも、父親の死後2年で国中の最も高い位置に登るという予言が残されていました。これを聞いたアブダラは、まさか自分の運命とは串刺しの杭の上に登ることだったのかと震え上がります。

    ところが牢獄に突然空飛ぶ絨毯が現れ、隣の揚げ物屋ジャマールの犬を乗せてやって来ました。アブダラは絨毯に乗って脱獄し、夜咲花を探す旅に出ます。しかし砂漠のオアシスで絨毯は力尽き、そこにいたのは、かつてアブダラが自分の空想に登場させていた大盗賊カブール・アクバでした。

    盗賊が持っていた不思議な瓶を見たアブダラは、咄嗟に精霊が封じられているのだと出まかせを言いますが、驚いたことに本当に瓶から精霊ジンニーが現れました。このジンニーは瓶の持ち主の願いを1日1つだけ叶える代わりに、できる限り持ち主を不幸にしようとする、実にひねくれた精霊でした。

    やがてアブダラは絨毯を失う代わりに瓶を手に入れ、ジンニーに願いを叶えさせながら旅を続けます。夜咲花のもとへ連れて行けという願いは拒絶されましたが、彼女を探す手助けのできる人物のところへ送ってもらうことには成功しました。

    こうしてアブダラが送り込まれたのは、北国の赤獅子亭という宿屋でした。そこで出会ったのは、長髪で髭のない、いかにも胡散臭い元兵士でした。男はインガリーとの戦争に敗れたストランジアの出身で、戦争の思い出話をしながら宿の客たちに気前よく金貨を見せびらかします。

    案の定、客たちは男を襲って金を奪おうとしますが、兵士は恐ろしく腕が立ち、逆に彼らを叩きのめしてしまいました。アブダラも危ういところで兵士を助け、2人は旅の道連れとなります。兵士もまた王女と結婚する夢を持っており、互いの願いを叶えるために協力することになりました。

    ところが旅の途中で兵士が拾った猫の親子が、どうも普通の猫ではありません。親猫は時として巨大な魔獣に姿を変え、追っ手の警官たちを撃退するほどの力を持っていました。兵士は猫たちを見捨てようとせず、アブダラは自分の恋人探しが一向に進まないことに苛立ちます。

    さらにジンニーは願いを叶えるたびに嫌味を言い、時には一行をヒキガエルに変えてしまいます。アブダラは、この精霊の悪意を逆手に取ろうと、知恵を絞って願い事を選びます。隣人ジャマールと犬を安全な宮殿の料理人と番犬にしてやったり、精霊にヒキガエルにされた人々を元に戻したりと、次第に自分のためだけではない願いを口にするようになるのでした。

    やがて兵士の助言によって、アブダラは空飛ぶ絨毯を取り戻すことを決意します。すると絨毯は、何とあの盗賊カブール・アクバを乗せて現れました。兵士が盗賊を捕まえようとすると、男の体はみるみる巨大化し、恐ろしい魔神の姿へと変わりました。実はカブール・アクバの正体こそ、夜咲花をさらった魔神ハスラエルだったのです。

    しかし彼は自分の意思で悪事を働いていたわけではありませんでした。邪悪な弟ダルゼルに命を盗まれ、それを人質に取られていたため、世界中の王女たちを誘拐するよう命じられていたのでした。ダルゼルはさらった王女たちを妻にするつもりで、ハスラエルに盗ませたハウルの動く城を空中に浮かべ、その中に閉じ込めていました。

    ハスラエルはせめてもの抵抗として、必ず王女を助けに来る男がいる場合に限って誘拐を実行していましたが、実際に恋人を探しに来たのはアブダラだけだったというのです。そしてアブダラが夕暮れの空に何度も見かけていた、城のような形の雲こそが、夜咲花たちの囚われている空飛ぶ城だったのでした。

    さらにダルゼルは、今度はインガリー国のわずか4歳のヴァレリア王女を誘拐しようと企んでいました。これを聞いた兵士は激昂し、アブダラたちは王女誘拐を阻止するため、絨毯に乗ってインガリーの首都キングズベリーへ向かいます。そこでアブダラは、王室付きの高名な魔法使いサリマンに助けを求めようと考えました。

    ところがサリマンの屋敷を訪れた際、こっそり後をつけて来た親猫がアブダラの背中に飛びつき、それを見たサリマンの妻レティーが、思わず「姉さん!」と叫んだのでした。

    ここに至って、物語はそれまでのアラビアンナイト風の冒険譚から、前作『ハウルの動く城』の世界へと一気につながっていきます。何とも巧妙な仕掛けです。そもそもこの作品は、アラジンの魔法のランプや空飛ぶ絨毯、願いを叶える精霊、王女をさらう魔神といった、千夜一夜物語の道具立てをふんだんに用いた作品です。

    しかし単なるアラビアンナイトの焼き直しではありません。主人公のアブダラは、勇猛果敢な英雄でもなければ、優れた魔法使いでもありません。争いを嫌い、空想に耽り、口先の美辞麗句で危機を切り抜けようとする、ごく平凡な若者です。

    それでいて商人らしい計算高さと機転を備え、いざとなれば自分の危険を顧みずに他人を助ける勇気も持っています。初めは王子になるという夢ばかり見ていた青年が、夜咲花を愛したことで、現実の世界に飛び出し、他人の運命まで背負って行動するようになるのです。

    また本作の面白さは、登場人物の誰もが一筋縄ではいかないところにもあります。願いを叶えるはずのジンニーはひねくれ者で、勇敢な兵士はどこか怪しく、恐ろしい魔神にも哀れな事情があり、単なる猫だと思っていた動物にさえ重大な秘密が隠されています。

    そして何気なく語られた予言や空想、奇妙な偶然が、物語の進行につれて次々と意味を持ち始めます。特に前作の登場人物たちが思いもよらない姿で物語に入り込み、やがてその正体が明らかになっていく構成は実に見事です。読み進めるうちに、最初は無関係に見えた数々の出来事が一つの大きな仕掛けの中に収まっていたことに気づかされます。

    前作を知る読者にとっては、懐かしい人物たちとの再会も大きな楽しみとなります。アラビアンナイトのような異国の恋物語として始まり、魔法と冒険に満ちた珍道中を経て、最後には『ハウルの動く城』の世界を巻き込む華やかな大団円へと向かう、実に愉快な物語でした。

    児童文学という枠に収めてしまうには惜しいほど、構成が緻密で、ユーモアに富み、想像力に満ちています。前作とはまるで違う趣向を凝らしながら、最後には見事に同じ世界へ帰ってくるところに、ダイアナ・ウィン・ジョーンズという作家の並外れた力量を感じました。さて、次はいよいよシリーズ第3作です。今度はどのような魔法と奇想天外な冒険が待ち受けているのでしょうか。読むのが待ち遠しくなる、実に楽しい児童文学の傑作であったと思いました。

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    2026年10月26日
  • 大魔法使いクレストマンシー外伝 魔法がいっぱい

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    ・私はダイアナ・ウイン・ ジョーンズ(以下DWJ)を創元推理文庫で知つてゐた。これ以外に翻訳は出てゐないと思つてゐた。その後、例の「ハウルの動く城」も彼女の作品であり翻訳もあると知つたが、それ以外のいくつかの作品も訳されてゐると知つた。それが徳間文庫であつた。しかもかなり以前から出てゐたらしい。私はそれを知らなかつた。何と迂闊なことか。クレストマンシーのシリーズも出てをり、私はこれをほぼ文庫で出た順に読んだ。このDWJ「大魔法使いクレストマンシー外伝 魔法がいっぱい」(徳間文庫)はその最後に出た短編集である。4作を収め、長くても100頁、短いのは40頁ない。もちろんおもしろい。登場人物はクレストマンシーを中心に、他の作品と重なる人物もゐる。ただし、クレストマンシーは人名ではない。従つて一人ではない。物語によつて変はる、といふよりもこれを襲名してゐると言ふべきかもしれない。クレストマンシーの「世界の政府が、いちばん魔力の強い、九つもの命を持つ大魔法使いに、魔法が悪用されないように監督させています。この大魔法使いの称号が『クレストマンシー』なのです。」(5〜6頁)これが最もよく分かるのが 「キャットとトニーノと魂泥棒」である。前、現、そして次のクレストマンシーが出てくるのみならず、かつてのクレストマンシーも、魂だけとはいへ出てくる。しかもその魂は、物語ラストにゐた何人かの新生児に入つてしまふのである。これは将来的にはその子が大魔法使ひになる可能性を示してゐるのであらうから、物語には次の次のクレストマンシーも出てゐると言へるのかもしれない。
    ・ここでふと考へる。これはDWJが続篇を企ててゐたのではないか、この子供たち、あるいはその大人になつた人物が主人公となるべき物語の構想があるのではないか。これだけ楽しくもまたおもしろい物語を作り続けてきた人である。そんな続篇があつたらさぞおもしろい物語になるだらうと思ふ。もちろんキャットの物語がそれ以前にあるはずである。キャットは「魔女と暮らせば」の問題女児の弟である。魔法の才がないと思つてゐたのに、実は誰よりも優れた才を持つてをり、しかも九つの命を持ってゐたといふ子供である。現在はクレストマンシーに庇護されつつ教育を受けてゐる。こんなキャットの次の物語が「キャットと魔法の卵」なのだが、この更なる続きもあつてしかるべきであつた。ところがDWJは2011年に死去してしまつた。キャットの新しい物語はもう読めないのである。もちろん、「魂泥棒」の最後のシーンからの続篇もなくなつてしまつた。実に残念なことであ る。最後に解説を兼ねた座談会がある。ここで本書の訳者の一人、田中薫子がDWJの作風を「緻密にプロットを練ってつくりあげるというよりも、物語が降りてくる。ふっと浮かんだら、わーっと書いてしまうというタイプの方ではないか」(271頁)と 言つてゐる。これは確かにさうだらう。「魂泥棒」はそんな物語で、書いてゐるうちに筆が勝手に動いていつたのではないか。 DWJはトールキンの文章を、「あの人の文章はつまんないのよね」と言つた(265頁、上村令発言)とか。中身が違へば文体も変はる。常識的に考へれば、DWJとトールキンのファンタジーを同じ文体にはできないのだが、二人の人間性の違ひもそこに出てゐるのであらう。さうであればこそ新しい作品を読みたいと思ふ。DWJが「指輪」風ヒロイックファンタジーを書くとどうなるか、などといふのはもはや無理、これを機に創元推理文庫を読み直してみよう、つまらないと思つた作品が実はさうではないと分かるかもしれないのだ。

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    2026年10月02日
  • 大魔法使いクレストマンシー 外伝 魔法がいっぱい

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    短編集だけど、充実している。

    懐かしい人たちが出てきてニヤリとする。
    物語が全然すましてなくて、
    何度もクスリと笑わされる。

    それにしても、
    短編で、
    毎回主人公が変わり
    それほど特別な展開があるわけでもないのに、
    飽きさせず楽しませるすごさ。
    魅力のひとつは、
    ウソがない人物の描き方なんだと思う。
    どの人物の心情もリアルで、
    たとえ主人公であろうと、
    カッコ悪い情けないイヤなところまで
    ちゃんと描いているから楽しい。

    個人的にはキャロルの話が
    いちばん好き。
    特にラスト。
    それまでクレストマンシーにすら
    大人ぶって面と向かっていた彼女が
    一気に子供に戻った描写は、
    とっても心が動かされてジーンときた。

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    2026年08月22日
  • ハウルの動く城 1 魔法使いハウルと火の悪魔

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    ハウルの原作はずっと読みたいと思っていたが、Twitterで二次創作の絵が流れてきて(ハウルとソフィーの息子が過去にやってきてソフィーにときめいてしまうやつ)、よし読もう!となったのに、息子はエキスほども出てこなかった。

    しかし、映画では書かれなかった妹2人の同行も読めて良かった。甘さ成分は映画の方が盛り盛りかな。

    もしや幻覚…と思ったが、2作目か3作目に出てくるのかもしれない…いや、でも以降は全然別の人が主人公と聞いたが…と迷っているが、いつか必ず読む!

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    2026年08月11日
  • 大魔法使いクレストマンシー 魔法の館にやとわれて

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    『クリストファーと魔法の旅』から続く、クレストマンシーシリーズ。並行世界の冒険なので、割とどこから読んでも大丈夫。
    コンラッドもクリストファーもいい子なので、基本的には読みづらいと感じることは少なかった。コンラッドがおとなしい語り部だから、クリストファーが積極的でよかった。序盤の、ダイアナ・ウィン・ジョーンズ作品によく出てくる、嫌な大人、息苦しい家庭からコンラッドが離れていくまでが一番長く感じたかも。そこから離れて、自分の目で世界を見るようになってからが本番。ファンタジーではあるが、ゆめかわファンタジーではなく、ちょい現実寄り。
    うーん、途中までわちゃわちゃしていて、設定も人も魔法もどんどん増えて、「これ全部畳めるの?」「あとこれしかページが残ってないけど、本当にちゃんと終わる?」といつも不思議に思うんだけど、ちゃんと綺麗に終わるんだよね……。まあ若干力技っぽいけど……、それでも凄いなあ。

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    2026年07月24日
  • ハウルの動く城 1 魔法使いハウルと火の悪魔

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    ボリュームを忘れる読みやすさ。長女だからが呪いになってしまうのはどこの国も同じなのかもしれない。とはいえ妹たちはとても可愛くていい子。
    宮崎駿は二次創作が上手い人なんだなと思った。

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    2026年06月24日
  • ハウルの動く城 1 魔法使いハウルと火の悪魔

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    和訳だから「おん( ᐙ )?」となる部分もあったけど「これが映画の部分かー!」とかワクワクできるところいっぱい!

    映画の王子様ハウルとは違ったけどソフィの危機に髭面で駆けつけたところに男らしさを感じてキュンでした(風呂場に2時間こもる人が!!)

    ちと難しい恋心もありましたが、最終的にははぴはぴなのでよき(♡´▽`♡)

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    2026年06月18日
  • 大魔法使いクレストマンシー 魔女と暮らせば

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    なんでジブリはこれを映画化しなかったんだろう、
    と思わされる傑作。
    読んでいて脳内で次々にアニメになって
    シーンが流れ出すほどおもしろい。

    次々に起きたり起こしたりする騒動が、
    とにかく楽しくて、ワクワクしながら読み進められる。
    そして考えつかない展開になっていくから、
    子どものように夢中になって読んでいける。

    そして極めつけが、
    悪が徹底的に悪であること。
    この容赦のなさが、
    ファンタジーという一見甘そうな物語を、
    ピリッと引き締めて大人の味にしている。
    かつて心理学者の河合隼雄氏が、
    児童文学とは子どもの本ではなく、
    子どもの目を通して描かれた文学だと
    おっしゃっていたとおりの本だと思う。

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    2026年06月17日
  • 大魔法使いクレストマンシー 魔法の館にやとわれて

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    ネタバレ

    私の頭の中で、
    ジブリの映像が映し出されるほど、
    わくわくがあふれている作品。

    どうしても館が舞台のため、
    展開が限定された話になるのだけれど、
    途中で意外な世界の広がりを見せるし、
    ラストで館から飛び出すことで、
    それまでちょっと停滞していたお話が
    一気に動き出して心が動かされる結末へと
    むかっていくところが好き。

    子どもが自立していく姿を
    見事に描いているなと思う。

    自立していくためには、
    家族から離れ、別の場所で
    試練を乗り越えていかなければならない。
    もう一つ大事なことは、
    象徴的に親殺しをしなければならない。
    なぜならば、
    子どもはそれまで親の定めた運命に
    乗っかって生きてきたから。
    自分の人生を生きるためには、
    それらを壊さなければならない。

    そんなことをちゃんと描いている。

    ところで特に心に残ったのはラストの
    母親とゲイブリエルの会話。
    「私のもとに誰もいなくなってしまう」
    「人のことをかまわない人間は
     おうおうにしてそうなるものです」

    まさにその通り。

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    2026年06月06日
  • 大魔法使いクレストマンシー 魔法使いはだれだ

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    主人公はだれだ?
    というくらい、
    次々にメインの登場人物が移っていく。
    そして
    共感できるところはたくさんあるのに、
    見事なまでに全員にちょっと腹が立つ笑)

    このタイプの物語は初めて。
    どんどん風呂敷が広げられて行って、
    読む者を飽きさせない。
    結末どうこう言うよりも、
    物語のプロセス全体が
    結末のような味わいのある作品。

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    2026年05月22日